有価証券報告書-第11期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/27 11:26
【資料】
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【項目】
75項目

対処すべき課題

当社が事業を推進していくために重要な課題と認識している点は以下のとおりです。
(1) マーケットシェアの拡大
断熱材市場における当社のマーケットシェアを拡大することを重要な課題と認識しております。そのために次の施策を進めていきます。
①拠点の拡大
受注拡大と安定した施工を目的に平成26年12月31日現在43拠点に営業拠点を展開しております。当社は、北海道から九州までの全国にわたり営業拠点を展開しており、住宅着工件数の市場規模に合わせて重点的な取り組みを行ってきております。今後もさらに機能的な営業拠点展開を進め、受注の拡大、マーケットシェアの拡大を図って参ります。
②RC造マンション等の建築物市場への積極展開
当社は、前事業年度より、RC造のマンション、病院、学校、倉庫等の建築物への断熱材の施工販売を本格的に開始しました。建築物市場は、木造戸建住宅市場と異なり当社の販売する硬質ウレタンの断熱材が主流であり、そのため当社は工務人員の採用、施工技術向上のための人材の育成、及び施工体制の整備を行い、大手ゼネコンをはじめとした幅広い顧客からの受注獲得を進めております。今後も引き続き建築物市場におけるマーケットシェアの拡大を図って参ります。
注.RCとはReinforced Concreteの略称。
RC造とは、コンクリートと鉄筋とが一体となった構造で鉄筋コンクリートのこと。コンクリートの中に
鉄筋を入れ、圧縮にも引張りにも強い部材を作るのがこの構造の特徴。
④リフォーム断熱市場への参入
当社は、更なる成長を目指して当事業年度よりリフォーム断熱市場へ参入し、リフォーム事業部を立ち上げました。2tトラックに搭載していた従来の発泡システムを、ワンボックスカーに収まるようコンパクト化したものを新たに開発し、狭小地からマンションまで施工可能にしたことで、リフォーム現場でも施工が可能となりました。自社による施工に加え、リフォーム事業者に対して本コンパクトシステムを提供することによってマーケットシェアの拡大を図って参ります。
⑤施工能力の強化
現在は倉庫として工務拠点において少量の原料を管理しておりますが、今後は営業拠点を全国8ブロックに分割し、ハブ機能として各々に中核拠点を設置する計画です。中核拠点ではシャワールームの設置等のリフレッシュ機能、事務機能等を整備することで、工務人員の労働環境の改善を図り、士気の向上を目指します。また、技術研修を行うことにより工務社員の技術力を向上させ、受注拡大に対応できる施工能力を強化します。
⑥ハブ&スポークによる拠点の効率化
ハブ機能の中核拠点として、平成26年12月19日に全国に先駆けて名古屋営業所が完成し、同22日に事務所の開設を行いました。今後も各ブロックにて随時開設して行く予定です。中核拠点では、原料の備蓄倉庫としての機能を拡充し、スポークとなる工務拠点には常時使用するだけの原料を保管することで、全社レベルでの業務の効率化を図る予定です。
(2) 施工体制の拡充
当社の売上を増やすためには、受注の増加と施工能力の強化をすることが課題と認識しております。そのためには、前述のとおり自社工務部門の増強とともに、認定施工店の拡充が必須条件となります。当社は、地域に根ざす認定施工店を断熱材施工業務の委託先としてのみならず、営業活動における情報収集や顧客の紹介等、きわめて重要なパートナーとして位置づけており、今後も各地で認定施工店網を強化して参ります。
(3) 工務人材教育の強化
人材教育は、営業、工務、事務の各部門で必要となりますが、当社の施工品質に直結する工務部門の人材育成が最優先の課題であると認識しております。施工品質を確保していくために、エリアマネージャー、サブマネージャーを中心とした組織運営を進め、新人工務社員に対する技術指導を中心とする教育訓練を実施していきます。また、マイスターと呼ばれる社内資格制度を導入しており、経験を積んだ工務社員がより高い技術認定を目指せる仕組みを整備しております。建築物向け断熱施工技術については、施工技術を習得した人員を着実に増やしていきます。
(4) 安全管理の強化
施工品質の確保と並んで現場安全管理の強化も最重要課題であると認識しております。現場での安全指導に加え工務マネージャー会議を継続的に開催することにより、各工務社員の安全意識の向上を図っております。全国的な工務組織を8ブロックに分け、全ブロックで安全大会を行い、自社工務、認定施工店の現場事故の根絶を目指しております。
(5) コスト削減の強化
当社の収益性を向上させるには、コスト削減が重要な課題であると認識しております。そのために、当社の主たる事業である断熱材の施工販売において、使用するウレタン原料のコスト削減を図ります。仕入価格の引き下げを図るため、仕入先を複数の原料メーカーに広げ、価格、品質等の条件の良いメーカーより優先的に仕入れるようにしております。
ウレタン原料の価格は、原料が石油製品であるため、ナフサの国際価格の影響を受けます。当社は、拠点の倉庫機能の拡充を進め、一括して原料を大量に仕入れることにより、物流コストの削減と仕入価格の引き下げを図り、売上原価の上昇を抑えるよう努めております。また、積算業務について、フィリピンの日系企業への外注移管により、積算関連業務のコスト削減を図っております。さらに、これまで本社と営業所で行っていた主要副資材の調達を本社購買で一括して行い、品目別に集中購買することで仕入単価の削減を図って参ります。
(6) 関連資材の販売強化
売上を増加させるために、アクアフォーム®と併せて施工・設置する関連資材の販売強化を図り、1棟当たり受注単価の向上を図ることが課題であると認識しております。住宅の断熱性能をより向上させるアクエアーシルバー(通気層確保用スペーサー)、アクアシルバーウォール(透湿・防水シート)とともに、床下用換気システム、太陽光発電システム、床用断熱ボード等の商品をパッケージ化して工務店、ビルダーに提案していきます。
(7) 技術開発、テクニカルセンターの開設
当社は、新たな省エネルギー基準に対応した商品を提供することが課題であると認識しております。そのため、平成26年3月にテクニカルセンターを立ち上げました。そこでは、既存の断熱材の品質の検証等を行うとともに、新たな省エネルギー基準に対応できる断熱材の研究開発を行い、将来に向けた事業の拡大・成長をを図って参ります。