有価証券報告書-第22期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く環境におきましては、2019年におけるモバイルコンテンツ市場は2兆3,378億円(対前年比105%)、中でもスマートフォン市場は2兆3,097億円(対前年比106%)と年々成長を続けております。スマートフォン市場の内、ゲーム市場が1兆4,011億円(対前年比99%)、電子書籍市場が3,285億円(対前年比122%)、動画・エンターテイメント市場が2,512億円(対前年比124%)、音楽コンテンツ市場も1,403億円(対前年比112%)とゲーム市場は若干の減少に転じたものの、その他電子書籍市場、動画・エンターテイメント市場、音楽コンテンツ市場は拡大傾向にあります(一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム調べ、2020年7月現在)。一方で、当該ゲーム市場には多くのスマートフォンゲームが投入され、競争が激化しており、より高品質のゲームを投入するために開発費が増加する傾向にあります。また、電子書籍市場においても、インターネット上の小説等をコンテンツ化するビジネスモデルに多くの競合他社が参入しており、その作品確保の競争が激化しています。さらに、動画・エンターテインメント市場及び音楽コンテンツ市場においても、消費者ニーズの多様化に伴う構造変化に晒されています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大についても依然として予断を許さない状況であり、先行きの不透明感は払拭できていない状況が続いております。 このような事業環境の中、当社グループは総合エンターテインメント企業として、各グループ会社が保有するコンテンツを軸に、当社の得意とするモバイル周辺の技術及び位置情報とエンターテインメント性を融合させた各種サービスの提供に注力してまいりました。
当連結会計年度のゲームサービスにおきましては、主力タイトルである『アイドルうぉーず~100人のディーバと夢見がちな僕~』が堅調に推移したものの、前連結会計年度中に不採算タイトルを終了したことによる運営タイトル数の減少等により前年比で減収減益となりました。また、海外展開の一環として既存ゲームタイトルの海外版配信を進めておりましたが、当初想定していた資金回収が見込めないため、係る固定資産について減損処理を行い事業整理損として計上しております。
ライフエンターテインメントサービスにおきましては、AppStore、Google Play向け本格ナビゲーションアプリ 『MAPLUS+キャラdeナビ』において、大人気ゲーム「アイドルマスター シャイニーカラーズ」から「西城樹里&有栖川夏菜」のキャラチェンジセットを追加するなど、コロナ禍においても厳選した人気IPとのコラボレーションを進め、着実に収益を積み上げております。一方で『MAPLUSキャラdeナビ』において、その機能充実、利便性を高めるための開発投資をしてまいりましたが、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い外出自粛の状況が当面継続し、当該投資回収が困難との想定から、係る固定資産について減損処理を行い事業整理損として計上しております。
BtoBサービスにおきましては、既存の受託案件に加えてマッチングアプリやオンライン相談サービスプラットフォームの開発、大手ゲーム会社の海外展開に向けた開発案件などが積み上がり、安定的な収益基盤拡大に寄与いたしました。
株式会社ティームエンタテインメントにおきましては、運営するコラボカフェにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、政府及び各自治体から要請を受けての休業、また営業再開後も座席数の削減等を実施しましたが、当面コロナ禍により外出自粛の状況が継続していくとの前提から当該サービスから撤退し、係る損失を事業整理損として計上いたしました。一方、女性向けドラマCDオリジナルレーベル「MintLip(ミントリップ)」の『DIG-ROCK(ディグロック)』シリーズが人気を維持しており、当該タイトルの続編販売のみならず、オンラインイベントや公式ファンクラブアプリの配信など同シリーズのクロスメディア展開が功を奏した結果、ドラマCD及びグッズ販売等が堅調に推移し、当グループの収益に大きく貢献いたしました。
株式会社一二三書房におきましては、人気ライトノベルシリーズ『転生貴族の異世界冒険録』のコミカライズ展開や、『レベル1の最強賢者』『四度目は嫌な死属性魔術師』など人気シリーズの続編刊行、ネット小説大賞受賞作品の刊行など着実に作品数を増やし、電子書籍販売においても作品数及び掲載媒体が増加したことに伴い大きく躍進いたしました。また、大人気IPの「鬼滅の刃」や「GRANBLUE FANTASY」のライセンスアウトを受けて発売したグッズやイラスト集、オンラインくじサービスの「くじコレ」も好調で、当グループの収益に大きく貢献しております。
以上の通り、当社グループにおける事業構造転換が進みライトノベル・コミック及びこれらの電子書籍、ドラマCD、グッズのなどの販売が大きく躍進したのに加え、BtoB受託案件増加により収益基盤拡大、コスト削減により利益体質改善が進んだものの、今後の収益拡大につながるIP作品制作及びIP海外展開への投資が嵩み、また、一連の事業整理に係る一時的な事業整理損を計上した結果、当連結会計年度の売上高は2,470,556千円(前連結会計年度比0.7%増)、営業損失は23,535千円(前連結会計年度は176,950千円の営業損失)、経常損失は34,162千円(前連結会計年度は197,042千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は80,662千円(前連結会計年度は206,621千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結事業年度末に比べ151,482千円減少し、896,376千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、13,178千円となりました。税金等調整前当期純損失の計上97,885千円、売上債権の増加55,010千円があったものの、非資金項目の減価償却費77,327千円、のれん償却額22,255千円、事業整理損61,305千円の調整があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、49,984千円となりました。主な要因は、無形固定資産の取得による支出が43,888千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、114,677千円となりました。主な要因は、借入金の返済による支出が242,622千円あったものの、長期借入れによる収入が130,000千円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
Ⅰ.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。
Ⅱ.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績は記載しておりません。
Ⅲ.販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは、エンターテインメントサービス事業の単一セグメントであります。
| サービスの名称 | 前連結会計年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) | 当連結会計年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | 前年同期比(%) |
| ゲームサービス | 1,164,246 | 992,128 | △14.8 |
| ライフエンターテインメントサービス | 194,728 | 192,785 | △1.0 |
| 音楽レーベルサービス | 221,546 | 238,120 | 7.5 |
| グッズ・コラボカフェサービス | 248,160 | 296,329 | 19.4 |
| 出版サービス | 360,978 | 483,674 | 34.0 |
| その他 | 264,700 | 267,520 | 1.1 |
| 合計(千円) | 2,454,361 | 2,470,556 | 0.7 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該の販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) | 当連結会計年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 合同会社マウス&ウォッシュ | 646,222 | 26.3 | 714,294 | 28.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたりまして、経営者の判断に会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 3.会計方針に関する事項」をご参照下さい。
(2)財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の状況
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は1,689,716千円となり、前連結会計年度末に比べ180,242千円の減少となりました。これは主に売掛金が55,010千円、繰延税金資産が32,358千円増加したものの、現金及び預金が152,882千円、無形固定資産が94,370千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
負債合計は930,783千円となり、前連結会計年度末に比べ108,579千円の減少となりました。これは主に借入金が112,622千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産合計は758,932千円となり、前連結会計年度末に比べ71,663千円の減少となりました。これは主に当連結会計年度が親会社株主に帰属する当期純損失となり利益剰余金が80,662千円減少したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の売上高は、2,470,556千円となり、前連結会計年度に比べ16,194千円の増加となりました。これは主に、ゲームサービスで前連結会計年度中に不採算タイトルを終了したことによる運営タイトル数の減少、株式会社ティームエンタテインメントで運営するコラボカフェにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大を受けての休業により売上高は減少も、株式会社一二三書房において、コミック・ライトノベル・電子書籍の販売が好調だったことによるものであります。
②売上原価
当連結会計年度の売上原価は、運営ゲームタイトル数減少により運営に係る労務費や外注加工費が減少し、前連結会計年度から24,988千円減少の1,039,235千円となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人件費や業務委託費が減少し、前連結会計年度から112,232千円減少の1,454,856千円となりました。
④営業外収益、営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は、受取保険金等により4,475千円となりました。営業外費用は、支払利息等により15,102千円となりました。
⑤特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、助成金収入等により10,160千円となりました。特別損失は、事業整理損等により73,883千円となりました。
これらの結果により、当連結会計年度の営業損失は23,535千円、経常損失は34,162千円、親会社株主に帰属する当期純損失は80,662千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2事業等のリスク」に記載しております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後更なる収益基盤拡大及び筋肉質な経営体質を図っていくためは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び対処すべき課題」に記載しております課題に対処していくことが必要とであると認識しております。今後の方針につきましても、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループとしての成長戦略に基づき、各種施策を実行し、企業価値の更なる向上を目指して取り組んでまいります。
(7)資本の財源及び資金の流動性について
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。