訂正有価証券報告書-第4期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/11/11 15:48
【資料】
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【項目】
110項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して655,290千円減少し、54,694,196千円となりました。流動資産は前連結会計年度末と比較して491,358千円減少し、34,103,154千円となりました。主な要因は、有価証券が890,922千円増加した一方で、現金及び預金が615,067千円減少したほか、たな卸資産が687,663千円減少したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末と比較して163,931千円減少し、20,591,041千円となりました。主な要因は、建物及び構築物(純額)が213,043千円減少したことによるものであります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末と比較して911,909千円減少し、10,844,930千円となりました。流動負債は前連結会計年度末と比較して1,343,019千円減少し、4,710,673千円となりました。主な要因は、短期借入金が689,990千円減少したほか、1年内返済予定の長期借入金が500,000千円減少したことによるものであります。固定負債は前連結会計年度末と比較して431,109千円増加し、6,134,257千円となりました。主な要因は、長期借入金が500,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末と比較して256,619千円増加し、43,849,265千円となりました。主な要因は、利益剰余金が1,003,520千円増加した一方で、為替換算調整勘定が637,173千円減少したことによるものであります。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済においては、政府による経済・金融政策を受けて企業収益や雇用情勢が改善したほか、訪日外国人の増加によるインバウンド消費の拡大が見られ、雇用情勢や所得環境の改善など緩やかながら景況感は回復基調で推移いたしました。
しかしながら、中国や新興国の景気が減速し、欧州経済の先行きに不透明感が高まり、為替相場が円高に転じ始め、これまで輸出企業を中心に牽引してきた経済成長に対する懸念が強まってきているほか、大手企業の賃上げが前年水準を下回るなどの理由で個人消費が伸び悩みを見せており、景気の先行きに対する不透明感が増してきております。
主力のダイレクトセールスについては、営業人員の確保が売上高伸張に影響するために、積極的な人材採用に努めましたが、採用環境が売り手市場となったことで営業人員の確保に苦戦する状況となり、売上は伸び悩みました。一方で、多様化するお客様のニーズに応えるために、主力製品の寝具以外のリビング用品として、ふとんカバーの刺繍技術を用いたオーダーカーテンの生産・販売並びに畳の販売を開始し、商品ラインナップの充実に努めました。
ダイレクトセールス以外の卸売、レンタル、ホテル・旅館向け販売については、国内景気の緩やかな回復とともに、法人顧客の需要に積極的に応え、業績は好調に推移いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は22,147,609千円(前期比5.8%増)となりました。営業利益は、売上高の増加のほか、採用が伸び悩んだことで人件費が抑制されたことを理由に、2,115,818千円(前期比95.9%増)となりました。また、営業外費用における為替差損が前期比増加し、経常利益は1,882,209千円(前期比9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,397,202千円(前期比11.1%増)となりました。
なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。
(寝具・リビング用品事業)
売上高は21,330,420千円(前期比5.6%増)、営業利益は1,835,074千円(前期比100.5%増)でありました。
(不動産賃貸事業)
売上高は817,188千円(前期比11.8%増)となり、営業利益については、前期に比べて修繕費等が減少したことを理由に、280,744千円(前期比70.1%増)でありました。
(4) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 1.業績等の概況 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営戦略と今後の見通しについて
当社グループは企業理念として「人々の健康な生活のためにクオリティの高い眠りの提供に努め企業価値を高めることで社会の進歩と発展に貢献し全社員の成長と幸福を追求する」を掲げ、それぞれの価格帯における最適な素材・最適な製造方法・最適な販売方法で、お客様に寝具・リビング用品とその関連サービスを提供することをビジネスモデルとしております。
具体的には、次のとおり、寝具・リビング用品事業における販売形態別に戦略を持って事業を推進してまいります。
(ダイレクトセールス)
創業以来継続している主力業務となっております。お客様宅へ伺うことにより、羽毛ふとん等の高付加価値寝具等を、丁寧に説明して販売し、人々へクオリティの高い眠りをお届けしております。
ダイレクトセールスは、古くは行商から発祥し、日本の伝統的な営業手法として、人間関係を築き、商品知識等について、お客様を啓蒙できるビジネスでありますが、近年では、在宅率の低下、特定商取引法規制強化、通信販売市場拡大といった厳しい外部環境が見られます。
当社グループとしては、お客様のご都合に合わせて複数回お会いし、信頼関係を構築し、商談していくことで、成約につながり、顧客満足度も高くなると考えております。また、お取引していただいたお客様については、定期的なアフター訪問を行いながら、末永いお付き合いを目指していく方針であります。
最終取引後5年以上取引の無かったお客様については、㈱丸八真綿販売お客様センターがアポイントを取り、ダイレクトセールス会社の販売員がお客様宅へ伺っております。また、平成27年6月には、ウェブサイト「おうちdeまるはち」を開設いたしました。これは、お客様から来訪要請が来る新しいアポイント形態を確立していくため、製品・商品購入並びにサービスの申込みが出来るウェブサイトであります。今後、比較的若年の、新しい顧客層開拓に貢献していくものと期待されます。
販売手法については、単にふとんを「売る」から、寝具メンテナンス等の啓蒙活動へとシフトしております。製販一体経営により、販売員が自社グループ製品の深い知識を有しているため、お客様へ、寝具のメンテナンス啓蒙が可能となっていることは大きな他社差別化要因となっております。
当社グループは、商材を寝具だけでなく関連商品へ拡充していき、新規商材の開発を進めてまいります。商材を複数持つことで、お客様の買替えサイクルも複数となり、長期間に亘り、より一層、お客様との接点を持つことができるものと考えております。当連結会計年度から、当社グループ生産オーダーカーテンと畳(外部業者からの仕入れ)の販売を開始しております。
(卸売)
卸売では、当社グループの製造ノウハウを活用し、顧客ニーズをいち早く製品に反映させることを基本戦略としております。浜松工場、大久保工場及び磐田工場は、一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の認定工場として登録されており、法人取引先からは、品質に関しての信頼性が得られております。量販店においては、当社グループ製品のような日本国内生産品の価値が再認識され、当該需要は拡大の傾向にあるため、卸売製品の品揃えの拡充を図ってまいります。
また、製品以外の分野では、高品質の羽毛原材料を、アパレル会社のダウンジャケット用に卸売を行っております。今後は、量販店以外の新規取引先の開拓に努めてまいります。
(レンタル)
個人市場においては、都心部のマンション居住者層をターゲットに、ウェブサイトでの集客により、レンタルふとんニーズを掘り起こしております。当連結会計年度においては、3ヶ月以上のレンタル需要に対応した長期レンタルサービスを本格的に開始いたしました。
法人市場においては、マンスリーマンションなど法人の長期レンタル需要に対応しております。当連結会計年度においては、「保育園用お昼寝マット」、「介護用シーツ」の取扱いを本格的に開始いたしました。
今後も、独自製品の開発によりお客様の裾野を広げ、新たな市場の獲得に取り組んでまいります。
(ホテル・旅館向け販売)
ダイレクトセールスで培った当社グループ製品の品質、ブランド力を生かし、ホテル・旅館での当社グループ寝具を介し、人々へクオリティの高い眠りをお届けしてまいります。
高付加価値の羽毛ふとんを中心とした当社グループの寝具は、ホテル・旅館でも好評をいただいております。今後、国内では平成32年の東京オリンピック開催に向けて、新規ホテル・旅館の建設も進むといわれており、海外からの旅行者も増加することが予想されております。宿泊者に喜んでいただける寝具の提供に努めるとともに、ホテル・旅館への営業強化を図ってまいります。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。