有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/11/06 15:00
【資料】
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【項目】
92項目

事業等のリスク

当社の事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なものとしては、以下の内容が挙げられます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下に開示しております。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)景気変動によるリスク
当社が提供するシステムソリューションサービスは、景気の影響を受けやすい傾向にあります。顧客企業における、景気悪化にともなう設備投資の縮小や製品開発の遅れ、事業縮小、システム開発の内製化等により、当社が提供するサービス領域が縮小される可能性があります。
したがって、国内設備投資動向が悪化した場合及び当社の顧客が属する事業分野の市況が悪化した場合等には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)プロジェクト管理に関するリスク
システム開発においては、開発規模の大型化と顧客の要求の高度化、オープン化の進展によるシステムの複雑化が進み、開発の難易度がますます増大しております。さらには、顧客に提供するサービスや構築システムは、社会的にも重要性が高く、納期厳守と高い品質の確保が要求されることにより、テスト段階以降のシステムエンジニアの負担が増加するケースが多く、時間の超過や健康問題につながる可能性があります。
これらに対し、当社では品質改善推進部(※)が、顧客との契約のあり方を見直すとともに、商談発生時からプロジェクトの進行監視を通じてリスク管理を行っておりますが、不採算プロジェクトが発生した場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(※)品質改善推進部は、プロジェクトの品質管理とプロセスの標準化を推進しております。
(3)顧客情報等漏洩のリスク
当社は、顧客の情報システムの構築、保守並びに運用にあたり、個人や顧客情報を含んだ情報資産を取り扱っております。当社では、このような情報資産の漏洩、紛失、破壊のリスクを回避するために、様々な対策を講じております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得やプライバシーマークの認定取得はもとより、各部門担当者と管理者で構成される情報セキュリティ推進委員会を設置し、従業員教育、各種ソフトウェアの監視、情報資産へのアクセス証跡の記録など各種の情報セキュリティ対策を講じ、情報セキュリティ運営委員会にて、個人情報を含む重要な情報資産の管理を実施し、情報漏洩のリスクの回避を図っております。
しかし、万が一にも、当社又はその協力会社(外注先)より情報の漏洩が発生した場合は、顧客からの損害賠償請求や当社の信用失墜等により、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)クラウドコンピューティングへの新たな取り組みに関するリスク
クラウドコンピューティング市場は今後も成長が見込まれますが、クラウドコンピューティングは、ITの効率化を促進し、顧客のIT支出削減を推し進めることから、既存ITサービス市場の縮小を引き起こす可能性があります。
当社では、既存ITサービス市場をマーケットとしたシステムインテグレーション・サービスの競争力強化に向けて技術者の育成と当社の得意分野における専門性の強化に取り組むと同時に、平成23年3月期よりサービスを開始したクラウドコンピューティングサービスにおいても取引拡大を図り確実な競争力を持つべく注力しておりますが、これらへの対応が計画どおりに進まない場合は、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)特定顧客依存に関するリスク
当社の売上高は、大口顧客である富士通株式会社からの売上高が平成27年3月期において19.2%(富士通株式会社グループ全体では45.3%)を占めております。当該顧客は、外部環境等を考慮して営業政策を決定しており、これらの環境が大きく変動した場合、その営業政策を変更する場合があります。当社としましては、富士通株式会社グループのコアパートナーとしての連携強化に加えて、取引顧客基盤の一層の拡大等に努めておりますが、営業政策の変更により、当社の受注が大幅に減少した場合や受注条件が大幅に悪化した場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)人材確保に関するリスク
当社の成長と利益は、人材に大きく依存します。従いまして、優秀な技術者やシステムエンジニア、管理者等、必要とする人材を採用、育成することは当社にとって重要であり、これに対して積極的な新卒採用やキャリア採用の促進及び研修制度の充実、さらにはコアコンピテンシーの強化等各施策を実施しておりますが、このような人材を採用又は育成することができない場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)ビジネスパートナー依存に関するリスク
生産性向上及び外部企業の持つ専門性の高いノウハウ活用等のため、システム開発を外部委託することがあります。当社におきましても、システム開発における一部のプログラム作成業務を協力会社(外注先)に委託し、協力会社に所属するビジネスパートナーと協業しております。
協力会社への委託は、顧客要請への迅速な対応を実現し、受注の機会損失を防ぐことを目的としており、当社の受注拡大にはビジネスパートナーの確保及び良好な取引関係の維持が必要不可欠であります。
協力会社との関係をより強固なものにするためにコアパートナー制度等の各施策を実施しておりますが、平成27年3月期における当社の製造費用に占める外注費の割合は45.5%となっており、協力会社との取引関係は当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)低付加価値分野でのオフショア開発の浸透によるリスク
顧客のシステム投資においては、顧客が付加価値の低い従来型の開発分野及び開発工程においては、一層の価格の引き下げを求める動きが強まっており、今後、差別化のされない付加価値の低い従来型の開発分野及び開発工程においては、オフショア開発への移行が増大すると予想されます。
当社では、価格競争に左右されにくい安定した経営基盤を確立するため、当社が得意とする分野における専門性の強化と、最新技術への対応を継続して実施しており、顧客にとって付加価値の高いサービスを提供できる体制の強化に注力しておりますが、このような体制強化が計画どおりに進まない場合は、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)業績の季節変動について
当社が提供するシステムソリューションサービスは、顧客のシステム投資予算並びに新製品開発予算の対象となる他、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから、第2四半期会計期間及び第4四半期会計期間に売上計上が集中し営業利益が偏重する傾向があります。
なお、当社は納期管理を徹底しておりますが、顧客の都合等により検収時期が遅延し、計画通りに売上計上ができない場合があります。特に期末月の3月に予定されていた検収が翌期以降に遅れる場合には、当該期間での業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
第45期事業年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)通期
上半期下半期
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
売上高
(千円)
1,209,2291,690,5552,899,7841,343,2332,090,2283,433,4626,333,246
構成比(%)19.126.745.821.233.054.2100.0
営業利益又は営業損失(△)
(千円)
△10,851108,05297,20071,001204,627275,629372,830
構成比(%)△2.929.026.119.054.973.9100.0

(注) 各四半期会計期間の数値については、有限責任監査法人トーマツの四半期レビューを受けておりません。
(10)法的規制について
当社では顧客先に社員を派遣してシステム開発等を行う場合があります。
当社は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」を遵守し、労働者派遣事業者として監督官庁への必要な届出を行っております。
当社は上記の他法令等を遵守しておりますが、法的規制の変更があった場合、法令に違反した場合等、当社が的確に対応できなかった場合には、当社の事業活動が制限されるとともに、社会的な信用の失墜により当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)知的財産権について
当社が行うシステム開発等において、他社の所有する著作権及び特許権を侵害しないように充分に啓蒙活動を行い、常に注意を払って事業展開しておりますが、当社の認識の範囲外で他社の所有する著作権及び特許権を侵害する可能性があります。このように、第三者の知的財産権を侵害してしまった場合、多額の費用負担が生じたり、損害賠償請求を受けるなど、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。