有価証券報告書-第25期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/30 16:46
【資料】
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【項目】
135項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「新しいテクノロジーを駆使し、今までになかった新しい便利、新しいよろこびを創り出し、世の中に応援し、社会に貢献していく」を経営理念に掲げております。経営理念を実現するために、AI計算レイヤー(AIデータセンター事業)・AI実装レイヤー(AIUI事業)・金融レイヤー(暗号資産金融事業)の3層を横断した事業基盤を構築し、各レイヤーの成長が他レイヤーを加速させる自己増殖的なエコシステム(3層統合モデル)の形成を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社は、AIの普及に伴い計算(インフラ)・接点(インターフェース)・価値交換(金融)の連携の重要性が高まるという認識のもと、以下の3つの事業を中心に展開しております。
① AIデータセンター事業(AIインフラレイヤー)
世界的な推論需要の急拡大を捉え、推論向けGPUサーバーの販売を主軸に事業を展開しております。2026年3月期における参入初年度において100億円超の売上を達成し、2027年3月期は前期比97%増の19,980百万円の売上を計画しております。また、分散型AIデータセンターの全国展開、次世代液浸冷却技術の導入による低PUE(目標1.2以下)の実現、NASDAQ上場のSuperX社等グローバルパートナーとの連携強化を通じ、日本市場における次世代データセンターのデファクトスタンダード確立を目指してまいります。
② 暗号資産金融事業(金融レイヤー)
保有資産の運用基盤を起点に、オンチェーン金融への段階的拡張を推進しております。具体的には、暗号資産トレジャリー(DAT)によるBTC保有拡大、暗号資産レンディング(DAL)である「らくらくちょコイン」の運用拡大、暗号資産運用(DAM)における運用パフォーマンス向上を進めてまいります。2027年3月期末には運用残高200億円到達を目標とし、同期の暗号資産金融事業売上として1,568百万円を計画しております。将来的にはAIとブロックチェーンを基盤とした24時間365日稼働する次世代金融ハブ「Neo Crypto Bank」の構築を目指してまいります。
③ AIUI事業(AI実装レイヤー)
HR Tech・Ad Techを中心とした既存サービスのAI化・収益性改善を推進しつつ、安定したキャッシュ創出基盤として機能させてまいります。AI運用サービス「AdOLE.ai」や新卒採用支援「pinpointシリーズ」等の新AIサービスの展開により、2027年3月期は前期比8%増の4,003百万円の売上を計画しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な成長を通じて事業にて利益を確保することを重視しており、「営業利益」を重要な指標として位置づけております。2027年3月期においては連結売上高25,552百万円、営業利益1,142百万円(前期比568%増)を計画しており、中期的には3層統合モデルによるシナジー創出を通じた収益拡大を目指してまいります。
(4)経営環境等
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価や賃金水準の上昇を背景に、景気には緩やか な持ち直しの動きが見られるものの、エネルギー価格や原材料価格の高止まりに加え、人件 費の増加も続いており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
一方、生成AI及びAIエージェントの普及拡大を背景として、AIモデルの学習・推論を支えるGPUコンピューティング需要は世界的に拡大しており、高性能GPUサーバー及びAIデータセンターに対する投資需要が高まっております。国内においても、大手企業によるAI活用投資の拡大やクラウド事業者・データセンター事業者による設備投資の活発化を背景に、AIインフラ市場は成長局面にあると認識しております。
他方で、GPU製品の供給動向、半導体市場の変動、為替相場の変動、各国における輸出規制や通商政策の変更等は、当社が展開するAIデータセンター事業及びGPUサーバー販売事業に影響を及ぼす可能性があり、これらの市場環境を注視しながら事業運営を進めております。
また、当社が属するインターネット広告市場においては拡大を続けており、当社が注力しているインターネットを活用した求人広告市場につきましては、2026年3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍(厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」)で直近では微減、前年同月比では減少しており、今後の回復が望まれます。
このような社会環境下ではありますが、当社としては経営戦略を着実に進めるとともに、経営課題に取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 競争力の強化
(a) AIインフラ事業の競争優位確立
当社は、推論需要の拡大を成長機会と捉え、AIデータセンター事業を重点成長領域として位置付けております。GPUサーバー需要の拡大が継続する一方で、GPU調達、電力確保、データセンター開発などにおける競争環境は急速に激化しております。
このような環境下において、当社は、国内外パートナーとの連携強化によるGPU調達及び供給体制の強化、モジュール型AIデータセンターの開発推進、省電力化及び高効率化を実現する次世代冷却技術への対応等を進めることで、競争優位性の確立を図ってまいります。
また、AIインフラ需要の拡大に対応するため、営業体制及び運営体制の強化を進めるとともに、収益性及び資本効率を重視した事業運営を推進してまいります。
(b) AI実装領域の収益性向上
AIUI事業においては、データ及びAI技術を活用した業務効率化及びサービス高度化を推進し、安定的な収益基盤の強化を重要課題として認識しております。
HR領域を中心とした既存事業については、AIを活用した広告運用最適化、マッチング精度向上、業務自動化等を推進し、生産性向上と収益性改善を図ってまいります。また、顧客基盤及びデータ資産を活用し、新サービスの開発及び外部企業との連携を推進することで、AI社会実装領域の拡大を進めてまいります。
一方で、事業ポートフォリオについては継続的な見直しを実施し、収益性及び成長性を重視した経営資源の再配分を行うことで、収益基盤の強化を図ってまいります。
(c) 暗号資産金融事業におけるリスク管理体制の強化
暗号資産金融事業においては、法規制及び市場環境の変化に適切に対応しながら、リスク管理体制及び内部管理体制の強化を推進することが重要課題であると認識しております。
当社は、暗号資産の保有・運用・レンディング等を段階的に推進しておりますが、暗号資産市場は価格変動リスクや制度変更リスク等を内包しております。そのため、適切なリスク管理、流動性管理及びコンプライアンス体制の整備を推進するとともに、法制度整備の動向を踏まえた事業基盤構築を進めてまいります。
② 社内体制の強化
(a) AI/DXを活用した生産性向上
当社は、事業拡大と収益性向上を両立するためには、AI及びDXを活用した業務効率化及び生産性向上が重要であると認識しております。
これまで当社では、広告運用、営業支援、データ分析、管理業務等においてAI活用を推進し、業務効率化及び生産性向上を進めてまいりました。今後につきましても、AI活用領域の拡大を進めるとともに、社内業務プロセスの標準化、自動化及び意思決定の高度化を推進することで、継続的な競争力強化を図ってまいります。
(b) 財務基盤及び資本政策の強化
当社は、AIデータセンター事業及び暗号資産金融事業を中心とした成長投資を継続するにあたり、安定的な財務基盤の構築及び資本効率を重視した財務戦略の推進が重要であると認識しております。
今後につきましては、資金調達手段の多様化、資金調達コストの最適化及び適切なリスク管理を推進し、財務健全性とのバランスを図りながら成長投資を実行してまいります。
また、投資効率及び資本収益性を重視した経営を推進するとともに、適時適切な情報開示及び資本市場との対話強化を通じ、中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
(c) 優秀な人材の確保と育成
当社は、未だ成長過程にあり、今後の事業拡大・成長に伴い、継続して高度な専門性を有する人材及び成長ポテンシャルの高い人材の採用を行っていく必要があります。
また、新卒採用による若手社員の比率が高まっており、事業拡大のためにこれら若手人材の育成とマネジメント体制や教育体制の構築も重要であると認識しております。引き続き、人材戦略を経営戦略の一つと位置付け、新たな部門を設ける等本課題に取り組んでまいります。
(d) 経営管理体制の構築
当社は、今後も事業の拡大を図るにあたり、事業をより効率的かつ安定的に運営していくためにも、業務の標準化と効率化を進め、コーポレート・ガバナンス機能、コンプライアンス体制の更なる強化、内部統制システムの整備・充実、リスク管理体制を更に強化し、経営管理体制を構築していくことが重要であると認識しております。
会社の規模や成長に合わせ、適宜、ビジネスプロセスや意思決定プロセスの改善、組織体制の最適化を積極的に実施してまいります。
当社は、個人情報を扱う企業であり、個人情報の保護をはじめとした情報管理の徹底については、常に経営上の大きな取り組み課題だと考えております。
個人情報等の機密情報について、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備、プライバシーマーク制度の認証取得等により、情報管理の徹底を図っておりますが、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図ってまいります。
また、当社では、2017年10月より、匿名加工情報の取扱を開始し適法な運用を図っており、適切な運用ができるよう社内体制の整備と教育を行っております。
近年、GAFAに代表されるプラットフォーマーがcookie等の利用に関する制限を強化しております。当社では、主に広告IDを利用し、cookieには多くを依存しない形での匿名加工情報の活用を進めておりますが、今後、当社の出稿する各種インターネットメディアやプラットフォーマーにおける関連ガイドラインが大きく変更された場合に備え、情報の収集と速やかに対応できる社内体制の構築に努めてまいります。

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