有価証券報告書-第49期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/20 9:22
【資料】
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【項目】
114項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社はライフスタイル雑貨の製造卸企業として、”We are smile producers!”を企業理念とし、以下の経営基本方針のもとに事業を展開しております。
①情熱あふれるアートや美しいデザインに触れる喜びを、身近なくらしへご提供します。
②お客様が選び、組み合わせ、工夫し、オンリーワン作りを楽しめる商品をご提案します。
③夢中になれる幸せな時間、笑顔と感動をお届けし、世の中になくてはならない企業を目指します。
そして、着実な成長と発展を通じて、次の「目指す企業像」の実現を図ってまいります。
「目指す企業像」
①ライフスタイル・グッズの提案を軸として、お客様の何気ない日常に気軽な価格で、「ワクワク」と「笑顔」をお届けする会社でありたい
②公正な経営判断と企業行動を通じて、全ての顧客・取引先・ステークホルダー及び株主からの信頼に応え、責任を果たしていくことで、いつまでも社会で必要とされる会社でありたい
③意欲ある者へは成長機会の提供を、貢献に対しては適切な処遇を実現し、そこに集う従業員個々人がやりがいと愛情を持ち、笑顔で働くことができる”smile working company”でありたい
(2)目標とする経営指標
当社は、持続的に成長することを目指し、その基盤となる付加価値率(売上総利益から販売費を控除した額の対売上高比)の向上に努めてまいります。また、株主還元を重視し、長期的に安定した配当の実施に努めてまいります。このため、株主資本利益率及び配当性向を目標とする経営指標としてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、3ヵ年中期経営計画を作成し事業に取組んでおります。同経営計画は、消費者動向や顧客業界動向を含む社会情勢や、当社業績や部門別課題、内部管理体制の整備状況などの社内情勢を踏まえ、今後3年間の基本的な経営目標として策定しております。
2019年9月期を初年度とする中期経営計画(2018年10月~2021年9月)においては、下記の4つの重点戦略を策定し、売上・利益の増大等を通じて企業価値を向上させるべく、全社を挙げて取り組んでおります。
①商品開発力・企画提案営業力の更なる向上
②企画開発・製造・品質管理・物流プロセスの改善
③変動費(原価及び販売費)の効率化による収益性の改善
④アミファの世界観を実現するプロフェッショナル集団への進化
(4)会社の対処すべき課題
当社は株式公開会社としての社会的責任を果たし、事業を発展させ、永続的な成長を図っていくために、以下の課題に取り組んでまいります。
①商品企画力の強化
当社の販売するライフスタイル雑貨は、いわゆる生活必需品とは異なり、嗜好品のカテゴリーに属し、人々の身近な暮らしの中に、アートやデザインを通じて楽しみや安らぎを提供するものであります。
特に、当社主力商品であるワンプライス商品の最終需要者は一般消費者であり、それら消費者に受け入れられる商品作りにおいて、また競合企業各社の商品との差別化において、より訴求力のあるデザインを取り入れた商品の企画、開発が重要な課題であると認識しております。この実現を図るためには、消費者の嗜好や世の中のトレンド、季節性、商品のバラエティ、価格優位性といった要素を的確に企画に取り込み、スピード感を持って商品を開発し、遅滞なく市場に提供することが必要です。
このため、商品企画を行う商品開発部署の人員強化を質量両面において図っていくとともに、当社ネットワークを通じた国内、海外の多数のフリーランスイラストレーターとの連携を強化してまいります。加えて、商品の企画段階から販売までの全てのステップにおいて、一貫性のあるスムーズな組織対応を進めてまいります。
②商品群の多様化
当社では、消費者の嗜好の変化や世の中のトレンドの変化をいち早く把握するため、マーケットリサーチに注力しております。消費者の嗜好の多様化や個別化は数年来継続している傾向であり、こうした消費者のニーズに応えるためには、当社商品の多様化、品揃えの豊富さを図っていく必要があると認識しております。
また、当社の主要顧客である100円ショップ各社は、各社独自の戦略に基づく品揃えを図っており、当社はそのニーズにも応えていく必要があります。
このため、現在販売している季節性商品、通年型商品の品揃えの一層の充実に加え、当社の世界観を多面的に展開する企画商品群の開発に取り組んでまいります。
また、「フルール」ブランド商品は、美しい花で暮らしに潤いをという想いのもと、プリザーブドフラワーや花器、フラワーアクアリウムなどの関連商品の企画開発に取り組んでおります。
③海外販売への対応とインバウンド需要の取り込み
当社商品の主たる販売先は日本国内ですが、主要顧客である100円ショップでは海外での店舗販売網の拡充を図っております。この過程で、海外消費者の嗜好にあうワンプライス商品開発の要請も寄せられており、当社としてもこれに応える企画開発の取組み、並びに商品数の拡大を図っております。
また、ワンプライス商品は訪日客のお土産としての需要もあるため、2020年の東京オリンピック、パラリンピック開催も睨み、海外からの旅行者も視野に入れて、デザインとパッケージを含めたアピール性、買いやすさを追求し、インバウンド需要に対応してまいります。
④品質管理体制の強化
当社の販売する商品は、一般消費者向けの商品が大半を占めるため、安価であっても良質の商品を提供し続けることが、顧客満足度の向上やリピート率の向上につながるものと認識しております。
100円ショップ業界の店舗数と販売額の増大に伴い、ショッピングモールでも集客効果の高い立地に100円ショップが置かれることも増えています。この結果、顧客層が以前より広がっており、当社商品を購入する消費者も、小中学生から大人まで幅広い年齢層、所得層になってきていると認識しております。
このため、品質に対する目も一段と厳しくなってきており、100円であっても良質の商品を提供しなければ、ブログや口コミ等ですぐにブランド評価が低下する危険性も増大していると認識しており、恒常的に品質の維持向上を図っていく必要があります。
特に、海外企業からの仕入・調達金額が約87%を占めており、季節イベント向け商品の比率も高いことから、品質管理や納期遵守、生産能力の安定化が重要と認識しております。このため、社内の管理体制の強化に努めるとともに、特に海外委託企業に対する品質向上に向けた指導、管理、管理者育成にも注力してまいります。
⑤為替対策
海外からの仕入はその大半がUSドル建ての契約となっており、ドル高円安は仕入コストの上昇につながります。適切な為替リスクヘッジを通じて、為替変動による業績への悪影響を軽減すべく取り組んでまいります。
⑥物流業務の効率化
売上高の拡大に伴い、海外からの仕入量も増加する傾向にあります。これら海外輸入品の物流に係るコストの削減や、出荷システムの高度化、倉庫面積の効率的利用を含めた物流業務の効率化に取り組んでまいります。
また、2014年より開始した中国の保税物流園区の利用をさらに効率化し、中国国内から第三国向けの出荷にも備えてまいります。
⑦ICT(情報通信技術)の活用
当社の取り扱う商品数は、年間約97百万個に及ぶとともにその種類も多岐に亘っており、海外企業からの仕入・調達金額が約87%を占めております。これら大量、多種の商品を、発注・製造・出荷・販売の各段階で、遅滞なく正確にハンドリングする必要があるため、業務をサポートする社内システムを整備し、ICTを最大限活用するよう努めてまいります。
⑧付加価値率の確保
受注を決定する段階において、当社が目標とする付加価値率の確保のために、見積りの精度を高める体制を整備し運営を図ってまいります。
⑨財務体質の健全性の確保
当社の属する卸売業界の一般的特性として、仕入による資金支出が先行し、販売代金回収までの期間、運転資金が必要です。従って、当社の売上が増大するに伴い必要な運転資金は増加することになります。
このため、当社はこの増加運転資金を、主として自己資金と金融機関からの借入金によって賄っております。
当社が中長期的に発展を続けていくためには、安定的な財務基盤を整えることが肝要であるとの認識に立ち、長期に亘る財務の健全性に留意し、過度に借入金に頼らぬ財務体質の維持・確保に努めてまいります。