有価証券報告書-第13期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/28 10:37
【資料】
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【項目】
84項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度における我が国経済は、極めて緩和的な金融環境と政府の既往の経済対策による下支え等を背景に、企業収益は改善し、景気は緩やかな回復基調が続きました。海外経済については、アメリカでは、個人消費や設備投資が増加したこと等から景気が回復し、中国では、各種政策効果もあり、景気は持ち直しの動きが続いております。携帯電話市場においては、平成29年の総出荷台数に占めるスマートフォンの割合が85.7%(前年度同期比4.1ポイント増)と継続的に上昇しております(注1)。スマートフォン端末の普及に伴い、スマートフォン広告市場についても継続的に拡大しております。
このような環境の中、当社は「インターネットマーケティングを通じて豊かな世界を実現する」という企業理念のもと、「自社の運営するメディアの利用価値を最大化する」というミッションを実現することを目指しております。
当社では、モバイルサービス事業において、スマートフォン端末をメインデバイスとしたポイントサイトを複数運営しております。当該サイトにおいては、会員数や掲載広告数の増加に向け各種施策の実行や積極的な営業活動を行ったことから、業績は堅調に推移しました。また、当事業年度においては、既存事業であるポイントサイトにとどまらず採用課金型アルバイト求人サイトをはじめとする非ポイントサイトの充実を図り、コミックの利用をインセンティブとして広告収益を獲得する無料コミックサイトを新たに立ち上げる等、これまでに培ったサイト運営ノウハウを生かした事業を積極的に展開しました。
一方で、ポイントサイトで当社の発行するポイントは現金や電子マネーに交換可能との観点からは一種の仮想通貨であると認識しており、現在流通する各種仮想通貨やその要素技術であるブロックチェーン技術をいち早く活用することで、新たな事業を生み出すことが可能であると考えております。このような考えのもと、当事業年度においても仮想通貨関連事業に積極的に投資しており、平成29年7月にビットバンク株式会社に追加出資を行い関連会社とするだけでなく、平成29年9月には仮想通貨取引事業等を行う目的で100%子会社である株式会社マーキュリーを設立しました。
この結果、当事業年度の売上高は5,400,106千円(前年同期比44.9%増)、営業利益は955,612千円(同71.5%増)、経常利益は960,079千円(同92.9%増)、当期純利益は650,423千円(同136.1%増)となりました。
(注1)株式会社MM総研の発表資料によっております。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
なお、当社は、投資育成事業、スマートフォン決済事業、仮想通貨関連事業等から成るフィナンシャルサービス事業を開始したため、当事業年度より報告セグメントの区分を変更しております。
①モバイルサービス事業
モバイルサービス事業は、複数のポイントサイト、採用課金型アルバイト求人サイト等の運営をしております。運営するポイントサイトにおいては、会員のECサイトでの利用金額の一定割合をポイントで還元するEC連携型のアフィリエイト広告を強化するほか、表示アルゴリズムの一部自動化により広告表示の自動化を実装する等、収益性向上に向けた取り組みを行いました。また、多様な集客方法により会員数が増加したことに加え、会員の利便性向上を目的としたポイントの獲得手段の増加、各種キャンペーンの実施等、継続的なサイトの改良に取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度におけるモバイルサービス事業の売上高は4,576,306千円、セグメント利益は593,348千円となりました。
②フィナンシャルサービス事業
フィナンシャルサービス事業は、仮想通貨関連事業、スマートフォン決済事業、投資リターンを得ることを目的とした投資育成事業を行っております。なかでも、仮想通貨関連事業においては、100%子会社である株式会社マーキュリーが平成30年1月29日付で仮想通貨交換業の登録申請書を関東財務局へ提出し受理されており、仮想通貨取引所の開設に向け着実に準備を進めております。また、投資育成事業においては、社内の経営資源を活用し投資先支援を積極的に行っており、平成29年9月には未上場有価証券1銘柄につき、株式の一部を売却いたしました。
この結果、当事業年度におけるフィナンシャルサービス事業の売上高は823,800千円、セグメント利益は782,998千円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は前事業年度末より60,168千円減少し、3,568,892千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれぞれの主な要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により獲得した資金は、469,559千円(前年同期比26.8%増)となりました。主な要因は、貯蔵品の増加額269,399千円により減少が生じたものの、税引前当期純利益953,296千円の計上による増加があったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、1,448,367千円(前年同期比389.9%増)となりました。主な要因は、資本業務提携等を積極的に展開した結果、関係会社株式の取得による支出906,712千円、仮想通貨の取得による支出206,103千円があったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は、918,639千円(前年同期比56.7%減)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出231,663千円があったものの、長期借入れによる収入500,000千円、新株の発行による収入729,006千円の増加があったこと等によります。