有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/03/26 15:00
【資料】
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【項目】
106項目

業績等の概要

(1) 業績
第8期連結会計年度(自 平成25年3月1日 至 平成26年2月28日)
第8期連結会計年度における我が国経済は、政府・日銀による経済再生を目的とした「アベノミクス」効果を背景に、円安・株高トレンドが進み、企業収益の改善や、個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、回復基調で推移いたしました。新興国の成長鈍化や海外景気の下振れにより、経済動向が依然として不安定であるといった先行き不透明感は払拭しきれていないものの、デフレ脱却と景気回復の兆しが見え始めております。
当社グループが属するクラウド市場におきましては、企業のIT投資における初期費用の削減、データ消失リスクの軽減といった、企業のクラウドサービスに対する理解が深まりつつあることを背景に、拡大を続けております。IT専門調査会社IDC Japan株式会社が平成25年10月に発表した、国内パブリッククラウドサービス市場予測によれば、平成29年の同市場規模は、3,376億円(平成24年比3.6倍)になるとも予測されております。
このような経営環境の下、当社グループは、「クラウド世代のリーディング・カンパニー」を目指して、「Salesforce」を中心としたクラウドシステムの構築、自社クラウドサービスの開発及び提供を展開してまいりました。
以上の結果、第8期連結会計年度における売上高は、1,099,423千円(前連結会計年度比28.7%増)となりましたが、営業損失5,820千円(前連結会計年度は営業損失2,608千円)、経常損失6,448千円(前連結会計年度は経常損失3,545千円)、当期純損失23,696千円(前連結会計年度は当期純損失11,641千円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①ソリューション事業
「Salesforce」関連のクラウドシステムの構築については、当社の技術力が高く評価され、NKSJシステムズ株式会社ほか大型の案件が売上高を牽引し、日本郵政株式会社からも、大型の案件を受注するなど、引き続き受注を伸ばしております。また、新たな成長の柱として、株式会社サーバーワークスと資本・業務提携することにより、AWS関連の業務への取り組みをスタートさせております。
以上の結果、売上高は、833,799千円(前連結会計年度比25.5%増)、セグメント利益(営業利益)は、195,284千円(前連結会計年度比13.1%増)となりました。
②製品事業
製品事業の主力製品である「SkyVisualEditor」、「SkyOnDemand」については、ソリューション事業に付帯した販売のほか、販売代理店の増加により、堅調に契約社数、契約金額を伸ばしております。また、市場のニーズに対応するため、「SkyVisualEditor」は4回、「SkyOnDemand」は2回のバージョンアップをおこなっております。設立2年目となる米国子会社TerraSky Inc.につきましては、積極的なマーケティング活動をおこなうことにより、現地における当社の認知度が向上し始めてきております。
以上の結果、売上高は、265,623千円(前連結会計年度比39.9%増)、セグメント損失(営業損失)は、4,357千円(前連結会計年度はセグメント損失2,860千円)となりました。
第9期第3四半期連結累計期間(自 平成26年3月1日 至 平成26年11月30日)
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、政府による経済・金融政策を背景に企業の設備投資の増加や雇用情勢の改善等、緩やかな回復基調で推移いたしました。海外におきましては、米国経済の企業収益の改善、欧州経済の緩やかな回復基調がみられるものの、中国の成長鈍化等により、依然として、先行き不透明感が払拭しきれていない状況となっております。
国内における情報サービス産業においては、第163回全国企業短期経済観測調査(日銀短観)によると、2014年度のソフトウエア投資計画額は、特に中堅・中小企業において、対前年度比で増加となっており、経済産業省の特定サービス産業動態統計調査(10月分)によると、「受注ソフトウエア」については、売上高が前年同月を12カ月連続で上回っており、業界としても、緩やかながら景気回復基調であると思われます。
このような経済環境のもとで、当社グループにおいては、salesforce.com, inc.との資本提携及び日本法人である株式会社セールスフォース・ドットコムと販売パートナー契約を締結することにより、パートナーシップの強化に努めてまいりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は、1,105,722千円、営業利益59,728千円、経常利益43,117千円、四半期純損失1,807千円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①ソリューション事業
当第3四半期連結累計期間におけるソリューション事業の売上高は、受託開発案件及び保守案件の受注単価の上昇及び件数の増加を主因として、806,319千円となり、セグメント利益(営業利益)は、売上高増加による売上総利益増加を主因として、212,511千円となりました。
②製品事業
当第3四半期連結累計期間における製品事業の売上高は、堅調な契約社数、契約金額の伸長及び販売代理店収入を主因として、299,403千円となり、セグメント利益(営業利益)は、36,240千円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
第8期連結会計年度(自 平成25年3月1日 至 平成26年2月28日)
第8期連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローにより29,578千円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローにより139,010千円を支出し、財務活動によるキャッシュ・フローにより180,680千円の収入があったことにより、前連結会計年度末に比べ15,073千円増加し192,890千円となりました。
第8期連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
第8期連結会計年度における営業活動の結果、支出は29,578千円(前連結会計年度は61,329千円の収入)となりました。これは主に、減価償却費53,066千円、前受金の増加21,395千円による収入があった一方、売上債権の増加91,379千円による支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
第8期連結会計年度における投資活動の結果、支出は139,010千円(前連結会計年度は42,731千円)となりました。これは主に、資本・業務提携による投資有価証券の取得による支出101,200千円、無形固定資産の取得による支出36,679千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
第8期連結会計年度における財務活動の結果、収入は180,680千円(前連結会計年度は86,280千円)となりました。これは主に、株式の発行による収入104,800千円、短期借入金の純増額100,000千円があったことによるものであります。