有価証券報告書-第11期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況は概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な輸出や企業の省力化ニーズを捉えた設備投資の拡大などにより長期にわたる景気回復を遂げてまいりましたが、猛暑や自然災害が個人消費関連の景況に陰を落としたほか、米中の経済摩擦の激化、欧州における景気減速懸念、中東などの地政学リスクの高まりなど、海外リスクへの警戒感が景気頭打ちへの不安感を助長する局面に入っております。
製薬業界におきましては、巨大製薬企業(メガ・ファーマ)の再々編機運の高まりと国内製薬企業における製品ポートフォリオや事業レベルでの売却・買収の活発化により、業界内の雇用が流動化、国境をまたいだ事業再編が進んでおります。特に特定疾患領域に特化したスペシャリティ・ファーマ化及びカーブアウトベンチャー設立の動きは、当社グループのような創薬ベンチャー企業のライセンス活動におきましても少なからず影響が生じております。
このような環境下において、当社グループは医薬品開発化合物(*)の継続的な創出、研究開発ポートフォリオ(*)の拡充及びそれら開発化合物(*)の導出を目指し、研究開発活動及び営業活動に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度において、CJ HealthCare Corporation(韓国、以下「CJ社(韓国)」)に導出したtegoprazan(RQ-00000004/CJ-12420/韓国販売名(韓国登録商標):K-CAB®、以下「tegoprazan」)につきまして、平成30年7月に食品医薬品安全処(韓国、MFDS:Ministry of Food and Drug Safety)より製造販売承認を取得しました。今回のMFDSによる承認は、非びらん性胃食道逆流症(NERD:Non-Erosive Reflux Disease)も含めた胃食道逆流症(GERD:Gastro-Esophageal Reflux Disease)(*)を適応症としたもので、NERDの適応取得はカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB:Potassium-Competitive Acid Blocker)としては世界初のものとなります。加えてCJ社(韓国)の中国のライセンス先であるShandong Luoxin Pharmaceutical Group(以下「Luoxin社(中国)」)による開発も順調に進んでおり、平成30年10月に中国において第Ⅲ相臨床試験が開始されました。また、当社グループで開発を進めております5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)につきましては、平成30年第2四半期に英国における第Ⅰ相臨床試験を完了し、炎症性腸疾患(IBD)の下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)(*)様症状の改善及びIBS(*)の治療薬として期待出来ることが示唆されました。
さらに、当社グループが強みとする「イオンチャネル(*)創薬」に関しては、当社グループと旭化成ファーマ株式会社(以下「旭化成ファーマ社」)との共同研究から創出されたP2X7受容体拮抗薬(RQ-00466479/AKP-23494954)が平成30年3月にマイルストンを達成し、前臨床段階への移行に伴い新たに旭化成ファーマ社とライセンス契約を締結いたしました。本化合物につきましては、旭化成ファーマ社により順調に開発が進んでおります。さらにEAファーマ株式会社(以下「EAファーマ社」)との消化器領域の特定のイオンチャネル(*)を標的とした共同研究により創出された化合物について、平成30年3月に一定のマイルストンを達成したほか、平成29年12月にマルホ株式会社(以下「マルホ社」)に導出した選択的ナトリウムチャネル遮断薬も開発が順調に進んでおります。
収益への寄与という観点からは、ペットの疼痛治療薬として導出したEP4拮抗薬(GALLIPRANT®/grapiprant/RQ-00000007/AT-001、以下「GALLIPRANT®」)が米国で順調に売上を拡大しました。Eli Lilly and Companyの動物薬部門であるElanco Animal Health, Inc.(米国、以下「エランコ社(米国)」)と当社グループの導出先であるAratana Therapeutics, Inc.(米国、以下「アラタナ社(米国)」)による共同販促が効果を上げているほか、開発面でも、平成30年1月に欧州委員会(European Commission)より、欧州における動物薬製造販売承認を取得いたしました。また、イヌの食欲不振症の適応を持つグレリン受容体作動薬(ENTYCE®/capromorelin/RQ-00000005/AT-002、以下「ENTYCE®」)につきましては、導出先であるアラタナ社(米国)の拡販により着実に地歩を固めております。さらに、統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ株式会社(以下「Meiji Seikaファルマ社」)で開発中のセロトニン5-HT2A及びドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)につきましては、日本において第Ⅲ相臨床試験を継続して実施しております。
一方で、当社グループは、ZTE Coming Biotech Co., Ltd.(中国、 以下「ZTE Biotech社(中国)」)との間で進めていた合弁会社の設立について、ZTE Biotech社(中国)のグループ主要会社であるZTE Corporationが米国政府から米国企業との取引を禁止する制裁を科されたことがきっかけとなり、計画が遅延するとともに、今後の薬剤の開発に必要な資金調達が困難な状況となったことから、合弁会社の設立を中止し、合意解約することといたしました。5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)及び5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)につきましては、中国に限らずグローバルに新規提携先を模索し、新たな活動に取り組んでまいります。
共同研究につきましては、平成30年8月にXuanZhu Pharma Co.,Ltd.(中国)とのナトリウムチャネルNav1.7選択的遮断薬に関する共同研究契約を終了し、それぞれに帰属された研究成果を基に独自で研究開発を進めることで合意いたしました。今後は本共同研究の成果を踏まえ、プロジェクトの価値最大化を目指して更なる活動に取り組んでまいります。
産学官連携につきましては、平成30年2月に名古屋大学において「ラクオリア創薬産学協同研究センター」の設置が決定し、これまで当社グループが名古屋大学に設置していた3つの部門・講座を、新たに2つの部門「薬効解析部門」と「新薬創成科学部門」に統合することとなりました。同センターは、名古屋大学における当社グループの認知度を向上させるとともに、多彩な技術やシーズを保有する名古屋大学と新薬創出を目指した共同研究を継続的に実施することで、名古屋大学における創薬研究活動をさらに発展的に加速させることを目的としており、医薬品開発候補化合物(*)の創出が一層期待されております。
また、平成30年12月には、当社100%子会社であるラクオリア イノベーションズ株式会社を設立しました。同社では、アカデミアやスタートアップ企業の優れた基礎研究の成果として生み出される「新薬の種」「事業の種」の臨床応用や事業化の可能性を国内外で模索し、当社グループの事業機会の拡大を図るとともに、名古屋大学をはじめとする中部圏アカデミアの創薬活動の振興と発展に寄与してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(A)財政状態
(資 産)
当連結会計年度末における総資産合計は4,052百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金1,671百万円、有形固定資産317百万円及び投資有価証券1,716百万円であります。
(負 債)
当連結会計年度末における負債合計は195百万円となりました。主な内訳は、未払金98百万円及び未払費用47百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,857百万円となりました。主な内訳は、資本金2,793百万円、資本剰余金2,983百万円及び利益剰余金△1,890百万円であります。なお、自己資本比率は94.9%となりました。
(B)経営成績
事業収益744百万円(前年同期比47.5%減)、営業損失1,075百万円(前年同期は、営業損失150百万円)、経常損失1,064百万円(前年同期は、経常損失80百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,104百万円(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純損失58百万円)となりました。なお、事業費用の総額は1,819百万円(前年同期比15.9%増)であり、その主な内訳は、支払ロイヤルティ83百万円(前年同期比42.0%減)を事業原価89百万円(前年同期比40.2%減)に計上した他、研究開発費1,074百万円(前年同期比26.6%増)、その他の販売費及び一般管理費655百万円(前年同期比14.7%増)となりました。
なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、期首に比べ644百万円減少し、1,829百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、403百万円(前年同期比31.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,078百万円及び減価償却費125百万円のほか、売上債権の減少448百万円、前渡金の減少181百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、368百万円(前年同期は、533百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入203百万円及び投資有価証券の償還による収入323百万円のほか、投資有価証券の取得による支出785百万円及び有形固定資産の取得による支出213百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、99百万円(前年同期比90.2%減)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入99百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
(A)生産実績
当社グループは研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
(B)受注実績
当社グループは研究開発を主体としており、受注生産を行っておりませんので、受注実績は記載しておりません。
(C)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、以下のとおりであります。
(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ以下のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容等
当社グループは、平成28年(2016年度)より中期経営計画『Odyssey 2018』(平成28年12月期~平成30年12月期)を推進してまいりました。この間に、米国におけるペット医薬品の上市やヒト用医薬品の韓国での販売承認を受けたほか、名古屋大学との産学連携を推し進めた「産学共同研究センター」の設置や連結子会社の取得及び設立等、事業活動の基盤強化にも取り組んでまいりました。
『Odyssey 2018』(平成28年12月期~平成30年12月期)の最終年度にあたる当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
事業収益は、ZTE Biotech社(中国)との間で進めていた合弁会社の設立の中止や複数のマイルストン収入の翌期以降へのずれ込み等により、事業収益744百万円(計画比46.4%減)となりました。事業費用は、委託試験の見直しや経費の削減等により当初計画に比べ減少し、事業費用1,819百万円(計画比12.8%減)となりました。以上の結果、営業損失1,075百万円(当初計画は、営業損失698百万円)、経常損失1,064百万円(当初計画は、経常損失680百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,104百万円(当初計画は、親会社株主に帰属する当期純損失686百万円)となりました。
なお、2019年度からは地母神「ガイア」のような創造力で「グローバル」規模の進化を目指す、新中期経営計画「Gaia2021」をスタートさせており、ヒト用医薬品上市や海外展開を進める予定であります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは研究開発型の創薬企業であり、開発化合物(*)の導出による契約一時金収入、研究開発の進捗に応じたマイルストン収入、医薬品の上市後において医薬品販売高に応じたロイヤルティ収入等の対価を受領することにより収益を得る契約形態を採用しております。しかしながら、医薬品が上市され、経常的なロイヤルティ収入が発生する以前の段階では、長期的かつ安定的な収益ではなく、開発化合物(*)の導出に伴う契約一時金収入、あるいは開発の進捗に基づくマイルストン収入に頼るため、導出交渉及び開発の成否が全体の事業収益に大きな影響を与える可能性があります。
詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び市場から理解を得られる株主価値向上に根ざした明確なEquity storyを持った資金調達戦略の提示と実行を基本方針としております。
また、当連結会計年度末における流動比率は1,192.9%となっており、十分な流動性を確保できているものと認識しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況は概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な輸出や企業の省力化ニーズを捉えた設備投資の拡大などにより長期にわたる景気回復を遂げてまいりましたが、猛暑や自然災害が個人消費関連の景況に陰を落としたほか、米中の経済摩擦の激化、欧州における景気減速懸念、中東などの地政学リスクの高まりなど、海外リスクへの警戒感が景気頭打ちへの不安感を助長する局面に入っております。
製薬業界におきましては、巨大製薬企業(メガ・ファーマ)の再々編機運の高まりと国内製薬企業における製品ポートフォリオや事業レベルでの売却・買収の活発化により、業界内の雇用が流動化、国境をまたいだ事業再編が進んでおります。特に特定疾患領域に特化したスペシャリティ・ファーマ化及びカーブアウトベンチャー設立の動きは、当社グループのような創薬ベンチャー企業のライセンス活動におきましても少なからず影響が生じております。
このような環境下において、当社グループは医薬品開発化合物(*)の継続的な創出、研究開発ポートフォリオ(*)の拡充及びそれら開発化合物(*)の導出を目指し、研究開発活動及び営業活動に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度において、CJ HealthCare Corporation(韓国、以下「CJ社(韓国)」)に導出したtegoprazan(RQ-00000004/CJ-12420/韓国販売名(韓国登録商標):K-CAB®、以下「tegoprazan」)につきまして、平成30年7月に食品医薬品安全処(韓国、MFDS:Ministry of Food and Drug Safety)より製造販売承認を取得しました。今回のMFDSによる承認は、非びらん性胃食道逆流症(NERD:Non-Erosive Reflux Disease)も含めた胃食道逆流症(GERD:Gastro-Esophageal Reflux Disease)(*)を適応症としたもので、NERDの適応取得はカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB:Potassium-Competitive Acid Blocker)としては世界初のものとなります。加えてCJ社(韓国)の中国のライセンス先であるShandong Luoxin Pharmaceutical Group(以下「Luoxin社(中国)」)による開発も順調に進んでおり、平成30年10月に中国において第Ⅲ相臨床試験が開始されました。また、当社グループで開発を進めております5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)につきましては、平成30年第2四半期に英国における第Ⅰ相臨床試験を完了し、炎症性腸疾患(IBD)の下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)(*)様症状の改善及びIBS(*)の治療薬として期待出来ることが示唆されました。
さらに、当社グループが強みとする「イオンチャネル(*)創薬」に関しては、当社グループと旭化成ファーマ株式会社(以下「旭化成ファーマ社」)との共同研究から創出されたP2X7受容体拮抗薬(RQ-00466479/AKP-23494954)が平成30年3月にマイルストンを達成し、前臨床段階への移行に伴い新たに旭化成ファーマ社とライセンス契約を締結いたしました。本化合物につきましては、旭化成ファーマ社により順調に開発が進んでおります。さらにEAファーマ株式会社(以下「EAファーマ社」)との消化器領域の特定のイオンチャネル(*)を標的とした共同研究により創出された化合物について、平成30年3月に一定のマイルストンを達成したほか、平成29年12月にマルホ株式会社(以下「マルホ社」)に導出した選択的ナトリウムチャネル遮断薬も開発が順調に進んでおります。
収益への寄与という観点からは、ペットの疼痛治療薬として導出したEP4拮抗薬(GALLIPRANT®/grapiprant/RQ-00000007/AT-001、以下「GALLIPRANT®」)が米国で順調に売上を拡大しました。Eli Lilly and Companyの動物薬部門であるElanco Animal Health, Inc.(米国、以下「エランコ社(米国)」)と当社グループの導出先であるAratana Therapeutics, Inc.(米国、以下「アラタナ社(米国)」)による共同販促が効果を上げているほか、開発面でも、平成30年1月に欧州委員会(European Commission)より、欧州における動物薬製造販売承認を取得いたしました。また、イヌの食欲不振症の適応を持つグレリン受容体作動薬(ENTYCE®/capromorelin/RQ-00000005/AT-002、以下「ENTYCE®」)につきましては、導出先であるアラタナ社(米国)の拡販により着実に地歩を固めております。さらに、統合失調症治療薬としてMeiji Seikaファルマ株式会社(以下「Meiji Seikaファルマ社」)で開発中のセロトニン5-HT2A及びドパミンD2受容体遮断薬(ziprasidone)につきましては、日本において第Ⅲ相臨床試験を継続して実施しております。
一方で、当社グループは、ZTE Coming Biotech Co., Ltd.(中国、 以下「ZTE Biotech社(中国)」)との間で進めていた合弁会社の設立について、ZTE Biotech社(中国)のグループ主要会社であるZTE Corporationが米国政府から米国企業との取引を禁止する制裁を科されたことがきっかけとなり、計画が遅延するとともに、今後の薬剤の開発に必要な資金調達が困難な状況となったことから、合弁会社の設立を中止し、合意解約することといたしました。5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)及び5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)につきましては、中国に限らずグローバルに新規提携先を模索し、新たな活動に取り組んでまいります。
共同研究につきましては、平成30年8月にXuanZhu Pharma Co.,Ltd.(中国)とのナトリウムチャネルNav1.7選択的遮断薬に関する共同研究契約を終了し、それぞれに帰属された研究成果を基に独自で研究開発を進めることで合意いたしました。今後は本共同研究の成果を踏まえ、プロジェクトの価値最大化を目指して更なる活動に取り組んでまいります。
産学官連携につきましては、平成30年2月に名古屋大学において「ラクオリア創薬産学協同研究センター」の設置が決定し、これまで当社グループが名古屋大学に設置していた3つの部門・講座を、新たに2つの部門「薬効解析部門」と「新薬創成科学部門」に統合することとなりました。同センターは、名古屋大学における当社グループの認知度を向上させるとともに、多彩な技術やシーズを保有する名古屋大学と新薬創出を目指した共同研究を継続的に実施することで、名古屋大学における創薬研究活動をさらに発展的に加速させることを目的としており、医薬品開発候補化合物(*)の創出が一層期待されております。
また、平成30年12月には、当社100%子会社であるラクオリア イノベーションズ株式会社を設立しました。同社では、アカデミアやスタートアップ企業の優れた基礎研究の成果として生み出される「新薬の種」「事業の種」の臨床応用や事業化の可能性を国内外で模索し、当社グループの事業機会の拡大を図るとともに、名古屋大学をはじめとする中部圏アカデミアの創薬活動の振興と発展に寄与してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(A)財政状態
(資 産)
当連結会計年度末における総資産合計は4,052百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金1,671百万円、有形固定資産317百万円及び投資有価証券1,716百万円であります。
(負 債)
当連結会計年度末における負債合計は195百万円となりました。主な内訳は、未払金98百万円及び未払費用47百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,857百万円となりました。主な内訳は、資本金2,793百万円、資本剰余金2,983百万円及び利益剰余金△1,890百万円であります。なお、自己資本比率は94.9%となりました。
(B)経営成績
事業収益744百万円(前年同期比47.5%減)、営業損失1,075百万円(前年同期は、営業損失150百万円)、経常損失1,064百万円(前年同期は、経常損失80百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,104百万円(前年同期は、親会社株主に帰属する当期純損失58百万円)となりました。なお、事業費用の総額は1,819百万円(前年同期比15.9%増)であり、その主な内訳は、支払ロイヤルティ83百万円(前年同期比42.0%減)を事業原価89百万円(前年同期比40.2%減)に計上した他、研究開発費1,074百万円(前年同期比26.6%増)、その他の販売費及び一般管理費655百万円(前年同期比14.7%増)となりました。
なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、期首に比べ644百万円減少し、1,829百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、403百万円(前年同期比31.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,078百万円及び減価償却費125百万円のほか、売上債権の減少448百万円、前渡金の減少181百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、368百万円(前年同期は、533百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入203百万円及び投資有価証券の償還による収入323百万円のほか、投資有価証券の取得による支出785百万円及び有形固定資産の取得による支出213百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、99百万円(前年同期比90.2%減)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入99百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
(A)生産実績
当社グループは研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
(B)受注実績
当社グループは研究開発を主体としており、受注生産を行っておりませんので、受注実績は記載しておりません。
(C)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、以下のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前年同期比(%) | |
| 事業収益 合計 (千円) | 744,517 | 52.5 |
(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ以下のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | |
| 金額(千円) | 割合(%) | |
| Aratana Therapeutics, Inc. | 767,230 | 54.1 |
| A社 | 300,000 | 21.1 |
| B社 | 150,000 | 10.6 |
| 相手先 | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | |
| 金額(千円) | 割合(%) | |
| イ社 | 301,020 | 40.4 |
| ロ社 | 277,888 | 37.3 |
| ハ社 | 120,680 | 16.2 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容等
当社グループは、平成28年(2016年度)より中期経営計画『Odyssey 2018』(平成28年12月期~平成30年12月期)を推進してまいりました。この間に、米国におけるペット医薬品の上市やヒト用医薬品の韓国での販売承認を受けたほか、名古屋大学との産学連携を推し進めた「産学共同研究センター」の設置や連結子会社の取得及び設立等、事業活動の基盤強化にも取り組んでまいりました。
『Odyssey 2018』(平成28年12月期~平成30年12月期)の最終年度にあたる当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
| 平成30年度(当初計画) | 平成30年度(実績) | 平成30年度(計画比) | |
| 事業収益 | 1,388 | 744 | △644(46.4%減) |
| 事業費用 | 2,086 | 1,819 | △267(12.8%減) |
| 営業損失(△) | △698 | △1,075 | △377( - ) |
| 経常損失(△) | △680 | △1,064 | △384( - ) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(△) | △686 | △1,104 | △418( - ) |
事業収益は、ZTE Biotech社(中国)との間で進めていた合弁会社の設立の中止や複数のマイルストン収入の翌期以降へのずれ込み等により、事業収益744百万円(計画比46.4%減)となりました。事業費用は、委託試験の見直しや経費の削減等により当初計画に比べ減少し、事業費用1,819百万円(計画比12.8%減)となりました。以上の結果、営業損失1,075百万円(当初計画は、営業損失698百万円)、経常損失1,064百万円(当初計画は、経常損失680百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,104百万円(当初計画は、親会社株主に帰属する当期純損失686百万円)となりました。
なお、2019年度からは地母神「ガイア」のような創造力で「グローバル」規模の進化を目指す、新中期経営計画「Gaia2021」をスタートさせており、ヒト用医薬品上市や海外展開を進める予定であります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは研究開発型の創薬企業であり、開発化合物(*)の導出による契約一時金収入、研究開発の進捗に応じたマイルストン収入、医薬品の上市後において医薬品販売高に応じたロイヤルティ収入等の対価を受領することにより収益を得る契約形態を採用しております。しかしながら、医薬品が上市され、経常的なロイヤルティ収入が発生する以前の段階では、長期的かつ安定的な収益ではなく、開発化合物(*)の導出に伴う契約一時金収入、あるいは開発の進捗に基づくマイルストン収入に頼るため、導出交渉及び開発の成否が全体の事業収益に大きな影響を与える可能性があります。
詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び市場から理解を得られる株主価値向上に根ざした明確なEquity storyを持った資金調達戦略の提示と実行を基本方針としております。
また、当連結会計年度末における流動比率は1,192.9%となっており、十分な流動性を確保できているものと認識しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。