有価証券報告書-第29期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 15:30
【資料】
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【項目】
169項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、企業理念を「これからの食卓、これからの畑」と定め、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決することをミッションとしています。お客様に、美味しく楽しく健康的な食生活を送っていただくためにはどうすれば良いかを考え、活動しています。
現在のように不安定な環境におきましては、生活インフラを担うサービスとしての自覚を一層強く持ち、皆様のお役に立てるよう尽力してまいります。
(2) 経営環境
2025年10月のグループ再編に伴うB2Bサブスク事業(給食事業)の完全子会社化を機に、共通のサブスクリプションモデルを有するB2Cサブスク事業(食品宅配事業)とB2Bサブスク事業(給食事業)の両事業のシナジー創出を加速させています。すでに実施した製造、物流、システム、及びコーポレート各部門の統合により、製造ラインの稼働率向上やDX推進による生産性向上といった効果が着実に現れており、今後は商品開発から調達、製造、物流、そして食の提供に至る全工程を一体運営することで、持続的な成長サイクルを確立いたします。
2030年目標に向けては、B2Bサブスク事業(給食事業)における売上高の持続的な成長及び収益性改善による増収増益を主軸としつつ、B2Cサブスク事業(食品宅配事業)の収益性改善も並行して進めることで、トップラインの拡大と収益性改善の両立を力強く推進してまいります。
(3) 経営戦略
(B2Bサブスク事業)
国内の給食市場は、約5兆円と非常に大きく、高齢者施設や社食などを中心に安定的に推移している市場です。一方で、昨今の人材不足や原材料・人件費による利益圧迫により、食の質の低下が懸念されるなか、給食業者の業績悪化や再編の動きが顕在化しています。
中長期目標に向け、当社は、この市場再編の機会を捉え、ロールアップ型M&Aとオーガニック成長の両輪を推進し、B2Bサブスク事業の売上高の持続的な成長と収益性の改善に努め、給食業界におけるトップティア入りを実現してまいります。
具体的な利益成長アクション
1. 売上高の持続的な成長戦略(M&A/オーガニック):
中長期でB2B領域のM&Aを中心に行う方針に基づき、直近ではシダックスホールディングスのフード事業を完全子会社化し、コア事業の中核として位置付けています。このようなロールアップ戦略による事業規模の急拡大と、オーガニック成長の掛け合わせにより、売上高の持続的な成長を目指します。
2. 収益性の改善戦略:
価格適正化の推進と店舗運営の標準化を徹底します。また、B2Cサブスク事業のノウハウを給食事業に展開し、「タイパ給食モデル」やAI・DXの活用による労務費削減を推進します。中長期的には、「タイパ給食モデル」の導入拡大や調達・物流の最適化を通じて成長投資の原資を確保し、収益性を改善することを目指します。
3. B2C知見を活用した商品開発:
「Kit Oisix」の累計販売2.5億食で培った知見と技術力を、今後の商品開発に最大限活用してまいります。この開発力を背景に、美味しさと品質を追求した高齢者施設向け完全調理品「元気ごはん」などの展開を強化し、給食事業の高付加価値化を推進してまいります。
(B2Cサブスク事業)
国内の食品宅配市場は約3兆円あり、今後も年成長率約3%が予想されており、順調に拡大が見込まれています。一方、当社のマーケットシェアは数%程度であり、グローバルの他社事例を踏まえても、国内事業で引き続き成長できると考えています。また、食品市場全体におけるEC比率も約4%とまだまだニッチであり、他社サービスを含めた市場全体の活性化も見込まれています。
当社は、当該市場において、「スペシャリティ」×「サブスクリプション」の領域に特化したサービスを展開しており、付加価値が高い商品を生み出す契約生産者とのダイレクトネットワークやお客様インサイトに基づくサービス開発スキル等、当該領域において高い参入障壁を築いており、流通総額でNo.1の地位を確立しています。
具体的な利益成長アクション
中長期目標の実現に向け、国内B2Cサブスク事業では「超ラクKit」「デリOisix」等のサービス・商品の進化を継続してまいります。商品開発から販売に至るプロセスの細部までたゆまぬ改善を重ね、外部環境の変動に左右されない強固な収益基盤の構築を推進し、収益性の改善を目指します。
(4) 優先的に対処すべき事業上の課題
当社グループが認識している優先的に対処すべき事業上の課題は以下のとおりです。
① お客さまの食ニーズに対する価値提案強化とパーソナライズ化
共働き世帯の増加による時短ニーズに加え、大容量やコスパなど、ライフスタイルや価値観の多様化が拡大しています。これに対応するため、「超ラクKit」や「たすだけシリーズ」、「デリOisix」など多様なニーズに応える商品展開を強化するとともに、蓄積されたデータとAIを活用したパーソナライズ型の商品提案を高度化し、顧客体験(CX)を深化させることが求められています。また、食材費や物流費の高騰が継続する中、独自性のある商品提案による顧客生涯価値(LTV)の最大化と、製造工程の内製化などのオペレーション改善による収益性の向上を両立させていく必要があります。
② ロールアップ型M&Aの推進と給食業界の構造的な収益力改善
国内給食市場は安定推移しているものの、深刻な人材不足や食材費・人件費の高騰により、給食業者の業績悪化や破綻が顕在化しています。当社は、ロールアップ型M&Aとオーガニック成長の両輪で事業規模を拡大し、業界においてトップティア入りを目指します。具体的には、B2C事業で培った商品開発ノウハウを活かした高齢者施設向け完全調理品「元気ごはん」や業務用ミールキットの導入により、省人化と高付加価値を両立する「タイパ給食モデル」を展開します。さらに、AIを活用した献立作成や需要予測、発注・シフト管理の自動化により運営の標準化を推進し、収益構造の改善を図ります。
③ 持続可能な食の未来の実現
世界的な気候変動や食品廃棄の増加、労働力不足など食を取り巻く課題が深刻化する中、持続可能な食の未来の実現に向け、環境、サプライチェーン、人的資本に関する課題に対応していく必要があります。
環境面では、サプライチェーン全体での温室効果ガス削減、PB商品への環境配慮型素材の導入や食品廃棄物のリサイクル推進による資源循環、さらに未利用・低利用原料の活用による川上の食品ロス削減に注力いたします。
サプライチェーン面では、主要サプライヤーへの行動規範浸透や人権デューデリジェンス体制の構築を基盤とし、代替タンパク質をはじめとする新たなサステナブル食材の研究開発を進め、生産者と共生する安定した食のインフラを構築してまいります。
人的資本面では、これらを推進する基盤として、専門職を含む女性管理職登用の推進やエンゲージメントの向上を図り、多様な人材がその能力を最大限に発揮しイノベーションを創出できる組織文化の醸成と人的資本の強化に努めます。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループが上記の経営戦略の達成を判断するため重視している経営指標は、売上高、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)、1株当たり当期純利益とそれぞれの成長率であります。また、B2Bサブスク事業及びB2Cサブスク事業の成長性・収益性に関する指標として、両事業の売上高、EBITDAマージンに加え、Oisix会員数(B2Cサブスク事業)や契約施設数(B2Bサブスク事業)等を重視しております。

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