有価証券報告書-第19期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/21 15:01
【資料】
PDFをみる
【項目】
69項目

業績等の概要

(1)業績
当社が事業を展開しているインターネット広告市場は、スマートフォンの普及や通信環境の整備等により、引き続き拡大を続けております。「2015年(平成27年)日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、平成27年のインターネット広告費は前年から10.2%増加して1兆1,594億円、運用型広告費においては、前年比21.9%増の6,226億円と前年に引き続き高い成長を示しました。
このような経営環境のもと、当社は、マーケティングテクノロジー事業において、コアプロダクトであるDSP「Logicad(ロジカド)」の商品力強化及び販売力強化に取り組みました。具体的には、新商品として、ダイレクト・レスポンス広告向けに「ダイナミック・クリエイティブ」、ブランディング広告向けに「テレビCMリアルタイム連動型広告」をリリースしました。また、広告主及び広告代理店との関係性強化を目的に、営業・運用人員の積極的な採用を行い、スマートフォン向け広告等の拡販に取り組みました。
以上の結果、当事業年度における当社の売上高は、前年同期比51.6%増の5,628,256千円(前年同期は3,712,905千円。以下括弧同じ。)、営業利益は前年同期比73.3%増の294,972千円(170,230千円)、経常利益は前年同期比64.6%増の278,725千円(169,301千円)、当期純利益は前年同期比16.3%増の241,898千円(207,922千円)となりました。
当社はマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントでありますが、取扱いサービス別の売上高の概況は次のとおりであります。
1.DSP
広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームであるDSP「Logicad」の提供を行っております。当事業年度は、コアテクノロジーの一つである、人工知能「VALIS-Engine(ヴァリス・エンジン)」を活用した新商品「ダイナミック・クリエイティブ」の販売を開始しました。また、株式会社ゼータ・ブリッジとの業務提携により、テレビCMをリアルタイムに自動検出して、テレビCMに連動したインターネット広告配信を行う「テレビCMリアルタイム連動型広告」の販売を開始しました。
その結果、広告キャンペーンの継続率は前期比同様の高水準を維持しつつ、広告キャンペーン数が安定的に増加した為、DSPの売上は前年同期比49.1%増の3,134,824千円となりました。
2.アフィリエイト
広告主と媒体を限定したクローズド型アフィリエイト「SCAN(スキャン)」の提供を行っております。当事業年度は、主力商材である金融系(消費者金融等)及び法律系(司法書士事務所等)の拡販に努めました。その結果、広告主数及び媒体運営者数が前年比以上に増加した為、アフィリエイトの売上は前年同期比77.3%増の2,139,819千円となりました。
3.メディアプランニング
親会社であるソネット株式会社が保有するポータルサイト「So-net(ソネット)」の広告枠の企画及び仕入販売を中心に媒体の広告収益最大化を支援する事業を行っております。また、平成26年4月より、PubMatic, Inc.(米国カリフォルニア)との事業提携により、SSP「PubMatic(パブマティック)」の取り扱いを開始しております。当事業年度は、ポータルサイト「So-net」の広告枠の企画及び仕入販売に注力しました。その結果、メディアプランニングの売上は前年同期比12.5%減の353,612千円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、営業活動及び財務活動による収入が投資活動による支出を上回ったため、前事業年度末に比べ1,392,459千円増加し1,718,451千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税引前当期純利益を278,725千円、減価償却費を110,980千円計上し、また、ビジネスの拡
大にともない仕入債務が218,913千円増加した一方で、売上債権が288,661千円増加しました。その結果、営業活動
により得られた資金は、326,756千円(前事業年度は265,734千円の獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出が352,778千円、本社移転及びサーバー
等の有形固定資産の取得による支出が119,385千円となりました。その結果、投資活動により使用した資金は、
493,937千円(前事業年度は318,046千円の使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、株式の発行による収入が1,559,640千円となりました。その結果、財務活動により得られ
た資金は、1,559,640千円(前事業年度は120千円の獲得)となりました。