訂正有価証券報告書-第9期(2023/04/01-2024/03/31)
(2)戦略
当社グループは、気候変動のリスクと機会を明確にするために2つのシナリオを設定しております。「気候変動対策が進まず成行きのまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ」を4℃シナリオとして「急性」「慢性」について分析を行っております。
一方、「温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会が発生するシナリオ」を2℃シナリオとして「政策・規制」「技術」「市場」「評判」について分析を行っております。
ア.シナリオの設定
気候関連リスクと機会の分析においては、国際的に認められた複数のシナリオを参照しております。
(注)1.パリ協定では、世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求されております。それに基づき、2018年10月に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1.5℃の地球温暖化による影響と、そこに至る温室効果ガスの排出経路についての特別報告書を作成しており弊社のシナリオ分析においてもシナリオを活用しております。
2.炭素市場の推進により、EV市場が拡大することが想定されております。当社ではIEAのシナリオにおけるEVの販売台数予想の値を用いてリスクと機会の分析を行っております。
イ.シナリオ分析手順
気候関連リスク・機会の分析の手順においては下記の順序で検討をしております。
a.気候関連リスク・機会項目の列挙
・気候変動リスク及び機会の抽出
・重要性の高いリスク及び機会の評価
・重要性の高いリスク及び機会に関する評価軸設定
b.事業インパクトの定性化
・既存シナリオの中で関連性の深いものを列挙
・気候変動シナリオの設定
c.財務インパクトの定量化
・各シナリオと、特定した重要な気候関連リスク及び機会と関連パラメータを踏まえ、
各シナリオにおける財務インパクトを分析
d.対応策の検討
・気候変動リスク及び機会に対する当社戦略のレジリエンスの評価
・現状評価を踏まえた対応策の検討
ウ.シナリオ分析結果
シナリオ分析を行う上で、当社の主要事業の2030年時点における主要なリスク及び機会による財務インパクトの算定、その対応策等、具体的な検討を行っております。
さらに、機会においては、財務インパクトの評価に加え、主要事業の市場規模、脱炭素への貢献度の2つの項目について評価を行い、当社の新規事業開発及び事業成長の可能性について検討を行っております。
a.リスク
脱炭素社会への移行やEV市場の拡大に伴うリスクを洗い出し、事業へ与えうる財務インパクトの定量評価を行っております。分析結果を踏まえ、想定規模ごとに大、中、小に分類を行い、それぞれに対する対応策の検討を行っております。
(注)被害規模:「大:10億円以上 中:1,000万円~10億円 小:1,000万円以下」と設定しております。
b.機会
脱炭素社会やEV市場の拡大を見据えた事業を想定し、当社がその事業を実際に行った際の機会の大きさの検討を行っております。
また、「EV専用故障保証」「カープレミア店舗を利用した、太陽光発電システムとEV充電設備の設置」「EV充電ネットワークの構築」の3つについては既に着手を行っております。
(注)1.市場規模:「大:1兆円以上 中:1,000億円~1兆円 小:1,000億円以下」としております。
2.脱炭素への貢献度:「大:脱炭素のボトルネックを解消 中:削減貢献量が大きい 小:削減貢献量が小さい」としております。
3.機会の大きさ:「大:10億円以上 中:1億円~10億円 小:1億円以下」としております。
当社グループは、気候変動のリスクと機会を明確にするために2つのシナリオを設定しております。「気候変動対策が進まず成行きのまま気温が上昇し、それによる物理的リスク・機会が発生するシナリオ」を4℃シナリオとして「急性」「慢性」について分析を行っております。
一方、「温暖化防止に向けて様々な活動が実施され、脱炭素社会への移行に伴うリスク・機会が発生するシナリオ」を2℃シナリオとして「政策・規制」「技術」「市場」「評判」について分析を行っております。
ア.シナリオの設定
気候関連リスクと機会の分析においては、国際的に認められた複数のシナリオを参照しております。
| 2℃ シナリオ | 脱炭素社会の実現へ向けた政策・規制が実施され、世界全体の産業革命前からの気温上昇幅を2℃未満に抑えられるシナリオ。移行リスクは高いが、物理リスクは4℃シナリオと比較すると低く抑えられる。 | ■IPCC ・Shared Socio-economic Pathways(SSP1.9) ・Shared Socio-economic Pathways(SSP2.6) ■IEA ・Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE) |
| 4℃ シナリオ | パリ協定における国別目標など、公表済み目標が達成されることを前提としたシナリオ。新たな政策・規制は導入されず、世界のエネルギー起源CO2排出量は継続的に増加する。移行リスクは低いが、物理リスクは高くなる。 | ■IPCC ・Shared Socio-economic Pathways(SSP8.5) ■IEA ・World Energy Outlook ・Stated Policies Scenario(STS) |
(注)1.パリ協定では、世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求されております。それに基づき、2018年10月に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1.5℃の地球温暖化による影響と、そこに至る温室効果ガスの排出経路についての特別報告書を作成しており弊社のシナリオ分析においてもシナリオを活用しております。
2.炭素市場の推進により、EV市場が拡大することが想定されております。当社ではIEAのシナリオにおけるEVの販売台数予想の値を用いてリスクと機会の分析を行っております。
イ.シナリオ分析手順
気候関連リスク・機会の分析の手順においては下記の順序で検討をしております。
a.気候関連リスク・機会項目の列挙
・気候変動リスク及び機会の抽出
・重要性の高いリスク及び機会の評価
・重要性の高いリスク及び機会に関する評価軸設定
b.事業インパクトの定性化
・既存シナリオの中で関連性の深いものを列挙
・気候変動シナリオの設定
c.財務インパクトの定量化
・各シナリオと、特定した重要な気候関連リスク及び機会と関連パラメータを踏まえ、
各シナリオにおける財務インパクトを分析
d.対応策の検討
・気候変動リスク及び機会に対する当社戦略のレジリエンスの評価
・現状評価を踏まえた対応策の検討
ウ.シナリオ分析結果
シナリオ分析を行う上で、当社の主要事業の2030年時点における主要なリスク及び機会による財務インパクトの算定、その対応策等、具体的な検討を行っております。
さらに、機会においては、財務インパクトの評価に加え、主要事業の市場規模、脱炭素への貢献度の2つの項目について評価を行い、当社の新規事業開発及び事業成長の可能性について検討を行っております。
a.リスク
脱炭素社会への移行やEV市場の拡大に伴うリスクを洗い出し、事業へ与えうる財務インパクトの定量評価を行っております。分析結果を踏まえ、想定規模ごとに大、中、小に分類を行い、それぞれに対する対応策の検討を行っております。
| 大分類 | 中分類 | 小分類 | 事業インパクト | 被害規模 | 対応策 |
| 移 行 リ ス ク | 政策・規制 | エネルギーミックスの変化 | 電気料金の上昇 | 中 | LEDの導入や省エネ設備の導入を行うことによって、電力使用量の削減を行う |
| 原油価格の高騰 | ガソリン価格高騰によるコストの増加 | 中 | EV車の導入によるエネルギーコスト削減を行う | ||
| EVとガソリン車の補助金予算の格差 | EV新車市場の低迷に伴い、EV中古車市場形成に時間が必要 | 小 | EV市場だけではなく、ガソリン車や水素自動車などにも事業を展開することでリスクの分散を行う | ||
| 市場 | 中古車市場の縮小 | 消費者の環境意識の高まりにより、EV需要が拡大し、ガソリン車需要が減少する | 大 | 中古車向けのサービスの拡充により1台あたりの収益性の向上を図る | |
| EV中古車市場の形成の遅れ | EVバッテリーの査定方法が確立せず、EV中古車価値が正しく評価されないため、市場形成に時間を要する | 大 | バッテリー診断技術を販売店に早期促進していく 設備投資も含めてEVの普及を支援する | ||
| 自動車販売市場の低迷 | 循環型社会、カーシェアリングなどのモビリティサービスへの移行により自動車販売台数が減少し市場が低迷する | 中 | カーシェアやサブスク系のビジネスで事業領域を拡大していくことで、リスクを回避する | ||
| 部品流通の遅れ | EV用・リビルト・リサイクル部品の流通がなく、EV故障保証事業に影響を与える | 大 | 解体事業から使用できる部品を調達 解体工場ネットワークからパーツを直接調達 | ||
| 物 理 リ ス ク | 慢性 | 海面上昇 | 沿岸地域の施設・設備被害による輸送の遅延又は停止 | 小 | 物流の分散化により、リスクの低減を行う |
| 事業所移転コストの発生 | 小 | 洪水や海面上昇のリスクの高い拠点については毎年モニタリングを行い、必要に応じてリスクの低い拠点に移動する |
(注)被害規模:「大:10億円以上 中:1,000万円~10億円 小:1,000万円以下」と設定しております。
b.機会
脱炭素社会やEV市場の拡大を見据えた事業を想定し、当社がその事業を実際に行った際の機会の大きさの検討を行っております。
また、「EV専用故障保証」「カープレミア店舗を利用した、太陽光発電システムとEV充電設備の設置」「EV充電ネットワークの構築」の3つについては既に着手を行っております。
| 大カテゴリ | 小カテゴリ | 内容 | 市場規模 | 脱炭素への貢献度 | 機会の 大きさ |
| EV仕入れ/買取領域 | EV新車仲介 | EV専用の新車仲介販売事業 | 中 | 小 | 小 |
| アフターサービス領域 | EV車検/点検 | 未成熟であるEVに対する車検/点検 | 大 | 大 | 大 |
| EV整備ネットワーク | EVに関する整備を安定的に実現するためのネットワークを構築する事業 | 大 | 大 | 小 | |
| EV販売領域 | EV専用クレジット | EV専用のクレジットを脱炭素貢献に向けたSLLなどを活用し、低金利に提供を行うことでEV市場の成長とともに自社サービスの拡大を目指す | 大 | 大 | 大 |
| EV専用故障保証 | EVの普及を見据えたEVならではの特徴を捉えた専用の故障保証事業 | 中 | 大 | 大 | |
| インフラ領域 | 有料会員店舗を利用した太陽光発電 | 有料会員店舗上に太陽光発電設備を設置し、その電力によりサプライチェーンの脱炭素を進めるとともに新たな収益源を構築する | 中 | 中 | 小 |
| EV充電ネットワーク | EVの充電設備のネットワークを構築し、EVの航続距離が短いデメリットの解消を目指す事業 | 中 | 中 | 小 | |
| EVネットワークのマップ | 消費者向けのEV情報に関わるネットワークマップを作成し、EVスタンドなど共有を行う事業 | 小 | 中 | 小 |
(注)1.市場規模:「大:1兆円以上 中:1,000億円~1兆円 小:1,000億円以下」としております。
2.脱炭素への貢献度:「大:脱炭素のボトルネックを解消 中:削減貢献量が大きい 小:削減貢献量が小さい」としております。
3.機会の大きさ:「大:10億円以上 中:1億円~10億円 小:1億円以下」としております。