半期報告書-第19期(2026/01/01-2026/12/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移するなど、緩やかな回復基調が維持された一方で、中東情勢を背景としたエネルギー価格の上昇や、それに伴う物価上昇圧力の影響に加え、米国をはじめとする通商政策の先行き不透明感や為替動向等を背景に、景気の先行きについては慎重な見方もみられるなど、不確実性の高い状況が続いております。
医薬品業界につきましては、薬価制度を中心とした薬剤費抑制の議論が継続する一方で、ドラッグ・ロスの解消や医薬品の安定供給の確保、創薬力の強化が重要課題として位置付けられております。2026年6月には、「戦略17分野における官民投資ロードマップ案」が公表され、創薬・先端医療分野に対する約64兆円規模の投資が盛り込まれ、重点的な資源配分の方向性が示されました。こうした政策動向の下、創薬スタートアップの育成や産学官連携の推進、臨床開発環境の高度化等に関する施策が進められており、当社グループのような創薬ベンチャーが果たすべき役割はますます大きくなっております。
このような環境下において、当中間連結会計期間における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
上市済みのヒト用医薬品につきましては、HK inno.N Corporation(本社:韓国・オソン、以下「HKイノエン社」)が韓国で販売中の胃酸分泌抑制剤K-CAB®(一般名:tegoprazan、以下「tegoprazan」)の売上が引き続き好調に推移しております。当中間連結会計期間の売上は、処方データで1,200億ウォン(前年同期比15.4%増、約132億円/1韓国ウォン=0.11円)となりました。韓国の消化性潰瘍治療薬市場でのシェアは15%であり、引き続きシェア第1位を維持しております。また、tegoprazanは、韓国において、発売以来初めて月間外来処方売上で第1位を獲得いたしました。医薬品市場調査会社のデータによれば、tegoprazanは2026年4月の外来処方売上が208億ウォン(約22.9億円/1韓国ウォン=0.11円)に達し、調査対象となる10,476品目の医薬品の中でグローバル医薬品を上回り首位となったとされております。また、外来処方売上の上位10品目の中で、韓国企業の製品として唯一ランクインしたものであると発表されております。
Tegoprazanのグローバル展開も着実に進展しております。当社は、HKイノエン社との間で、tegoprazanの開発・製造及び販売の再実施許諾権(サブライセンス権)付き独占的ライセンス契約を締結しており、HKイノエン社及び同社からライセンスまたは製品輸出を受けた世界各国の提携先企業によってtegoprazanに関する事業活動が進められております。当中間連結会計期間末の時点で、tegoprazanは日本を含む世界57カ国で開発・製造・販売等の事業活動が行われております。また、HKイノエン社は、K-CAB®をはじめとするtegoprazan製品について、2030年の全世界における年間売上高3兆ウォンの達成を目指しています。
当中間連結会計期間末の時点でtegoprazan製品が販売されている国は、韓国、中国、モンゴル、フィリピン、インドネシア、シンガポール、メキシコ、ペルー、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国、ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル、パナマ、マレーシア、インド、タイ及びロシアの20カ国であり、当社はHKイノエン社を通じて、製品の売上高等に応じたロイヤルティを受領しております。東南アジアや中南米のその他の国々でも承認審査が進行中であるほか、ブラジル、中東地域等の国々で承認申請の準備が進められております。
当中間連結会計期間においては、HKイノエン社およびサブライセンス先のSebela Pharmaceuticals Inc.(本社:米国・ジョージア州)は、2026年5月2日から5日に米国で開催された国際学会「Digestive Disease Week® 2026(DDW 2026)」において、びらん性胃食道逆流症(以下「EE」)を対象とした第Ⅲ相臨床試験(TRIUMpH-EE試験)の結果が口頭発表されたことを発表しました。本発表では、tegoprazanが、比較対照薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)lansoprazoleに対し、EEの治癒(2週および8週)ならびに24週間の治癒維持において、全ての重症度(LAグレードA~D)で統計学的な優越性を示したことが報告されました。特に、最重症であるLAグレードC/Dの患者において、比較対照薬に対する優越性がより顕著に示されました。また、本試験において、tegoprazanは良好な安全性プロファイルを示し、治療下で発現した有害事象の発現率は比較薬と同程度であり、血清ガストリン値も試験期間を通じて正常範囲内に維持されたことが報告されています。
また、当中間連結会計期間において、HKイノエン社のサブライセンス先であるDr. Reddy’s Laboratories(本社:インド・ハイデラバード)が、ベラルーシ共和国保健省(Ministry of Health of the Republic of Belarus)においてtegoprazanの販売承認を取得いたしました。さらに、HKイノエン社のサブライセンス先であるSouthern XP IP Pty Ltd(本社:オーストラリア・ビクトリア州)が、びらん性胃食道逆流症および非びらん性胃食道逆流症の治療等を対象としてオーストラリア薬品・医薬品行政局(Therapeutic Goods Administration(TGA))に提出したtegoprazanの販売承認申請が審査中となっております。
ペット用医薬品につきましては、Elanco Animal Health Inc.(本社:米国・インディアナ州)に導出した犬の骨関節炎治療薬GALLIPRANT®(一般名:grapiprant)、犬の食欲不振症の適応を持つENTYCE™(一般名:capromorelin)、及び猫の体重減少管理の適応を持つELURA™(一般名:capromorelin)の売上が順調に推移しております。
また、当中間連結会計期間において、当社の導出先であるVelovia Pharma, LLC(本社:米国・テネシー州、以下「Velovia Pharma社」)が、当社がVelovia Pharma社に導出した4つの開発化合物のうち、1つの開発化合物につきまして、動物用医薬品を開発するためのライセンスに係るオプション権を行使し、これに伴い、当社は、Velovia Pharma社からオプション行使料として一時金を受領いたしました。
その他の導出済みプログラムにつきましても、導出先及びサブライセンス先の企業において前臨床開発段階以降の取り組みが進められております。
導出準備プログラムにつきましては、当中間連結会計期間において、米国の医薬品開発企業であるLazarus Pharmaceuticals, LLC(本社所在地:米国・ペンシルベニア州)傘下のポートフォリオ企業であるGiathera Pharmaceuticals, Inc.およびGiovel Pharmaceuticals, Inc.との間で、それぞれ5-HT₄作動薬(化合物コード:RQ-00000010)に関する契約およびモチリン受容体作動薬(化合物コード:RQ-00201894)に関する契約を締結いたしました。いずれの案件においても、当社はヒト用医薬品分野における独占的ライセンスを付与し、当該企業が開発および商業化を主導します。当社は、開発および販売の進展に応じたマイルストン収入ならびにロイヤルティ収入を受領する権利を有しております。本件は、当社の創薬技術を外部に展開し、外部主体による事業推進を通じて価値創出を図る新たな事業開発スキームの具体化として位置付けられるものです。また、本件は一部に株式対価を含む設計であり、ライセンス収益(マイルストンおよびロイヤルティ)に加え、株式対価を通じたエクイティリターンを組み合わせた収益機会の多層化を図るものです。
また、自社で開発を進めているグレリン受容体作動薬につきましては、提携先獲得を目指した事業開発活動を実施しております。その他の導出準備プログラムにつきましても、対面での面談とオンライン会議を機動的に組み合わせて提携先獲得を目指した事業開発活動を実施しております。
探索研究段階におきましても、引き続き、中長期的な企業価値向上を支えるパイプラインの拡充に向け、新たな開発候補化合物の創出および技術基盤の強化を進めております。当社グループは、既存技術と新技術の融合によって創薬バリューチェーンを強化し、従来の技術では対処が困難とされてきた未開拓の創薬標的(遺伝子・タンパク質等)に対する医薬品を生み出すことを重要な成長戦略と位置付けております。この方針の下、「モダリティ」、「創薬標的」、「疾患領域」及び「基盤技術」の4つの切り口で、研究開発活動に取り組んでおります。
当中間連結会計期間においては、連結子会社のファイメクス株式会社(本社:神奈川県藤沢市、以下「ファイメクス」)を中核として創薬の新たなモダリティである標的タンパク質分解誘導剤の研究開発を進めております。ファイメクスは、アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区)とともに、ファイメクスが保有する、標的タンパク質分解誘導剤に特化した独自のプラットフォーム技術であるRaPPIDS™(Rapid Protein Proteolysis Inducer Discovery System)を用いて、がんを標的疾患として複数の標的を対象とした標的タンパク質分解誘導剤の探索に取り組んでおります。
また、当中間連結会計期間において、当社は、国立研究開発法人理化学研究所(所在地:埼玉県和光市、以下「理化学研究所」)と、計算化学と実測データを融合した創薬支援技術の開発を目的とする共同研究契約を締結いたしました。本共同研究では、理化学研究所と当社がそれぞれ有する知見および技術を活用し、創薬研究の効率化と高度化に資する新たな創薬支援技術の確立を目指します。具体的には、バーチャルスクリーニング、結合自由エネルギー評価に基づく合理的な化合物設計指針の確立、ならびに構造生成AIを活用した化合物デザイン手法の高度化などに取り組みます。
以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、事業収益1,455百万円(前年同期比5.2%減)、営業損失338百万円(前年同期は、営業損失190百万円)、経常損失326百万円(前年同期は、経常損失291百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失466百万円(前年同期は、親会社株主に帰属する中間純損失354百万円)となりました。
なお、事業費用の総額は、1,794百万円(前年同期比3.9%増)となり、その主な内訳は事業原価339百万円(前年同期比12.7%減)、研究開発費861百万円(前年同期比10.1%増)及びその他の販売費及び一般管理費592百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資 産)
当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ492百万円増加(4.7%増)し、11,006百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,334百万円、売掛金及び契約資産の減少1,075百万円、有価証券の増加117百万円、前払費用の増加179百万円及びのれんの減少139百万円によるものであります。
(負 債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ442百万円減少(12.2%減)し、3,175百万円となりました。これは主に、未払金の減少89百万円、契約負債の減少53百万円及び長期借入金の減少256百万円によるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ934百万円増加(13.6%増)し、7,830百万円となりました。これは主に、第三者割当増資等に伴う資本金及び資本剰余金の増加1,423百万円、親会社株主に帰属する中間純損失466百万円の計上によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は70.6%(前連結会計年度末比5.5ポイント増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末に比べ1,452百万円増加(44.8%増)し、4,696百万円(前年同期は、3,422百万円)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、613百万円(前年同期は、資金の使用242百万円)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失326百万円、減価償却費86百万円及びのれん償却額139百万円を計上したことのほか、売上債権の減少1,075百万円による資金の獲得、前払費用の増加178百万円及び法人税等の支払額168百万円による資金の使用によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、292百万円(前年同期比457.2%増)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出246百万円、投資有価証券の償還による収入100百万円、子会社株式の条件付取得対価の支払額120百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、1,099百万円(前年同期比63.5%増)となりました。これは主に、株式発行による収入1,399百万円、長期借入金の返済による支出256百万円及びリース債務の返済による支出42百万円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、861百万円であります。また、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動のための適切な流動性の確保及び株主価値向上のための資金調達戦略の実行を基本方針としております。
資本の財源につきましては、医薬品の上市品目が増えたことにより、長期的かつ安定的なロイヤルティ収入が主要な財源となっております。一定規模以上の臨床開発を除き、ロイヤルティ収入を財源として医薬品の研究開発を進めてまいります。また、今後の臨床開発等の資金需要に対して、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するため、金融機関とコミットメントライン契約を締結しているほか、ファイナンス・リースや銀行借入等のチャネルの活用により財務基盤の強化を図っております。
資金の流動性につきましては、当中間連結会計期間末における流動比率は577.6%となっており、十分な流動性を確保できているものと認識しております。
当中間連結会計期間の中間連結キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移するなど、緩やかな回復基調が維持された一方で、中東情勢を背景としたエネルギー価格の上昇や、それに伴う物価上昇圧力の影響に加え、米国をはじめとする通商政策の先行き不透明感や為替動向等を背景に、景気の先行きについては慎重な見方もみられるなど、不確実性の高い状況が続いております。
医薬品業界につきましては、薬価制度を中心とした薬剤費抑制の議論が継続する一方で、ドラッグ・ロスの解消や医薬品の安定供給の確保、創薬力の強化が重要課題として位置付けられております。2026年6月には、「戦略17分野における官民投資ロードマップ案」が公表され、創薬・先端医療分野に対する約64兆円規模の投資が盛り込まれ、重点的な資源配分の方向性が示されました。こうした政策動向の下、創薬スタートアップの育成や産学官連携の推進、臨床開発環境の高度化等に関する施策が進められており、当社グループのような創薬ベンチャーが果たすべき役割はますます大きくなっております。
このような環境下において、当中間連結会計期間における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
上市済みのヒト用医薬品につきましては、HK inno.N Corporation(本社:韓国・オソン、以下「HKイノエン社」)が韓国で販売中の胃酸分泌抑制剤K-CAB®(一般名:tegoprazan、以下「tegoprazan」)の売上が引き続き好調に推移しております。当中間連結会計期間の売上は、処方データで1,200億ウォン(前年同期比15.4%増、約132億円/1韓国ウォン=0.11円)となりました。韓国の消化性潰瘍治療薬市場でのシェアは15%であり、引き続きシェア第1位を維持しております。また、tegoprazanは、韓国において、発売以来初めて月間外来処方売上で第1位を獲得いたしました。医薬品市場調査会社のデータによれば、tegoprazanは2026年4月の外来処方売上が208億ウォン(約22.9億円/1韓国ウォン=0.11円)に達し、調査対象となる10,476品目の医薬品の中でグローバル医薬品を上回り首位となったとされております。また、外来処方売上の上位10品目の中で、韓国企業の製品として唯一ランクインしたものであると発表されております。
Tegoprazanのグローバル展開も着実に進展しております。当社は、HKイノエン社との間で、tegoprazanの開発・製造及び販売の再実施許諾権(サブライセンス権)付き独占的ライセンス契約を締結しており、HKイノエン社及び同社からライセンスまたは製品輸出を受けた世界各国の提携先企業によってtegoprazanに関する事業活動が進められております。当中間連結会計期間末の時点で、tegoprazanは日本を含む世界57カ国で開発・製造・販売等の事業活動が行われております。また、HKイノエン社は、K-CAB®をはじめとするtegoprazan製品について、2030年の全世界における年間売上高3兆ウォンの達成を目指しています。
当中間連結会計期間末の時点でtegoprazan製品が販売されている国は、韓国、中国、モンゴル、フィリピン、インドネシア、シンガポール、メキシコ、ペルー、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国、ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル、パナマ、マレーシア、インド、タイ及びロシアの20カ国であり、当社はHKイノエン社を通じて、製品の売上高等に応じたロイヤルティを受領しております。東南アジアや中南米のその他の国々でも承認審査が進行中であるほか、ブラジル、中東地域等の国々で承認申請の準備が進められております。
当中間連結会計期間においては、HKイノエン社およびサブライセンス先のSebela Pharmaceuticals Inc.(本社:米国・ジョージア州)は、2026年5月2日から5日に米国で開催された国際学会「Digestive Disease Week® 2026(DDW 2026)」において、びらん性胃食道逆流症(以下「EE」)を対象とした第Ⅲ相臨床試験(TRIUMpH-EE試験)の結果が口頭発表されたことを発表しました。本発表では、tegoprazanが、比較対照薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)lansoprazoleに対し、EEの治癒(2週および8週)ならびに24週間の治癒維持において、全ての重症度(LAグレードA~D)で統計学的な優越性を示したことが報告されました。特に、最重症であるLAグレードC/Dの患者において、比較対照薬に対する優越性がより顕著に示されました。また、本試験において、tegoprazanは良好な安全性プロファイルを示し、治療下で発現した有害事象の発現率は比較薬と同程度であり、血清ガストリン値も試験期間を通じて正常範囲内に維持されたことが報告されています。
また、当中間連結会計期間において、HKイノエン社のサブライセンス先であるDr. Reddy’s Laboratories(本社:インド・ハイデラバード)が、ベラルーシ共和国保健省(Ministry of Health of the Republic of Belarus)においてtegoprazanの販売承認を取得いたしました。さらに、HKイノエン社のサブライセンス先であるSouthern XP IP Pty Ltd(本社:オーストラリア・ビクトリア州)が、びらん性胃食道逆流症および非びらん性胃食道逆流症の治療等を対象としてオーストラリア薬品・医薬品行政局(Therapeutic Goods Administration(TGA))に提出したtegoprazanの販売承認申請が審査中となっております。
ペット用医薬品につきましては、Elanco Animal Health Inc.(本社:米国・インディアナ州)に導出した犬の骨関節炎治療薬GALLIPRANT®(一般名:grapiprant)、犬の食欲不振症の適応を持つENTYCE™(一般名:capromorelin)、及び猫の体重減少管理の適応を持つELURA™(一般名:capromorelin)の売上が順調に推移しております。
また、当中間連結会計期間において、当社の導出先であるVelovia Pharma, LLC(本社:米国・テネシー州、以下「Velovia Pharma社」)が、当社がVelovia Pharma社に導出した4つの開発化合物のうち、1つの開発化合物につきまして、動物用医薬品を開発するためのライセンスに係るオプション権を行使し、これに伴い、当社は、Velovia Pharma社からオプション行使料として一時金を受領いたしました。
その他の導出済みプログラムにつきましても、導出先及びサブライセンス先の企業において前臨床開発段階以降の取り組みが進められております。
導出準備プログラムにつきましては、当中間連結会計期間において、米国の医薬品開発企業であるLazarus Pharmaceuticals, LLC(本社所在地:米国・ペンシルベニア州)傘下のポートフォリオ企業であるGiathera Pharmaceuticals, Inc.およびGiovel Pharmaceuticals, Inc.との間で、それぞれ5-HT₄作動薬(化合物コード:RQ-00000010)に関する契約およびモチリン受容体作動薬(化合物コード:RQ-00201894)に関する契約を締結いたしました。いずれの案件においても、当社はヒト用医薬品分野における独占的ライセンスを付与し、当該企業が開発および商業化を主導します。当社は、開発および販売の進展に応じたマイルストン収入ならびにロイヤルティ収入を受領する権利を有しております。本件は、当社の創薬技術を外部に展開し、外部主体による事業推進を通じて価値創出を図る新たな事業開発スキームの具体化として位置付けられるものです。また、本件は一部に株式対価を含む設計であり、ライセンス収益(マイルストンおよびロイヤルティ)に加え、株式対価を通じたエクイティリターンを組み合わせた収益機会の多層化を図るものです。
また、自社で開発を進めているグレリン受容体作動薬につきましては、提携先獲得を目指した事業開発活動を実施しております。その他の導出準備プログラムにつきましても、対面での面談とオンライン会議を機動的に組み合わせて提携先獲得を目指した事業開発活動を実施しております。
探索研究段階におきましても、引き続き、中長期的な企業価値向上を支えるパイプラインの拡充に向け、新たな開発候補化合物の創出および技術基盤の強化を進めております。当社グループは、既存技術と新技術の融合によって創薬バリューチェーンを強化し、従来の技術では対処が困難とされてきた未開拓の創薬標的(遺伝子・タンパク質等)に対する医薬品を生み出すことを重要な成長戦略と位置付けております。この方針の下、「モダリティ」、「創薬標的」、「疾患領域」及び「基盤技術」の4つの切り口で、研究開発活動に取り組んでおります。
当中間連結会計期間においては、連結子会社のファイメクス株式会社(本社:神奈川県藤沢市、以下「ファイメクス」)を中核として創薬の新たなモダリティである標的タンパク質分解誘導剤の研究開発を進めております。ファイメクスは、アステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区)とともに、ファイメクスが保有する、標的タンパク質分解誘導剤に特化した独自のプラットフォーム技術であるRaPPIDS™(Rapid Protein Proteolysis Inducer Discovery System)を用いて、がんを標的疾患として複数の標的を対象とした標的タンパク質分解誘導剤の探索に取り組んでおります。
また、当中間連結会計期間において、当社は、国立研究開発法人理化学研究所(所在地:埼玉県和光市、以下「理化学研究所」)と、計算化学と実測データを融合した創薬支援技術の開発を目的とする共同研究契約を締結いたしました。本共同研究では、理化学研究所と当社がそれぞれ有する知見および技術を活用し、創薬研究の効率化と高度化に資する新たな創薬支援技術の確立を目指します。具体的には、バーチャルスクリーニング、結合自由エネルギー評価に基づく合理的な化合物設計指針の確立、ならびに構造生成AIを活用した化合物デザイン手法の高度化などに取り組みます。
以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、事業収益1,455百万円(前年同期比5.2%減)、営業損失338百万円(前年同期は、営業損失190百万円)、経常損失326百万円(前年同期は、経常損失291百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失466百万円(前年同期は、親会社株主に帰属する中間純損失354百万円)となりました。
なお、事業費用の総額は、1,794百万円(前年同期比3.9%増)となり、その主な内訳は事業原価339百万円(前年同期比12.7%減)、研究開発費861百万円(前年同期比10.1%増)及びその他の販売費及び一般管理費592百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資 産)
当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ492百万円増加(4.7%増)し、11,006百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,334百万円、売掛金及び契約資産の減少1,075百万円、有価証券の増加117百万円、前払費用の増加179百万円及びのれんの減少139百万円によるものであります。
(負 債)
当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ442百万円減少(12.2%減)し、3,175百万円となりました。これは主に、未払金の減少89百万円、契約負債の減少53百万円及び長期借入金の減少256百万円によるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ934百万円増加(13.6%増)し、7,830百万円となりました。これは主に、第三者割当増資等に伴う資本金及び資本剰余金の増加1,423百万円、親会社株主に帰属する中間純損失466百万円の計上によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は70.6%(前連結会計年度末比5.5ポイント増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末に比べ1,452百万円増加(44.8%増)し、4,696百万円(前年同期は、3,422百万円)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、613百万円(前年同期は、資金の使用242百万円)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失326百万円、減価償却費86百万円及びのれん償却額139百万円を計上したことのほか、売上債権の減少1,075百万円による資金の獲得、前払費用の増加178百万円及び法人税等の支払額168百万円による資金の使用によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、292百万円(前年同期比457.2%増)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出246百万円、投資有価証券の償還による収入100百万円、子会社株式の条件付取得対価の支払額120百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、1,099百万円(前年同期比63.5%増)となりました。これは主に、株式発行による収入1,399百万円、長期借入金の返済による支出256百万円及びリース債務の返済による支出42百万円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、861百万円であります。また、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動のための適切な流動性の確保及び株主価値向上のための資金調達戦略の実行を基本方針としております。
資本の財源につきましては、医薬品の上市品目が増えたことにより、長期的かつ安定的なロイヤルティ収入が主要な財源となっております。一定規模以上の臨床開発を除き、ロイヤルティ収入を財源として医薬品の研究開発を進めてまいります。また、今後の臨床開発等の資金需要に対して、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保するため、金融機関とコミットメントライン契約を締結しているほか、ファイナンス・リースや銀行借入等のチャネルの活用により財務基盤の強化を図っております。
資金の流動性につきましては、当中間連結会計期間末における流動比率は577.6%となっており、十分な流動性を確保できているものと認識しております。
当中間連結会計期間の中間連結キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。