有価証券報告書-第16期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 13:03
【資料】
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【項目】
117項目

有報資料

文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」することを経営理念としております。断熱等を目的とした、総合ウレタン原料・製品サプライヤーになることで、この理念を実現していく方針です。
(2)目標とする経営指標
経営の基本方針を遂行し、サービスを持続するためには、スケールメリットを活かせる一定規模以上の売上高と、高い収益性の維持が当社経営に不可欠と認識しております。すでに現場発泡ウレタン断熱施工の実績では日本トップとなっておりますが、さらに高い売上高を目指します。収益性については、自己資本利益率(ROE)で15%、配当方針としては配当性向50%を目指します。
(3)中長期的な会社の経営戦略
①アクアフォーム®採用棟数の拡大
当社は、アクアフォーム®の採用棟数を拡大させるために、営業所の開設、施工能力の強化、価格競争力の強化を進めてまいります。断熱施工の営業は、地域密着で地場工務店、ビルダーへアプローチすることが基本であるため、従来手薄だった地域へ営業所の開設を進めてまいります。施工能力の確保も重要であり、自社工務の施工能力の強化と併せて認定施工店の施工能力の強化を図ります。
木造戸建住宅の断熱施工は、基本的に認定施工店に委託し、建築物(木造戸建住宅以外)への断熱施工は、自社工務及び当社の独立支援制度で独立した認定施工店で行う体制を構築してまいります。既存の認定施工店の施工能力の拡充と併せてインターネットサイトを利用した新規認定施工店の獲得にも力を入れるとともに、自社工務人員の育成を強化し、さらに独立による施工体制の拡充を進めてまいります。価格競争力においては、自社ブランドによる原料の委託製造を強力に推進したことにより原料コストの引き下げが実現しており、今後も良質で安定した原料を製造することで価格競争力の強化を実現してまいります。さらに、全国を7ブロックに分割し、各ブロックの中核拠点を原料の物流拠点として整備、立ち上げが完了しており、この施策により原料の物流費の削減を実現し、コスト低減を進めてまいります。
②建築物(木造戸建住宅以外)向け断熱施工及び原料販売の強化
当社は、引き続き建築物(木造戸建住宅以外)向け断熱施工を強化してまいります。特に本年開催予定の東京オリンピックによる建設特需後は、建築基準法の不燃材料に適合し、国土交通大臣の認定を受けた新製品「不燃性断熱材アクアモエン®」が受注を牽引していくと考えております。「不燃性断熱材アクアモエン®」は、高断熱性能と防炎性能を合わせ持ち、建設現場で発生する溶接・溶断の火花があたっても表面が炭化するだけで着火しません。建設現場の火災リスクを防ぎ、工期を短縮したいと考える大手ゼネコン向けに受注を開始し、建築部門における増収要因となるよう受注件数が順調に積み上がっております。
建築物向け断熱施工は、自社施工と認定施工店の併用で対応する方針で、元請けのゼネコン等が要求する品質、工期を遵守できる自社工務人員・認定施工店の強化・育成に務めてまいります。また、断熱施工の受注獲得と平行して、自社ブランドの原料を他の断熱施工業者に対する販売も進め、これまで競合してきた断熱施工業者と協力関係を築くことにより、利益確保にも努めてまいります。
③リフォーム断熱の市場開拓
当社は、リフォーム施工業者向けのコンパクト断熱施工システムであるリフォームカーを開発し、その販売とリフォームカー用原料の販売に注力してまいりました。木造戸建住宅のリフォームのみならず、ホームセンターにおけるリフォーム工事の商品ラインナップに当社の断熱リフォーム工事の導入推進、及び大手マンションデベロッパー系列のリフォーム会社に、マンションリフォームにおける断熱リフォームの受注を促すといった戦略により、リフォーム市場における断熱リフォーム需要を活性化させ、工事の受注から・リフォームカー・原料の販売につなげてまいります。
④新規事業への進出
当社は、2019年2月25日に公表しました、中期経営計画「Road To 2023」を達成するため、新規事業への進出を行ってまいります。既に「不燃性断熱材アクアモエン®」と「24時間全館空調システム」の販売は開始しており、順調に受注が積み上がってきております。さらに、当社の強みである全国の施工力を活かした「防水事業」や、テクニカルセンターで研究中の新商品を開発し収益の向上を図ることで、当社の経営理念である「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」を体現してまいります。
⑤人材開発
当社は、優秀な人材の確保と並行して、社内の教育訓練プログラムを充実化し、人材開発に取り組んでまいります。工務向けは、営業所ごとに施工技術の底上げを図ります。営業向けには、OJTを中心としながら、集合研修も組み合わせ、商品知識、営業提案力の向上を図ります。テクニカルセンター・開発向けには、より高度な専門知識の習得を促進します。また、社員の所属部署に関係なく「熱絶縁施工技能士」等の資格取得を後押してまいります。
⑥断熱関連の技術・商品開発の推進
当社は、テクニカルセンターの活用を充実させることにより、当社の取り扱う商品、製品の品質向上を図ります。自社ブランド原料の委託製造に伴い、テクニカルセンターで様々な環境での実証実験を行うことを推進しており、これまで以上に良質で安定した原料を低価格で製造することを実現してまいります。当事業年度では、顧客ニーズに対応するためにテクニカルセンターを拡張しました。開発部門を中心にテクニカルセンターにて新原料、新商品の開発に取り組んでまいります。また、断熱材の省エネルギー性能を実証する地域区分・工法区分に応じた第三者認定取得を進める他、原料メーカーや大学の研究機関と共同で新原料の開発にも積極的に取り組んでまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社が事業を推進していくために重要な課題と認識している点は以下のとおりです。
(1)マーケットシェアの拡大
断熱材市場における当社のマーケットシェアを拡大することを重要な課題と認識しております。そのために次の施策を進めてまいります。
①拠点の拡大
受注拡大と安定した施工を目的に2019年12月31日現在40の営業拠点を展開しております。当社は、北海道から九州までの全国にわたり営業拠点を展開しており、住宅着工件数の市場規模に合わせて重点的な取り組みを行っております。また、今後も機能的な営業拠点の建設を進めて参ります。2019年に新潟営業所が竣工、2020年には金沢、厚木、青森、松本営業所が竣工いたします。
②RC造マンション等の建築物市場への積極展開
当社は、商業施設、病院、学校、冷凍倉庫及びマンション等の建築物への断熱材の施工販売を積極的に展開します。建築物市場は、木造戸建住宅市場と異なり当社の販売する硬質ウレタンの断熱材が主流であり、そのため当社は工事部員の採用、施工技術向上のための人材の育成と共に、認定施工店を含む施工体制の整備を行い、大手ゼネコンをはじめとした幅広い顧客からの受注獲得を進めております。今後も引き続き建築物市場におけるマーケットシェアの拡大を図ってまいります。
③リフォーム断熱市場の構築
当社は、さらなる成長を目指してリフォーム断熱市場へ参入し、リフォーム部門を立ち上げ、2tトラックに搭載していた従来の発泡システムを、ワンボックスカーに収まるようコンパクト化したものを新たに開発し、狭小地からマンションまで施工可能にしたことで、リフォーム現場でも施工が可能となりました。今後はホームセンターのリフォーム商材の一群に加わることやマンションデベロッパー系のリフォーム会社に対して断熱リフォーム施工の受注活動を推進することによって市場を構築し、リフォーム断熱工事の受注からリフォームカーの販売につなげてまいります。
④施工能力の強化
営業拠点の整備の目的は、施工の効率化、将来的な人手不足への対応を図るためでもあります。主な営業拠点にはシャワールームの設置等のリフレッシュ機能、事務機能等を整備することで、工事部員の労働環境の改善を図り、士気の向上を目指します。また、トレーニングセンターにて技術研修を行うことにより工事部員及び認定施工店の技術力を向上させ、受注拡大と品質管理に対応できる施工能力を強化します。
⑤ハブ&スポークによる原料輸送の効率化
当社はハブ機能の中核拠点として、7拠点(仙台、埼玉、名古屋、大阪、岡山、鳥栖、新潟)を有しています。これらの中核拠点は、原料の備蓄倉庫としての機能を有しており、原料を、スポークである各営業拠点が使用する原料を保管・輸送することで、全社レベルでの業務の効率化と原料の欠品リスクを回避しております。
(2)施工体制の拡充
当社の業績を向上するためには、受注の増加と施工能力の強化をすることが課題と認識しております。そのためには、前述のとおり自社工務部門の生産性の向上とともに、認定施工店網の拡充が必須条件となります。当社は、地域に根ざす認定施工店を断熱材施工業務の委託先としてのみならず、営業活動における情報収集や顧客の紹介等、きわめて重要なパートナーとして位置づけており、今後も各地で認定施工店網を強化してまいります。
(3)自社製造原料の品質管理の強化
当社は2015年度より、自社ブランドによる原料の製造を開始いたしました。当社のビジネスモデルが、断熱材の施工販売のみならず、断熱材の原料の製造にまで及ぶこととなったことにより、自社製造原料の品質管理が重要な役割を果たすこととなっております。このため、当社はテクニカルセンターにて素原料の購入時における事前チェックを行い、製造委託先から委託した原料の品質報告、及び製造後の品質報告を受けた上で、テクニカルセンターと開発本部、業務管理本部が連携して断熱施工に問題がないよう確認しております。また、当社の製造する鉱工業品(自社製造原料)及びその加工技術の工場並びに事業場について、一般財団法人建築試験センターの厳正なる審査を受けた結果、2016年10月11日にJISマーク表示製品としての認証(日本工業規格適合認証)を取得いたしております。
(4)硬質ウレタンフォーム施工品質管理の強化
当社の現場吹付による硬質ウレタンフォーム断熱工事の施工棟数はここ数年で大きく増加しており、これに比例して社会的責任も増しております。そこで、当社は施工品質が所期のとおりであるかを確認するため、開発本部内に品質管理部門を設置いたしました。品質管理の担当者(品質管理者)は硬質ウレタンフォーム及びその施工に関する知識、並びに関連法規、関連規格に関する知識を有している者が選定され、全国7ブロックに配置しております。品質管理者の主な役割は、当社の工事及び認定施工店が施工する木造戸建住宅、もしくはコンクリート造、鉄骨等の建築物の施工現場に立ち会い、原料の取扱状況と硬質ウレタンフォームの検査を行い施工品質の確認を行います。その結果、是正すべきものがあった場合に関連部門へフィードバックし、常に施工品質の向上に努めてまいります。なお、当社の施工品質につきましては、2017年3月1日に当社は、一般社団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)の現場施工型優良断熱施工システムの製品と指定施工業者としての認定を受けております。
(5)安全管理の強化
①自社施工部門の安全管理の強化
施工品質の確保と並んで現場安全管理の強化も最重要課題であると認識しております。現場での安全指導に加え、定期的に安全委員会を開催しております。安全委員会は代表取締役社長を委員長に、テクニカルセンター、開発部、管理部門及び各ブロックの工事責任者を委員として運営されております。これにより、施工現場に係る安全衛生、安全運転管理、並びに営業所倉庫の防火・防災を趣旨として工事全社員の安全意識の向上を図っております。
②認定施工店の安全管理の強化
当社の認定施工店に対する安全管理の徹底周知には、毎年1回ブロック毎に安全大会を開催しております。安全大会では、作業者の安全対策、安全衛生対策、健康管理、及び化学品である原料の安全な取扱方法・知識について講義、指導を行っております。
(6)コスト削減の強化
当社の収益性を向上させるには、コスト削減が重要な課題であると認識しております。そのために、当社の主たる事業である断熱材の施工販売において、使用する原料のコスト削減を図ります。当社は2015年度より自社ブランドによる原料の委託製造を開始いたしました。これにより良質で安定した原料を低価格で製造できる体制が整い、大幅な原料コスト削減が可能となりました。原料の価格は、原料が石油製品であるため、ナフサの国際価格の影響を受けます。当社は、拠点の倉庫機能の拡充を進める一方、原料製造用の素原料を大量に仕入れることにより、物流コストの削減と仕入価格の引き下げを図り、売上原価の低減に努めております。また、積算業務については、フィリピンに現地法人を立ち上げ、積算関連業務のコスト削減を図っております。さらに、主要副資材の調達を本社購買で一括して行い、品目別に集中購買することで仕入単価の削減を図っております。
(7)関連資材の販売強化
売上を増加させるために、アクアフォーム®と併せて施工・設置する関連資材の販売強化を図り、1棟当たり受注単価の向上を図ることが課題であると認識しております。住宅の断熱性能をより向上させるアクエアーシルバー(通気層確保用スペーサー)、アクアシルバーウォール(透湿・防水シート)と共に、木造住宅床材用の接着剤、新空調換気システム、床用断熱ボード等の商品を工務店、ビルダーに提案してまいります。
(8)技術開発、テクニカルセンターの増強
当社は、新たな省エネルギー基準に対応した原料を開発すること、また、建築現場のニーズに対応した難燃性が高い断熱材を開発することが課題であると認識しております。そのため、2014年3月にテクニカルセンターを立ち上げました。テクニカルセンターでは、新たな省エネルギー基準に対応できる断熱材の研究開発と、不燃断熱材の研究開発を行っております。テクニカルセンターではマイナス25℃の環境下等の様々な環境におけるウレタンの耐久性の実験や、現場で吹付する際の実証実験、及び熱伝導率や圧縮・接着強度の実験を行うことが可能な設備が整備されています。また、取り扱う原料における品質の安定化及び性能の向上に寄与しております。これらのテクニカルセンターでの研究の成果によって、不燃断熱材の原料が開発されています。

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