有価証券報告書-第11期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 11:12
【資料】
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【項目】
85項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
1)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「水と生きる」を掲げる会社として、自然を大切にし、社会を潤し、そして新たな挑戦を続けることを約束します。また、社会情勢の変化や健康に対する消費者ニーズの高まりといった昨今の事業環境の変化を踏まえ、ビジョンを「次世代の飲用体験を誰よりも先に創造し、人々のドリンキングライフをより自然で、健康で、便利で、豊かなものにする」と定めています。株主及び投資家の皆様、お客様、地域社会、取引先、従業員等の各ステークホルダーとの間の良好な関係を保ち、企業としての社会的責任を果たすため、コーポレート・ガバナンスの充実に努めます。
2)コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況
① コーポレート・ガバナンス体制の概要と当該体制の採用理由
当社は、コーポレート・ガバナンス体制として、監査等委員会設置会社を選択しています。
これは、以下を目的としたものであります。
・取締役会の議決権を有する監査等委員が監査を行うことによる監査・監督の実効性の向上、及び、内部監査部門を活用した監査の実施による内部統制の実効性の向上を図ること
・社外取締役を含めた取締役会において、経営戦略、中期・長期計画及び経営課題に関する議論等、より大局的・実質的な議論を行うことで、経営戦略を実現し、目標とする経営指標を達成するとともに、個別の業務執行については社内規程に基づく意思決定によるものとすることで、意思決定の迅速化と取締役会の監督機能の強化を図ること
1.取締役・取締役会
当社は、定款において、取締役の人数を20名以内(うち監査等委員は5名以内。)と定めています。
本書提出日の取締役の人数は9名(うち監査等委員は3名。)です。取締役の任期は、監査等委員以外の取締役は1年であり、経営環境の変化に対応し、最適な経営体制を機動的に構築するよう努め、監査等委員は2年であり、実効的な監査の実施に努めています。
当社は、定時取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しています。
当社は、定款において、取締役会の決議によって重要な業務執行の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定めています。当社においては、重要な業務執行のうち、M&A、組織再編、多額の資産の取得・処分等については、取締役会の決議事項としていますが、個別の業務執行については、原則として、代表取締役社長等の経営陣にその決定を委任しています。
取締役会の構成員は、議長である小郷三朗氏(取締役会長)、齋藤和弘氏、山﨑雄嗣氏、木村穣介氏、鳥井信宏氏、井上ゆかり氏(社外取締役)、千地耕造氏、内田晴康氏(社外取締役)及び増山美佳氏(社外取締役)です。
2.監査等委員会
監査等委員会は、社外取締役である監査等委員が過半数を占めるように構成され、内部統制システム を利用して、取締役の職務執行、その他グループ経営に関わる全般の職務執行状況について、監査を実施しています。
当社は監査等委員会の監査・監督機能を強化するため、取締役(監査等委員を除く。)からの情報収集及び重要な会議における情報共有並びに内部監査部門と監査等委員会との十分な連携を可能とすべく、常勤監査等委員1名を選定する方針としています。
監査等委員会の構成員は、議長である千地耕造氏(常勤監査等委員)、内田晴康氏(社外取締役)及び増山美佳氏(社外取締役)です。
3.会計監査人
有限責任監査法人トーマツを会計監査人として選任しており、会計及び会計に係る内部統制の適正及び適法性について、第三者としての視点から、指導・助言を受けています。
4.内部監査部門
当社グループは内部監査部門(グローバル監査部等)を設置し、内部監査部門は当社グループの監査を実施し、業務の適正な執行に関わる健全性の維持に努めています。
5.人事委員会
当社は、任意の人事委員会を設置しています。人事委員会は、取締役選解任候補者案、並びに、取締役(監査等委員を除く。)の報酬の水準及び指標について審議し、その妥当性について取締役会に答申します。また、最高経営責任者及び社外取締役候補者の後継者計画(プランニング)の策定・運用状況についても審議し、取締役会に答申します。なお、当社は、サントリーグループとの連携による企業価値向上を図るため、取締役の選解任候補者案や報酬水準等について、親会社であるサントリーホールディングス㈱との間で、緊密に協議を行っていますが、人事委員会における審議と答申を経ることで、客観性と親会社からの独立性を確保し、株主全体の利益の最大化を図っています。
人事委員会の構成員は、委員長である小郷三朗氏(取締役会長)、井上ゆかり氏(社外取締役)、内田晴康氏(社外取締役)、増山美佳氏(社外取締役)、齋藤和弘氏及び山﨑雄嗣氏の6名です。
6.リスクマネジメントコミッティ等
当社は、リスクマネジメントコミッティ、品質保証委員会、サステナビリティ委員会を設置しています。
リスクマネジメントコミッティは、当社グループ全体のリスクマネジメント活動を推進する役割を担い、当社グループのリスクの抽出、対応策の立案及び対応状況の進捗確認を行います。
リスクマネジメントコミッティの構成員は、委員長である山﨑雄嗣氏(取締役専務執行役員コーポレートマネジメント本部長、サステナビリティ・広報担当)、関連部署長等7名の合計8名です。
品質保証委員会は、当社グループ全体の品質保証活動の推進を担い、当社グループにおける品質保証上の課題の抽出、対応策の立案及び対応状況の進捗確認を行います。
品質保証委員会の構成員は、委員長である藤本誠氏(執行役員MONOZUKURI本部品質保証部長)、関連部署長等9名の合計10名です。
サステナビリティ委員会は、当社グループ全体のサステナビリティ経営の推進を担い、社会と事業の持続的な発展に向けて、戦略立案・推進を行います。
サステナビリティ委員会の構成員は、委員長である山﨑雄嗣氏(取締役専務執行役員コーポレートマネジメント本部長、サステナビリティ・広報担当)、関連部署長等8名の合計9名です。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の模式図は次のとおりです。
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② 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
Ⅰ.当社の取締役、執行役員及び使用人並びに当社子会社の取締役、執行役員その他これらの者に相当する者(以下「取締役等」という。)及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1.当社及び当社子会社(以下「当社グループ」という。)は、「人と自然と響きあう」という企業理念を共通の志として、国際的企業市民としての自覚をもとに、市民社会のルールを尊重し、コンプライアンスを最優先にする組織と風土を何よりも重視し、当社グループの取締役、執行役員及び従業員等一人ひとりが、企業市民として、社会的な倫理の上に組織の意思決定を行い、事業活動を展開する。
2.上記理念の実践のため、サントリーグループ企業倫理綱領に基づき、法令遵守・社会倫理の遵守を当社グループの全ての取締役、執行役員及び従業員等の行動規範とする。取締役及び執行役員は、法令・定款並びに企業倫理の遵守を率先垂範して行うとともにコンプライアンス経営の維持・向上に積極的に努めるものとする。
3.当社グループの取締役、執行役員及び従業員等の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、リスクマネジメントコミッティにおいて、当社グループ全体のコンプライアンス活動の推進を行い、コンプライアンス推進に関する重要課題を審議する。また、コンプライアンス担当部門により、定期的に教育・研修活動を行うとともに、当社グループ全体のコンプライアンス体制の構築・推進を行う。
4.リスクマネジメントコミッティは、審議内容及び活動を、適宜、取締役会及び監査等委員会に報告するものとする。
5.取締役及び執行役員が当社グループのコンプライアンス上の問題を発見した場合は、速やかにリスクマネジメントコミッティに報告するものとする。また、コンプライアンス・ホットラインを社内・社外に設置し、当社グループの従業員等がコンプライアンス上の問題点について、直接報告できる体制とし、情報の確保に努めた上で、報告を受けたリスクマネジメントコミッティは、その内容を調査し、必要に応じて関連部署と協議し、是正措置を取り、再発防止策を策定し、当社グループ全体にこれを実施させるものとする。
6.必要に応じて、当社子会社に取締役を派遣し、適正な業務執行・意思決定や監督を実施する。また、当社の関連部署は、必要に応じて、当社子会社に対する助言、指導又は支援を実施するものとする。
7.必要に応じて、当社子会社に監査役を派遣し、監査を実施するものとする。
8.内部監査部門を設置し、当社グループのコンプライアンスの状況・業務の適正性に関する内部監査を実施する。内部監査部門はその結果を、適宜、監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする。
9.当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備・構築する。
10.取締役及び執行役員は、当社グループにおいて、反社会的勢力との関係断絶及び不当要求への明確な拒絶のための体制を構築し、推進するものとする。
Ⅱ.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
1.取締役及び執行役員は、株主総会議事録、取締役会議事録、重要な意思決定に関する文書等(電磁的記録を含む。以下同じ。)その他取締役の職務の執行に係る重要な情報を法令及び社内規程に従い保存・管理するものとする。
2.上記の文書等は、取締役が必要に応じて閲覧可能な状態を維持するものとする。
3.リスクマネジメントコミッティにおいて、個人情報を含む情報の保護・保存のみならず、情報の活用による企業価値向上を含めた情報セキュリティ・ガバナンス体制を構築・推進する。
Ⅲ.当社及び当社子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1.当社グループのリスクマネジメントの基本方針は、取締役会において決定されるものとする。
2.業務執行におけるリスクは、各業務執行取締役及び執行役員がその対応について責任を持ち、重要なリスクについて、取締役会において、分析・評価を行い、改善策を審議・決定するものとする。
3.グループ経営上重要なリスクは、リスクマネジメントコミッティ及び品質保証委員会において、当社グループ全体の業務遂行上のリスク及び品質リスクをそれぞれ網羅的・総括的に管理する。また、必要に応じ、当該リスクの管理に関する規程の制定・ガイドラインの策定・研修活動の実施等を行うものとする。
4.新たに生じたグループ経営上重要なリスクについては、取締役会において、速やかに対応の責任を持つ業務執行取締役又は執行役員を選定し、対応について決定するものとする。
Ⅳ.当社の取締役及び当社子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1.当社グループの経営の基本方針は、取締役会において決定されるものとする。
2.当社は、当社グループの取締役、執行役員及び従業員等が共有すべき全社的目標を定め、担当取締役は、全社的目標達成のための具体的目標及び権限の適切な配分等、当該目標達成のための効率的な方法を定める。
3.担当取締役は、目標達成の進捗状況について、取締役会において確認し、具体的な対応策を報告しなければならないものとする。
4.各取締役の業務執行の適切な分担を実施し、責任権限規程に基づき、効率的な意思決定を図るものとする。
Ⅴ.当社子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
1.当社子会社の業務執行の状況については、定期的に取締役会において報告されるものとする。
2.当社子会社を担当する業務執行取締役及び執行役員は、随時当社子会社から業務執行の状況の報告を求めるものとする。
3.責任権限規程において、当社子会社の経営に関わる一定の事項については、当社の関連部署との協議・報告又は当社の取締役会の承認を義務付けるものとする。
4.内部監査部門は、当社子会社に対する内部監査の結果を、適宜、監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする。
Ⅵ.その他の当社並びにその親会社及び当社子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制
親会社を含む当社グループ間の取引については、取引の実施及び取引条件の決定等に関する内部手続を定め、これらの取引の客観性及び合理性を確保する。特に、親会社との取引に関しては、親会社からの独立性を確保するよう留意する。
Ⅶ.当社の監査等委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項、当該取締役及び使用人の他の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項並びに監査等委員会の当該取締役及び使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
1.監査等委員会の職務は、内部監査部門においてこれを補助する。内部監査部門の使用人の異動、評価等は、監査等委員会の意見を尊重して行うものとし、取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性を確保するものとする。
2.内部監査部門の使用人は、監査等委員会の職務を補助するに際しては、もっぱら監査等委員会の指揮命令に従うものとする。
Ⅷ.当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)、執行役員及び使用人並びに当社子会社の取締役、執行役員、監査役その他これらの者に相当する者及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査等委員会に報告するための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制
1.代表取締役及び業務執行取締役は、取締役会において、随時その担当する業務執行の報告を行うものとする。
2.当社グループの取締役(監査等委員である取締役を除く。)、執行役員及び従業員等は、監査等委員会が事業の報告を求めた場合又は業務及び財産の調査を行う場合は、迅速かつ的確に対応するものとする。
3.当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)、執行役員及び従業員等は、法令等の違反行為等、当社グループに重大な損害を及ぼすおそれのある事実が発見された場合は、直ちに監査等委員会に対して報告を行うものとする。
4.内部監査部門及びリスクマネジメントコミッティは、定期的に監査等委員会に対し、当社グループにおける内部監査の結果その他活動状況の報告を行うものとする。
5.コンプライアンス担当部門は、定期的に監査等委員会に対し、当社グループにおける内部通報の状況の報告を行うものとする。
Ⅸ.当社の監査等委員会へ報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社グループの取締役(監査等委員である取締役を除く。)、執行役員及び従業員等は、監査等委員会に直接報告を行うことができるものとし、当該報告を行ったことを理由として不利な取扱いを行うことを社内規程等において禁止する。
Ⅹ.当社の監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る。)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
1.当社は、監査等委員会がその職務の執行について、当社に対し会社法第399条の2第4項に基づく費用の前払等の請求をした場合、当該費用又は債務が監査等委員の職務の執行に必要でない場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理する。
2.当社は、監査等委員会が、独自に外部専門家を監査等委員の職務の執行のために利用することを求めた場合、監査等委員の職務の執行に必要でない場合を除き、その費用を負担する。
3.監査等委員会は、当社子会社の監査役(若しくはこれらに相当する者)又は内部監査部門との意思疎通及び情報の交換がなされるように努めるものとする。
4.監査等委員会は、定期的に代表取締役社長及び会計監査人と意見を交換する機会を設けるものとする。
3)責任限定契約
当社は取締役(業務執行取締役であるものを除く。)との間で会社法第427条第1項に基づく責任限定契約を締結しています。当該契約により、取締役がその任務を怠ったことにより当社に損失を与えた場合で、かつその職務を行うにつき善意でかつ重大な過失のないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度として当社に対し責任を負うものとしています。
4)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任の決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、また、その決議は累積投票によらない旨定款に定めています。
5)株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を可能にするため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。
6)取締役会決議事項とした株主総会決議事項
① 自己の株式の取得
当社は、機動的な資本政策の遂行を目的として、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めています。
② 取締役の責任免除
当社は、取締役が期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む。)の責任を、法令の限度において免除することができる旨定款に定めています。
③ 中間配当
当社は、機動的な配当を行うことを目的として、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって中間配当をすることができる旨定款に定めています。
7)支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針
当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱を含むサントリーグループとの取引(当社グループ内の取引を除きます。)については、取引を実施する部署において、また、必要に応じて法務部門及び経理部門において、サントリーホールディングス㈱からの独立性の観点も踏まえ、取引の必要性並びに取引条件及びその決定方法の妥当性について、事前に確認を行っています。また、特に重要と考えられる取引については、複数の独立社外取締役を含んだ取締役会において、その取引の必要性及び妥当性について十分に審議した上で意思決定を行うとともに、取引実施後、実施状況について取締役会に報告し、その確認を経ています。
事前の審議に加え、審議の内容に基づいた取引が行われているかどうかについて、必要に応じ、法務部門、経理部門、内部監査部門、取締役会による取引の内容等の事後的なチェック、監査等委員会による監査を行う等の取組みにより、サントリーグループとの取引の健全性及び適正性を確保しています。