有価証券報告書-第40期(平成29年9月1日-平成30年8月31日)

【提出】
2018/11/26 15:39
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【項目】
77項目
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
当事業年度の経営成績は、次の表のとおりです。
前事業年度
(自 2016年9月1日
至 2017年8月31日)
当事業年度
(自 2017年9月1日
至 2018年8月31日)
対前期増減率
売上高4,016,394千円5,037,940千円25.4%
営業利益500,858千円562,408千円12.3%
経常利益482,151千円567,409千円17.7%
当期純利益340,882千円389,457千円14.2%

当社は、「夢に手足を。」つける会社であることを目指し、「やさしく、つよく、おもしろく。」を行動指針として、人びとに「いい時間」を味わってもらうため「場」を運営し、さまざまなコンテンツを提供しています。具体的には、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」、ギャラリーショップの「TOBICHI」、「いい時間」を味わう商店街というコンセプトのイベント「生活のたのしみ展」、古典を学ぶ「ほぼ日の学校」、犬や猫と過ごす「いい時間」を軸にしたスマートフォン用写真SNSアプリ「ドコノコ」といった、人びとがよろこんで集まる「場」を築き、こうした「場」で商品を直接個人に販売する事業を営んでいます。主力商品の『ほぼ日手帳』並びにその他一部の商品及び書籍は、卸販売も行っています。『ほぼ日手帳』は年間売上の約6割を占めます。
当事業年度における当社をとりまく事業環境として、個人のインターネット利用及びEC(電子商取引)利用が発展したことがあげられます。総務省によりますと、2017年の我が国のインターネット人口普及率は80.9%となりました。また経済産業省の調査では、2017年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、16.5兆円(前年比9.1%増)まで拡大しました。当社の主力商品である手帳の市場規模は、民間の調査結果によりますと、2017年度では359億円(前年比0.8%増)と底堅い動きになっていると見られています。
こうした環境のもと、主力商品の『ほぼ日手帳』は、当事業年度も例年通り2017年9月1日より、2018年版を当社ウェブ通販並びにロフト等の店頭で販売開始しました。新判型『ほぼ日手帳weeks MEGA』を2017年11月に、『ほぼ日5年手帳』を同年12月に、手帳と一緒に使う文具として『ひきだしポーチ』を2018年3月に投入し、それぞれ売上に寄与しました。また、米国のAmazon.com及び中国のWeChat上にそれぞれオフィシャルショップを開設するなど、海外ユーザーの拡大に努めました。これらの結果、販売部数は伸長し、『ほぼ日手帳』全体の売上は前年比15.7%増加しました。
また、第2回「生活のたのしみ展」を2017年11月15日~19日に六本木ヒルズアリーナで、第3回を2018年6月7日~11日に恵比寿ガーデンプレイスで、それぞれ開催しました。これは、当社とスタイリスト、クリエイター、ブランド、企業が協同して、「生活のたのしみ」という切り口で、アパレル、生活雑貨、食品、アートといった多彩な商品をプロデュースし、商店街のように実店舗展開した販売イベントです。第3回ではワークショップやアトラクション、ミニライブなどお買いもの以外のたのしみも充実させ、「期間限定の商店街」から「街のフェス」へとめざす場のイメージを広げつつあります。第2回、第3回とも、2017年3月開催の第1回と比較して店舗数を倍増させ、会期を3日から5日に伸ばしました。5日間トータルで取引件数は第2回は約31,600件、第3回は約35,300件となり、売上に貢献しました。
さらに、新商品『ほぼ日のアースボール』を2017年12月に発売しました。一般の地球儀とは異なる、軽くてやわらかい素材を使用し、専用アプリをインストールしたスマートフォンやタブレット端末をかざすと、AR技術により世界各国の写真や動画、テキストなどにアクセスできます。直販、卸共に、売上伸長に寄与しました。これらの結果、売上高は5,037,940千円(前期比25.4%増)となりました。
「生活のたのしみ展」の仕入れ販売など、原価率が相対的に高い商品が売上伸長を牽引したこと、商品構成の広がりに伴って商品評価損が発生したことから、売上原価が増加しました。また、販売費及び一般管理費においては、売上増に伴い、発送費が前年同期に比べ増加しました。さらに、中長期の成長に向けて人材採用及び外部人材への業務委託を積極化したこと、「生活のたのしみ展」の開催費用の発生等により販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は562,408千円(前期比12.3%増)、経常利益は567,409千円(前期比17.7%増)となりました。繰延税金資産の計上に伴い法人税等調整額△48,431千円を計上し、当期純利益は389,457千円(前期比14.2%増)となりました。
上記の業績は、当社の運営する「場」が人と社会への肯定感に根ざした姿勢のコンテンツを活発に発信し、人びとがよろこんで集まったことによりもたらされたと考えています。当事業年度においては、さまざまな古典を学ぶ場となる「ほぼ日の学校」を2018年1月から開設し、第1期はシェイクスピアをテーマに、第2期は歌舞伎をテーマに、様々な社外講師による連続講座を開いています。さらに講座を収録した動画を配信する有料サービスも6月に開始しました。また、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」では、読者投稿コンテンツ「観たぞ、平昌オリンピック!」や、起業家・投資家の孫泰蔵さんと糸井重里の対談などが、多くのユーザーを集めました。ギャラリーショップ「TOBICHI東京」では、人間国宝・志村ふくみさんの技術と精神を受け継ぐアトリエシムラの着物展示販売会、漫画家・松本大洋さんのデビュー30周年にちなんだ原画展とライブペインティングなどを開催し、「TOBICHI京都」は、2018年5月に移転オープンしました。犬や猫の写真SNSアプリ「ドコノコ」は2018年8月までに約21万ダウンロードを達成しました。
このように、当社は運営する「場」において、さまざまなコンテンツを提供しています。コンテンツとはクリエイティブの集積であり、読み物、キャラクター、画像、イベント、モノのかたちの商品、すべてがコンテンツであるととらえています。当社は、生活のたのしみとなるような「いい時間」を味わってもらう、そのためのコンテンツを作ったり、仕入れたり、育てたり、編集したりして、お届けしています。業績は、こうした活動の結果と考えています。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
(生産、受注及び販売の状況)
当事業年度における販売実績は次のとおりです。なお、当社は単一セグメントのためセグメント別の記載はしていません。
内訳販売高(千円)前年同期比(%)
直販3,113,084123.0
卸売 (注)1.1,536,044134.4
商品売上 計4,649,128126.5
その他売上 (注)2.388,811113.6
売上 合計5,037,940125.4

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下の表のとおりです。
相手先前事業年度当事業年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社ロフト823,08920.5963,25519.1

2.その他売上は主に送料売上、ライセンス収入等です。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2) 財政状態の状況の概要・分析
前事業年度末
(2017年8月31日)
当事業年度末
(2018年8月31日)
前年同期末増減
資産合計4,228,428千円4,710,953千円482,524千円
負債合計1,236,484千円1,386,487千円150,003千円
純資産合計2,991,944千円3,324,466千円332,521千円

(資産の部)
流動資産は、3,935,762千円と前年同期末に比べて412,427千円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加171,508千円と、売掛金の増加162,452千円によるものです。
有形固定資産は、148,790千円と前年同期末比21,601千円の減少となりました。これは主に減価償却によるものです。
無形固定資産は、42,071千円と前年同期末比21,383千円の増加となりました。これは主にソフトウェアの取得によるものです。
投資その他の資産は、584,329千円と前年同期末比70,315千円の増加となりました。これは主に投資有価証券の評価額の増加66,087千円によるものです。
(負債の部)
流動負債は、1,211,114千円と前年同期末に比べて131,410千円の増加となりました。これは主に買掛金の増加34,858千円と、未払金の増加47,106千円によるものです。
固定負債は、175,372千円と前年同期末に比べて18,593千円の増加となりました。これは主に退職給付引当金が11,851千円増加したことによるものです。
(純資産の部)
純資産の部は、3,324,466千円と前年同期末に比べて332,521千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加285,237千円によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物は2,082,003千円と前年同期末と比べ171,508千円の増加となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
前事業年度
(2017年8月期)
当事業年度
(2018年8月期)
前年同期末増減
営業活動による
キャッシュ・フロー
140,340千円316,383千円176,043千円
投資活動による
キャッシュ・フロー
77,725千円△40,588千円△118,314千円
財務活動による
キャッシュ・フロー
563,668千円△103,949千円△667,618千円

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、316,383千円の純収入(前年同期は140,340千円の純収入)となりました。これは主に売上債権が162,452千円増加し、法人税等の支払額220,887千円があったものの、税引前当期純利益が572,847千円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、40,588千円の純支出(前年同期は77,725千円の純収入)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出30,829千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、103,949千円の純支出(前年同期は563,668千円の純収入)となりました。これは主に配当金の支払額104,147千円によるものです。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年8月期2018年8月期
自己資本比率70.8%70.6%
時価ベースの自己資本比率286.5%310.4%
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率
--
インタレスト・カバレッジ・
レシオ
--

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注2)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注3)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債(リース債務を除く)を対象としています。
(資本の財源および資金の流動性について)
当事業年度末現在において、流動比率は325%、総負債額に対する現金及び現金同等物は1.5倍です。
当社は将来の経営環境への対応や将来の新規事業のために必要な資金を内部留保しています。
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入および販売活動に伴い生じる諸費用、人件費のほか、配当金や法人税等の支払いです。このほか、中長期的な成長に必要な人材への投資等についても、自己資金でまかなうことを原則としています。
主力商品である『ほぼ日手帳』の販売開始時期には、一時的な売上債権、仕入債務、たな卸資産等の増加があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
また、有価証券の取得・売却が生じた場合には、投資活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。

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