有価証券報告書-第18期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 17:00
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当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な流行拡大の影響を受け、経済活動が停滞し、景気は大幅な悪化の状況となりました。新型コロナウイルスの国内における感染拡大も秋口に一服したものの、年明け以降急激に感染拡大し、それによって2回目の緊急事態宣言が発せられ、飲食・個人向けサービス業を中心に未だ厳しい状況が続いており、ワクチンの普及などによる経済回復が期待されつつも、変異株の発生などによる感染再拡大が懸念されるなど、先行き不透明な状態が続いております。このような状況の中、テレワークや5G関連で財輸出が堅調な製造業などは持ち直し、一方で、新型コロナウイルスによる移動自粛、時短営業などに影響を受ける運輸業、飲食業は厳しい状況が続くなど、企業収益は二極化の様相を呈しております。また、雇用・所得環境も飲食・宿泊業などで雇用環境が悪化し、また企業の雇用過剰感や残業削減などから所定外賃金が伸び悩んでおり、これらによって個人消費が低迷する状況となっております。この個人消費の回復が明確化するのは、高齢者を中心にワクチンの普及が進む秋以降になると予想され、長期化の様相を呈しております。このような経済環境に対し、日銀は金融政策決定会合において、急激な金利上昇を抑制するための「連続指値オペ制度」の導入を経済対策の一つとして決定し、イールドカーブの低位安定を優先する姿勢を明確にしたことなどにより、長期金利は低下し、当面は現行水準近辺での推移が続く見通しとなっております。
不動産業界のうちマンション業界におきましては、首都圏の2020年度(2020年4月~2021年3月)のマンション供給戸数が29,032戸、前年度比1.7%増となり、1度目の緊急事態宣言後の7月以降に急回復するも2年連続の3万戸割れの状況となり、都区部の供給戸数は、15.2%減の11,131戸となりました。供給面に対し販売価格の面においては、首都圏エリアの1戸あたりの平均価格は1.0%下落の5,994万円、㎡単価は0.4%上昇の90.5万円と単価は9年連続の上昇となり、バブル期以来の高値という結果になりました。一方で、都区部の1戸あたりの平均価格は2.2%増の7,564万円、㎡単価は6.1%増の122.1万円という結果になり、引き続き高値を維持した状況となっております(㈱不動産経済研究所調べ)。
資産運用を目的とする投資用マンションにおきましては、収益の源泉となる分譲マンション賃料が、2021年3月の都区部では、3,869円/㎡で前月比0.6%アップし、2020年8月に記録した直近の最高値を更新するなど(㈱東京カンテイ調べ)、引き続き底堅い成長市場となっており、これは、都区部の不動産の収益性の高さを表しているものと考えられます。2020年度の都区部のマンション供給戸数が減少したことからも、今後も新築供給戸数が大きく伸びないことが想定されることから、都区部のマンションはさらに価値が増していくものと考えられます。
このような経済環境の下、当社は引き続き事業を拡大しており、2018年から取り組んでいたDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みにより、早期から商談の完全オンライン化などを実現することが出来たこともあり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けることなく事業は進捗いたしました。さらに、当連結会計年度から本格始動した中古収益不動産マッチング事業「スマートセカンド事業」においては、中古物件にて200戸超の物件引渡しの実績を上げることが出来ました。加えて、前事業年度より開始した不動産クラウドファンディング事業につきましては、個人投資家の投資ニーズが引き続き強く、2021年3月に組成したファンドでは、募集金額の10倍超の応募を受けるなど、この投資商品のニーズの強さを実感している状況にあります。当該事業では、このご好評を受けて、毎月第2・第4金曜日を新規ファンドの組成日として設定し、ファンド組成数を倍増することといたしました。これによって更なる投資家層の拡大と投資家満足度向上を実践し、不動産開発販売事業の拡大を図ってまいります。また、住まい(Condominium)・会社(Company)・街(City)の3つのCをDXすることを目指して、2020年8月に設立した当社子会社DXYZ(ディクシーズ)株式会社では、開発した顔認証プラットフォームサービス「FreeiD(フリード)」において、そのビジネスモデル(顔認証システム全体)や自宅前などの置き配を可能とする顔認証を活用した機能など、様々な内容での特許を取得することに成功いたしました。FreeiDは、1度の顔情報登録だけで様々な顔認証エンジンに対応することが可能となっているため、顔認証を用いたサービスの利便性が大幅に向上することが期待でき、これを用いた3CのDXに取組むべく、様々な準備を進めてまいりました。
一方で、全社的には、当社の中期ビジョンの具体的目標のひとつに掲げる「知名度 No.1」に向けた具体的施策の一つとして、2021年2月にテレビCMの放映を開始いたしました。テレビCMはマスに訴求する広告のため、今後の3~5年間に向けた中期的な投資と当社では位置付けておりますが、これに当社がここ数年強化し、得意領域としてきたウェブマーケティングをかけ合わせることにより、当社が集中戦略を展開する東京都心の新築、中古マンションの不動産投資マーケットでの圧倒的シェアを獲得することを考えております。ウェブマーケティングとマスに向けたテレビCMの二本立てによるマーケティング戦略は、他社から圧倒的に抜きん出る戦略になると確信しており、この効果はさらに、マンション開発における用地購入事業者としての認知度を、東京都心エリアにおいて、今以上に高いものにすると考えております。
この結果、売上高は27,523,846千円、営業利益は2,093,066千円、経常利益は1,790,776千円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,170,092千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、子会社DXYZ株式会社の質的重要性を勘案した連結決算への移行を契機に、当連結会計年度より、報告セグメントの見直しを行っております。その結果、事業区分及び事業活動の実態に即した適切な報告セグメントを表すため、従来報告セグメントに直接帰属しない一般管理費等を一定の基準にて各報告セグメントに配分しておりましたが、これを全社費用として調整額に含める変更をしております(各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高、振替高を含んでおります。)。
(不動産開発販売事業)
不動産開発販売事業は、より立地にこだわった用地及び完成物件の仕入れを継続しており、16物件の開発用地及び完成物件を取得し、自社開発物件21物件が竣工いたしました。また、中古収益不動産マッチング事業の収益の源泉となる中古区分マンションの仕入につきましても、関連事業者の拡大及びリレーション強化と仕入判断の迅速化により、安定的な仕入を実現出来ており、当連結会計年度において400戸を超える仕入実績を上げることが出来ております。新築収益不動産の販売につきましても、顔認証サービス『FreeiD』を導入した国内初の鍵が要らないマンション「クレイシアIDZ学芸大学」や「クレイシアIDZ王子」などを販売し、これら差別化された物件も含め、順調に販売を拡大いたしました。この顔認証導入マンションでは、入居者が、DXYZ株式会社が開発した顔認証IDプラットフォーム 『FreeiD』のアプリに顔情報を登録し、マンションに設置されている顔認証端末に顔をかざすだけで、エントランスの入場、メールBOX・宅配BOXの解錠、エレベーターの呼び出し、各戸への入室が可能となっております。また、入居者は、「One Time(鍵貸し)機能」を使って、家族・知人にFreeiDアプリを通じて一時的な入室権限を付与することが可能となっており、これにより入居者が不在の場合でも、家族・知人を指定の時間、自宅に招待することが可能となるなど、入居者にとって付加価値の高い物件となっております。今後は、当社が設備設計を行う全ての物件においてFreeiDを導入することを予定しており、これが当社開発物件の資産性向上と独自性発揮による更なる競争力強化につながるものと考えております。
これらの結果、投資用マンション「クレイシア」シリーズ等は429戸、中古収益不動産は232戸、居住用コンパクトマンション「ヴァースクレイシア」シリーズ等は105戸、その他63戸、都市型アパート「ソルナクレイシア」シリーズは4棟を販売し、売上高26,843,979千円、営業利益3,309,093千円となりました。
(プロパティマネジメント事業)
プロパティマネジメント事業は、自社開発物件販売後の確実な管理契約の獲得と早期賃貸付けによる賃貸関連コストの圧縮、自社管理物件の買取再販強化による管理戸数の維持などに取組み、当連結会計年度末の賃貸管理戸数は3,258戸、建物管理戸数は3,971戸(95棟、93組合)となりました。
これらの結果、売上高679,866千円、営業利益230,446千円となりました。
(その他)
その他は、報告セグメントに含まれない事業であり、DXYZ株式会社が展開するFreeiD事業となります。当連結会計年度より当社が展開する「クレイシア」シリーズへのサービス展開を開始し、「クレイシアIDZ学芸大学」、「クレイシアIDZ王子」の2棟、91戸に顔認証システムを導入し稼働させました。
これらの結果、売上高21,189千円、営業利益△56,719千円となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は26,793,596千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が5,191,973千円、販売用不動産が11,976,010千円、仕掛販売用不動産が9,157,480千円となります。また、固定資産は1,167,923千円となりました。主な内訳は、建物107,803千円、ソフトウェア259,011千円、投資有価証券303,724千円、繰延税金資産100,693千円となります。
この結果、当連結会計年度末における総資産は、27,961,520千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は13,030,383千円となりました。主な内訳は、買掛金が2,344,392千円、短期借入金が3,758,400千円、1年内返済予定の長期借入金が5,453,423千円となります。また、固定負債は7,780,744千円となりました。主な内訳は、社債が1,058,000千円、長期借入金が6,641,915千円となります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、20,811,127千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は7,150,392千円となりました。主な内訳は、資本金が609,356千円、資本剰余金が559,356千円、利益剰余金が5,898,598千円となります。
この結果、自己資本比率は25.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,181,973千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払や積極的な物件取得及び物件開発によるたな卸資産の増加に伴う支出の増加があったものの、販売による資金回収がこの増加幅を上回り、当連結会計年度は236,662千円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは主に本社移転やシステム投資等にかかる固定資産の取得による支出があったこと等により、当連結会計年度は578,202千円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出があるものの、それを上回る用地仕入及び物件開発、機動的な資金の確保の為の長期借入れによる収入及び社債の発行による収入があったことにより、当連結会計年度は823,213千円の収入となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
該当事項はありません。
b. 受注実績
該当事項はありません。
c. 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売戸数
(戸)
金額
(千円)
前年同期比
(%)
前年同期比
(%)
不動産開発販売事業82926,843,979
プロパティマネジメント事業679,866
その他21,189
相殺消去△21,189
合計82927,523,846

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.不動産開発販売事業において都市型アパート4棟を販売しておりますが、上記「販売戸数(戸)」には含まれておりません。
3.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するために重要となる当社グループの会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの資産の多くを占める販売用不動産及び仕掛販売用不動産の評価が当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項となりますが、この評価は、対象不動産ごとの賃料の実勢、長期金利の動向、路線価の変動及び個別発生事象等に依っており、必要に応じて鑑定レポートを取るなど、より客観的に評価できるよう努めておりますが、これらの要素が予期せぬ変動をした場合には、連結会計年度末時点の評価と異なる結果となる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、期初における新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言などにより景気後退局面に入り、先行き不透明な状況となったことから、あらゆる事象を保守的にとらえ、リスク感応度を高くして事業活動を行っておりましたが、当社グループにおける早期からのDX推進の効果の発揮や政府のあらゆる対策、日銀による金融政策等の甲斐もあって、結果として、想定していたほどの事業環境の悪化は起きず、東京都区部の堅調な賃料と低金利の恩恵を受け、引き続き販売拡大を行うことができ、前事業年度の単体の売上高との比較になるものの、21%増収する結果となりました。また、”登頂ダイエット”という経営方針に則り、主にDXによるコスト・工数の適切な削減と生産性向上を図り、期初想定していたよりも販管費を削減できたこともあって、当社グループが注視している営業利益と経常利益の拡大においては、こちらも前事業年度の単体との比較になるものの、それぞれ10%、16%拡大する結果となりました。当連結会計年度においては、中期ビジョンの一つである『知名度№1』に向け、テレビCMの放映を開始するなどし、あくまでも中長期的視点での投資と考えての施策ではあったものの、その反響は想定よりも大きく、全社的に一つ上のステージに上がっていく年度になったと認識しております。
今後は、新型コロナウイルスの感染拡大の収束時期により、景況感等は左右されると考えられますが、ワクチンの普及とともに確実に景気回復基調に進むと想定されます。足許では、カネ余りによる資産バブルの傾向にもあるため、不動産市況の動向、金融機関の融資姿勢等に注視し、事業環境の変化に敏感になる必要があると考えております。しかしながら、長期金利の低位安定はしばらく継続することが想定され、東京都区部の賃料も堅調であることから、引き続き”登頂ダイエット”という経営方針のものと、中核事業である不動産開発販売事業を成長させていく方針であり、その土台作りとしては、当連結会計年度は大きな成果を残せた年度であると判断しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、バランスシートのダイエットという方針のもと、キャッシュポジションと自己資本比率、DERを注視指標としておき、中古物件の買取再販や他社開発物件の仕入などにおいて在庫・資金水準のコントロールを図ってまいりました。また、内部留保による資本の増強やクラウドファンディングによる資金の確保などにより自己資本と有利子負債のバランスのコントロールを図るなど、あらゆる方面から財務体質の改善と資金の流動性確保に努めてまいりました。不確実性が増している昨今においては、資金の流動性が重要であると考えているため、比較的高い資金水準を維持しているものの、過度に有利子負債が増大しないよう有利子負債による資金調達を適切にコントロールする財務戦略をとっております。今後につきましても、扱う物件数が増加していることや物件の竣工に偏重があることなどから、資金の流動性をより確保することが必要であるため、適切な資金計画のもと、いつでも販売可能な中古物件の確保と、それから得られるストック収益の確保、金融機関からの機動的な運転資金の調達に向けた取引金融機関数の増加や主要取引銀行とのコミットメントラインの維持・新設などを行うことを考えております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、上記と同様の内容となるため、記載を省略しております。

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