- #1 事業等のリスク
(1) 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響と特定製品への依存
過去7年(2013年~2019年)ほどにわたり、インフルエンザ検査薬は、当社の売上高(通期)の約50%を維持しながら、その他の感染症検査項目とともに売上を伸ばしてきた主力製品であります。インフルエンザの流行時期は冬季であることから、第1四半期会計期間(1~3月)及び第4四半期会計期間(10~12月)に売上高及び営業利益が集中するといった季節変動、また、その年の業績が流行の開始時期や大きさに影響を受けやすいという傾向がありました。
2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、その後3年以上に渡り感染拡大を繰り返し、わが国においても国民の社会経済活動に大きな影響を及ぼしました。体外診断用医薬品業界におきましては、新型コロナウイルスの遺伝子検査や抗原検査の需要が急激に高まるなか、当社は、遺伝子検査として、2020年8月に「スマートジーン SARS-CoV-2」の発売を開始し、これに続き、抗原検査として、クイックチェイサー Immuno ReaderⅡ等を用いる高感度検出キット(銀増幅イムノクロマト法)、スマートQCリーダーを用いる抗原キット、さらに新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス同時検出キットの発売を開始し、これらの新型コロナウイルスに係る各種検査キットの売上高が急激に増加しました。
2024/03/29 9:56- #2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)
OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、新型コロナウイルス感染症の影響から脱しつつありますが、OTC・その他分野全体の売上高は、3億52百万円(前期比2.0%増)とほぼ横ばいとなりました。
利益面につきましては、主に新型コロナウイルス遺伝子検査キットの減収や、これに伴う売上構成比の変化による売上原価率の上昇に加え、研究開発費及び人件費の増加により、営業利益は51億51百万円(前期比53.6%減)となりました。なお、外国為替相場の急激な変動に伴い、為替差益91百万円を営業外収益に計上しております。これは主に当社が保有する外貨建資産を期末為替レートで換算したことにより発生したものであります。これらの結果、経常利益は52億92百万円(前期比52.2%減)、当期純利益は37億74百万円(前期比51.8%減)となりました。
当事業年度末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
2024/03/29 9:56- #3 追加情報、財務諸表(連結)
(新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関する会計上の見積りについて)
当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の規模が徐々に抑えられていくなか、感染症法上の分類5類への移行により、社会経済活動の正常化はさらに加速しました。この一方で、それまで抑えられてきた様々な既存の感染症(インフルエンザ、RSウイルス、アデノウイルス、A群β溶血連鎖球菌等)が同時多発的に流行するという状況も発生しております。この結果、前事業年度から引き続き、新型コロナウイルス検査薬の安定供給に努め、既存の感染症の検査需要も大幅に増加したものの、急激に高まっていた新型コロナウイルス感染症の遺伝子検査の需要減少の影響は大きく、前事業年度に比べ、売上高及び営業利益は大幅に減少することとなりました。
翌事業年度においては、診療報酬改定や検査体制が見直されるとともに、5類移行後の感染拡大の推移や直近の状況を鑑み、コロナ禍前の経営環境に近づいていくものと予想されます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の動向については、足元では新たな変異株JN.1による第10波の到来が指摘されるなど、増加傾向が継続しており、今後も新たな変異株による感染拡大を繰り返すことが予想されるものの、今後1年を通してその動向を予測することは困難であります。
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