有価証券報告書-第35期(令和1年9月1日-令和2年8月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く外部環境は、前年度からの懸念要因であった米中貿易摩擦問題や英国の欧州連合離脱といった問題に目途がついたことから世界経済の底堅い成長が見込まれていました。しかしながら、第3四半期に入って新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大したことで大量失業、都市封鎖、物流遮断等により世界経済は急減速し、マイナス成長懸念から金融市場はじめ各市場とも大きく下落しました。一方で世界主要国は、経済危機回避のために金融政策や財政政策をはじめ、あらゆる経済復興政策を実施したことから先行き期待感が強まり、市場と実体経済との乖離はみられるものの、緩やかながら回復の動きとなりました。
このような状況から、当社グループの主力取扱商品価格に影響を及ぼす銅価格は、第2四半期中旬までは緩やかな上昇の動きとなったものの、新型コロナウイルスの影響による需要減への思惑から反落し、第3四半期にはロンドン金属取引所銅3カ月先物価格は4年2カ月ぶりの安値となる4,371ドルまで下落しました。しかしその後は政策期待や新型コロナウイルスによる鉱山閉鎖等から供給懸念が増大し、反転大幅上昇となり年度末には2年2カ月ぶりの高値となる6,709.5ドルをつけ、市況環境は大幅に好転しました。
このような中、当連結会計年度の販売数量は製錬会社の炉修工事や伸銅会社の生産品目の影響からスクラップを中心に減少し、また年度平均価格(銅建値ベース)も前年度比7.3%低く推移しました。一方で上述の市況環境の影響により在庫評価益の増加や良好な仕入環境から利鞘は拡大しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は427億52百万円(前連結会計年度比15.6%減)、営業利益6億46百万円(前連結会計年度は営業損失2億44百万円)、経常利益5億61百万円(前連結会計年度は経常損失2億89百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億78百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2億30百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(非鉄金属事業)
非鉄金属事業の主力取扱品である銅の期中平均円ベースCash価格が前年度比7.5%低く推移したことやインゴット、スクラップの販売量も前年度比6.8%減で推移したことから当連結会計年度の売上高は424億44百万円(前年度比15.6%減)となりました。
品目別では、インゴット売上高は143億39百万円(前年度比10.2%減)、スクラップ売上高は279億96百万円(同18.0%減)、その他売上高は1億8百万円(同16.9%減)となりました。
(美術工芸事業)
美術工芸事業では、新型コロナウイルスの感染拡大による百貨店などの休業により需要が急減したため、当連結会計年度の売上高は3億8百万円(前年度比24.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は14億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ74百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は15億円(前年は49百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益5億61百万円、売上債権の減少4億28百万円、たな卸資産の減少7億34百万円などの収入に対し、仕入債務の減少4億73百万円、前渡金の増加2億61百万円などの支出が発生したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は97百万円(前年は4億2百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得1億37百万円などの支出が発生したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13億18百万円(前年は2億82百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の借入14億円による収入に対し、長期借入金の返済13億49百万円及び短期借入金の純減額11億56百万円並びに配当金の支払2億11百万円の支出が発生したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.スクラップについては、選別、プレスといった加工作業を主としており、生産実績がないため記載を省略しております。
4.美術工芸事業については、記載を省略しております。
b.受注実績
非鉄金属事業は受注生産と見込生産を併用しており、両者を明確に区別することが困難であること、また、非鉄金属相場等の市況は日々変動し期末日時点における受注高及び受注残高を合理的に算定することが困難であることから、記載を省略しております。
また、美術工芸事業については、受注生産と見込生産の明確な区分が困難であることから、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4.前連結会計年度においてJX金属株式会社は、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、非鉄金属相場が一時的な下落はあったもの総じて上昇基調を維持し堅調に推移したことに加え、在庫管理の強化により適正利鞘が確保できたことや相場上昇による在庫評価益の発生もあり、売上高は427億52百万円(前年度比15.6%減)、売上総利益19億21百万円(同91.1%増)、売上総利益率は4.5%(同2.5ポイント増加)と大きく前年を上回りました。また、販売費及び一般管理費は微増となったことから営業利益6億46百万円(前年度は営業損失2億44百万円)、経常利益5億61百万円(前年度は経常損失2億89百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益3億78百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失2億30百万円)となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、インゴット売上高で143億39百万円(前年度比10.2%減)、スクラップ売上高で279億96百万円(同18.0%減)、美術工芸品売上高で3億8百万円(同24.3%減)、その他売上高で1億8百万円(同16.9%減)となり、売上高合計では427億52百万円(同15.6%減)となりました。
主な変動要因は、次のとおりであります。
非鉄金属事業では、インゴット売上高につきましては、造船関連は受注環境の悪化から、価格下落のなか販売数量減少の影響により減収となりましたが、給水設備関連で販売数量増加により増収となったため、全体では前年度比10.2%の減収となりました。また、スクラップにつきましては、上物や製錬会社向け故銅を主因に販売数量全体が減少したことや価格下落の影響から売上高は前年度比18.0%の減収となりました。
一方、美術工芸事業では、新型コロナウイルス感染拡大による百貨店などの休業により需要が急減したため、売上高は前年同期比24.3%の減収となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、非鉄金属事業では、銅相場が一時的な下落はあったものの期中を通して上昇基調を維持したことや在庫管理の強化により適正利鞘を確保できたことから増益となりました。一方、美術工芸事業では、利益率は若干改善したものの売上高減少の影響から減益となりましたが、非鉄金属事業の増益影響が大きく、19億21百万円(前年度比91.1%増)の大幅増益となり、売上総利益利率は4.5%(同2.5ポイント増加)と大幅に好転いたしました。
(営業利益)
売上総利益の大幅増加に加え販売費及び一般管理費が12億74百万円(前年度比2.0%増)と微増であったため、営業利益6億46百万円(前年度は営業損失2億44百万円)となりました。
(営業外収益及び費用)
営業外収益は、受取保険金2百万円、受取配当金10百万円、その他6百万円等により19百万円(前年度比64.7%減)となりました。
一方、営業外費用は、支払利息65百万円(前年度比25.3%減)、為替差損17百万円(同373.5%増)、デリバティブ運用損11百万円、持分法による投資損失4百万円、その他5百万円の発生により1億4百万円(同4.3%増)となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益及び費用を加減し、5億61百万円の経常利益(前年度は経常損失2億89百万円)となりました。
(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)
課税所得の増加により、法人税、住民税及び事業税は1億6百万円(前年度は8百万円)、法人税等調整額は77百万円(前年度は△90百万円)となり、税金費用は1億83百万円(前年度は△82百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3億78百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失2億30百万円)となりました。
目標とする経営指標について
当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、自己資本比率、自己資本利益率、有利子負債比率を重要な経営指標としております。
今期の実績は、下表の通り外部環境の影響により各目標とも好転いたしました。
(注)前連結会計年度の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク(4) 非鉄金属相場、為替相場の変動等」に記載のとおり、当社グループの取扱い品目が、日々の非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受けるため、これら二つの市場の相場変動により大きな影響を受ける可能性があります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)及び長期借入金による調達を基本とし、不足が生じる場合には調達コストも考慮し、短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には、長期借入金による調達で賄っております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
長期資金の調達に際しては、金利動向を注視し、株式の発行に関しては、資本政策に基づき、株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。
資金の流動性については、利益の確保に加え、棚卸資産管理及び売掛債権の管理を行うことにより、営業活動によるキャッシュ・フローの安定的確保に努めております。
④財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は137億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億円減少いたしました。その主な要因といたしましては、売上債権が4億28百万円、たな卸資産が7億34百万円減少し、前渡金が2億61百万円増加したことによるものであります。固定資産は30億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ95百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、有形固定資産が52百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は167億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億96百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は71億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億45百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、仕入債務が4億73百万円、短期借入金が11億65百万円減少し、未払法人税等が1億15百万円増加したことによるものであります。固定負債は20億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、長期借入金が35百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は91億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億2百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は75億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億6百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益3億78百万円、剰余金の配当2億12百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は45.1%(前連結会計年度末は41.2%)となりました。
⑤キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金15億円を投資活動による資金として97百万円使用し、また財務活動による資金として13億18百万円使用した結果、前連結会計年度末に比べ74百万円増加し、当連結会計年度末の資金残高は14億33百万円となりました。なお、各キャッシュ・フローの増減要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに連結会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループは、特に以下の重要な会計方針に関して、使用される当社グループの重要な判断、見積りが当社グループの連結財務諸表の作成において大きな影響を及ぼすと考えております。
a.たな卸資産の評価減
当社グループは、たな卸資産の市場需要に基づく将来の消費見込み又は販売見込み並びに市場状況に基づく時価の見積額を測定し、たな卸資産が将来に獲得可能なキャッシュ・フローを見積り、必要な評価減を計上しております。実際の市場における将来需要又は時価が当社グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b.有形固定資産及び無形固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業部門単位をもとに資産のグルーピングを決定しております。営業損益が継続してマイナスであるなどの減損の兆候が見られた資産グループについて、割引前将来キャッシュ・フローの見積額が帳簿価額を下回り、減損損失を認識すべきと判断された場合、当該損失額を特別損失として計上します。資産グループの回収可能額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額を採用しており、正味売却価額は主に不動産鑑定評価額により算定し、使用価値は将来キャッシュ・フローの現在価値に基づいて算定しております。減損損失の判定を行う事業単位において、損益状況の悪化や事業内容の変化によって減損処理が必要となる状況が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり、将来の利益計画に基づいた課税所得の十分性やタックスプランニングの存在の有無などにより繰延税金資産の回収可能性を判断しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、第5「経理の状況」(追加情報)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く外部環境は、前年度からの懸念要因であった米中貿易摩擦問題や英国の欧州連合離脱といった問題に目途がついたことから世界経済の底堅い成長が見込まれていました。しかしながら、第3四半期に入って新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大したことで大量失業、都市封鎖、物流遮断等により世界経済は急減速し、マイナス成長懸念から金融市場はじめ各市場とも大きく下落しました。一方で世界主要国は、経済危機回避のために金融政策や財政政策をはじめ、あらゆる経済復興政策を実施したことから先行き期待感が強まり、市場と実体経済との乖離はみられるものの、緩やかながら回復の動きとなりました。
このような状況から、当社グループの主力取扱商品価格に影響を及ぼす銅価格は、第2四半期中旬までは緩やかな上昇の動きとなったものの、新型コロナウイルスの影響による需要減への思惑から反落し、第3四半期にはロンドン金属取引所銅3カ月先物価格は4年2カ月ぶりの安値となる4,371ドルまで下落しました。しかしその後は政策期待や新型コロナウイルスによる鉱山閉鎖等から供給懸念が増大し、反転大幅上昇となり年度末には2年2カ月ぶりの高値となる6,709.5ドルをつけ、市況環境は大幅に好転しました。
このような中、当連結会計年度の販売数量は製錬会社の炉修工事や伸銅会社の生産品目の影響からスクラップを中心に減少し、また年度平均価格(銅建値ベース)も前年度比7.3%低く推移しました。一方で上述の市況環境の影響により在庫評価益の増加や良好な仕入環境から利鞘は拡大しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は427億52百万円(前連結会計年度比15.6%減)、営業利益6億46百万円(前連結会計年度は営業損失2億44百万円)、経常利益5億61百万円(前連結会計年度は経常損失2億89百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億78百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失2億30百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(非鉄金属事業)
非鉄金属事業の主力取扱品である銅の期中平均円ベースCash価格が前年度比7.5%低く推移したことやインゴット、スクラップの販売量も前年度比6.8%減で推移したことから当連結会計年度の売上高は424億44百万円(前年度比15.6%減)となりました。
品目別では、インゴット売上高は143億39百万円(前年度比10.2%減)、スクラップ売上高は279億96百万円(同18.0%減)、その他売上高は1億8百万円(同16.9%減)となりました。
(美術工芸事業)
美術工芸事業では、新型コロナウイルスの感染拡大による百貨店などの休業により需要が急減したため、当連結会計年度の売上高は3億8百万円(前年度比24.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は14億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ74百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は15億円(前年は49百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益5億61百万円、売上債権の減少4億28百万円、たな卸資産の減少7億34百万円などの収入に対し、仕入債務の減少4億73百万円、前渡金の増加2億61百万円などの支出が発生したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は97百万円(前年は4億2百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得1億37百万円などの支出が発生したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13億18百万円(前年は2億82百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の借入14億円による収入に対し、長期借入金の返済13億49百万円及び短期借入金の純減額11億56百万円並びに配当金の支払2億11百万円の支出が発生したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 品目別 | 当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | 前年同期比(%) |
| 非鉄金属事業(千円) | インゴット | 14,637,257 | 93.1% |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.スクラップについては、選別、プレスといった加工作業を主としており、生産実績がないため記載を省略しております。
4.美術工芸事業については、記載を省略しております。
b.受注実績
非鉄金属事業は受注生産と見込生産を併用しており、両者を明確に区別することが困難であること、また、非鉄金属相場等の市況は日々変動し期末日時点における受注高及び受注残高を合理的に算定することが困難であることから、記載を省略しております。
また、美術工芸事業については、受注生産と見込生産の明確な区分が困難であることから、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | 前年同期比(%) |
| 非鉄金属事業(千円) | 42,444,014 | 84.4% |
| 美術工芸事業(千円) | 308,766 | 75.7% |
| 合計(千円) | 42,752,780 | 84.4% |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年9月1日 至 2019年8月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 住友金属鉱山株式会社 | 11,482,597 | 22.7 | 8,405,005 | 19.7 |
| JX金属株式会社 | - | - | 4,275,967 | 10.0 |
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
4.前連結会計年度においてJX金属株式会社は、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、非鉄金属相場が一時的な下落はあったもの総じて上昇基調を維持し堅調に推移したことに加え、在庫管理の強化により適正利鞘が確保できたことや相場上昇による在庫評価益の発生もあり、売上高は427億52百万円(前年度比15.6%減)、売上総利益19億21百万円(同91.1%増)、売上総利益率は4.5%(同2.5ポイント増加)と大きく前年を上回りました。また、販売費及び一般管理費は微増となったことから営業利益6億46百万円(前年度は営業損失2億44百万円)、経常利益5億61百万円(前年度は経常損失2億89百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益3億78百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失2億30百万円)となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、インゴット売上高で143億39百万円(前年度比10.2%減)、スクラップ売上高で279億96百万円(同18.0%減)、美術工芸品売上高で3億8百万円(同24.3%減)、その他売上高で1億8百万円(同16.9%減)となり、売上高合計では427億52百万円(同15.6%減)となりました。
主な変動要因は、次のとおりであります。
非鉄金属事業では、インゴット売上高につきましては、造船関連は受注環境の悪化から、価格下落のなか販売数量減少の影響により減収となりましたが、給水設備関連で販売数量増加により増収となったため、全体では前年度比10.2%の減収となりました。また、スクラップにつきましては、上物や製錬会社向け故銅を主因に販売数量全体が減少したことや価格下落の影響から売上高は前年度比18.0%の減収となりました。
一方、美術工芸事業では、新型コロナウイルス感染拡大による百貨店などの休業により需要が急減したため、売上高は前年同期比24.3%の減収となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、非鉄金属事業では、銅相場が一時的な下落はあったものの期中を通して上昇基調を維持したことや在庫管理の強化により適正利鞘を確保できたことから増益となりました。一方、美術工芸事業では、利益率は若干改善したものの売上高減少の影響から減益となりましたが、非鉄金属事業の増益影響が大きく、19億21百万円(前年度比91.1%増)の大幅増益となり、売上総利益利率は4.5%(同2.5ポイント増加)と大幅に好転いたしました。
(営業利益)
売上総利益の大幅増加に加え販売費及び一般管理費が12億74百万円(前年度比2.0%増)と微増であったため、営業利益6億46百万円(前年度は営業損失2億44百万円)となりました。
(営業外収益及び費用)
営業外収益は、受取保険金2百万円、受取配当金10百万円、その他6百万円等により19百万円(前年度比64.7%減)となりました。
一方、営業外費用は、支払利息65百万円(前年度比25.3%減)、為替差損17百万円(同373.5%増)、デリバティブ運用損11百万円、持分法による投資損失4百万円、その他5百万円の発生により1億4百万円(同4.3%増)となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益及び費用を加減し、5億61百万円の経常利益(前年度は経常損失2億89百万円)となりました。
(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)
課税所得の増加により、法人税、住民税及び事業税は1億6百万円(前年度は8百万円)、法人税等調整額は77百万円(前年度は△90百万円)となり、税金費用は1億83百万円(前年度は△82百万円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3億78百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失2億30百万円)となりました。
目標とする経営指標について
当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、自己資本比率、自己資本利益率、有利子負債比率を重要な経営指標としております。
今期の実績は、下表の通り外部環境の影響により各目標とも好転いたしました。
| 経営指標 | 前連結会計年度 (2019年8月31日) | 当連結会計年度 (2020年8月31日) | 前年同期比 |
| 自己資本比率 | 41.2% | 45.1% | 3.9% |
| 自己資本利益率 | - | 5.1% | - |
| 有利子負債比率 | 116.1% | 98.1% | △18.0% |
(注)前連結会計年度の自己資本利益率については、当期純損失であるため記載しておりません。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク(4) 非鉄金属相場、為替相場の変動等」に記載のとおり、当社グループの取扱い品目が、日々の非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受けるため、これら二つの市場の相場変動により大きな影響を受ける可能性があります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)及び長期借入金による調達を基本とし、不足が生じる場合には調達コストも考慮し、短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には、長期借入金による調達で賄っております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。
長期資金の調達に際しては、金利動向を注視し、株式の発行に関しては、資本政策に基づき、株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。
資金の流動性については、利益の確保に加え、棚卸資産管理及び売掛債権の管理を行うことにより、営業活動によるキャッシュ・フローの安定的確保に努めております。
④財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は137億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億円減少いたしました。その主な要因といたしましては、売上債権が4億28百万円、たな卸資産が7億34百万円減少し、前渡金が2億61百万円増加したことによるものであります。固定資産は30億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ95百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、有形固定資産が52百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は167億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億96百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は71億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億45百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、仕入債務が4億73百万円、短期借入金が11億65百万円減少し、未払法人税等が1億15百万円増加したことによるものであります。固定負債は20億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、長期借入金が35百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は91億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億2百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は75億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億6百万円増加いたしました。その主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益3億78百万円、剰余金の配当2億12百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は45.1%(前連結会計年度末は41.2%)となりました。
⑤キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金15億円を投資活動による資金として97百万円使用し、また財務活動による資金として13億18百万円使用した結果、前連結会計年度末に比べ74百万円増加し、当連結会計年度末の資金残高は14億33百万円となりました。なお、各キャッシュ・フローの増減要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに連結会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループは、特に以下の重要な会計方針に関して、使用される当社グループの重要な判断、見積りが当社グループの連結財務諸表の作成において大きな影響を及ぼすと考えております。
a.たな卸資産の評価減
当社グループは、たな卸資産の市場需要に基づく将来の消費見込み又は販売見込み並びに市場状況に基づく時価の見積額を測定し、たな卸資産が将来に獲得可能なキャッシュ・フローを見積り、必要な評価減を計上しております。実際の市場における将来需要又は時価が当社グループの見積りより悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b.有形固定資産及び無形固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業部門単位をもとに資産のグルーピングを決定しております。営業損益が継続してマイナスであるなどの減損の兆候が見られた資産グループについて、割引前将来キャッシュ・フローの見積額が帳簿価額を下回り、減損損失を認識すべきと判断された場合、当該損失額を特別損失として計上します。資産グループの回収可能額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額を採用しており、正味売却価額は主に不動産鑑定評価額により算定し、使用価値は将来キャッシュ・フローの現在価値に基づいて算定しております。減損損失の判定を行う事業単位において、損益状況の悪化や事業内容の変化によって減損処理が必要となる状況が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり、将来の利益計画に基づいた課税所得の十分性やタックスプランニングの存在の有無などにより繰延税金資産の回収可能性を判断しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、第5「経理の状況」(追加情報)に記載のとおりであります。