有価証券報告書-第21期(2025/01/01-2025/12/31)
②戦略
a.デジタルプラットフォームを通じた環境負荷管理と透明性の追求
当社グループの温室効果ガス(GHG)排出構造において、自社拠点等の直接的排出(Scope 1・2)が占める割合は全体のわずか0.2%に留まり、残存する99.8%がバリューチェーン全体(Scope 3)に起因しているという事実を、極めて重要な経営課題として認識しております。
特に、排出量の85.1%を占めるD2C事業の原材料調達および製造プロセス(カテゴリー1)の可視化は、単なるリスク管理に留まらず、将来的なカーボンプライシング導入に伴う財務リスクをコントロールし、持続可能なサプライチェーンを構築するための戦略的布石となります。また、自社のGHG排出データにおいて、Scope 3の全15カテゴリーを網羅的に算定し、独立した第三者検証による限定的保証を受領したことは、ステークホルダーに対する誠実なアカウンタビリティ(説明責任)を果たすのみならず、当社が提供するデジタルプラットフォームそのものの信頼基盤を証明する取組でもあります。
b.ブロックチェーン技術を活用した社会貢献
当社の強みであるブロックチェーン技術は、サステナビリティ推進において革新的な役割を担います。
・金融包摂(SDGs 目標1,8):ポイントサイト「モッピー」を暗号資産や電子マネーのハブとし、誰もがデジタル金融へアクセスできる環境を構築しております。また、グループ会社ラボルを通じて、フリーランスや小規模事業者の資金繰りを支援しております。
・デジタル環境価値資産:ブロックチェーンによる透明性とトレーサビリティを活かし、カーボンクレジットの二重カウントリスクを排除した取引市場への支援や、資金の流れを環境に優しい方向へ転換させ、カーボンニュートラル実現に貢献します。
c.時間軸の定義と財務計画との関連付け
当社は、気候関連課題を以下の時間軸で管理し、財務計画と紐づけております。
・短期(0-1年):単年度目標と実績の乖離を判断し、機動的に施策を修正
・中期(2-5年):中期経営計画周期に合わせ、再エネ転換等の構造的投資を実行
・長期(6年-) :2050年ネットゼロを通過点とし、超長期的な社会のレジリエンスに貢献
d.シナリオ分析に基づくリスク・機会と財務影響
当社は、IEA(国際エネルギー機関)の「NZE 2050」およびIPCCの「SSP1-2.6(1.5℃相当)」,「SSP5-8.5(4℃相当)」シナリオを用い、事業への影響を定量的に試算しております。
※1.5℃シナリオ: 脱炭素社会への移行が進むため、政策・市場のリスクが高まる一方、物理的被害は抑制される。
IEA NZE 2050、IPCC SSP1-2.6、2030年に130ドル/CO2t、2050年に250ドル/CO2tの炭素価格を想定。
※4℃シナリオ: 移行対策が進まず、異常気象による建物や在庫への直接的な物理的ダメージが極めて深刻化する。
炭素税等の政策コストは限定的と想定。
※事業および財務に及ぼす影響度[高][中][低]について
[高]:事業および財務への影響が大きくなることが想定される事案。定量的には、金融商品取引所における適時開示制度の要件である「売上高の10%」または「純利益の30%」以上の増減影響を与える可能性があるもの、あるいは取締役会により戦略上重大な影響があると判断されるもの。
[中]:事業および財務への影響がやや大きくなることが想定される事案。中期経営計画の達成や特定の事業セグメントの収益性に無視できない影響を及ぼす可能性があるもの。
[低]:事業および財務への影響が軽微であることが想定される事案。既存の管理体制やBCP(事業継続計画)の範囲内で十分に対応が可能なもの。
※財務的影響試算に関する不確実性について
本報告書に記載している財務的影響額(カーボンプライシングに伴うコスト増や物理的損害額等)は、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)等の外部機関が公表しているシナリオ、および現時点での当社グループの事業構造に基づいた合理的な推計値であります。しかしながら、これらの試算には、各国の将来的な環境政策や法規制の動向、炭素税の価格推移、為替変動、脱炭素技術の進展速度、およびサプライヤーによる対策状況など、多くの不確実な要素が含まれております。実際の財務的影響は、これらの外部環境の変化や、当社グループによる適応策の進捗状況によって、記載の試算と大きく異なる可能性があることにご留意ください。
a.デジタルプラットフォームを通じた環境負荷管理と透明性の追求
当社グループの温室効果ガス(GHG)排出構造において、自社拠点等の直接的排出(Scope 1・2)が占める割合は全体のわずか0.2%に留まり、残存する99.8%がバリューチェーン全体(Scope 3)に起因しているという事実を、極めて重要な経営課題として認識しております。
特に、排出量の85.1%を占めるD2C事業の原材料調達および製造プロセス(カテゴリー1)の可視化は、単なるリスク管理に留まらず、将来的なカーボンプライシング導入に伴う財務リスクをコントロールし、持続可能なサプライチェーンを構築するための戦略的布石となります。また、自社のGHG排出データにおいて、Scope 3の全15カテゴリーを網羅的に算定し、独立した第三者検証による限定的保証を受領したことは、ステークホルダーに対する誠実なアカウンタビリティ(説明責任)を果たすのみならず、当社が提供するデジタルプラットフォームそのものの信頼基盤を証明する取組でもあります。
b.ブロックチェーン技術を活用した社会貢献
当社の強みであるブロックチェーン技術は、サステナビリティ推進において革新的な役割を担います。
・金融包摂(SDGs 目標1,8):ポイントサイト「モッピー」を暗号資産や電子マネーのハブとし、誰もがデジタル金融へアクセスできる環境を構築しております。また、グループ会社ラボルを通じて、フリーランスや小規模事業者の資金繰りを支援しております。
・デジタル環境価値資産:ブロックチェーンによる透明性とトレーサビリティを活かし、カーボンクレジットの二重カウントリスクを排除した取引市場への支援や、資金の流れを環境に優しい方向へ転換させ、カーボンニュートラル実現に貢献します。
c.時間軸の定義と財務計画との関連付け
当社は、気候関連課題を以下の時間軸で管理し、財務計画と紐づけております。
・短期(0-1年):単年度目標と実績の乖離を判断し、機動的に施策を修正
・中期(2-5年):中期経営計画周期に合わせ、再エネ転換等の構造的投資を実行
・長期(6年-) :2050年ネットゼロを通過点とし、超長期的な社会のレジリエンスに貢献
d.シナリオ分析に基づくリスク・機会と財務影響
当社は、IEA(国際エネルギー機関)の「NZE 2050」およびIPCCの「SSP1-2.6(1.5℃相当)」,「SSP5-8.5(4℃相当)」シナリオを用い、事業への影響を定量的に試算しております。
| 分類 | リスク・機会項目 | 論理的背景とパラメータ | 時間軸 | 1.5℃影響 | 4℃影響 | 主な対応策 |
| 移行 | 炭素税 | 1.5℃:2050年 250ドル/CO2tの炭素価格を予測、強固な炭素税導入、Scope 3(85.1%)への影響が最大 | 中期 〜長期 | [高]最大約8.3億コスト増 (2050年時点) | [低]影響は軽微 | 内部炭素価格(ICP)の導入、サプライヤーのSBT認定支援 |
| 移行 | 顧客行動変化 | 1.5℃:エシカル消費が主流化し、環境意識の低い企業は市場から淘汰される | 中期 〜長期 | [中]D2C売上 30〜50%減少 (最大約35億円) | [低]市場変化は緩やか | バイオマス/生分解性素材への転換/リサイクル適正向上/LCAを通じた透明性向上 |
| 移行 | 評判リスク | 1.5℃:ESG投資の対象除外や優秀な人材の流出リスク | 短期 〜長期 | [高]約32.8億円の株主価値毀損リスク | [低]企業の環境姿勢への注目度が低い | TCFD/TNFDに基づく詳細な情報開示、UNGC等の国際枠組みへの参画 |
| 物理 | 激甚災害 | 4℃:台風・洪水による拠点浸水・事業停止、 激甚災害の頻発による電力遮断・拠点浸水・サプライチェーンの寸断 | 短期 〜長期 | [低]災害頻度は現状維持に留まる | [高]最大約14.8億円の損失(在庫毀損・事業停止) | サーバー・物流拠点の地理的分散、BCP策定、損害保険の活用 |
| 物理 | 気温変動 | 4℃:高温化によるD2C資材(プラスチック)の変形・品質劣化・返品増 | 長期 | [低]物理的損害は限定的 | [中]約1.2億円の返品・廃棄コスト増 | 輸送工程の温度管理徹底、耐熱性の高い代替資材への移行 |
| 機会 | ESG評価向上 | 1.5℃:積極開示によりESGファンドからの資金流入、調達コスト低減 | 短期 〜長期 | [高]約214.2億円の株主価値向上の機会 | [低]資本市場の評価軸が環境以外にシフト | サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)の活用、CDP「A」獲得 |
| 機会 | 新市場創出 | 1.5℃:ブロックチェーンによる「デジタル環境価値資産」の構築や環境価値取引 | 中期 〜長期 | [高]長期で数十億円規模の新規売上創出 | [中]災害適応型サービスの需要増 | トークン化したカーボンクレジット取引市場の活性化等、デジタル環境価値資産の構築 |
※1.5℃シナリオ: 脱炭素社会への移行が進むため、政策・市場のリスクが高まる一方、物理的被害は抑制される。
IEA NZE 2050、IPCC SSP1-2.6、2030年に130ドル/CO2t、2050年に250ドル/CO2tの炭素価格を想定。
※4℃シナリオ: 移行対策が進まず、異常気象による建物や在庫への直接的な物理的ダメージが極めて深刻化する。
炭素税等の政策コストは限定的と想定。
※事業および財務に及ぼす影響度[高][中][低]について
[高]:事業および財務への影響が大きくなることが想定される事案。定量的には、金融商品取引所における適時開示制度の要件である「売上高の10%」または「純利益の30%」以上の増減影響を与える可能性があるもの、あるいは取締役会により戦略上重大な影響があると判断されるもの。
[中]:事業および財務への影響がやや大きくなることが想定される事案。中期経営計画の達成や特定の事業セグメントの収益性に無視できない影響を及ぼす可能性があるもの。
[低]:事業および財務への影響が軽微であることが想定される事案。既存の管理体制やBCP(事業継続計画)の範囲内で十分に対応が可能なもの。
※財務的影響試算に関する不確実性について
本報告書に記載している財務的影響額(カーボンプライシングに伴うコスト増や物理的損害額等)は、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)等の外部機関が公表しているシナリオ、および現時点での当社グループの事業構造に基づいた合理的な推計値であります。しかしながら、これらの試算には、各国の将来的な環境政策や法規制の動向、炭素税の価格推移、為替変動、脱炭素技術の進展速度、およびサプライヤーによる対策状況など、多くの不確実な要素が含まれております。実際の財務的影響は、これらの外部環境の変化や、当社グループによる適応策の進捗状況によって、記載の試算と大きく異なる可能性があることにご留意ください。