四半期報告書-第15期第3四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

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2018/11/14 16:01
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有報資料

本書において使用される専門用語につきましては、(*)印を付けて「第2 事業の状況 3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の末尾に用語解説を設け説明しております。
当社は、第1四半期会計期間より、新たな経営方針に基づき、医療のアンメットニーズ(*)に対する創薬事業と、抗体周辺分野の技術サービスを提供する創薬支援事業を展開しております。
(1)業績の状況
当第3四半期累計期間における当社の事業活動の状況といたしましては、概況は次のとおりです。
創薬事業においては、当社が創製した抗セマフォリン3A抗体(*)について、カナダのSemaThera社(以下「ST社」)と共同開発ライセンスおよび独占的オプション契約を締結いたしました。CBA-1205については、臨床試験(*)開始を目指して準備を進めております。
創薬支援事業においては、中外製薬グループとの取引に加え、2018年5月に開始をいたしました小野薬品工業株式会社(以下「小野薬品」)との取引が順調に進んでおり、当社業務に対する評価を頂き、新たな契約締結に向けた交渉をいたしました。また、協和発酵キリン株式会社(以下「協和キリン」)に対しても継続してタンパク質精製サービスを提供しており、今後の売上の拡大のため、他の製薬会社への新規のタンパク質調製・抗体作製サービスの営業活動を継続しております。
この結果、当第3四半期累計期間における売上高は142,900千円(前年同四半期比43,509千円減少)、営業損失は932,267千円(前年同四半期は574,651千円の営業損失)、経常損失は927,702千円(前年同四半期は575,504千円の経常損失)、四半期純損失は927,396千円(前年同四半期は574,592千円の四半期純損失)となりました。
研究開発費について、当社は、従前の経営方針においては全ての保有資産が一体となってキャッシュ・フローを生成していたことから、前事業年度においては研究開発費を各報告セグメントへ配分しておりませんでした。しかしながら、第1四半期会計期間より、新たな経営方針に基づき、各報告セグメントの業績をより適切に把握するため、従来、各報告セグメントに対応させていなかった全社費用の一部を、合理的な測定方法に基づき各報告セグメントに対応させております。
各セグメントの業績は次のとおりです。
① 創薬事業
創薬事業においては、ヒト化抗セマフォリン3A抗体について、2018年3月にST社と糖尿病黄斑浮腫および非眼科領域を含む糖尿病合併症等に対する治療薬及び診断薬の開発に関する共同開発ライセンス及び独占的オプション契約を締結し、オプション期間に対応するオプション料を受領しております。現在、本抗体はST社での評価が行われております。
2017年9月にスイスのADC Therapeutics社(以下「ADCT社」)にADC(*)用途に限定して導出したLIV-1205については、ADCT社にて(開発コード:ADCT-701)2019年後半の治験計画届(*)の提出とその後の臨床試験開始に向けて前臨床試験の最終段階に開発ステージが進められております。
自社で開発中のCBA-1205については、臨床開発に向けて原薬製造の委託先であるドイツのProBioGen社にて、独自の糖鎖改変技術を用いてADCC活性(*)を高めた抗体産生細胞株の構築が完了し、今後の臨床試験に向けて処方検討を進めております。また、臨床開発の実施を担う臨床開発部を発足させ、試験計画の立案およびCRO(*)の選定などを進めております。
将来のパイプライン拡充に向けては、新規の創薬シーズ(*)に関わる研究開発に積極的に取り組み、当社のネットワークを駆使して外部機関へのコンタクトおよび情報収集を継続しております。また、前事業年度に引き続き当事業年度も、難治性がん、希少疾患ならびに指定難病における治療標的の確立に有用な研究テーマの公募・助成を行っております。その結果、国内の研究機関との創薬研究や当社の抗体作製技術や関連技術を用いた共同研究(2018年9月末現在で10件)などの研究開発を進めております。また、今後の導出や開発に向けて有望なデータが示唆された創薬シーズについては、優先的に資源配分の比率を高めるなど、早期の成果創出に向けた取り組みも行っております。
以上の結果、当該事業における当第3四半期累計期間の業績は、売上高2,015千円(前年同四半期比40,678千円減少)、研究開発費679,577千円(前年同四半期比358,189千円増加)、セグメント損失682,823千円(前年同四半期は280,370千円のセグメント損失)となりました。
② 創薬支援事業
創薬支援事業においては、中外製薬株式会社および同社の海外子会社であるChugai Pharmabody Research Pte. Ltd.との委託研究に関する契約に基づく取引が事業の中心となりました。
また、当社は、当第3四半期累計期間において小野薬品および協和キリンとそれぞれ取引にかかる売上を計上いたしました。この業務を通じて当社の研究機能に評価を頂いた結果、新たな契約を交渉いたしました。今後の継続的な取引にむけて取り組みを進めております。
また、国内外の大学、研究機関および企業に向けて、自社抗体作製技術であるADLib®システム(*)やB cell cloning法(*)等の抗体作製手法も用いた抗体作製サービスも提供いたしました。
以上の結果、当該事業における当第3四半期累計期間の業績は、売上高140,885千円(前年同四半期比2,830千円減少)、研究開発費5,960千円(前年同四半期比5,960千円増加)、セグメント利益70,301千円(前年同四半期比13,265千円減少)となりました。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は3,251,418千円となり、前事業年度末と比較して945,262千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が減少したことによるものであります。
(固定資産)
当第3四半期会計期間末における固定資産の残高は215,188千円となり、前事業年度末と比較して7,595千円減少いたしました。これは、減価償却費の計上による有形固定資産の減少と、費用計上による長期前払費用の減少によるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債の残高は183,032千円となり、前事業年度末と比較して18,857千円減少いたしました。これは主に、支払いによる未払金の減少、納税による未払法人税の減少、研究用材料購入による買掛金の増加によるものです。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産の残高は3,283,574千円となり、前事業年度末と比較して934,000千円減少いたしました。これは主に、四半期純損失の計上による利益剰余金の減少によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
<用語解説>(50音、アルファベット順)
用語意味・内容
アンメットニーズ現状の医療では満たされていない(未充足)ニーズのことです。具体的には、有効な治療法や薬剤がない場合、薬剤があっても使い勝手が悪いまたは副作用が強い、一時的に症状を抑えても再発する、時間とともに悪化するような場合、あるいは治療費が非常に高額になるような場合等にアンメットニーズが存在するといいます。
抗セマフォリン3A抗体セマフォリン3Aは神経の先端の伸長を制御する因子として発見されました。これまでの研究により、セマフォリン3Aを阻害することにより神経再生が起こること、また炎症・免疫反応やがん、骨の形成、アルツハイマー病、糖尿病合併症等とも関連していることが報告されております。抗セマフォリン3A抗体は、この因子の働きを抑えることによりアンメットニーズの高い各種疾患の治療薬開発に結びつくことが期待される抗体です。本抗体は、当社独自の抗体作製技術であるADLib®システムで取得されました。
シーズ事業化・製品化の可能性はあるものの、まだ“種または芽(シーズ)”の状態であり、現時点では大きな売上や価値を生み出さないものの、将来の可能性を秘めたモノ、技術やノウハウのことを指します。企業やアカデミアが見出したものの活用していないような技術や特許等も含まれ、当社の場合、研究初期段階のターゲット抗原やその候補、抗体等が有力な候補となります。

用語意味・内容
治験計画届臨床開発で使われる用語で、国内で臨床試験を実施する際に当該試験の計画を記した当局へ提出する書類のことです。
臨床試験臨床試験には、次の3段階があります。
第1相試験(フェーズ1):少数の治験参加者(*)に投与し、治験薬の安全性と治験薬が体内に入ってどのような動きをするのかを明らかにする試験
第2相試験(フェーズ2):比較的少数の患者さんに投与し、治験薬の効き目、副作用、使い方について、統計学的手法を使って調べる試験
第3相試験(フェーズ3):多数の患者さんに治験薬を投与し、効果と安全性を確かめる試験
初期臨床試験は主に第1相試験および初期の第2相試験のことを指し、治験薬の安全性を主に、薬効の兆しを観察します。
(*)おおまかにはがん治療薬の第1相試験の場合には治験参加者は患者さんであり、がん以外の領域の治療薬の第1相試験の場合には治験参加者は健康なボランティアの方です。
ADC抗体薬物複合体(Antibody drug conjugate)のことを指します。例えば、悪性腫瘍の細胞表面だけに存在するタンパク質(抗原)に特異的に結合する抗体に毒性の高い薬剤を結合させると、そのADCは毒性の強い薬剤を悪性腫瘍に送り届け、悪性腫瘍を死滅させることができます。このため、比較的副作用が少なく効き目の強い薬剤となる可能性があります。
ADCC活性抗体依存性細胞傷害活性(Antibody-Dependent-Cellular-Cytotoxicity)のことです。
抗体薬には、がん細胞の表面に発現する標的抗原(標的分子)に結合し抗腫瘍効果を示す直接的な作用のほかに、患者さん自身の免疫細胞(マクロファージやNK細胞等)を介して抗腫瘍効果を発揮する作用があります。そのため、標的抗原の発現量だけでなく、患者さん自身の免疫状態、特に抗体薬が生体内の免疫細胞をがん周囲に呼び寄せ、集まった免疫細胞を活性化することで大きな治療効果を期待できることがあります。このような作用をADCC活性といいます。
ADLib®(アドリブ)システムライブラリから特定の抗原を固定した磁気ビーズを用いて目的の抗原に結合する抗体産生細胞を取り出す仕組みです。ADLib®システムで用いるライブラリは、ニワトリのBリンパ細胞由来のDT40細胞の持つ抗体遺伝子の相同組換えを活性化することによって、抗体タンパク質の多様性が増大しております。国立研究開発法人理化学研究所で開発された技術で、当社はその独占的な実施権を保有しております。既存の方法に比べ、迅速性に優れていることおよび従来困難であった抗体取得が可能になる場合があること等の点に特徴があると考えております。
B cell cloning法目的の抗原への結合性抗体を産生する単一のBリンパ細胞を選択し、抗体遺伝子をクローニングする手法のことです。抗原をトリやマウスなどの実験動物に免疫した後、その動物からBリンパ細胞を含む脾臓やリンパ節を取り出して行います。ハイブリドーマ法と異なり、増殖し続ける能力を持った特殊な細胞(ミエローマ細胞)と融合させる工程を省くことができます。
CRO製薬企業が行う臨床試験を支援する組織(Contract Research Organization)のことです。質の高い臨床試験が実施できるように試験計画などのコンサルティングなどを行い、臨床試験のスピード化、質の向上、人件費の最小化などの役割を担っています。

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