有価証券報告書-第21期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、前期の比較数値について、当社グループは前連結会計年度の2018年8月に株式会社一二三書房の株式を取得し2018年9月より株式会社一二三書房の損益計算書を当社グループの連結財務諸表に反映しております。当連結会計年度においては株式会社一二三書房の業績が通年にわたり寄与しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く環境におきましては、2018年におけるモバイルコンテンツ市場は2兆2,261億円(対前年比105%)、中でもスマートフォン市場は2兆1,882億円(対前年比106%)と年々成長を続けております。スマートフォン市場の内、ゲーム市場が1兆4,116億円(対前年比104%)、電子書籍市場が2,684億円(対前年比107%)、動画・エンターテイメント市場が1,997億円(対前年比107%)、音楽コンテンツ市場も1,152億円(対前年比112%)といずれも拡大傾向にあります(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム調べ、2019年7月現在)。一方で、当該ゲーム市場には多くのスマートフォンゲームが投入され、競争が激化しており、より高品質のゲームを投入するために開発費が増加する傾向にあります。また、電子書籍市場においても、インターネット上の小説等をコンテンツ化するビジネスモデルに多くの競合他社が参入しており、その作品確保の競争が激化しています。さらに、動画・エンターテイメント市場及び音楽コンテンツ市場においても、消費者ニーズの多様化に伴う構造変化に晒されています。 このような事業環境の中、当社グループは総合エンターテインメント企業として、各グループ会社が保有するコンテンツを軸に、当社の得意とするモバイル周辺の技術及び位置情報とエンターテインメント性を融合させた各種サービスの提供に注力して参りました。
当連結会計年度のゲームサービスにおきましては、『アイドルうぉーず~100人のディーバと夢見がちな僕~』等の運営移管を受けたタイトルにより売上高は堅調に推移しております。さらに、ライフエンターテインメントサービスの主軸である『MAPLUS キャラdeナビ』において、本格ナビゲーションアプリ 『MAPLUS+声優ナビ』において「ゆるキャン△」より「各務原なでしこ・志摩リン」のボイスコンテンツ、アイドルグループ「NMB48」より「白間美瑠」「山本彩加」「山田寿々」のボイスコンテンツ、アニメ「とある科学の超電磁砲T」から「御坂美琴」「白井黒子」のボイスコンテンツを追加するなど、再成長に向けた施策を継続しております。
また、新規事業として漫画動画プロジェクト『ミルコミ』を立ち上げ、漫画動画関連事業に参入しYouTubeチャンネル『Cawaiiカレッジ!(カワイイカレッジ!)』『アリエネス』『ココロデイズ』の配信を開始しました。
株式会社ティームエンタテインメントにおきましては、自社の女性向けCDレーベル「MintLip(ミントリップ)」より『DIG-ROCK(ディグロック)』シリーズが堅調に推移し、CD販売に加えてグッズ販売も好調であり収益に貢献いたしました。
株式会社一二三書房におきましては、人気シリーズ『転生貴族の異世界冒険録 〜自重を知らない神々の使徒〜』の続編や、ライトノベルをコミック化した『千のスキルを持つ男 異世界で召喚獣はじめました』、人気IPの「鬼滅の刃」のライセンスアウトを受けて発売したグッズの販売などが好調であり、当社グループの売上高に大きく貢献しております。 以上の通り、収益性のあるゲームサービス及びライフエンターテイメントサービスによる安定した売上高の確保と子会社の書籍やドラマCDの堅調な推移により、グループ収益は改善傾向にあり、前期から取り組んでいるコスト削減が進展した結果、当連結会計年度の売上高は2,454,361千円(前連結会計年度比22.4%増)、営業損失は176,950千円(前連結会計年度は516,916千円の営業損失)、経常損失は197,042千円(前連結会計年度は542,480千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は206,621千円(前連結会計年度は1,117,879千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ195,444千円増加し、1,047,859千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、81,676千円となりました。主な要因は、減価償却費の82,066千円、売上債権の減少52,497千円があったものの、税金等調整前当期純損失の計上212,674千円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、202,920千円となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出が205,301千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、480,041千円となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出が122,317千円あったものの、株式の発行による収入が436,984千円、新株予約権付社債の発行による収入が148,800千円、長期借入れによる収入が100,000千円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
Ⅰ.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。
Ⅱ.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。
Ⅲ.販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは、エンターテインメントサービス事業の単一セグメントであります。
| サービスの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) | 当連結会計年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) | 前年同期比(%) |
| ゲームサービス | 933,539 | 1,164,246 | 24.7 |
| ライフエンターテインメントサービス | 384,605 | 194,728 | △49.4 |
| 音楽レーベルサービス | 257,477 | 221,546 | △14.0 |
| グッズ・コラボカフェサービス | 229,238 | 248,160 | 8.3 |
| 出版サービス | 120,058 | 360,978 | 200.7 |
| その他 | 80,300 | 264,700 | 229.6 |
| 合計(千円) | 2,005,220 | 2,454,361 | 22.4 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該の販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) | 当連結会計年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 合同会社DMM GAMES | 430,839 | 21.5 | 987,188 | 40.2 |
| 株式会社NTTドコモ | 204,255 | 10.2 | 112,797 | 4.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたりまして、経営者の判断に会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は1,869,958千円となり、前連結会計年度末に比べ91,501千円の増加となりました。これは主に売掛金が52,497千円、無形固定資産のうちソフトウエアが62,065千円減少したものの、現金及び預金が195,944千円、無形固定資産のうちその他無形固定資産が20,000千円増加したことによるものであります。
(負債の部)
負債合計は1,039,362千円となり、前連結会計年度末に比べ289,870千円の減少となりました。これは主に未払金が208,043千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産合計は830,596千円となり、前連結会計年度末に比べ381,372千円の増加となりました。これは主に当連結会計年度が親会社株主に帰属する当期純損失となり利益剰余金が206,621千円減少したものの、マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社による新株予約権の行使により資本金が294,190千円、資本剰余金が294,190千円増加したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の売上高は、2,454,361千円となりました。これは主に、運営移管を受けたゲームタイトルの好調、前期に取得した連結子会社が年間を通じて収益貢献したことによるものであります。
②売上原価
当連結会計年度の売上原価は、運営ゲームタイトル数減少により運営に係る労務費や外注加工費が減少したものの、コミック、電子書籍、グッズ販売の売上増加に伴う外注加工費や著作権使用料などの増加により、1,064,223千円となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費や業務委託費が減少したものの、支払手数料や荷造運賃等の増加により、1,567,088千円となりました。
④営業外収益、営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は、償却債権取立益等により5,653千円となりました。営業外費用は、新株予約権発行費及び支払利息等により25,745千円となりました。
⑤特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度において計上した特定のゲームタイトル配信停止に係る事業整理損失引当金を当連結会計年度において再見積りした結果、戻入益を7,260千円計上しております。特別損失は、不採算ゲームタイトルの減損損失及び子会社本社移転に伴う諸費用として合計22,892千円を計上しております。
これらの結果により、当連結会計年度の営業損失は176,950千円、経常損失は197,042千円、親会社株主に帰属する当期純損失は206,621千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2事業等のリスク」に記載しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後更なる収益基盤拡大及び筋肉質な経営体質を図っていくためは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び対処すべき課題」に記載しております課題に対処していくことが必要とであると認識しております。今後の方針につきましても、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループとしての成長戦略に基づき、各種施策を実行し、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。
(7)資本の財源及び資金の流動性について
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。