有価証券報告書-第18期(2023/07/01-2024/06/30)

【提出】
2024/09/27 15:19
【資料】
PDFをみる
【項目】
127項目
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において損益として計上しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した報告期間末日までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日時点に存在していた事実と状況を、取得日当初に把握していたとしたら認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、測定期間)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しております。測定期間は最長で1年間であります。
なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
・繰延税金資産・負債及び従業員給付契約に関連する資産・負債
・被取得企業の株式に基づく報酬契約
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループ
段階的に達成される企業結合の場合、当社グループが以前保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益として認識しております。
当社グループは、IFRS第1号の免除規定を採用し、IFRS移行日(2017年7月1日)より前に発生した企業結合に関して、IFRS第3号「企業結合」を遡及適用しておりません。従って、IFRS移行日より前の取得により生じたのれんは、IFRS移行日現在の従前会計基準(日本基準)による帳簿価額で計上されております。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債は、期末日の直物為替レート、収益及び費用は平均為替レートを用いて表示通貨である日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
(4) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、償却原価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。金融資産のうち、株式は約定日に当初認識をしており、その他の金融資産については金融商品の契約の当事者となった取引日に当初認識しております。
全ての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定される金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定される金融資産に分類しております。
公正価値で測定される資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融資産を除き、個々の資本性金融資産ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価により測定される金融資産
償却原価により測定される金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b) 公正価値により測定される金融資産
公正価値により測定される金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
ただし、資本性金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ) 金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんど全てを移転する場合において、金融資産の認識を中止しております。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識いたします。
(ⅳ) 金融資産の減損
償却原価により測定される金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが、当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12カ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かは、当初認識時における債務不履行発生リスクと各期末日における債務不履行発生リスクを比較して判断しており、期日経過情報のほか、合理的かつ裏付け可能な情報を考慮しております。金融資産の全部又は一部について回収ができず、又は回収が極めて困難であると判断された場合は、債務不履行が生じているとみなし、債務不履行に該当した場合は信用減損金融資産として取り扱っております。
金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額及び戻入額は、純損益で認識しております。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債と償却原価で測定される金融負債のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
全ての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定される金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債については、売買目的保有の金融負債と当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでおり、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
(b) 償却原価で測定される金融負債
償却原価で測定される金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ) 金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消、又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。原価は、先入先出法、加重平均法又は個別法に基づいて算定しており、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要した全ての費用を含んでおります。
(7) 有形固定資産
有形固定資産の測定には、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、主として定額法により計算しております。また、定率法による減価償却が、当該資産から生じる将来の経済的便益が消費されるパターンをより良く反映する場合には、定率法を採用しております。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物 3~20年
・工具、器具及び備品 3~20年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8) 無形資産
① のれん
当社グループは、のれんを取得日時点で測定した被取得企業に対する非支配持分の認識額を含む譲渡対価の公正価値から、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額(通常、公正価値)を控除した額として当初測定しております。
のれんの償却は行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入れは行っておりません。
また、のれんは連結財政状態計算書において、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
② その他の無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定されます。
のれん以外の無形資産は、当初認識後、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア 5年
・顧客関連資産 13年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(9) リース
当社グループでは、リース契約開始時に、その契約がリースであるか、または契約にリースが含まれているか否かについては、契約の実質に基づき判断しております。契約の履行が、特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約の場合、当該資産はリースの対象となります。
契約がリースまたはリースが含まれている場合、リース負債の当初測定の金額に当初直接コスト等を加減した金額で使用権資産を当初認識しております。リース負債は、契約開始時に同日現在で支払われていないリース料の現在価値で当初認識しております。
使用権資産は、契約開始時から使用権資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方までの期間にわたって定額法で減価償却を行っております。
リース負債は、リース負債に係る金利、支払われたリース料及び該当する場合にはリース負債の見直しまたはリースの条件変更を反映する金額で事後測定しております。
なお、短期リース及び少額資産のリースについてはIFRS第16号「リース」第6項を適用し、リース料をリース期間にわたり定額法により費用認識しております。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位を、のれんが関連する最小の単位を反映して減損がテストされるように統合しております。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位に配分しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に純損益として認識いたします。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
のれんに関連する減損損失は戻入れておりません。その他の資産については、過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れております。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を上限として戻入れております。
(11) 従業員給付
① 退職後給付
一部の連結子会社は、従業員の退職後給付の制度として確定給付制度を運営しております。退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法による、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算結果が、IAS第19号の原則的な方法に従って計算した場合と近似しているため、日本基準における簡便法を適用しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。賞与及び有給休暇費用については、それらを支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(12) 株式に基づく報酬
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブ制度としてストック・オプション制度を導入しております。オプションの付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額をその他の資本の構成要素の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、モンテカルロシミュレーション等を用いて算定しております。なお、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額についての信頼性のある見積りができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
(14) 収益
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除く顧客との契約について、以下のステップを適用することにより、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
収益の主要な区分ごとの収益認識基準は以下のとおりであります。
(a) 旅行事業
旅行事業において、当社グループは顧客に対して、契約に基づきサービスの提供若しくは物品を納品する義務を負っております。サービスの提供においては、顧客から得た手数料を収益として認識しております。また、物品の販売においては物品の販売額を収益として認識しております。サービスの提供に関してはサービスの履行義務が果たされた時点、物品の販売に関しては顧客への納品時に収益を計上しております。
(b)投資事業
投資事業において、当社グループは金融資産を当初認識時に公正価値で認識し、売却による純利益は受領した対価の公正価値と帳簿価額との差額として測定しております。また、公正価値の変動による純損益は変動後の公正価値と帳簿価額との差額として測定しております。
(15) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額で測定しております。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
繰延税金は、決算日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・取引時に、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則として全ての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異について認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日において制定されている、又は実質的に制定されている法定税率及び税法に基づいて資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
(16) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(17) 資本
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しています。
(18) 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しております。
(19) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却目的保有に分類しております。売却目的保有に分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額又は売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループの一つの事業若しくは地域を構成し、その一つの事業若しくは地域の処分の計画がある場合に認識しております。
(20) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、補助金が受領されることについて合理的な保証が得られる場合に認識しています。発生した費用に対する補助金は、補助金で補償することが意図されている関連コストを費用として認識する期間に純損益として認識し、対応する費用から控除又はその他収益として計上しています。
(会計方針の変更)
本連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、以下を除いて、前連結会計年度の連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
法人所得税
当社グループは、当連結会計年度よりIAS第12号の改定「単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金」を適用しております。
なお、この適用に伴う前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財務諸表への重要な影響はありません。