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有価証券報告書-第25期(平成29年7月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/09/28 10:03
【資料】
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【項目】
76項目
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、世の中にないオンリーワンの技術により、広く社会に貢献することを経営理念として掲げ、現在創薬、医療技術分野における先端技術の研究開発・実用化の促進に貢献することを中期経営方針として『オプティカル事業』及び『ライフサイエンス・機器開発事業』を推進しております。
(2) 経営環境等
(オプティカル事業)
世界の放射光施設やX線自由電子レーザー施設は約70か所あり、現在新設や増設等、高度化投資が盛んに行われております。また施設内にある実験ハッチを有するビームラインの数は1施設当たり平均約30本あり、1つのビームラインでおおよそ4~10枚のミラーが使用されており、これらがX線ミラーの潜在的な市場規模を構成しています。(平成27年6月19日、株式会社シード・プランニングによる調査「放射光用X線ミラー市場に関する調査」による)
特に、約10年前に当社のX線ナノ集光ミラーを上市した時点では、海外の放射光施設では今日のようなナノメートルレベルの高精度の表面形状のミラーの需要はわずかしかありませんでした。しかし世界の3大施設の1つである兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」で当社ミラーがはじめて採用され、その後も順調に納入実績を積んでまいりました。その後、当社ミラーを利用した最新の研究成果が発表されてからは、海外施設からの注文が急増し、今では当社ミラー売上の8割以上が海外受注分で占めるようになりました。
さらに現在の70か所のほか、新しい第4世代の放射光施設やX線自由電子レーザーなどの施設が約30施設建設中・計画中で順次完成しており、これら次世代の高度化施設の新設に伴い、高精度ナノ集光ミラーの需要拡大が予想され、今後それぞれの建設中の放射光施設のビームラインは2~3年ごとに5~6本のビームラインが随時立ち上がる予定で、少なくとも今後20年以上は需要が継続し、市場規模は拡大傾向にあると考えております。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
ライフサイエンス・機器開発事業は、創業当初から続く当社の根幹事業であり、特に自動細胞培養装置の事業は、大手企業が次々に撤退するなか、当社は再生医療及びiPS細胞関連機器へと順次開発・製造を推進してまいりました。今後も自動細胞培養装置の事業を継続するためには、これまでのように絶え間ない自動化の技術開発と協力会社との連携による効率の良い生産体制の構築が必要であると考えておりますが、さらに独自の培養技術の研究開発を推進し、そのキーテクノロジーをもとにした汎用製品の開発が必要不可欠と考えております。
現在、iPS細胞の出現により再生医療や創薬の分野において新しい産業が創出されようとしておりますが、iPS細胞の産業化が進む現状で、その大量培養技術の確立が急務となっております。
そこで当社は、長年、産業技術総合研究所と共同開発している当社独自の浮遊培養技術「CELLFLOAT」をキーテクノロジーとして「3次元培養技術に関する研究開発」を推進し、急成長が予想される再生医療向けの周辺産業に関する自動細胞培養装置や培養容器などの商品開発を積極的に展開しており、平成28年9月には日本医療研究開発機構(AMED)に採択され、再生医療向けの3次元培養システムの商品化のために臨床研究を進めております。(研究テーマ「臨床試験を目指す3次元細胞培養システムを用いた革新的ヒト弾性軟骨デバイス創出」平成28.9-平成31.3)
また汎用製品の開発も積極的に進め、平成29年1月にはiPS細胞用の回転浮遊培養装置「CellPet 3D-iPS」や小片化装置「CellPet FT」上市してまいりました。さらに平成29年7月には本関連技術が、大阪大学等と戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン、経済産業省)に採択され、大阪大学医学部の協力を得て「CellPet 3D-iPS」をもとにiPS細胞の創薬や再生医療への展開に必要な大量培養技術の開発を加速しております。(研究テーマ「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養自動化技術の実用化開発」平成29.7-平成32.3)
(3) 対処すべき課題
① 事業活動に関わる課題
(オプティカル事業)
現有する生産設備だけではこれ以上の需要の伸びに対応することが困難であり、生産設備の効率化や増強、生産工程の見直し等を当事業での重要課題としてとらえております。
このため当社では、EEMナノ加工装置とMSI及びRADSIナノ計測装置等の生産設備の増設を積極的に進め、また海外競合他社に対する技術的優位性を維持するため、ナノ加工技術の効率化、高精度化を図るための研究開発を推進しております。
また世界各地の放射光施設では新しい第4世代の放射光施設により光源の強化が図られ、そのバージョンアップに対応するための新しい光学系の構築が求められており、回転楕円ミラーや形状可変ミラー等次世代放射光施設向けの新製品の開発・販売を推進しております。
なお、独自のナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSIは世界に類を見ない高精度な原子レベルの自由曲面の加工を可能にするもので、最近では例えば半導体や宇宙ビジネスなど他の産業分野で使われる光学素子でも、従来技術では不可能な高精度化が望まれており、当社の表面創成技術はこれら分野においてビジネスを展開するための技術的ポテンシャルを有しております。そこで当社では放射光施設分野以外への市場開拓、企業との共同開発を積極的に進めてまいります。
また、当社ではナノ加工技術EEM以外にも大阪大学の表面加工技術であるプラズマCVMやCARE(触媒基準エッチング法)も技術導入し、実用化開発を進め、また新しい計測技術についても大阪大学と共同開発も積極的に進めており、成長分野への展開を図るうえで技術的ポテンシャルを上げ、選択肢を広げることにより有効的に新規参入する準備を進めております。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
再生医療の拡大に伴い、その周辺産業の市場規模も拡大傾向にあり、その中で当社の対象市場となる自動細胞培養装置、培養容器(消耗品)及び再生医療・創薬用の各種細胞ソース等の市場も拡大すると予想されております。またiPS細胞による創薬への利用も研究開発が活発にされております。そこで当社は平成29年1月に上市したiPS細胞用の回転浮遊培養装置「CellPet 3D-iPS」や小片化装置「CellPet FT」をもとに商品展開を推進してまいります。
さらに近年オルガノイド(ミニ臓器)を作り出す技術は急速に進歩しつつありますが、当社の「CellPet FT」を使った培養が有効であると評価されており、今後オルガノイド培養に適用拡大を図ってまいります。
またこのように、当社としては当社独自の製品開発を積極的に進め、顧客を獲得し、市場の拡大に備えるために優秀な技術者の確保、生産体制の強化、保守サービスの構築が当事業での重要課題であると認識しております。このため当社では優秀な技術者の確保のために積極的な中途採用活動を展開する一方で、生産体制の強化や保守サービスの構築につきましては新たな協力会社との関係構築によって対応する方針であります。
② 技術開発体制の構築
当社の顧客の多くは、基礎研究に取り組んでいる研究機関・大学・企業の研究者で、この基礎研究の分野で当社が成長するには、最先端の技術動向のキャッチアップと継続的な技術開発を可能とする開発体制を構築し、継続的に付加価値を提供することが重要であると考えております。
このような認識のもと、オプティカル事業では国際学会での企業展示だけでなく、当社の製品や最新の技術紹介等を積極的に発信してまいります。また、ライフサイエンス・機器開発事業においては、独自に細胞培養センターを設け、ここをオープンイノベーションの拠点として最先端の技術開発に取り組んでいる研究機関や大学との共同研究や企業との事業連携を積極的に推進することに努めてまいります。また、その体制のもとで定期的な勉強会や講義を積極的に実施し、当社技術者の技術レベルの向上も図ってまいります。
③ 営業力の強化
当社の両事業とも、その事業規模を拡大させるためには営業力の強化が重要であると考えております。しかしながら、当社が取り扱っている製品は、コンサルティング営業ができるような技術知識が必要となるため、即戦力となる営業人材の確保は難しく、継続的な営業人材の確保と強化は特に重要な課題であると考えております。具体的には、技術者の社内ローテーションや製品に関連する物理学等の基礎学力を有している人材の採用活動を行い、加えて既存営業マンによる継続的な現場教育を推進し、営業力の強化に注力してまいります。
④ 内部管理体制の強化
ここ数年間の当社の急速な成長に伴い内部管理に関係する業務が多岐にわたって発生しておりますが、今後のさらなる成長のためには内部管理体制の一層の強化を図る必要があると認識しております。そのためには、内部管理の重要性に対する全社的な認識の強化を図るために、内部管理に精通した人材を採用し、また経理・人事・広報・法務等に精通した人材も積極的に採用活動を推進して、業務の有効性と効率性を高めてまいります。

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