訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2016/06/09 15:00
【資料】
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【項目】
107項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 経営成績の分析
第11期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、米国の量的金融緩和の縮小や新興国の成長鈍化により、世界経済は依然として先行きが不透明な状況が続いており、また、急速な円安進行による輸入商品原価の高騰及び人件費の増加より、売上高は7,493百万円(前期比0.2%減)、営業利益は534百万円(前期比24.9%減)、経常利益は532百万円(前期比26.7%減)及び当期純利益は136百万円(前期比73.1%減)となり、減収減益となりました。
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、Eコマース事業における輸入商品の国内販売増及びデジタルエンターテインメント事業におけるゲームアプリ「神界のヴァルキリー」が前期から引き続き好調でしたが、新作アプリが伸び悩んだため、7,493百万円(前期比0.2%減)となり、僅かに減収となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費並びに営業損益
売上原価は、円安による輸入商品原価の増大により3,455百万円、売上高総利益率は53.9%となり、前連結会計年度に比べ2.2ポイント低下いたしました。
販売費及び一般管理費につきましては、3,503百万円となり、前期比で2百万円増加いたしましたが、この主な要因はEコマース事業の売上高の増加による荷造配送費の増加等の影響により、対売上高比率は46.7%と、前期比で0.1ポイント増加したためであります。
この結果、営業利益は534百万円(前期比24.9%減)となりました。
③ 営業外損益及び経常利益
営業外収益は前期比で58.6%減の13百万円となりました。主に為替差益の減少及びポイント引当金戻入額の減少によるものであります。
営業外費用は前期比で10.5%減の15百万円となりました。主に、子会社NUBEE PTE.,LTD.撤退に伴う賃貸借契約解約損によるものであります。
この結果、経常利益は532百万円(前期比26.7%減)となりました。
④ 特別損益及び税金等調整前当期純損益
特別利益は20百万円となりました。これは、不正競争行為差止等請求事件の和解金の発生によるものです。
特別損失は77百万円となりました。これは、主に海外子会社の清算に伴う為替換算調整勘定の取崩しの発生によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益474百万円(前期比34.0%減)となりました。
⑤ 当期純利益
当期純利益は、136百万円(前期比73.1%減)となりました。これは、売上原価率の上昇、特別損失の発生及び法人税、住民税及び事業税246百万円、法人税等調整額92百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度の当期純利益の売上高比率は1.8%となりました。また、自己資本利益率は8.7%、総資産利益率は3.8%となりました。
第12期第3四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年12月31日)
第1四半期連結累計期間から、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用 し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
平成26年のEコマース市場規模は、12兆7,970億円(前年比14.6%増)と拡大しており、当社を取り巻く生活雑貨、家具、インテリア業界のBtoC-EC市場におきましても、1兆1,590億円(前年比20.3%増)と順調に市場規模の拡大を続けております。(※)
このような市場環境のもとで、当社グループは、円安による輸入商品原価および物流コストの高騰等はあるものの、平成29年度を最終年度とする中期経営計画の初年度として、当該中期経営計画の達成に向けて収益の拡大及びコスト削減に一丸となって取り組んでまいりました。
以上の結果、当社グループにおける、当第3四半期連結累計期間の売上高は6,646百万円、営業利益は419百万円、経常利益は437百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は282百万円となりました。
出所 (※)経済産業省 平成26年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備
(電子商取引に関する市場調査)
セグメントの業績は、次のとおりです。
①Eコマース事業
例年に比べ気温が極めて高く推移したことによる冬物実需商品の販売が苦戦したことや、円安による輸入商品原価および物流コストの高騰等を要因とした営業費用の増加はあったものの、オリジナル商品の開発による他社商品との差別化等の施策を全社一丸となって取り組んだことにより、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減があった前年同四半期を上回り、順調に推移致しました。
以上の結果、売上高は5,850百万円、セグメント利益(営業利益)は540百万円となりました。
②デジタルエンターテインメント事業
過年度にリリースしたゲームアプリ「神界のヴァルキリー」が引き続き好調に推移しましたが、当第3四半期連結累計期間に新規リリースしたゲームアプリはダウンロード数が想定を下回り、不調が続きました。
以上の結果、売上高は796百万円、セグメント利益(営業利益)は30百万円となりました。
(3) 財政状態の分析
第11期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産は3,198百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円増加いたしました。これは主に、在庫の圧縮を行った結果として商品が90百万円減少し、Eコマース事業の売上規模拡大に伴い売掛金残高が211百万円増加したことによるものです。
なお、棚卸資産回転期間は2.7か月(前期3.1か月)となり、売掛金回転期間は1.7か月(前期1.4か月)となりました。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、390百万円となり、前連結会計年度末に比べ60百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金資産が77百万円減少したことによるものです。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、1,818百万円となり、前連結会計年度末に比べ128百万円増加いたしました。これは主に、1年内償還予定の社債が300百万円増加したこと、発注の抑制により買掛金が50百万円減少したこと、子会社のゲームアプリ制作費用の減少により未払金が54百万円減少したこと及び課税所得の減少により未払法人税等が53百万円減少したことによるものです。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債は97百万円となり、前連結会計年度末に比べ364百万円減少いたしました。これは主に、社債が300百万円、長期借入金が61百万円減少したことよるものです。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、1,673百万円となり、前連結会計年度末に比べ216百万円増加いたしました。これは主に、当期純利益により利益剰余金が136百万円増加したことによるものです。
⑥ 各種指標
当連結会計年度末において、企業の安全性を示す自己資本比率は46.6%(前連結会計年度末40.4%)、支払能力を示す流動比率は175.9%(前連結会計年度末186.8%)となっております。
第12期第3四半期連結累計期間(自 平成27年4月1日 至 平成27年12月31日)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、3,732百万円となりました。主な内訳としては、現金及び預金820百万円、売掛金1,403百万円及び商品949百万円となっております。
負債は、1,751百万円となりました。主な内訳としては、短期借入金820百万円及び未払金409百万円となっております。
純資産は、1,980百万円となりました。主な内訳としては、資本金562百万円、資本剰余金522百万円及び利益剰余金895百万円となっております。
(4) キャッシュ・フローの状況
第11期連結会計年度(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動により105百万円の収入、投資活動において82百万円の支出、財務活動により69百万円の支出となった結果、前連結会計年度末に比べ46百万円減少し、当連結会計年度末には1,266百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果として増加した資金は、105百万円(前連結会計年度に比べ468百万円の収入の減少)となりました。
資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益474百万円(前連結会計年度に比べ244百万円の収入の減少)、減価償却費61百万円(前連結会計年度に比べ23百万円の収入の増加)、たな卸資産の減少90百万円(前連結会計年度に比べ17百万円の支出の減少)、資金の減少要因は、売上債権の増加211百万円(前連結会計年度に比べ69百万円の支出の増加)、未払金の減少55百万円(前連結会計年度に比べ172百万円の収入の減少)及び法人税等の支払額289百万円(前連結会計年度に比べ24百万円の支出の増加)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、82百万円(前連結会計年度に比べ101百万円の支出の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出50百万円(前連結会計年度に比べ22百万円の支出の増加)、無形固定資産の取得による支出66百万円(前連結会計年度に比べ88百万円の支出の減少)によるものです。
この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は23百万円のプラス(前連結会計年度と比べ367百万円の収入の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、69百万円(前連結会計年度に比べ182百万円の収入の減少)となりました。
これは主に、長期借入金の純減少額69百万円(前連結会計年度に比べ176百万円の収入の減少)によるものです。
(5) デジタルエンターテインメント事業について
デジタルエンターテインメント事業を行っていた㈱Nubee Tokyoは、Eコマース事業へ経営資源を集中し、同事業の強化及び経営の効率化を図るため、平成28年1月1日付で、主要ゲームアプリ「神界のヴァルキリー」を譲渡しております。また同社は、その他のゲームアプリについてもサービスを終了し、平成28年1月から清算手続を開始しております。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営戦略の策定及び実行に努めてまいります。
当社の属するEコマース事業は、個人消費の動向、市場変化などの要因に加え、お客様のライフスタイルの変化や嗜好の変化による影響を受けやすい特徴を有しております。そのような中で、お客様のご支持を継続的にいただくために、商品開発スピードの向上、取扱商品ジャンルの拡大、お客様からの声や対応事例の社内共有化を図る方針です。また、そのような体制を構築するために、従業員の意欲及び能力向上に向けての教育研修制度等の充実を行う方針です。
なお、Eコマース事業に限らず、新規事業への投資、事業の買収等も継続的に視野に入れながら検討する方針であります。