有価証券報告書-第67期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 15:33
【資料】
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【項目】
107項目

対処すべき課題

当社グループは、切削工具を主たる販売商品として対面販売による営業活動を行い、国内外の製造業者の生産性の向上に寄与することで事業を拡大してまいりました。今後は、先行きに不透明感のある景況においても収益を確保していくため、以下の事項を当社グループの対処すべき課題として取組みを進めてまいります。
(1) 海外市場への展開
国内製造業においては、日本経済の停滞や海外新興国の成長を受け、生産拠点の海外移転が進んでおります。
当社グループとしては、中国及びアジア諸国などの新興成長市場を狙って海外展開を進める日系製造業の需要に対応するため、中国及びアジア諸国などへの海外展開を積極的に進めております。
国内販売で培った販売ノウハウや仕入先メーカーへの交渉力を使い、海外に現地法人を設立し、事業を進めてまいります。
(2) 営業活動の効率化
対面販売を基本とする営業活動を少しでも効率化するため、インターネットを利用したWEB販売システム「Cominix On-Line」を構築しております。このシステムの登録ユーザーは、システムにログインすることで24時間いつでも取扱い商品の在庫状況と購入価格の確認ができ、発注することができます。
今後も、このシステムの利用率を高めることで、営業活動の効率性を高めてまいります。
(3) 商品力の強化
当社グループは、国内市場で同業他社との競合がない、あるいは少ない商品を選定し、代理店として販売することを販売商品の差別化の基本的な方針としております。従って、同業他社との差別化を推し進めるために、今後も国内市場での販売基盤が少ないが競争力のある商品を製造するメーカーを探してまいります。
また、切削工具の製造メーカーが最終顧客に直販するケースや、他社メーカー品のOEM供給を受けることで幅広く販売するなど、製造メーカーも卸売業の範疇に入り込むケースが出ております。
卸売事業者が国内市場で国内メーカー商品を販売するだけでは商品力に限界があるため、当社独自の企画商品(プライベートブランド商品)の販売も行っております。
(4) 耐摩工具事業、光製品事業の育成
国内の切削工具の需要は、自動車市場が大きなウエイトを占めておりますが、自動車もエンジンからモーター搭載の電気自動車に切り替わると、切削加工は減少する可能性があります。
当社グループとしては、主力事業の切削工具販売以外の耐摩工具事業、光製品事業の育成も進めております。
(5) 社員教育
商社の競争力は社員の能力であるため、社員教育には力を入れており、豊富な知識を有することが、他社との差別化、競争力の源泉と考えております。当社では年間を通じて計画的に海外メーカーや専門研修機関による研修を実施しており、今後も営業担当者のスキル向上に努めてまいります。
(6) 切削工具卸売業界の再編
製造業の海外移転は加速しており、国内市場の大きな成長が期待できなくなっており、当社グループの所属する業界は再編の動きが出る可能性があります。当社グループもシェア拡大を目指し、時にはM&Aにも備えて積極的に再編に動けるよう、自己資本比率を高め財務体質の強化を進めてまいります。
(7) 国内製缶業界以外の耐摩工具の販売先開拓
当社グループの耐摩工具事業においては、国内製缶業界向け製缶工具の販売割合が高い状況となっております。今後は、国内製缶工具の販売で培った技術力やノウハウを活かし、海外の製缶業界への販売及び国内の製缶業界以外への販売を進めてまいります。