有価証券報告書-第11期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 9:55
【資料】
PDFをみる
【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境や個人消費は緩やかな回復基調が続いているものの、中国経済の減速や米国新政権による政策転換などの影響により、景気の先行きが依然として不透明な状況で推移しております。
ホーム・オフィス・デリバリー業界(宅配水製造・販売事業)においては、平成23年3月の東日本大震災以降の飲料水に対する「安心」・「安全」・「安定供給」を求める意識の高まりを受け、宅配水の認知度は確実に向上いたしました。震災による影響は薄れてきたものの、宅配水の市場規模は依然として緩やかに成長しております。一方で、小口宅配の増加に伴う物流コストの高止まりなどのコスト圧迫要因は年々強まり、ホーム・オフィス・デリバリー業界を取り巻く事業環境には一段の厳しさが見え始めております。
このような状況の下、当社グループは、創業以来、「天然(天然水)」・「生(非加熱殺菌)」・「直(ダイレクトビジネス)」にこだわった良質で安全なナチュラルミネラルウォーターを生産し、安定的により多くのお客様にお届けすることが当社グループの社会的使命であると考えております。この使命を長期的に果たすことにより、宅配水業界において競争力のある地位を確保しつつ企業価値を向上させ、あらゆるステークホルダーから信頼されることを目指しております。その実現のための第一歩として平成28年7月1日付で実施した株式会社エフエルシーとの間の経営統合により、同社の擁する強力な営業体制を軸とする当社グループ全体の販売体制の再編と集約化を行い、当社の創業時からの強みである製販一体型体制のより一層の強化を図ってまいりました。これにより、当連結会計年度も引き続き重点項目の1つに位置付けている顧客基盤の強化に向けた、営業活動の規模等の拡大や既存顧客の満足度の向上のための各種キャンペーン等の施策の効果が大きく現れ、平成29年3月期末の保有契約件数(※1,2)は当初計画された数値を大幅に上回る結果を収めております。
その結果、平成29年3月末現在の保有契約件数は、次のとおりとなりました。
保有契約件数 472,830件(前連結会計年度末224,793件 当連結会計年度増加数248,037件)
(※1)当連結会計年度より、前連結会計年度に使用していた用語のうち「保有顧客数」につきましては、「保有契約件数」に変更しております。
(※2)当連結会計年度より、保有契約件数の集計にあたっては4か月以上宅配水のご購入の実績がない場合は除外しております。前連結会計年度末の保有契約件数及び前連結会計年度末からの増減数は、この新しい保有契約件数の計算方法を適用して算出しております。
また、当連結会計年度のナチュラルミネラルウォーター出荷実績は10,854千本(前連結会計年度8,071千本、当連結会計年度増加数2,783千本)となりました。
他方で、プリフォームの自社生産によるPET容器の完全内製化が出荷本数の増加に伴って製造原価低減効果が高まっていることに加え、この販売体制の集約化により一定のコスト低減効果が生じているものの、顧客基盤の強化に向けた営業活動の拡大等により販売促進費等は大幅に増加いたしました。また、当連結会計年度におきましては、販売規模の拡大に伴い、ナチュラルミネラルウォーターの製造等を担う当社連結子会社の法人税等の負担額の増加が当社グループの利益の押下げ要因となっております。
以上により、当連結会計年度の業績につきましては、売上高19,947百万円(前連結会計年度比52.8%増)、売上総利益15,463百万円(連結会計年度比61.7%増)、営業損失569百万円(前連結会計年度は35百万円の営業利益)、経常損失704百万円(前連結会計年度は23百万円の経常損失)及び親会社株主に帰属する当期純損失1,217百万円(前連結会計年度は5百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は4,233百万円と前連結会計年度末(1,249百万円)に比べ2,984百万円増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、150百万円と前連結会計年度(1,475百万円)に比べ1,325百万円の減少となりました。この主な要因は、資金の支出を伴わない減価償却費2,295百万円による資金の増加があったものの、税金等調整前当期純損失△736百万円、たな卸資産の増加△733百万円、売上債権の増加△393百万円、前払費用の増加△609百万円、長期前払費用の増加△397百万円による資金の流出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により調達した資金は、188百万円と前連結会計年度(使用資金1,608百万円)に比べ1,797百万円の増加となりました。その主な要因は、株式会社エフエルシーの株式の取得による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入644百万円、ウォーターサーバー購入等有形固定資産の取得による支出△235百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、2,631百万円と前連結会計年度(使用資金632百万円)に比べ3,264百万円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出2,182百万円があったものの、長期及び短期借入金の増加3,452百万円、新株式の発行による収入2,301百万円によるものであります。