有価証券報告書-第67期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 15:33
【資料】
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【項目】
107項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、税効果会計、貸倒引当金、商品の評価、投資その他の資産の評価及び偶発事象等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
①資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べて396,348千円増加し、10,646,461千円となりました。これは、売上の増加により受取手形及び売掛金が412,434千円増加した一方で、在庫の調整により商品が97,083千円減少したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて122,970千円増加し、2,435,035千円となりました。これは、主に基幹システムの構築により無形固定資産のその他が116,178千円、従業員の増加に伴う保険積立金や差入保証金が増加したこと等により投資その他の資産のその他が57,351千円それぞれ増加した一方で、のれんの償却により、のれんが60,387千円減少したことなどによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて519,318千円増加し、13,081,496千円となりました。
②負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べて289,358千円増加し、7,560,464千円となりました。これは、主に短期借入金及び1年内返済予定長期借入金が92,150千円、仕入高の増加により支払手形及び買掛金が53,801千円、未払法人税等が49,571千円それぞれ増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて5,454千円増加し、1,028,621千円となりました。これは、主に退職給付に係る負債が35,354千円増加した一方で、長期借入金が44,560千円減少したことなどによります。
この結果、負債は、前連結会計年度末に比べて294,812千円増加し、8,589,085千円となりました。
③純資産
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて224,505千円増加し、4,492,410千円となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により389,923千円増加した一方で、配当金の支払いにより108,181千円減少したことなどによります。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、主に自動車業界への売上の増加及びメキシコ等海外子会社の売上の増加等より、前連結会計年度に比べて1,690,862千円(8.5%)増加し、21,518,474千円となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、売上高の増加により、前連結会計年度に比べて404,043千円(10.4%)増加し、4,300,212千円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、売上総利益が増加した一方で、販売費及び一般管理費が前連結会計年度に比べて300,314千円(9.3%)増加し、3,526,221千円となったことから、前連結会計年度に比べ103,728千円(15.5%)増加し、773,991千円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、営業利益が増加した一方で、円高による為替差損が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて44,410千円(6.2%)増加し、757,417千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて35,826千円(5.0%)増加し、757,417千円となりました。法人税等は、前連結会計年度に比べて21,148千円(6.3%)増加し、354,706千円となりました。この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて7,199千円(1.9%)増加し、389,923千円となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、前連結会計年度末に比べ74,162千円増加し、1,359,985千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は308,307千円(前連結会計年度は206,133千円の使用)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益757,417千円、前連結会計年度の3月と比べ仕入が多かったことに伴う仕入債務の増加額100,244千円、在庫の調整を行ったことによるたな卸資産の減少額65,561千円、のれん償却額60,387千円、減価償却費58,656千円などであり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額471,205千円、法人税等の支払額330,582千円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は152,486千円(前連結会計年度は135,698千円の使用)となりました。
これは、基幹システムのハードウエアの購入や、テクニカルセンター開設などによる有形固定資産の取得による支出74,963千円や開発途中の基幹システム構築費などによる無形固定資産の取得による支出37,538千円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は46,762千円(前連結会計年度は462,629千円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、長期借入れによる収入422,536千円、短期借入金の純増による収入45,958千円であり、支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出405,540千円、配当金の支払額107,999千円などであります。
②資金需要及び財務政策
当社グループの資金需要の主なものは、国内市場でのシェア拡大のための商品強化と海外市場への事業所展開であります。
現状は、戦略的な規模拡大による資金需要に対しては、金融機関からの借入金により対応しておりますが、取扱量の増大に伴う物流センター設備への投資やコンピューターシステムへの投資も継続的に行う必要があり、今後資金需要が高まる可能性があります。
今後は手元資金でこれらの資金需要が満たされない場合も想定され、新株発行など十分な準備を行ってまいります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクにつきましては発生の回避及び発生した場合にはその対処に努める所存であります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、切削工具事業を中心として事業を展開しております。今後の成長のためにも、当社の競争力に磨きをかけるため、営業担当者の対面販売における知識向上を目指した社員教育に力を入れております。
国内市場においては成長が鈍化していく見通しであり、競争力ある商品ラインナップの拡充でシェア拡大を進めてまいります。海外市場においては成長が続く見通しであり、中国、東南アジア諸国、メキシコ及びアメリカでの販売網整備を主な経営戦略として進めてまいります。
また、耐摩工具事業や光製品事業など主力以外の事業の育成にも努めてまいります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めておりますが、我が国の製造業を取り巻く環境は、中国をはじめとするアジア諸国に製造拠点が移転されるなど、製造が海外に流出する製品と、技術流出を防ぐ意味において日本国内で製造される高精度を要求される製品の二極化が進行していくと認識しております。
これらの状況を踏まえて、国内市場ではシェア拡大により、成長性のある海外市場では積極的な投資での事業拡大により、当社グループの収益力を強化していく方針であります。