訂正有価証券報告書-第62期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/07/03 16:12
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【項目】
116項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における経済環境は、企業収益の回復や雇用・所得環境の改善が続く一方、中国や新興国経済の鈍化懸念、欧米の政治リスクに対する警戒感の高まりなど、海外経済の影響等により先行き不透明な状況が続いております。
こうした状況の下、国内営業本部においては、現場営業によるユーザーの囲い込みを図り、「競合に勝つ」を基本方針に活動してまいりました。その結果、主力6市場のうち、新エネルギー市場では大口案件の減少により不調となり、また、半導体・液晶市場、化学市場も軟調でしたが、医療機器市場は主要顧客向けを中心に好調に推移しました。加えて、水処理市場においても昨年末に残留塩素計の設計、製造、販売を行うテクノエコー株式会社を買収した影響もあり、当該水処理市場の売上も堅調に推移しました。これらにより国内向けの売上高は159億51百万円(前年比1.8%増)となりました。
一方、海外向け売上においては、子会社であるIwaki America Incorporated(米国)は、新エネルギー市場、化学市場が不調であったものの、医療機器市場は堅調に推移しました。主力である水処理市場も堅調に推移したものの、当連結会計年度前半で為替レートが円高に振れた影響で売上高は42億54百万円(前年比4.0%減)となりました。Iwaki Europe GmbH(ドイツ)は、半導体・液晶市場が好調に推移したものの、表面処理装置市場、化学市場が軟調に推移しました。加えて円高の影響もあり、売上高は19億19百万円(前年比4.1%減)となりました。Iwaki Singapore Pte Ltd(シンガポール)は主力市場である半導体・液晶市場、水処理市場が好調に推移しましたが、円高の影響を受け売上高は2億37百万円(前年比1.8%減)となりました。IWAKIm SDN. BHD.(マレーシア)は主力市場である半導体・液晶市場における大型受注案件が貢献したことにより好調を維持し、表面処理装置市場も好調で、円高の影響を受けつつも売上高は1億2百万円(前年比0.4%増)となりました。その他地域においては、関連会社と連携して販売の拡大を図ってまいりました。その結果、中国地域は表面処理装置市場は堅調に推移し、水処理市場は軟調となり、アジア地域は、韓国、台湾で半導体・液晶装置市場及び表面処理装置市場が好調に推移し、子会社を除く海外向け売上としては26億81百万円(前年比12.4%増)となりました。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度における売上高は、251億46百万円(前年比1.3%増)となりました。
利益面では、増収効果はあったものの、研究開発投資や、金型をはじめとする積極的な設備投資と海外子会社を中心に将来のための人材確保を行った結果、営業利益は14億65百万円(前年比4.4%減)となりましたが、経常利益では、アジア市場において関係会社からの持分法による投資利益が上振れしたこと及び期中に償還を迎えた投資有価証券で為替差益が発生したこと等により、経常利益は21億36百万円(前年比7.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億90百万円(前年比10.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は61億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億85百万円増加(前連結会計年度は13億93百万円の増加)いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果、資金は20億1百万円増加(前連結会計年度は14億13百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益(21億46百万円)などによる資金増加要因が、持分法による投資利益(4億88百万円)などによる資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果、資金は1億50百万円減少(前連結会計年度は9億97百万円の増加)いたしました。これは主に、有形固定資産の取得(12億19百万円)などによる資金減少要因が、有価証券の償還(5億55百万円)や定期預金の払戻(3億円)などによる資金増加要因を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果、資金は11億51百万円減少(前連結会計年度は9億35百万円の減少)いたしました。これは主に、配当金の支払(8億13百万円)や短期借入金の返済(純減額2億32百万円)などによるものであります。