訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2017/03/08 15:00
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110項目

対処すべき課題

エレベーター及びエスカレーターのメンテナンス業界におきましては、不動産の供給増加によるエレベーター等の増加、物件所有者及びビル管理会社のコスト削減要求等により、事業機会が増加する一方、エレベーター等の安全稼動への社会的要請の高まりから、高品質なサービスの提供が求められています。このような事業環境の下、当社グループが対処すべき課題としては、① 国内の未展開地域への進出、② 人材確保及び育成、③ 海外事業展開の推進、④ 国内・海外への事業展開におけるM&Aの活用、⑤ 研究開発拠点の確立、⑥ 財務基盤の安定化があげられます。
① 国内の未展開地域への進出
当社グループの主な事業展開地域は首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)、愛知県、北海道等ですが、今後はビル集積地域である他の大都市(西日本地区等)への事業展開を検討してまいります。
② 人材確保及び育成
当社グループの事業競争力の根幹は、エレベーター等の安全運行に必要な高品質なメンテナンスを提供できる人材であり、そのような人材の確保と育成は今後の当社グループの成長にとっては不可欠であると考えております。
当社グループでは、これまで行ってきた従業員への研修を継続・強化するとともに、社内技術、品質認定制度を確立することで、技能水準の高い人材の育成を図ります。
また、人材の確保につきましては、企業認知度と労働条件の向上を目指すとともに、新卒・中途採用の積極的な増加を図り、当社グループの要求する品質を担保できる外注業者の利用により、適宜、人員補完を行ってまいります。
③ 海外事業展開の推進
高品質なメンテナンスサービスに対する需要は、国内市場のみならず海外市場においても広く存在するものと考えております。当社グループが日本市場で培ってきた複数メーカーのエレベーター等に対応できる技術力や教育研修のノウハウ等を活用することで、海外市場への展開、成長を図ります。
当社の子会社であるJAPAN ELEVATOR SERVICE HONG KONG COMPANY LIMITED(以下「JESHK」)を海外事業における中間持株会社として、香港、インドへの事業展開を推進してまいります。香港においては、JESHKの子会社であるJoint Venture Ltd.を通じ、現地のエレベーターメンテナンス会社であるLighthouse Elevator Engineering Limitedに出資しております。
インドにおいては、平成28年6月にJESHK等を通じて、現地の建設会社Jindal Prefab Private Limitedとの合弁会社JAPAN JINDAL ELEVATOR SERVICE PRIVATE LIMITEDを設立しております。新会社における事業を軌道に載せるとともに、インド市場の開拓に取り組んでまいります。
④ 国内・海外への事業展開におけるM&Aの活用
国内の未展開地域及び海外への事業展開を実現するための手段として、当社グループの企業価値向上に資するような他社の買収、他社とのジョイントベンチャーや業務提携を積極的に検討してまいります。
⑤ 研究開発拠点の確立
JES総合技術センター(仮称)の建設を計画しております。複数に分散している技術本部の拠点を集約し、業務効率の向上を図るとともに、同拠点にテストタワー(エレベーターの研究試験を行うための施設)を建設し、主にリニューアル事業の発展を目指します。また、研修施設を併設することで、エンジニアの技術力の向上に役立ててまいります。
設備投資の計画については、「第二部 企業情報 第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
⑥ 財務基盤の安定化
当社グループの今後の事業拡大のためには拠点拡充、進化するエレベーター等に対応するための研究開発、人材への投資や研修施設の建設等、先行投資及び継続投資が必要となります。将来の資金需要に備え、内部留保の確保を図るとともに、増資や借入等による資金調達にて財務基盤の安定化を行ってまいります。