有価証券報告書-第32期(2025/01/01-2025/12/31)

【提出】
2026/03/26 11:28
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【項目】
142項目
(3)人的資本経営に関する取組
当社グループにとって人材は、事業の価値を創出していくうえで何よりも重要かつ不可欠なものであります。CSセット事業を中心とするサービスの品質の向上において継続的な投資を行うことと同様に、国内外問わず、医療・ヘルスケア領域における課題解決に当該事業が永続的に関わっていくサービスであることから、従業員の高いワーク・エンゲージメントが必要であると考えております。
営業職については、新卒採用を中心に増員し事業進捗を図ってきました。営業の「やり方」よりも営業としての「マインド」が重要だと位置づけ、当社グループの文化や哲学、イズムを深く理解したうえで、先輩の行動を手本としながら自己の成長を図り、事業全体の成長を目指してまいりました。この部分は、他社に対する優位性になっていると評価し、さらに加速させたいテーマであります。また、新卒の採用プロセスにおいて地域に根付くという観点からも、地元での採用割合を増大させております。その一方で、会社の成長に伴って必要となる「法務」や「システム開発」部門などの専門性を有した人材の中途採用が課題となっております。
営業職以外においては、障がい者や外国籍の登用を積極的に推進するとともに、個々の能力を最大限発揮できる環境を整備してまいります。当社グループには、想いある若手人材が多く在籍しており、価値認識が多様化していますが、その中でも成長実感・就労障害の排除にどのようにアプローチできるかが、ワーク・エンゲージメントの向上の成否を分けるポイントとなると考えております。
①人的資本経営に関するガバナンス
当社グループは、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて、心豊かな生活環境の実現に貢献します」という経営理念のもと、持続的な成長と永続的な企業価値向上を目指し、「サステナビリティ委員会」の下部組織である「人的資本経営」部会を中心として、「社員と組織の成長」を推進してまいりました。
同時に、企業価値向上に向けた取組として、「人材価値を最大限に引き出す」「多様性を高める」「働き方改革と女性活躍の推進」「健康経営の推進」「コンプライアンスと倫理」「経営戦略への反映」等の人的資本経営における重要テーマを掲げ施策を進めております。
②企業価値向上のための取組
a. 人材価値を最大限に引き出す
1)人材教育制度・人事制度
人材価値を最大限に引き出すために、先輩従業員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)に加え、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムとしてのメンター制度の確立や中堅・幹部従業員向けの各種研修を行っております。また、持続的な社員の成長と持続的な組織の成長を目指し、2017年には人事制度の抜本的改革を行い、翌年2018年に新人事制度を取り入れました。従業員の能力や目標の達成度に対して「行動」と「業績」の軸で適正な評価を行い、その内容を踏まえて課題等のフィードバックを行うことにより従業員の成長へと繋げています。このように、従業員へ求める行動や数値目標を明確に提示することで、能力向上や生産性向上に繋がっております。
2)社内表彰制度「エランアワード」
当社グループでは、その年に活躍した従業員を表彰する「エランアワード」を年に一度開催しております。当社グループが大切にする「失敗を恐れずに挑戦する姿勢」を最も体現した社員を表彰する「ベストチャレンジ賞」や、全社員の推薦・投票によってELAN Credoを体現する社員に贈られる「ベストクレド賞」をはじめ、「ベストチーム賞」「新人賞」「ベストマネジメント賞」「社長賞」「MVP賞」など多様な表彰を設けております。従業員の頑張りを讃えることで、更なるモチベーションの向上に繋がっております。
3)社員エンゲージメント
当社は、社員意識の確認や組織風土の現状を把握するため、社員エンゲージメントサーベイを実施しております。強みや課題を検証し、社員一人ひとりが従来以上にやりがいと自発性を持って活き活きと働けるよう、より良い職場環境の実現に向けた改善活動に取り組んでまいります。
b. 多様性を高める
1)外国人採用の推進
外国籍人材の登用においては、国内事業のみで事業を推進してきたこともあり、意識が十分ではありませんでした。グローバル化含めてマーケットが拡大する中で多様な思考・能力を有する人材を積極的に採用すること、受け入れる文化を創造することを課題と捉え、直近では新卒・中途問わず外国籍人材の採用を行っております。文化の違いや多様な価値観を持つ人材がお互いを尊重し合い、共に成長する環境を実現しています。
(国内連結会社の状況)
採用年2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
外国人社員数(人)345109

2)特例子会社の設立
障がい者雇用は社会的責務の1つであるため、当社グループにおいても重点取組の1つに位置付けております。法定雇用率は、2026年6月までに2.5%、7月からは2.7%と段階的に引き上げられる予定です。当社グループでは、法定雇用率の遵守にとどまらず、ヘルスケア業界で事業を展開する会社として障がいをお持ちの方がより良い環境で社会参画できる機会を積極的に創造しています。
その取り組みの一環として、2023年8月18日には当社の子会社であるエランクルールが「特例子会社」の認定を受けました。同社では、2025年12月31日現在、27名の障がい者が、CSセットの院内駐在員業務や物流倉庫内の物品管理業務、およびカスタマーサポート部門での事務業務など、多岐にわたる業務に従事しております。
さらに、病院から院内業務の一部を受託することで障がい者の雇用機会を創造してきた実績を活かし、今後は病院側の障がい者雇用推進のサポートにも取り組み、雇用機会のさらなる創造に努めてまいります。
c. 働き方改革と女性活躍の推進
1)働き方改革
当社グループは、女性に限らず全従業員が活き活きと働けるよう、2017年より「エラン輝きプロジェクト」を発足し、人事課と協働で労働環境の整備や新たな制度設計を行ってまいりました。
<残業時間>2025年度の国内連結会社の月平均残業時間は20時間22分と、全国平均約13.5時間を上回る結果となりました。これは主に、事業拡大に伴う業務量の増加によるものと分析しております。各社における業務プロセスの見直しをはじめ、従業員が心身ともに健康に働ける環境整備を一段と強化してまいります。
<有給休暇取得率>当社グループでは、ワークライフバランスの向上を重要課題とし、「アニバーサリー休暇制度」をはじめ、GWや年末年始に「有給取得推進期間」を設けるなど、年次有給休暇の積極的な取得を推進しています。
2025年度の提出会社の有休取得率は69.8% となり、前年度(72.9%)比では3.1%低下したものの、全国平均66.9%(厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」)を上回る水準を維持しております。時効消滅してしまう年次有給休暇残日数を積立できる「ストック休暇制度」の導入など、社員のワークライフバランスを推進するための取組を多面的に行っております。
(提出会社の状況)
2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
有給休暇取得率74.9%78.1%71.6%72.9%69.8%

<育休取得率>男性の育児参加を推奨する経営者メッセージの発信をはじめ、育児・介護休業法改正時には法改正のポイント解説資料の全社周知、男性社員の育児レポートのポータル掲載など、プロジェクト主導で男性が育児休暇を取りやすい環境作りに努めております。
(提出会社の状況)
2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
育休取得率68.8%60.0%75.0%81.3%73.3%
男性育休取得率44.4%41.2%50.0%62.5%63.6%

2)女性活躍推進
当社は女性活躍推進法に基づく行動計画を実行しています。
<行動計画>「計画期間」2024年1月1日~2026年12月31日
提出会社の状況
目的:従業員のライフステージに柔軟に対応し、従業員が会社と共に成長し、活き活きと働き続けられる雇用環境の実現
行動計画実績
1時間外労働月平均20時間以下を達成する24時間3分2025年度はエムスリーグループへの参画初年度として、管理体制の高度化や事業シナジーの早期創出に向けた共同プロジェクトや営業連携の推進に伴う業務が一時的に増加し、目標値を4時間3分上回る結果となりました。これは中長期的な成長基盤を固めるための取り組みを優先した結果であり、次年度以降は構築した基盤の運用定着と業務の効率化を進めることで、労働時間の適正化を図ってまいります。
2女性管理職比率10%以上を維持し続ける8.8%(役員除く)前年度比1.8%の上昇となりました。行動計画において掲げた目標値10%には至りませんでしたが、女性リーダー層の比率は着実に向上しております。社内育成だけでなく、外部から経験豊富な女性人材を登用するなど、多様な人材がその能力を最大限に発揮し、持続的にキャリアを形成できる環境を構築してまいります。
3男性労働者の育児休業等取得率および企業独自の育休を目的とした休暇制度利用率50%以上を達成する63.6%全国平均の40.5%(令和6年度雇用均等基本調査)を上回る高い水準を維持しております。前年度62.5%から当年度は63.6%と1.1%の上昇と、順調に推移しており、育児への実質的な参画が進んでおります。

<実施策>
キャリア形成支援・男女問わず勤務地を考慮してキャリアを選択するエリア制度
男女格差の解消・男性育児休暇取得の啓蒙活動
(トップメッセージ発信、パパ会開催、すくすく子育てレポート)
働き方改革の継続実施・フレックス制度、テレワーク制度等柔軟な勤務制度
・ビジネスカジュアル制度
離職防止・育児短時間勤務制度※1
・育児応援手当※1
・ライフサポート短時間勤務制度※2

※1 育児短時間勤務制度、育児応援手当
出産や育児、子育て中の従業員が復帰活躍できるように、子の小学校就学開始まで育児短時間勤務制度の利用が可能です。また、給与減額を補填する「育児応援手当」の支給をしております。その結果、女性の育児休業取得後復帰率は100%と、日本企業の平均93.2%(厚生労働省「令和5年度 雇用均等基本調査」より)を上回る水準で推移しております。
※2 ライフサポート短時間勤務制度
育児短時間勤務制度を中学校就業開始まで適用可能とした制度です。
<女性管理職比率・男女間賃金格差>新卒で入社して管理職となるまでの期間に男女差は無く、女性の登用は高まってきているものの、一般的に言われる結婚・出産・育児というライフイベントが障害とならない制度の整備が急務です。男女間賃金格差においても、制度上の賃金制度における男女差はありませんが、内閣府が発表する令和3(2021)年の男性一般労働者の給与水準を100としたときの女性一般労働者の給与水準75.2を下回っており、こちらも並行して検討が必要だと認識しております。
(国内連結会社の状況)
2023年12月期2024年12月期2025年12月期
女性管理職比率9.9%10.5%13.0%

(国内連結会社の状況)
男女間賃金格差
(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)
2025年12月期補足説明
全労働者41.7%全労働者の男女間賃金格差割合が41.7%と低い理由は、総賃金が少ないパート・有期社員人数(479名)が正社員人数(425名)を上回っており、パートタイム労働者・有期社員のほとんどが女性であるためです。
正社員73.6%正社員の賃金格差については管理監督者の男女比率によるものであり、同一給与号棒、役職であれば賃金格差はありません。
パート・有期社員84.5%パート・有期社員の賃金格差については、勤務の種類の違いによる総労働時間の差異によるものです。

d. 健康経営の推進
当社グループは、企業が健全であるためには、従業員一人ひとりが心身ともに健康であることが重要だと考え、積極的に従業員の健康管理を推進しており、2024年3月「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。また、従業員の健康管理の一環として定期的にストレスチェックを行い健康状態の把握に努めることや、協会けんぽが主催するウォーキングイベント「信州ウォーキング大賞2025」に参加し、健康増進を図りながらコミュニケーションの活性化にもつながる取り組み等を実施しております。
引き続き「健康経営」を経営の重要課題に位置付け、積極的に取り組んでまいります。
<定期健康診断受診率>(提出会社の状況)
2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
定期健康診断受診率91.0%100.0%100.0%100.0%100.0%予定

※集計期間については、各年度4月1日~翌3月31日となります。
e. コンプライアンスと倫理
当社はコンプライアンスを単に「法令遵守」と捉えるのではなく、法令、社会規範、企業倫理の包括的な遵守と認識し、社会の一員として正しい行動をとることと定義しております。
当社グループのコンプライアンスに対する考え方や具体的な遵守事項を、「エラングループコンプライアンス・マニュアル」に定め、適宜改定を実施しております。
2022年以前は、全社的な基礎の定着を優先し、平易な内容での毎月の教育を実施しておりましたが、未受講者の存在(2022年未受講のべ12名)や、実務レベルに届かない教育内容への問題意識から、2023年4月にコンプライアンス教育体制を一新しました。
現在のコンプライアンスに関する教育の詳細は以下の通りです。
1)内容
・eラーニング(1時間程度)受講
・修了テストを受検
合格点を取ることを必須とする
2)実施頻度
3ヶ月ごとに実施(3月・6月・9月・12月)
3)効果を上げるための工夫
立場によって陥りやすいコンプライアンス違反に応じて、eラーニングの内容を変更しております。
業務スケジュールを考慮した適切な受講督促の実施
受講期間を長く設けており、未受講者には定期的に受講督促をしております。
3月実施:1月1日~3月31日
6月実施:4月1日~6月30日
9月実施:7月1日~9月30日
12月実施:10月1日~12月31日
当社はコンプライアンス違反を、法令、社会規範、企業倫理の遵守が徹底されていない状態と認識し、従業員の教育を継続的に行っており、過去に大きなコンプライアンス違反となった事象は生じておりません。
f. 経営戦略への反映
海外事業展開と国内事業の拡充のためにこれまで以上に人材開発が必要となるため、英語やMBAなど経営を担う上で必要な能力開発、高度プロフェッショナル人材の積極採用などを進めてまいります。社員が必要なスキルを認識し、能動的に学びたくなる仕組みづくりや評価制度への組み込みを開始し、新たな人事制度や研修制度を通して個々の人材力の最大化を図っております。また、資格取得を奨励するため技能手当を支給しており、その資格が社内昇格試験の受験資格となるため、スキルアップが評価へ直結する仕組みとなっております。当社の将来を担う社員には、次世代リーダー育成のため社外講師による経営塾やMBA講座の受講を推進し戦略思考や行動変革の意識を持たせる機会を増やしております。
1)人材育成研修の内容及び頻度
<研修内容>(下図参照)
・社内研修
新卒社員 年次研修 :入社時、入社半年、入社2年目、入社3年目
中途社員研修 :入社時、入社後
メンター研修 :着任前、着任後半年
管理職評価者研修 :着任後適宜(評価研修、マネジメント研修、ハラスメント研修)
・社外研修
選抜研修 :随時
<研修参加率>48.8%
※グループ正社員数424名に対して研修受講者数207名
※集計期間 2025年1月1日~2025年12月31日
<社員一人当たり研修時間平均>50.7時間/年
※研修受講者数207名に対して研修受講時間累計10,497時間
<人材育成・開発費用>135,774千円 (2025年12月期)
<研修以外の人材育成施策>・eラーニング
・メンター制度
・昇格試験(日経テスト、小論文、資格試験、eラーニング)
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2)受電研修
当社グループでは、2022年より役職者を対象とした「受電研修」を行っております。
日頃、お客様と直接関わることのない役員をはじめとする管理監督者が、お客様のあるがままの声を聴くことで「私たちの日々の業務の先には必ずお客様の存在がある」ことを意識付けております。当研修により役職者自らが得た気づきを課員へ伝え広め、お客様満足度をより高められるよう、日頃の業務の改善・修正をすることで更なるサービスの向上に努めております。
3)若手人材の経営参画
さまざまな価値観を経営に活かすため、若手幹部社員を積極的に役員登用しております。
(国内連結会社の状況)
2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
20~30代の役員数(参画時、グループ会社・執行役員を含む)(人)44667

4)ELAN Credo
当社グループでは、全ての活動を支えるELAN Credoを定義し、1冊の本にまとめたものを入社時に配布しております。当社グループが大切にしている価値観や行動を明確に提示することで、従業員一人一人が主体性を持って全ての活動に取り組み、MissionやVisionの達成に繋がると考えております。

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