有価証券報告書-第53期(2025/04/01-2026/03/31)
②戦略
a. 気候変動に係る戦略
事業活動に影響を与えると想定される気候変動リスク・機会について特定し、財務インパクトの評価を実施し、その評価結果を踏まえ、特に影響の大きいリスクの軽減ないし機会の獲得に向けた対応策を検討しております。
[時間軸の定義]短期:3年未満、中期:3年~10年、長期:10年超
[重要度の評価基準]大:100億円以上、中:10億円~100億円未満、小:10億円未満
≪シナリオ群の定義≫
不確実な将来の対応の幅を広げるための極端なシナリオとして、最も気温上昇が抑えられる世界を想定する手段及び最も気温が上昇する世界を想定する手段として、IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)及びIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)が発行する資料等を参照し、シナリオ分析を行っております。
≪事業インパクト評価≫
シナリオ分析において当社の事業における潜在的な定性的・定量的影響の高いリスクと機会の評価を実施し、財務上の影響度を分析しました。その分析結果が示唆するものは以下のとおりです。
ⅰ.EV等の非化石車輌導入コストについては、将来的な技術進歩に伴い生産コストは低下すると予測されます。また、脱炭素の動きが強い程、技術発展が加速し、更なる価格低下が予測されます。
ⅱ.燃料コストについては、現状の価格が高騰している状況にあるため、価格は現状維持と予測されます。一方で、脱炭素の動きが強い程、化石燃料の需要は減少し、価格は低下すると見込まれます。
ⅲ.電力コストについては、世界的な脱炭素の動きが強まる程、再生可能エネルギーの需要は増加し、且つ石炭火力発電より発電コストが高いことから、電力価格の高騰が予測されます。
ⅳ.炭素税については、排出量に応じて賦課額は高額になり、1.5℃シナリオにおいて削減目標を達成出来なかった場合の財務インパクトは非常に大きいと予想されます。
ⅴ.洪水・高潮等の自然災害による物理リスク(資産の毀損や営業停止)については、平均気温の上昇と相関して発生確率が上がり、リスク増大・コスト増加が予想されます。但し、自社保有の土地・建物が少なく、且つ、物流拠点に保管されている荷物の所有者ではないため、財務インパクトは大きくないと予測されます。
≪対応策の方向性≫
以上の分析内容を踏まえ、各種リスクの発生に対応すべく、将来の温室効果ガス排出量を抑制するための気候移行計画(カーボンニュートラルロードマップ)を策定し、事業計画に反映するとともに、カーボンニュートラルの達成に向けて取り組みます。評価結果を踏まえた対応策の方向性は、以下の通りです。
・軽車輌等のEVシフト推進とEV以外も含む非化石事業用トラックの有効性の実証実験と段階的導入
・賃借物件にも導入が可能な軽量で発電効率の高い再生可能エネルギー技術の動向調査と試験運用
・有効な非化石化技術やインフラが確立する間の目標達成に向けたカーボンオフセットの有効活用
・車輌運行に係るエコドライブ・効率化や物流拠点における省エネ等、各種抑制施策の継続的実施
・有効性の高い非化石化技術及びインフラの確立後の積極的な導入推進とその為の投資資金の調達
≪移行計画の不確実性と依存条件≫
移行計画の達成のためには、環境・社会情勢の変化やインフラの整備や技術革新など外部環境に依存した不確実性が存在しており、依存条件が解消されない場合には計画達成は困難となる可能性があります。
移行計画の前提となる依存条件に配慮し、課題が顕在化した際には移行計画を見直します。現時点における不確実性と依存条件は、以下の通りです。
・航続距離・積載量・車体重量等の車両性能及び車両価格並びに水素・電気等の充填・充電インフラの整備状況等を勘案したうえでの業務運用上の有効性が認められる水準の非化石事業用トラックの開発・市販及び社会実装
・自社保有の物流センターだけでなく、賃借物件の事業拠点における再エネ化を推進可能とする性能の、シリコン太陽光パネル軽量化やペロブスカイト太陽電池等の軽量で発電効率の高い新技術の開発・市販及び社会実装
・安定的なe-fuel(合成燃料)の供給
b.人的資本に係る取組
※「人材戦略に係る基本方針等」は第4.提出会社の状況 5.従業員の状況等を参照ください。
≪人材の育成に関する方針≫
当社は創業以来、経営理念の下、「人の成長なくして企業の成長はなし」という考えに基づき人材育成に注力してまいりました。
成長戦略の実現には、各施策を推進する経営人材と拡大成長に伴い増加する拠点を安定的に運営するマネジメント人材の育成強化が重要と捉えております。階層や職域に求められる知識や見識を社内外研修において修得する機会を設けております。「挑戦・成長・貢献」の考えの下、実践を通じて成長戦略の実現に繋げるように取組んでおります。また、事業成長に即応できる階層別の人材育成としては「丸和ロジスティクス大学」などの社内研修や専門教育などの社外研修により従業員の能力向上に取組んでおります。加えて、リスキリングの促進として資格取得支援制度を設けて、能力開発を支援しております。
当社は、企業文化「桃太郎文化」の定着・醸成が経営戦略の重要な基盤と捉えております。定期的な文化浸透活動(OJT、Off‐JT)や全従業員のクレドカード保有、人事評価項目の設定など、企業文化の浸透の強化と伝承できる人材育成に取組んでおります。
また、人材の多様性を図るべく、女性、外国籍、職歴など、様々な人材の確保を継続するとともに性差などによる差別のない平等な社内外研修の受講を推進し、多様性に配慮した人材育成に取り組み、組織の創造性を高めてまいります。
当社グループの人材の育成に係る教育体系図は、以下のとおりです。

≪社内環境整備に関する方針≫
当社は、経営理念に「同志の幸福」を掲げており、従業員の自律的なキャリア形成の支援と安全・安心して活躍できる社内環境整備に取組んでおります。今後も働きがいと働きやすさの環境整備の強化を通じて、成長戦略の実現に繋げてまいります。
従業員の充実したワークライフバランスの環境提供として、これまでも年間休日の増加に努めてまいりました。また、育児に携わる従業員への支援活動の一環として、育児休業への理解促進を啓蒙してまいりました。今後は更に育児休業取得率、有給休暇取得率の向上に努めてまいります。
従業員のエンゲージメント向上の取組みを通じて、生産性の向上や組織一体感の醸成に繋げてまいりました。継続的なベースアップ、資格取得成績優秀者(資格取得支援制度を利用した者)への報奨金の支給、その他福利厚生の拡充に取組んでおります。また、定期的な1on1面談や必要に応じた公募制の実施、МQМサークル活動(小集団改善活動)による情報共有と評価上位サークルへ奨励金の支給、安全知識と技能の習熟度を測るドライバーコンテストの開催など、従業員の技能・意欲向上に繋がる取組みの強化に今後も努めてまいります。
更に、安全に配慮した職場環境の充実として、安全配慮義務の形成のため、労働災害防止のためのプロジェクトを推進しており、現業部門と管理部門が連携しながら労働災害ゼロに向けて活動に取り組んでおります。加えて、安全・安心で働きやすい環境づくりのための設備投資も継続的に実施してまいります。
a. 気候変動に係る戦略
事業活動に影響を与えると想定される気候変動リスク・機会について特定し、財務インパクトの評価を実施し、その評価結果を踏まえ、特に影響の大きいリスクの軽減ないし機会の獲得に向けた対応策を検討しております。
| 区分 | 種類 | 想定される気候変動リスク・機会 | 事業活動への影響 | 時間軸 | 評価 |
| 移行 リスク | 政策・法規制 | GHG排出/削減に関する法規制の強化 | 炭素税や新たな税制(カーボンプライシング)導入によるコストの増大 | 中期 | 大 |
| 排ガス規制等の導入による事業活動の制限、協力会社(傭車)の減少 | 中期 | 中 | |||
| 技術 | GHG排出/削減に配慮した設備投資・消耗品の購買 | 低炭素車両の導入(EV/FCV)、付帯設備の投資(機器・土地)、排ガス抑制装置の増設 | 中期 | 大 | |
| 太陽光発電設備等の導入に伴う設備投資の増加 | 中期 | 中 | |||
| 市場 | 顧客・消費者ニーズの変化 | 気候変動に係る顧客の取引先選定基準への未適合による取引停止(売上・利益の喪失) | 長期 | 大 | |
| インフラ整備の不足・遅延 | 充電・水素ステーション等のインフラ整備不足による低炭素車両(EV/FCV)による事業範囲の制限 | 中期 | 大 | ||
| 地政学的リスクによる燃料価格の高騰 | 燃料(ガソリン・電気等)価格の高騰によるコストの増大 | 短期 | 中 | ||
| 評判 | 情報開示不足による企業価値毀損 | 気候変動対策・GHG排出量等の情報開示不足による株価低迷・企業価値の毀損 | 中期 | 大 | |
| 物理 リスク | 急性 | 激甚災害の発生 | 被災エリアの物流網(トラック・鉄道・船舶等)の寸断、センター機能不全、従業員の死傷等による事業停止 | 長期 | 中 |
| 慢性 | 平均気温の上昇 | 遮熱装置・空気循環・冷房設備等の設置による新規センター開設時の建設コストの増大 | 短期 | 中 | |
| 気象パターンの変化 | 気象災害(風水害・雪害等)による従業員の死傷、交通網の遮断、事故の多発等 | 中期 | 中 | ||
| 機会 | 資源 効率化 | 輸送手段の多様化 | 環境負荷の低い輸送手段による新たな事業機会の創出(鉄道コンテナ、RORO船、航空貨物、連結トラック、ドローン輸送等) | 長期 | 大 |
| 製造・流通プロセスの効率化 | 拠点集約やサプライチェーンの垂直統合による物流効率化による新たな事業機会の創出(SIPスマート物流、シェアリングストック、共同物流、客貨混載) | 長期 | 大 | ||
| 製品・ サービス | 新たなサービスの開発 | 災害時の車両提供、サプライチェーン復旧支援、災害備蓄品の輸送・保管、BCP策定支援等のリスク対応商品の開発 | 中期 | 中 |
[時間軸の定義]短期:3年未満、中期:3年~10年、長期:10年超
[重要度の評価基準]大:100億円以上、中:10億円~100億円未満、小:10億円未満
≪シナリオ群の定義≫
不確実な将来の対応の幅を広げるための極端なシナリオとして、最も気温上昇が抑えられる世界を想定する手段及び最も気温が上昇する世界を想定する手段として、IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)及びIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)が発行する資料等を参照し、シナリオ分析を行っております。
| 設定シナリオ | 1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ |
| 社会像 | 今世紀末までの平均気温の上昇を1.5℃に抑え、持続可能な発展をかなえるため、大胆な政策や技術革新が進められる。脱炭素社会への移行に伴う社会変化が、事業に影響を及ぼす可能性が高い社会 | パリ協定に則して定められた約束草案等の各国政策が実施されるも、今世紀末までの平均気温が4℃程度上昇。温度上昇等の気候変動が、事業に影響を及ぼす可能性が高い社会 |
| 参照シナリオ | ・「NZE」(IEA WEO2023) ・「APS」(IEA WEO2023) ・「SDS」(IEA WEO2019) ・「RCP2.6」(IPCC AR5) | ・「STEPS」(IEA WEO2023) ・「RCP8.5」(IPCC AR5) |
| リスクと機会の傾向 | 移行面でのリスク及び機会が顕在化しやすい | 物理面でのリスク及び機会が顕在化しやすい |
≪事業インパクト評価≫
シナリオ分析において当社の事業における潜在的な定性的・定量的影響の高いリスクと機会の評価を実施し、財務上の影響度を分析しました。その分析結果が示唆するものは以下のとおりです。
ⅰ.EV等の非化石車輌導入コストについては、将来的な技術進歩に伴い生産コストは低下すると予測されます。また、脱炭素の動きが強い程、技術発展が加速し、更なる価格低下が予測されます。
ⅱ.燃料コストについては、現状の価格が高騰している状況にあるため、価格は現状維持と予測されます。一方で、脱炭素の動きが強い程、化石燃料の需要は減少し、価格は低下すると見込まれます。
ⅲ.電力コストについては、世界的な脱炭素の動きが強まる程、再生可能エネルギーの需要は増加し、且つ石炭火力発電より発電コストが高いことから、電力価格の高騰が予測されます。
ⅳ.炭素税については、排出量に応じて賦課額は高額になり、1.5℃シナリオにおいて削減目標を達成出来なかった場合の財務インパクトは非常に大きいと予想されます。
ⅴ.洪水・高潮等の自然災害による物理リスク(資産の毀損や営業停止)については、平均気温の上昇と相関して発生確率が上がり、リスク増大・コスト増加が予想されます。但し、自社保有の土地・建物が少なく、且つ、物流拠点に保管されている荷物の所有者ではないため、財務インパクトは大きくないと予測されます。
≪対応策の方向性≫
以上の分析内容を踏まえ、各種リスクの発生に対応すべく、将来の温室効果ガス排出量を抑制するための気候移行計画(カーボンニュートラルロードマップ)を策定し、事業計画に反映するとともに、カーボンニュートラルの達成に向けて取り組みます。評価結果を踏まえた対応策の方向性は、以下の通りです。
・軽車輌等のEVシフト推進とEV以外も含む非化石事業用トラックの有効性の実証実験と段階的導入
・賃借物件にも導入が可能な軽量で発電効率の高い再生可能エネルギー技術の動向調査と試験運用
・有効な非化石化技術やインフラが確立する間の目標達成に向けたカーボンオフセットの有効活用
・車輌運行に係るエコドライブ・効率化や物流拠点における省エネ等、各種抑制施策の継続的実施
・有効性の高い非化石化技術及びインフラの確立後の積極的な導入推進とその為の投資資金の調達
≪移行計画の不確実性と依存条件≫移行計画の達成のためには、環境・社会情勢の変化やインフラの整備や技術革新など外部環境に依存した不確実性が存在しており、依存条件が解消されない場合には計画達成は困難となる可能性があります。
移行計画の前提となる依存条件に配慮し、課題が顕在化した際には移行計画を見直します。現時点における不確実性と依存条件は、以下の通りです。
・航続距離・積載量・車体重量等の車両性能及び車両価格並びに水素・電気等の充填・充電インフラの整備状況等を勘案したうえでの業務運用上の有効性が認められる水準の非化石事業用トラックの開発・市販及び社会実装
・自社保有の物流センターだけでなく、賃借物件の事業拠点における再エネ化を推進可能とする性能の、シリコン太陽光パネル軽量化やペロブスカイト太陽電池等の軽量で発電効率の高い新技術の開発・市販及び社会実装
・安定的なe-fuel(合成燃料)の供給
b.人的資本に係る取組
※「人材戦略に係る基本方針等」は第4.提出会社の状況 5.従業員の状況等を参照ください。
≪人材の育成に関する方針≫
当社は創業以来、経営理念の下、「人の成長なくして企業の成長はなし」という考えに基づき人材育成に注力してまいりました。
成長戦略の実現には、各施策を推進する経営人材と拡大成長に伴い増加する拠点を安定的に運営するマネジメント人材の育成強化が重要と捉えております。階層や職域に求められる知識や見識を社内外研修において修得する機会を設けております。「挑戦・成長・貢献」の考えの下、実践を通じて成長戦略の実現に繋げるように取組んでおります。また、事業成長に即応できる階層別の人材育成としては「丸和ロジスティクス大学」などの社内研修や専門教育などの社外研修により従業員の能力向上に取組んでおります。加えて、リスキリングの促進として資格取得支援制度を設けて、能力開発を支援しております。
当社は、企業文化「桃太郎文化」の定着・醸成が経営戦略の重要な基盤と捉えております。定期的な文化浸透活動(OJT、Off‐JT)や全従業員のクレドカード保有、人事評価項目の設定など、企業文化の浸透の強化と伝承できる人材育成に取組んでおります。
また、人材の多様性を図るべく、女性、外国籍、職歴など、様々な人材の確保を継続するとともに性差などによる差別のない平等な社内外研修の受講を推進し、多様性に配慮した人材育成に取り組み、組織の創造性を高めてまいります。
当社グループの人材の育成に係る教育体系図は、以下のとおりです。

≪社内環境整備に関する方針≫
当社は、経営理念に「同志の幸福」を掲げており、従業員の自律的なキャリア形成の支援と安全・安心して活躍できる社内環境整備に取組んでおります。今後も働きがいと働きやすさの環境整備の強化を通じて、成長戦略の実現に繋げてまいります。
従業員の充実したワークライフバランスの環境提供として、これまでも年間休日の増加に努めてまいりました。また、育児に携わる従業員への支援活動の一環として、育児休業への理解促進を啓蒙してまいりました。今後は更に育児休業取得率、有給休暇取得率の向上に努めてまいります。
従業員のエンゲージメント向上の取組みを通じて、生産性の向上や組織一体感の醸成に繋げてまいりました。継続的なベースアップ、資格取得成績優秀者(資格取得支援制度を利用した者)への報奨金の支給、その他福利厚生の拡充に取組んでおります。また、定期的な1on1面談や必要に応じた公募制の実施、МQМサークル活動(小集団改善活動)による情報共有と評価上位サークルへ奨励金の支給、安全知識と技能の習熟度を測るドライバーコンテストの開催など、従業員の技能・意欲向上に繋がる取組みの強化に今後も努めてまいります。
更に、安全に配慮した職場環境の充実として、安全配慮義務の形成のため、労働災害防止のためのプロジェクトを推進しており、現業部門と管理部門が連携しながら労働災害ゼロに向けて活動に取り組んでおります。加えて、安全・安心で働きやすい環境づくりのための設備投資も継続的に実施してまいります。