有価証券報告書-第15期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 15:45
【資料】
PDFをみる
【項目】
114項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績
当連結会計年度においてわが国経済は、堅調な雇用・所得情勢を受け、景気は緩やかに回復しました。しかしながら、米国の政権移行や英国のEU離脱問題、中国をはじめとする新興国の景気減速など、世界情勢は大きく変化しており、先行きは不透明な状況となっております。
一方、当社グループの事業領域であるiPS細胞関連の研究は、平成19年に山中伸弥教授がヒトiPS細胞を発見して以来、世界中の研究施設で盛んに行われるようになっております。さらに日本では「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」並びに「薬事法等の一部を改正する法律」が平成26年11月25日に施行されました。本法律は、治験において安全性が確認され、有効性が推定された再生医療等製品(細胞医薬品など)に対して早期承認(条件・期限付き承認)を与えることにより、患者に対して新たな治療機会を早期に提供すると共に、治験期間の短縮や治験費用の削減が期待できる制度です。本法律の施行により、わが国は世界で最も再生医療の産業化に適した環境が整いつつあります。また、経済産業省の試算(「再生医療の実用化・産業化に関する研究会の最終報告」)によると、再生医療産業のグローバルでの市場規模は2030年で約17兆円、2050年で約53兆円となっており、今後、巨大市場に成長することが見込まれています。
当社グループでは、iPS細胞事業を「研究試薬」「創薬支援」「再生医療」の3つに分類しております。これまで当社グループでは「研究試薬」と「創薬支援」の2つの事業に注力してまいりましたが、当連結会計年度より本格的に3つ目の「再生医療」を開始いたしました。セグメントごとの詳細な当連結会計年度の成績に関しては、後述のセグメント別の業績にて記載いたします。
また、当連結会計年度では、当社グループ全体の事業の効率的な運営およびコーポレートガバナンスの強化を目的として、米国と英国にそれぞれ複数あった子会社を合併統合し、REPROCELL USA Inc.およびREPROCELL Europe Ltd.として再編いたしました。具体的には、米国子会社3社(Stemgent社、Bioserve社、Biopta Inc.社)をREPROCELL USA Inc.に、英国子会社2社(Reinnervate社、Biopta Ltd.社)をREPROCELL Europe Ltd.に統合しております。
本統合によって、管理部門やマーケティング部門では重複する機能を削減することにより経費を削減し、技術部門および営業部門では各子会社間の技術シナジーの実現および営業活動の効率化を図ることが出来ました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,257百万円(前年同期比 18.0%増)、営業損失は944百万円(前年同期 1,024百万円の損失)、経常損失は937百万円(前年同期 1,169百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は911百万円(前年同期 1,961百万円の損失)となりました。
なお、営業損失には「販売費及び一般管理費」として、海外子会社買収時に生じたのれん及び無形資産の償却費が226百万円(前年同期283百万円)含まれております。また、「親会社株主に帰属する当期純損失」につきまして、前連結会計年度においては特別損失として減損損失が発生しておりましたが、当連結会計年度ではそのような特別な要因は発生しなかったため、大幅な増益となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
a.iPS細胞事業
当社グループでは、iPS細胞事業を3つに分類しております。1つ目は大学や公的研究機関を対象顧客とする「研究試薬」、2つ目は製薬企業や化学企業を対象とする「創薬支援」、3つ目は患者および医療機関を対象とする「再生医療」です。当社グループではこれまで「研究試薬」と「創薬支援」の2つの事業に注力してまいりましたが、当連結会計年度より本格的に3つ目の「再生医療」を開始いたしました。なお新たに取り組む「再生医療」においても、「研究試薬」および「創薬支援」で培われた技術およびビジネス基盤を十分に活用することで、競争力と優位性を確保してまいります。
「創薬支援」においては、ヒトiPS細胞だけでなく、ヒト組織を用いた受託サービスおよび三次元培養技術を新たに加えることで、製品ラインナップを拡大しております。世界中の製薬企業では「動物実験からヒト細胞実験」への大きなシフトが進んできており、当社グループとしてはそのトレンドを受けて「ヒト細胞」技術の強化およびラインナップの拡充を進めております。iPS細胞はヒトの様々な細胞や組織を作製することができるため非常に有力な技術ではありますが、現状では作製できる細胞種に限りがあります。そこで、ヒトから直接採取した細胞や組織を確保することで、対応できる細胞種のバリエーションを格段に広げております。ヒトiPS細胞およびヒト組織を用いた創薬支援ビジネスを提供している企業は世界でも当社グループ以外に例がないと考えられ、上述のトレンドからも今後一層競合優位性が拡大していくと考えております。
当連結会計年度では、株式会社ファンケルとヒトiPSモデル細胞の共同開発契約を締結いたしました。さらに、日米欧の製薬企業、大学、バイオベンチャーから、創薬支援サービスおよびiPS細胞の樹立サービスを受託しており、引き合いも増加傾向にあります。
また、REPROCELL Europe Ltd.では、iPS細胞、ヒト組織、三次元培養の3つの技術を一カ所に集約させた「Centre for Predictive Drug Discovery」を新設し、今後当社グループの強みをさらに強化する取り組みに着手しました。本施設は、スコットランド政府下の特殊法人であるスコットランド開発公社による補助金(RSAグラント)を活用し、設備や人員の整備を行っております。以上のように、創薬支援において、着実に事業の拡大を進めております。
「再生医療」においては、当連結会計年度において2つの大きな進捗がありました。1つ目は、臨床応用に適したiPS細胞の作製技術の開発です。現在、iPS細胞の臨床応用における最大の技術課題として安全性の確保があげられており、皮膚や血液からiPS細胞を作製する際に起こる遺伝子の変異リスク、外来の遺伝子やウイルスがiPS細胞に残存することによるがん化のリスク等が言われています。これらの課題を克服すべく当社グループは新規リプログラミング方法の開発に取り組んでまいりました。この結果、RNA法という次世代技術を用いることで、遺伝子変異リスクを最小化し、外来遺伝子やウイルス残存リスクのない高品質なiPS細胞の作製を可能にする技術の開発に成功しました。既に本技術を用いたiPS細胞作製用試薬「StemRNA-NM Reprogramming Kit」の発売および受託ビジネスを当連結会計年度に開始しております。今後、RNAリプログラミング技術の臨床応用を進めiPS細胞技術を活用した再生医療を進めてまいります。
2つ目として、台湾のバイオベンチャーであるSteminent Biotherapeutics Inc.(以下、ステミネント社)から、脊髄小脳変性症の治療薬として開発が進められる細胞医薬品ステムカイマルの日本における独占ライセンス契約を締結しました。ステムカイマルはヒトの脂肪組織由来の細胞で、台湾では、既に治験(第Ⅰ/Ⅱa 相)が完了しており、その結果は国際的な学術論文で発表されております。日本では当社が事業主として、2018年から治験を開始し、2020年頃に承認申請の予定です。当社はステムカイマルの開発を通じて細胞医薬品の開発ノウハウを蓄積し、当社独自のiPS細胞技術を用いた再生医療の実用化を加速させてまいります。
この結果、売上高は1,206百万円、セグメント損失は117百万円となりました。
b.臨床検査事業
当社の臨床検査事業は腎臓移植や造血幹細胞移植分野への適用の広がりを見せている抗HLA抗体検査(スクリーニング及びシングル抗原同定検査)を主力として、日本全国の100施設以上の病院から検査を受注しております。また、近年は、HLA抗体と移植成績や移植後のグラフト(移植片)生着成績の関連性が注目されており、移植の前にHLA関連検査を行う施設が増えております。
当連結会計年度では、株式会社ヘリオスと同社が実施する再生医療等製品の治験における臨床検査業務受託に関する契約を締結いたしました。今後ヘリオス社の治験の実施に応じて、順次検査業務を行ってまいります。
他人の細胞を移植する再生医療は、拒絶反応が治療成績に大きく影響する点で臓器移植と類似しており、今後再生医療の普及に応じて臨床検査のニーズも高まると予測されます。
この結果、売上高は50百万円、セグメント利益は11百万円となりました。
なお、管理部門にかかる費用など各事業セグメントに配分していない全社費用が830百万円あります。

(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて1,004百万円増加し、5,419百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は775百万円(前年同期は614百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失937百万円が発生した一方、のれん償却費141百万円等の発生によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は685百万円(前年同期は568百万円の使用)となりました。これは主に、有価証券の償還に伴う収入1,000百万円が発生した一方で、投資有価証券の取得による支出248百万円が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は1,127百万円(前年同期は1,700百万円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入1,116百万円によるものであります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。