有価証券報告書-第38期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/30 14:54
【資料】
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【項目】
144項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、音楽用途の電子機器の開発と販売によって、世界の共通語である音楽の市場拡大と発展に貢献することを目指します。また、「音」と「音楽」に特化したブランドイメージをアピールすることで、楽器を演奏するユーザーのみならず、コンシューマ・エレクトロニクス(家電)市場、あるいはプロシューマ(業務)用機器市場を開拓していくことで成長を図ってまいります。そのためには、常に先端技術を応用して独自性のある製品を開発し、組織のオーバーヘッドを抑えて意思決定のスピードを上げ、ファブレス体制を維持して生産や在庫のフレキシビリティを保ち、グローバルな人材活用によってマーケティング力を強化し、変化する市場に適応しながら100年続くブランドを構築してまいります。また、適正で安定した利益還元によって株主の期待に応えると共に、技術革新に対する投資を積極的に行い、将来のリスクに備えた内部留保を確保します。さらに、コンプライアンス、透明性、環境への配慮を重視することで企業の社会的責任を果たしてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、持続的な成長と適正な利益の確保のための指標として売上高及び営業利益を、また、資金の効率的な運用を実現するための指標として株主資本利益率(ROE)を、重要な指標と考えております。
(3) 経営環境
当社グループが属する音楽用電子機器業界におきましては、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、実店舗での販売が急減したものの、eコマースが大きく伸張し、また、米国や欧州、日本においてステイホーム需要が拡大したことから、自宅での使用に適した楽器や関連機器の販売が堅調に推移し、総じて好調な事業環境となっております。新型コロナウイルス感染症については、現在の状況が概ね2021年の夏ごろまで続き、収束するのは2021年末ごろと考えており、2021年の下期以降はステイホーム需要の反動があると考えております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中長期的な経営目標として、当社製品のターゲットユーザーを楽器の演奏をするミュージシャンに限定せず、広く創造活動をするクリエーターと位置づけることにより、製品カテゴリーを拡げることで成長シナリオを描いております。一方で、ハンディオーディオレコーダー、マルチエフェクターやハンディビデオレコーダーといった既存の製品カテゴリーにつきましても、引き続き新製品を投入し、持続的な成長を目指してまいります。すなわち、製品カテゴリーを入れ替えていくのではなく、実績ある従来製品で安定した事業基盤を確保しつつ、新たな製品カテゴリーを加えていく、という経営戦略を掲げております。
また、2021年1月に株式会社フックアップを取得したことにより、音楽用電子機器のディストリビューション・ビジネスを営む基盤が、日米欧に揃いました。ズームブランドの成長に加えて、第二の収益の柱として育成してまいります。
当社は、上記方針を踏まえ、2021年度から2023年度までの中期経営計画「第3次中期経営計画 2021-2023」を策定いたしました。当該中期経営計画において、2023年度の数値目標を、売上高150億円、営業利益12億円と定めました。なお、当社グループは現在拡大期にあり、将来投資に備えた内部留保維持の必要が高いことに鑑みて、ROEを指標として重視するものの、目標設定することは見送りました。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当面は不透明な外的要因が続くことを前提に、安定的、持続的に事業を拡大するため、下記のような課題に優先的に取り組んでまいります。
① 電子部品の代替部品への切替え
2020年10月に発生した部品サプライヤの半導体製造工場火災により、同工場から購入している電子部品の調達が当面不可能となりました。当社が開発、販売する主要製品のほぼ全てに同工場で生産された電子部品を使用していること、及び保有している当該電子部品の在庫に限りがあることから、現在、他社製の代替部品への切替えを進めております。当面の間、当社の開発エンジニアは代替部品及びそれを組み込んだ製品の検証等に集中し、生産及び販売への影響を最小限にとどめる方針であります。
② リスクマネジメント
2020年度は自然災害、感染症パンデミック、部品サプライヤの工場火災、関連会社倒産など予期せぬ事態が多く発生しました。2019年度にもセラミックコンデンサの供給不足と価格高騰という事態に直面しましたが、その都度、泥縄的に対処してまいりました。今後は、発生が予測できるリスクをリストアップし、発生時にパニックに陥らないこと、事業へのインパクトを限定的にすることを目的として、コストと効果のバランスも考慮しながら、全てのリスクが想定の範囲内となるよう、あらかじめ対処方針を定める方針であります。
③ ブランドの品格向上
あらゆる電子機器の生産拠点が特定地域に集約されたことにより、もはや高品質をアドバンテッジにする時代が終わったという観点から、ブランドの品格を高めて競争優位性を獲得する方針であります。具体的には、全てのステークホルダーに適正な利益を配分すること、ESGやSDGsに応分のコストを負担すること、音・音楽・楽器に関するコアコンピタンスを活かして人々のQOL向上に貢献すること等を経営規範とする方針であります。
④ 次期中期経営計画
第2次中期経営計画(2018-2020)の目標であった連結売上高100億円は達成することができました。次期第3次中期経営計画(2021-2023)では、コーポレートタグライン「We're For Creators」に沿ってブランディングを強化する、失敗例の多い非関連事業への進出ではなく中核事業関連多角化を推進する、米国や中国が相次いで再構築を打ち出している中間層に向けて商品を拡充する等の個別戦略を以って新たな目標の達成を目指す方針であります。

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