有価証券報告書-第16期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
(1) 経営方針
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業のあらゆるマーケティング活動をテクノロジーで支援し、日本とアジアに貢献するため、Purposeを設定し、その実現に向けて事業を展開しております。Business Purpose(ジーニーのプロダクトやサービスが実現する世界観)として、「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、Corporate Purpose(組織の長期目標・存在意義)として、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」としております。
今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループでは、創業来の主力サービスであるインターネットメディアの広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」が持つ大量の広告配信データと顧客基盤を活かし、広告主向けの「GENIEE DSP」「GENIEE DMP」といったアド・プラットフォーム事業を展開しています。また、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索ASP・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」、広告効果測定ツール「GENIEE ANALYTICS」などBtoB向けSaaSプロダクトの提供も開始し、事業領域を拡大しております。さらに、2012年(創業3年目)からは海外事業展開に着手し、サービス提供地域の拡大も図っております。加えて、2024年7月に連結子会社化したソーシャルワイヤー株式会社(以下、ソーシャルワイヤー)を中心とした「デジタルPR事業」も積極的に拡大を図っています。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、収益の源泉となる「売上収益」と収益力の基礎指標である「売上総利益」に加えて、本業での収益力の基礎数値である「営業利益」の3指標を重視しております。

(4) 2025年度の振り返りと2026年度計画
① 2025年度の振り返り
a.2025年度の振り返り
⦅定量面⦆
売上収益は、マーケティングSaaS事業とデジタルPR事業が成長をけん引し、134億円(前年同期比18%増)となり高成長を持続したものの、開示予算に対しては未達となりました。利益面については、マーケティングSaaS事業における大型案件の収益計上再検討による通期黒字化未達等の影響により、各段階利益において計画を下回る結果となりました。
⦅定性面⦆
事業成長の面では、デジタルPR事業においてインフルエンサーPRのオーガニック成長に加え、株式会社iHackの買収効果が寄与し、売上・利益ともに大きく伸長し、事業ポートフォリオの一角を担う事業へ成長しました。広告プラットフォーム事業では、国内外のSSP事業のグローバル統合を実施し、構造改革とPMIが進展したことで、下期からの増収および海外事業の成長率改善を実現しています。また、マーケティングSaaS事業においては、ARR24%増という高成長を維持し、前期まで生じていた受注のトラブル案件の解消も進展しました。
経営基盤の面では、ディップ株式会社との資本業務提携および自己株式処分を実施し、財務基盤の強化と事業シナジー創出に向けた体制を構築しました。さらに、コーポレート・ガバナンス強化の一環として、機関設計を監査役会設置会社へ移行することを決定しております。
b.課題認識
事業の多角化やグローバル統合等の大規模な変革により組織の経営スピードが加速する一方で、持続性および再現性の高い成長基盤を構築するためには「経営の高度化」を一段と推し進めていくことが重要であると認識しております。
具体的には、案件採算性の可視化・管理強化や、開発品質の可視化・検収管理・事後検証を徹底する「開発・プロジェクト管理の高度化」が必要です。併せて、蓋然性の高い計画策定プロセスへの見直しやKPI・目標管理体制の再構築といった「業績管理の強化」を進めます。
また、全社的な「リスクマネジメントの実効性向上」を図るため、管理体制やモニタリング方法、対応プロセスの見直しを推進します。さらに、経営体制を強化するとともに、AI活用を前提とした開発プロセスへの刷新、AI時代に求められる社員の行動規範のアップデート・人事制度への反映を通じた「人材基盤の強化」に全社を挙げて取り組んでまいります。
② 2026年度計画
a.2026年度計画
当社グループは、2026年度は、各セグメントにおいて単なる売上拡大ではなく、収益性を伴った持続的成長の実現を目指してまいります。高成長を継続するマーケティングSaaS事業およびデジタルPR事業が売上成長を牽引するとともに、構造改革を完遂した広告プラットフォーム事業の再成長への回帰により、グループ全体での成長加速を見込んでおります。利益面においても、広告プラットフォーム事業における構造改革効果の本格的な刈り取り、マーケティングSaaS事業の通期黒字化転換、デジタルPR事業における利益改善策の実行を通じて、収益基盤の一層の強化を図ってまいります。
b.セグメント毎の方針
広告プラットフォーム事業については、前期に実施した構造改革および海外事業のPMIの進捗により、当事業は再成長フェーズへと移行いたします。国内外におけるクロスセルとエンタープライズ領域における新規メディアの開拓を推進してまいります。加えて、前期の構造改革による経営効率化の効果が当期より本格的に発現することから、売上成長と利益成長の両立による大幅な増益を見込んでおります。
マーケティングSaaS事業については、ビジネスモデルの変革を通じて高成長の持続性と事業の健全性を一層高め、通期黒字化の達成を目指してまいります。具体的には、既存SaaSプロダクトと「JAPAN AI」のクロスセルを成長戦略の中核に据え、エンタープライズ企業の開拓を積極的に推進いたします。これらの取り組みにより、当期の黒字化達成および本格的な収益化フェーズへの移行を実現してまいります。
デジタルPR事業については、インフルエンサーPR事業の高成長を継続するとともに、コスト構造の最適化等の利益改善策を実行することで、売上成長と利益成長を両立した増益を目指してまいります。
③ 財務戦略および資本政策
当社グループは、持続的な企業価値向上の実現に向け、当期以降、フリーキャッシュフローの創出力向上を重要な経営目標の一つに位置付け、財務規律の一層の強化を推進してまいります。具体的には、資金調達コストの抑制を図りつつ、本業における収益力向上を通じた営業キャッシュフローの着実な確保に努め、機動的な事業投資と財務健全性の両立を可能とする安定的なキャッシュポジションを維持してまいります。
また、ソフトバンク株式会社より取得した自己株式の取扱いにつきましては、純資産残高の状況を勘案のうえ、以下の活用方策を総合的に検討してまいります。
これらの施策を通じて、資本効率の最適化と株主価値の向上を図るとともに、中長期的な成長投資の原資確保と株主還元のバランスを取りながら、最適な資本構成の実現を目指してまいります。
a.Cash In
資金調達コストを抑制しつつ、主に営業キャッシュ・フローを確保し、安定的なキャッシュポジションを確保。
b.Cash Out
投資においては、オーガニック成長を重視しつつ、事業投資・M&Aを推進。

(5) 対処すべき課題
当社グループが対処すべき主な課題は、以下のとおりです。
① 技術革新及びインターネット業界の変化への対応
当社グループが事業を展開するインターネット業界は、生成AIなどの先端技術の進展により、かつてないスピードで変革が進んでいます。主力事業が属するインターネット広告市場では、生成AIや大規模言語モデル(LLM)の活用による広告クリエイティブの自動生成やパーソナライズ化、データプライバシー規制(クッキーレス化等)への対応、さらにはIoTやデジタルサイネージなど新たな広告チャネルの拡大が進んでいます。また、マーケティングSaaS事業が属する情報通信サービス市場では、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が一層加速しており、AIを活用した業務効率化やデータドリブン経営支援、セキュリティ対策の強化など、より高度なサービス提供が求められています。
こうした環境下、当社グループは、インターネット業界の技術革新をリードし、市場や顧客ニーズの変化を的確に捉えたプロダクト・サービスを迅速に開発・提供することが、今後の持続的な成長と事業規模拡大に不可欠であると考えております。
② 新規事業の創出及びM&A等による事業領域の拡大
当社グループは、創業以来の主力サービスであるインターネットメディア向け広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」を中核に、アドテクノロジー領域での事業を展開しております。加えて、2016年7月よりマーケティングオートメーションツール「GENIEE MA」の提供を開始し、マーケティングテクノロジー領域へも事業領域を拡大しています。
さらに、SaaSビジネスの拡大を目指し、2021年8月には顧客獲得・管理チャットボットを開発・提供する株式会社REACTを、2022年2月には重点領域であるEC顧客(D2C)向けサービスの強化と収益機会拡大を目的にCATS株式会社を、同年7月にはランディングページの高速化とコンバージョン率向上を支援するHypersonic株式会社をそれぞれ完全子会社化しました。
加えて、2023年2月には、当社サービスとの連携強化および機能拡充を図るとともに、世界各地のインターネットメディアに価値を提供するため、Zelto, Inc.(現 Geniee US Inc.)を完全子会社化しました。さらに、2023年4月には、AI技術の導入コンサルティング、プロダクト提供、研究開発推進を担うJAPAN AI株式会社を設立し、先端技術領域への取り組みを強化しています。
また、2024年7月にはソーシャルワイヤー株式会社を買収し、PR領域における事業拡大も積極的に進めております。
今後も、国内外の企業が抱える多様なマーケティング課題の解決に向け、新規事業の創出や事業シナジーを発揮できる分野でのM&Aを通じて、事業領域のさらなる拡大に取り組んでまいります。
③ 海外市場におけるシェア拡大及び新市場の開拓
当社グループは、2012年から海外事業展開に着手し、現在、シンガポール・ベトナム・インドネシア・インド・北米に現地拠点を置き、現地の大手通信キャリアやアドネットワーク等、現地企業様向けに「GENIEE SSP」等のサービスを提供しております。2023年2月には、インターネットメディアのディスプレイ広告収益の向上サービスを提供するZelto, Inc.(現 Geniee US Inc.)を完全子会社化いたしました。また、2024年9月より、当社は国内サプライサイド事業と海外サプライサイド事業(Geniee US Inc.を含む)の組織体制及びオペレーションを統合し、グローバル一体型の運営体制へ移行いたしました。
今後につきましては、東南アジア、インドや北米のみならず、中東や欧州等まで地域を拡大し、既存拠点における顧客開拓や、事業規模及び各国市場のシェア拡大、未展開の市場開拓等に取り組み、グループ全体の事業規模拡大を図ってまいります。
④ 開発体制の強化
当社グループでは、提供しているプロダクトの企画や開発・運用等を内製化しております。このため、技術革新や市場の変化を捉えた最先端のプロダクトを開発・提供することが、事業規模拡大に必要不可欠であると認識しております。今後も、最先端の技術動向のキャッチアップと技術力の向上を図り、顧客ニーズを捉えた開発をスピーディーに行うべく、開発体制の強化に取り組んでまいります。
⑤ 優秀な人材の確保及びグローバル組織体制の強化
当社グループは、更なる事業拡大と業界革新を実現していく上で、優秀な人材の確保やグローバル組織体制の強化が必要不可欠であると認識しております。このため、各事業フェーズに合わせ即戦力となる人材確保を目的とした中途採用と、組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行っています。また、グローバルで業界を牽引する人材の育成を重点課題と位置づけ、職種別・階層別研修の実施や、専門資格の取得支援、英語学習支援等、幅広い成長機会の創出・支援を行っています。さらに、年齢や国籍等に制限なく、高いスキルや潜在的な能力、情熱を持つ人材を積極的に登用し、適材適所を見極めながら事業状況に合わせた臨機応変な組織改編をスピーディーに行うことで、グローバルで強い組織体制を作ってまいります。
⑥ ブランディングの強化
当社グループは、アドテクノロジー業界において一定の認知を得ているものの、中長期で更なる事業拡大を図り成長を加速していく上で、会社及びプロダクトのブランディングを強化していく必要があると考えております。2022年1月にお客様にサービスをより分かりやすく、使いやすく提供できるよう、新ブランド「GENIEE Marketing Cloud」「GENIEE Ads Platform」を立ち上げ、プロダクト名とロゴを刷新しました。国内はもちろんのこと、グローバルでのPR活動を含めて、費用対効果を見極めた広告宣伝活動及び広報活動等を行ってまいります。
⑦ 内部管理体制の強化
当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用、J-SOXに対応した内部統制システムを活用した監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。
⑧ システムの安定性の確保
当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、安定した事業運営を行うにあたり、国内外での市場シェア拡大や新規プロダクトの提供、海外拠点の効率的運用等を念頭に置いた、サーバー設備の増強や負荷分散システムの導入等が必要不可欠であると認識しております。今後も、中長期的な視点から設備投資を行い、システムの安定稼働及びセキュリティ管理体制の維持構築に取り組んでまいります。
⑨ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について
当社グループは、顧客に提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要な課題であると認識しております。具体的には、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引の減少に努めてまいります。
⑩ 財務上の課題
当社グループは、金融機関から多額の借入れを行っており、一部の金銭消費貸借契約に財務制限条項が付されていることから、業績低迷等により当該財務制限条項に抵触した場合には、借入金利の上昇もしくは期限の利益喪失に伴う借入金一括返済等、当社グループの資金繰りに重大な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応すべく、当社グループの財政状態及び経営成績の向上に取り組んでまいります。
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業のあらゆるマーケティング活動をテクノロジーで支援し、日本とアジアに貢献するため、Purposeを設定し、その実現に向けて事業を展開しております。Business Purpose(ジーニーのプロダクトやサービスが実現する世界観)として、「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、Corporate Purpose(組織の長期目標・存在意義)として、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」としております。
今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループでは、創業来の主力サービスであるインターネットメディアの広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」が持つ大量の広告配信データと顧客基盤を活かし、広告主向けの「GENIEE DSP」「GENIEE DMP」といったアド・プラットフォーム事業を展開しています。また、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索ASP・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」、広告効果測定ツール「GENIEE ANALYTICS」などBtoB向けSaaSプロダクトの提供も開始し、事業領域を拡大しております。さらに、2012年(創業3年目)からは海外事業展開に着手し、サービス提供地域の拡大も図っております。加えて、2024年7月に連結子会社化したソーシャルワイヤー株式会社(以下、ソーシャルワイヤー)を中心とした「デジタルPR事業」も積極的に拡大を図っています。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、収益の源泉となる「売上収益」と収益力の基礎指標である「売上総利益」に加えて、本業での収益力の基礎数値である「営業利益」の3指標を重視しております。

(4) 2025年度の振り返りと2026年度計画
① 2025年度の振り返り
a.2025年度の振り返り
⦅定量面⦆
売上収益は、マーケティングSaaS事業とデジタルPR事業が成長をけん引し、134億円(前年同期比18%増)となり高成長を持続したものの、開示予算に対しては未達となりました。利益面については、マーケティングSaaS事業における大型案件の収益計上再検討による通期黒字化未達等の影響により、各段階利益において計画を下回る結果となりました。
⦅定性面⦆
事業成長の面では、デジタルPR事業においてインフルエンサーPRのオーガニック成長に加え、株式会社iHackの買収効果が寄与し、売上・利益ともに大きく伸長し、事業ポートフォリオの一角を担う事業へ成長しました。広告プラットフォーム事業では、国内外のSSP事業のグローバル統合を実施し、構造改革とPMIが進展したことで、下期からの増収および海外事業の成長率改善を実現しています。また、マーケティングSaaS事業においては、ARR24%増という高成長を維持し、前期まで生じていた受注のトラブル案件の解消も進展しました。
経営基盤の面では、ディップ株式会社との資本業務提携および自己株式処分を実施し、財務基盤の強化と事業シナジー創出に向けた体制を構築しました。さらに、コーポレート・ガバナンス強化の一環として、機関設計を監査役会設置会社へ移行することを決定しております。
b.課題認識
事業の多角化やグローバル統合等の大規模な変革により組織の経営スピードが加速する一方で、持続性および再現性の高い成長基盤を構築するためには「経営の高度化」を一段と推し進めていくことが重要であると認識しております。
具体的には、案件採算性の可視化・管理強化や、開発品質の可視化・検収管理・事後検証を徹底する「開発・プロジェクト管理の高度化」が必要です。併せて、蓋然性の高い計画策定プロセスへの見直しやKPI・目標管理体制の再構築といった「業績管理の強化」を進めます。
また、全社的な「リスクマネジメントの実効性向上」を図るため、管理体制やモニタリング方法、対応プロセスの見直しを推進します。さらに、経営体制を強化するとともに、AI活用を前提とした開発プロセスへの刷新、AI時代に求められる社員の行動規範のアップデート・人事制度への反映を通じた「人材基盤の強化」に全社を挙げて取り組んでまいります。
② 2026年度計画
a.2026年度計画
当社グループは、2026年度は、各セグメントにおいて単なる売上拡大ではなく、収益性を伴った持続的成長の実現を目指してまいります。高成長を継続するマーケティングSaaS事業およびデジタルPR事業が売上成長を牽引するとともに、構造改革を完遂した広告プラットフォーム事業の再成長への回帰により、グループ全体での成長加速を見込んでおります。利益面においても、広告プラットフォーム事業における構造改革効果の本格的な刈り取り、マーケティングSaaS事業の通期黒字化転換、デジタルPR事業における利益改善策の実行を通じて、収益基盤の一層の強化を図ってまいります。
b.セグメント毎の方針
広告プラットフォーム事業については、前期に実施した構造改革および海外事業のPMIの進捗により、当事業は再成長フェーズへと移行いたします。国内外におけるクロスセルとエンタープライズ領域における新規メディアの開拓を推進してまいります。加えて、前期の構造改革による経営効率化の効果が当期より本格的に発現することから、売上成長と利益成長の両立による大幅な増益を見込んでおります。
マーケティングSaaS事業については、ビジネスモデルの変革を通じて高成長の持続性と事業の健全性を一層高め、通期黒字化の達成を目指してまいります。具体的には、既存SaaSプロダクトと「JAPAN AI」のクロスセルを成長戦略の中核に据え、エンタープライズ企業の開拓を積極的に推進いたします。これらの取り組みにより、当期の黒字化達成および本格的な収益化フェーズへの移行を実現してまいります。
デジタルPR事業については、インフルエンサーPR事業の高成長を継続するとともに、コスト構造の最適化等の利益改善策を実行することで、売上成長と利益成長を両立した増益を目指してまいります。
③ 財務戦略および資本政策
当社グループは、持続的な企業価値向上の実現に向け、当期以降、フリーキャッシュフローの創出力向上を重要な経営目標の一つに位置付け、財務規律の一層の強化を推進してまいります。具体的には、資金調達コストの抑制を図りつつ、本業における収益力向上を通じた営業キャッシュフローの着実な確保に努め、機動的な事業投資と財務健全性の両立を可能とする安定的なキャッシュポジションを維持してまいります。
また、ソフトバンク株式会社より取得した自己株式の取扱いにつきましては、純資産残高の状況を勘案のうえ、以下の活用方策を総合的に検討してまいります。
これらの施策を通じて、資本効率の最適化と株主価値の向上を図るとともに、中長期的な成長投資の原資確保と株主還元のバランスを取りながら、最適な資本構成の実現を目指してまいります。
a.Cash In
資金調達コストを抑制しつつ、主に営業キャッシュ・フローを確保し、安定的なキャッシュポジションを確保。
b.Cash Out
投資においては、オーガニック成長を重視しつつ、事業投資・M&Aを推進。

(5) 対処すべき課題
当社グループが対処すべき主な課題は、以下のとおりです。
① 技術革新及びインターネット業界の変化への対応
当社グループが事業を展開するインターネット業界は、生成AIなどの先端技術の進展により、かつてないスピードで変革が進んでいます。主力事業が属するインターネット広告市場では、生成AIや大規模言語モデル(LLM)の活用による広告クリエイティブの自動生成やパーソナライズ化、データプライバシー規制(クッキーレス化等)への対応、さらにはIoTやデジタルサイネージなど新たな広告チャネルの拡大が進んでいます。また、マーケティングSaaS事業が属する情報通信サービス市場では、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が一層加速しており、AIを活用した業務効率化やデータドリブン経営支援、セキュリティ対策の強化など、より高度なサービス提供が求められています。
こうした環境下、当社グループは、インターネット業界の技術革新をリードし、市場や顧客ニーズの変化を的確に捉えたプロダクト・サービスを迅速に開発・提供することが、今後の持続的な成長と事業規模拡大に不可欠であると考えております。
② 新規事業の創出及びM&A等による事業領域の拡大
当社グループは、創業以来の主力サービスであるインターネットメディア向け広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」を中核に、アドテクノロジー領域での事業を展開しております。加えて、2016年7月よりマーケティングオートメーションツール「GENIEE MA」の提供を開始し、マーケティングテクノロジー領域へも事業領域を拡大しています。
さらに、SaaSビジネスの拡大を目指し、2021年8月には顧客獲得・管理チャットボットを開発・提供する株式会社REACTを、2022年2月には重点領域であるEC顧客(D2C)向けサービスの強化と収益機会拡大を目的にCATS株式会社を、同年7月にはランディングページの高速化とコンバージョン率向上を支援するHypersonic株式会社をそれぞれ完全子会社化しました。
加えて、2023年2月には、当社サービスとの連携強化および機能拡充を図るとともに、世界各地のインターネットメディアに価値を提供するため、Zelto, Inc.(現 Geniee US Inc.)を完全子会社化しました。さらに、2023年4月には、AI技術の導入コンサルティング、プロダクト提供、研究開発推進を担うJAPAN AI株式会社を設立し、先端技術領域への取り組みを強化しています。
また、2024年7月にはソーシャルワイヤー株式会社を買収し、PR領域における事業拡大も積極的に進めております。
今後も、国内外の企業が抱える多様なマーケティング課題の解決に向け、新規事業の創出や事業シナジーを発揮できる分野でのM&Aを通じて、事業領域のさらなる拡大に取り組んでまいります。
③ 海外市場におけるシェア拡大及び新市場の開拓
当社グループは、2012年から海外事業展開に着手し、現在、シンガポール・ベトナム・インドネシア・インド・北米に現地拠点を置き、現地の大手通信キャリアやアドネットワーク等、現地企業様向けに「GENIEE SSP」等のサービスを提供しております。2023年2月には、インターネットメディアのディスプレイ広告収益の向上サービスを提供するZelto, Inc.(現 Geniee US Inc.)を完全子会社化いたしました。また、2024年9月より、当社は国内サプライサイド事業と海外サプライサイド事業(Geniee US Inc.を含む)の組織体制及びオペレーションを統合し、グローバル一体型の運営体制へ移行いたしました。
今後につきましては、東南アジア、インドや北米のみならず、中東や欧州等まで地域を拡大し、既存拠点における顧客開拓や、事業規模及び各国市場のシェア拡大、未展開の市場開拓等に取り組み、グループ全体の事業規模拡大を図ってまいります。
④ 開発体制の強化
当社グループでは、提供しているプロダクトの企画や開発・運用等を内製化しております。このため、技術革新や市場の変化を捉えた最先端のプロダクトを開発・提供することが、事業規模拡大に必要不可欠であると認識しております。今後も、最先端の技術動向のキャッチアップと技術力の向上を図り、顧客ニーズを捉えた開発をスピーディーに行うべく、開発体制の強化に取り組んでまいります。
⑤ 優秀な人材の確保及びグローバル組織体制の強化
当社グループは、更なる事業拡大と業界革新を実現していく上で、優秀な人材の確保やグローバル組織体制の強化が必要不可欠であると認識しております。このため、各事業フェーズに合わせ即戦力となる人材確保を目的とした中途採用と、組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行っています。また、グローバルで業界を牽引する人材の育成を重点課題と位置づけ、職種別・階層別研修の実施や、専門資格の取得支援、英語学習支援等、幅広い成長機会の創出・支援を行っています。さらに、年齢や国籍等に制限なく、高いスキルや潜在的な能力、情熱を持つ人材を積極的に登用し、適材適所を見極めながら事業状況に合わせた臨機応変な組織改編をスピーディーに行うことで、グローバルで強い組織体制を作ってまいります。
⑥ ブランディングの強化
当社グループは、アドテクノロジー業界において一定の認知を得ているものの、中長期で更なる事業拡大を図り成長を加速していく上で、会社及びプロダクトのブランディングを強化していく必要があると考えております。2022年1月にお客様にサービスをより分かりやすく、使いやすく提供できるよう、新ブランド「GENIEE Marketing Cloud」「GENIEE Ads Platform」を立ち上げ、プロダクト名とロゴを刷新しました。国内はもちろんのこと、グローバルでのPR活動を含めて、費用対効果を見極めた広告宣伝活動及び広報活動等を行ってまいります。
⑦ 内部管理体制の強化
当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用、J-SOXに対応した内部統制システムを活用した監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。
⑧ システムの安定性の確保
当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、安定した事業運営を行うにあたり、国内外での市場シェア拡大や新規プロダクトの提供、海外拠点の効率的運用等を念頭に置いた、サーバー設備の増強や負荷分散システムの導入等が必要不可欠であると認識しております。今後も、中長期的な視点から設備投資を行い、システムの安定稼働及びセキュリティ管理体制の維持構築に取り組んでまいります。
⑨ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について
当社グループは、顧客に提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要な課題であると認識しております。具体的には、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引の減少に努めてまいります。
⑩ 財務上の課題
当社グループは、金融機関から多額の借入れを行っており、一部の金銭消費貸借契約に財務制限条項が付されていることから、業績低迷等により当該財務制限条項に抵触した場合には、借入金利の上昇もしくは期限の利益喪失に伴う借入金一括返済等、当社グループの資金繰りに重大な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応すべく、当社グループの財政状態及び経営成績の向上に取り組んでまいります。