有価証券報告書-第77期(2025/04/01-2026/03/31)
②戦略
気候変動による中長期の事業リスクと機会の特定にあたり、NGFS(気候変動リスクなどに係る金融当局ネットワーク)が発表しているシナリオを参考にしています。2℃シナリオとしては「Below2℃」、4℃シナリオとしては「Current Policies」を参照し、それぞれ温室効果ガス排出規制による影響と、主要原料(ばれいしょ)の調達と生産を中心に分析し、整理しました。
その結果、2℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の直接的な被害と、消費者の環境意識の高まりによる行動変化が大きなインパクトになり、4℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の被害に加え、平均気温の上昇や気象パターンの変化による日照時間不足が原材料の品質や収量に悪影響を与えることが分かりました。
これに対して、自社の温室効果ガスの削減を進めるとともに、ばれいしょの品種転換や品種開発、栽培技術の確立、産地の分散化を進めます。また、エシカル消費への対応や、持続可能な原料の探索と商品開発などが機会の創出につながると考えています。今後は、継続的にリスク・機会の見直しや対応策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させることで、持続可能な社会を実現する企業活動に取り組んでいきます。
・移行リスク
(注)
※1 営業利益 大:50億円超、中:20~50億円、小:20億円未満
※2 一般社団法人 水素バリューチェーン推進協議会:
サプライチェーン全体を俯瞰し、業界横断的かつオープンな組織として、社会実装プロジェクトの実現を通じ、早期に水素社会を構築することを目的とした団体
※3 プラスチック起因の課題解決に向け、低環境負荷で効率的なプラスチック再資源化の技術開発を進め、回収プラス
チックの選別処理企業、モノマー・ポリマー・包装容器製造企業、商社や飲料・食品メーカー等連携して、技術の
実用化に取り組んでいる共同出資会社
・物理的リスク
(注)
※1 営業利益 大:50億円超、中:20~50億円、小:20億円未満
・機会
気候変動による中長期の事業リスクと機会の特定にあたり、NGFS(気候変動リスクなどに係る金融当局ネットワーク)が発表しているシナリオを参考にしています。2℃シナリオとしては「Below2℃」、4℃シナリオとしては「Current Policies」を参照し、それぞれ温室効果ガス排出規制による影響と、主要原料(ばれいしょ)の調達と生産を中心に分析し、整理しました。
その結果、2℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の直接的な被害と、消費者の環境意識の高まりによる行動変化が大きなインパクトになり、4℃シナリオでは災害の激甚化による工場と原料生産地の被害に加え、平均気温の上昇や気象パターンの変化による日照時間不足が原材料の品質や収量に悪影響を与えることが分かりました。
これに対して、自社の温室効果ガスの削減を進めるとともに、ばれいしょの品種転換や品種開発、栽培技術の確立、産地の分散化を進めます。また、エシカル消費への対応や、持続可能な原料の探索と商品開発などが機会の創出につながると考えています。今後は、継続的にリスク・機会の見直しや対応策の具体化を進め、中長期の経営戦略に反映させることで、持続可能な社会を実現する企業活動に取り組んでいきます。
・移行リスク
| リスク 項目 | 事業への影響 | 影響度※1 | リスク対応策 | 進捗 | |||
| 2030年 | 2050年 | ||||||
| 2℃ | 4℃ | 2℃ | 4℃ | ||||
| 炭素価格の上昇 | 炭素税導入により工場の操業や原材料などのコストが増加する | 小 | 小 | 中 | 小 | 再生可能エネルギーの使用、水素などの活用、バリューチェーン全体における脱炭素化の推進 | ・製造拠点のカーボンオフセット電力への切り替え(国内14工場中11工場)・2025年4月「JH2A」へ参画(※2)・契約生産者とばれいしょ生産における温室効果ガス排出源の見える化への取り組み・Scope3排出量削減におけるサプライヤーエンゲージメントの強化 |
| 消費者の環境意識の高まりによる行動変化 | 気候変動によって環境に配慮した商品へ消費行動が拡大する | 中 | 中 | 大 | 大 | 環境配慮型商品や認証商品への取り組み | ・国内カルビーグループ工場にて、「RSPO認証パーム油(マスバランス方式)」使用・RSPOラベル付き商品をカルビー23品、ジャパンフリトレー9品展開(2026年3月末時点)・段ボールやカートンにおけるFSC認証紙の使用・バイオマスPET、バイオマスインキの使用(一部商品) |
| 石油由来プラスチックの使用規制 | 石油由来原料の規制によって包材価格が上昇する消費者意識が高まり、バイオマスプラスチック使用商品の選択が高まる | 中 | 小 | 大 | 小 | 製品の品質維持を前提とした石油由来プラスチック包材の削減、代替原料への転換やリサイクルの促進 | ・一部商品におけるパッケージフィルムの薄膜化、サイズの縮小、バイオマスPETの使用・株式会社アールプラスジャパン(※3)へ参画し、リサイクル原料調達の実証実験を行い、使用済みプラスチックの再資源化を推進 |
(注)
※1 営業利益 大:50億円超、中:20~50億円、小:20億円未満
※2 一般社団法人 水素バリューチェーン推進協議会:
サプライチェーン全体を俯瞰し、業界横断的かつオープンな組織として、社会実装プロジェクトの実現を通じ、早期に水素社会を構築することを目的とした団体
※3 プラスチック起因の課題解決に向け、低環境負荷で効率的なプラスチック再資源化の技術開発を進め、回収プラス
チックの選別処理企業、モノマー・ポリマー・包装容器製造企業、商社や飲料・食品メーカー等連携して、技術の
実用化に取り組んでいる共同出資会社
・物理的リスク
| リスク 項目 | 事業への影響 | 影響度※1 | リスク対応策 | 進捗 | |||
| 2030年 | 2050年 | ||||||
| 2℃ | 4℃ | 2℃ | 4℃ | ||||
| 平均気温の上昇による原材料育成影響 | 気温上昇によって原材料の品質が低下する | 中 | 中 | 中 | 大 | ばれいしょの品種の転換・開発、栽培技術の確立、インセンティブ体制の整備 | ・気候変動に対応するため、耐暑性、栽培時期の分散及び高温期の回避が可能な早生性・晩生性並びに病害抵抗性を備えた新品種の開発・土壌水分状態に合わせたイリゲーション(かん水)の実施・契約生産者への土壌診断の支援、土壌状態に応じた適正施肥の推進 |
| 降水・気象パターンの変化 | 降水・気象パターンが変化することで、日照時間が減少し、原材料の品質低下や収量低下が発生する | 中 | 中 | 中 | 大 | 産地の分散化、海外産ばれいしょの輸入ルートの確保 | ・道央・東北・九州北部の産地を拡大 ・北米地域の拡大 |
| 異常気象の頻発化(豪雨、台風、洪水など) | 暴風雨などにより収穫時期のばれいしょ圃場の被害が拡大、工場の被災や物流寸断が長期化することで、調達・生産・供給量が減少する | 中 | 大 | 大 | 大 | 異常気象を想定したBCPの策定、ハザードマップに基づく工場建設、海外グループ工場からの供給 | ・国内生産拠点にてBCM活動を展開し、レジリエンス認証を取得。毎年訓練と教育を実施・生産拠点の水没リスクの確認を実施。新設で水没リスクのある用地については想定浸水深以上の嵩上げを実施(関東新工場(仮称)にて実施) ・海外グループ工場から製品供給を受ける体制整備 |
(注)
※1 営業利益 大:50億円超、中:20~50億円、小:20億円未満
・機会
| 機会項目 | 進捗 | |
| 環境配慮型商品や認証商品(RSPO認証パーム油の活用、RSPOラベル付き商品の販売等)への取組による売上が増加する | ・国内カルビーグループ工場にて、「RSPO認証パーム油(マスバランス方式)」使用 ・RSPOラベル付き商品をカルビー23品、ジャパンフリトレー9品展開(2026年3月末時点) ・段ボールやカートンにおけるFSC認証紙の使用・バイオマスPET、バイオマスインキの使用(一部商品) | |
| プラスチックの代替・削減の取組推進により外部評価が向上し、企業の資産評価が向上する | ・パッケージフィルムの薄膜化、サイズの縮小、スタンドパック商品のチャック削減・バイオマスPET、バイオマスインキの使用(一部商品) | |
| エシカル消費に対応した商品を開発することで、企業のブランドイメージが向上する | ・RSPO認証パーム油やFSC認証紙を使用した商品の発売・輸送効率を向上し、CO2排出量を削減するため、ポテトチップスの入数を変更 | |
| 農業の省人化による原材料調達の効率的な確保・拡大に繋がる | ・コントラクター事業の推進・多畦ハーベスターの導入運用を促進し、作業時間を削減・ばれいしょ輸送および受入れ体制を増強 | |
| 持続可能な農業・林業・水産業を進めることにより安定調達に繋がる | ・気候変動に対応したばれいしょ新品種(耐暑性、早生性、晩成性、病害抵抗性品種)の開発 ・段ボールやカートンにおけるFSC認証紙の使用 | |
| 気候変動により、ばれいしょの生産できる地域が拡大し、仕入れ量が増加する | ・北海道内での産地分散や東北・九州北部など新たなばれいしょ産地の拡大 | |
| 原材料の国産化を進めることにより、物流に伴う温室効果ガス排出量の削減に繋がる | ・国内におけるばれいしょの新規産地の拡大 ・既存のばれいしょ契約産地での収穫量維持・拡大 | |
| (株)アールプラスジャパンの活動を通じて回収・再利用を進め、プラスチックの資源循環社会の形成に寄与する | ・使用済みプラスチックの回収・再利用の実証実験を実施 | |
| 機会項目 | 進捗 |
| 製品フードロスの削減や生ロスなど廃棄物の循環により、廃棄物削減及び未利用資源の活用に繋がる | ・製造工程での作業手順や機器・設備の点検、新設備導入などの改善活動を実施 ・せとうち広島工場で、ばれいしょの残渣を資源としてバイオガス燃料に活用 |
| 長期保存が可能な食品の開発を進めることにより、消費者の廃棄物削減に繋がる | ・原料や保管、製造時の工夫など、品質改良を目的とした様々な取り組みを実施し、賞味期限延長の検討を実施 |