四半期報告書-第12期第3四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

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2018/08/14 15:47
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、政府による経済・金融施策を背景に、株価の上昇や企業収益の回復が見られるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社グループが属するオンライン旅行分野におきましては、スマートフォンやタブレット端末の普及等により、インターネット利用頻度の一層の増加し、市場規模もそれに伴い拡大しております。
旅行業におけるインターネットに占める取扱高の割合は年々上昇しており、平成12年おいて0.64%に過ぎなかった旅行会社のインターネット販売比率は平成25年には9.46%(数字が語る旅行業2015 日本旅行業協会)に達し、緩まることなく益々加速しております。また、昨今の国策に基づく訪日観光の誘致、アジア地域の経済発展を追い風に、訪日外国人は昨年度実績で約2000万人にのぼり、2020年の東京五輪・パラリンピックへ向けた目標として4000万人と政府が掲げており、今後も増加が見込まれます。
このような事業環境のもと、当社グループは、日本国内航空券の比較販売サイトとして想起される第一ブランドとなるために、引き続き、自社サイトにおけるUIの改善と顧客対応の改善に、投下するリソースの選択と集中を図ってまいりました。
ベトナムにおけるITオフショア開発分野においては、ベトナム政府目標にも掲げられているIT技術者の増加計画やソフトウェア産業の強化政策を背景に、供給市場として引き続き拡大しております。ベトナム政府は、ICT分野における重要なポイントの一つにオフショアリングのアウトソーシング先としての拡大を掲げており(ベトナムソフトウェア及びITサービス協会レポート)、引き続き外国直接投資の誘致並びに税制面の優遇措置を推進しております。現状における日本のオフショア開発割合は僅か1,000億円程度(日本のソフトウェア産業とオフショア開発の動向(財)国際情報化協力センター)に過ぎず、国内の受託ソフトウェア開発市場の市場規模が10兆円程度(情報サービス産業の現状経済産業省調査)であることを鑑みれば、市場規模はまだまだ拡大の余地があると考えられます。また、上場来本格化した投資事業においては、成長企業への投資を積極的に進め、平成30年6月現在、投資先を38社まで拡大しております。
このような事業環境のもと、当社グループは、引き続き、多様化する顧客ニーズへの対応、ハイレベルなIT技術者の確保・育成に努めて参りました。また、業務効率化及びコスト最適化が寄与し、収益性の改善が図られております。
このような環境の中、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は6,319,490千円(前年同期比59.2%増)、営業損失は△449,377千円(前年同期比177.3%減)、経常損失は△459,705千円(前年同期比182.9%減)、税金等調整前四半期純損失は△469,613千円(前年同期比184.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は△466,623千円(前年同期比231.7%減)となりました。
なお、当社は平成30年9月期からIFRSへの移行を予定しており、当第3四半期連結累計期間のIFRSにおける業績(非監査の参考数値)は売上収益6,340,533千円、営業利益は1,037,387千円、親会社の所有者に帰属する当期利益は716,712千円となります。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
①オンライン旅行事業
オンライン旅行事業では、以下4つのサービスを提供しております。
・BtoCサービス(PC、スマートフォンにて一般消費者向けの旅行商材の自社サイトの運営)
新規顧客獲得のためにSEM強化、リピーター増加施策のためにUIの改善等を実施したことが寄与し、利用者が順調に増加致しました。
・BtoBtoCサービス(提携先企業のブランドにて旅行コンテンツを提供する事業)
主要取引先のニーズに合致したサービスを提供し、取引先において使用頻度を高めてもらうために、取引先とのコミュニケーションを強化したことが寄与し、売上高は堅調に推移しました。
・BtoBサービス(他社旅行会社に対するホールセール事業)
航空会社の業界動向や取引先の施策に影響を受ける部分があり、国内線運航数の増加にともない、国内航空券を取り扱うオンライン旅行代理店業界全体が活況となり、売上高は堅調に推移しました。
・BTMサービス(企業の出張に係る社内承認手続き及び手配を一元管理する事業)
基本的に顧客企業数の増加及び利用率の増加と連動して売上が増加するビジネスモデルであるため、営業人員の追加、及び既存顧客中の利用率が相対的に低い顧客の掘り起し、オペレーションの強化による顧客満足度向上試作等を実施したことにより成長しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のオンライン旅行事業の売上高は4,620,476千円、セグメント利益は△319,734千円となりました。
②ITオフショア開発事業
ITオフショア開発事業では、ベトナムのホーチミン、ハノイ及びダナンにて、主にEコマース・Webソリューション・ゲーム・システム開発会社等を顧客として、ラボ型の開発サービスを提供しております。
当社のラボ型開発モデルは、顧客ごとに専属のスタッフを都度新規採用してチームを組成する点にあります。また、顧客が随時ラボの開発状況を確認することが可能なスタイルとなっております。基本的に人月単価×人員数によって顧客に請求を行うビジネスモデルであり、専属スタッフの中長期的なアサインを前提としております。採用段階でいかに顧客のニーズに合致した人材を採用するか、各エンジニアのモチベーションをいかに高めていくかが開発の成否を左右します。
当第3四半期連結累計期間においては、特に開発の効率化に伴う単価の上昇が、売上の増加に寄与しました。
この結果、当第3四半期連結累計期間のITオフショア開発事業の売上高は1,732,699千円、セグメント利益は137,646千円となりました。
③投資事業
投資事業では、既存事業とのシナジーを重視し、積極的なM&A、資本業務提携により、サービスラインの統合とともに収益向上のために、成長企業への投資を推進しております。当第3四半期連結会計期間末においては、投資先を38社まで拡大しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の投資事業の売上高は101,669千円、セグメント利益は75,463千円となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ15,422,797千円増加し22,901,437千円となりました。これは主に、現金及び預金が2,502,053千円増加したこと、受取手形及び売掛金が3,254,751千円増加したこと、営業投資有価証券が1,531,793千円増加したこと、のれんが4,082,230千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債につきましては、前連結会計年度末と比べ14,198,327千円増加し、18,450,545千円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が1,677,164千円増加したこと、短期借入金が3,456,139千円増加したこと、長期借入金が4,918,817千円増加によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,224,469千円増加し、4,450,891千円となりました。これは主に、資本剰余金の増加1,261,943千円によるものであります。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。