有価証券報告書-第13期(2024/07/01-2025/06/30)

【提出】
2025/09/24 15:30
【資料】
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【項目】
152項目
4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した重要な会計上の判断、見積り及び当該見積りに用いた仮定については、主に以下のとおりであります。
(1)金融資産の減損(貸倒引当金)
当社グループは、償却原価で測定する金融資産に係る予想信用損失は、契約に従って受け取る契約上の将来キャッシュ・フローと、受け取ると見込んでいる将来キャッシュ・フローとの差額の現在価値について認識しております。将来キャッシュ・フローの見積りに際しては、過去の期日経過情報等に基づく債務不履行の可能性、発生損失額に関する過去の傾向、合理的に予想される将来の事象等を考慮しております。当該判断及び仮定は現時点における最善の見積りであるものの、見積りに用いた仮定には不確実性があり、経済状況等の変化により債務者の信用リスクが変化した場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表において償却原価で測定する金融資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額については、「注記29.金融商品(3)信用リスク」に記載しております。
(2)繰延税金資産の測定
繰延税金資産は、将来減算一時差異や繰越欠損金に対して、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲において認識し、繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しております。なお、当社及び一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しており、通算グループ全体の将来の収益力に基づく課税所得見込みを考慮し、回収可能性を判断しております。
課税所得の見積額は将来の事業計画に基づき算定され、経営者による外部環境を考慮した判断及び仮定を前提としております。なお、将来減算一時差異及び繰越欠損金に係る繰延税金資産は、主として連結子会社である株式会社メルペイにおいて認識しております。同社の事業計画における主要な仮定は、売上高及び営業利益の基礎となる決済取扱高等の成長率であり、過去の実績及び中期経営方針並びに足元のマーケット環境を踏まえて、策定しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金について、将来の課税所得により回収できる可能性が高い範囲内で認識していますが、将来の課税所得の仮定の変動に伴い、回収可能と考えられる繰延税金資産の額が変動する可能性があります。なお、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額については、「注記15.法人所得税(1)繰延税金資産及び繰延税金負債」に記載しております。
(3)暗号資産交換業における暗号資産売買取引について
当社の連結子会社である株式会社メルコインは、暗号資産交換業者として、利用者からの指示に基づき暗号資産の売買を行っております。また、株式会社メルコインは、利用者からの暗号資産売買の指示に応じるため、国内外の複数の暗号資産取引所等との間で暗号資産の売買取引を行っております(以下、「カバー取引」という)。
IFRS第9号第2.4項では、現金若しくは他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済できる非金融商品項目の売買契約について、あたかも当該契約が金融商品であるかのようにIFRS第9号を適用しなければならないとされております。但し、企業の予想される購入、販売又は使用の必要に従った非金融商品項目を授受する目的で締結され、引き続きその目的で保有されている契約は、「自己使用の例外」として当該扱いから除くこととされております。
株式会社メルコインが現金を対価として売買を行う暗号資産はIAS第32号第11項に定義される現金、他の企業の資本性金融商品等の金融資産に該当しないことから非金融商品に該当します。また、利用者からの指示に基づく暗号資産売買を通じて一定のスプレッドを獲得する株式会社メルコインの事業活動はIFRS第9号第2.6項(c)に相当するものであり、上記の「自己使用の例外」に該当するものではないと判断しております。このため、株式会社メルコインは利用者との暗号資産売買取引及びカバー取引について、IFRS第9号を適用した会計処理を行っており、売上収益の金額は「注記6.セグメント情報 (2)報告セグメントに関する情報」に記載しております。
(4)株式会社メルコインが利用者から預託を受ける暗号資産について
当社の連結子会社である株式会社メルコインは、「資金決済に関する法律」に基づく暗号資産交換業者として、暗号資産取引等の事業を展開しております。一方、IFRSにおいては暗号資産の取引等に係る明確な基準が存在しないことから、当社グループは、IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の要求事項に基づき、「財務報告に関する概念フレームワーク」及び類似の事項を扱う基準を参照し、株式会社メルコインの暗号資産交換業者として保有する暗号資産に係る会計方針を決定しております。
株式会社メルコインの保有する暗号資産の大半は、暗号資産交換業者として利用者から預託を受けた暗号資産であり、下記の事項を総合的に勘案した結果、株式会社メルコインは当該暗号資産に対する支配を有していないと判断しております。このため、これらの暗号資産については連結財政状態計算書上、資産として認識しておらず、対応する負債についても認識していません。
① 我が国の法令等では、所有権の概念には暗号資産は直接的には含まれておりません。一方、暗号資産には「資金決済に関する法律」において財産的価値が定められており、「利用者財産」として暗号資産交換業者が自己の計算で保有する暗号資産とは分別して管理することが求められております。また、「資金決済に関する法律」では暗号資産交換業者の破産時等における、利用者から預託を受けた暗号資産の利用者に対する優先弁済権を定めております。
② 株式会社メルコインは、利用者から預託を受けた暗号資産について、自己の計算で保有する暗号資産とは明確に分別した上で、利用者ごとの残高を管理しております。また、株式会社メルコインは利用者から預託を受けた暗号資産を利用者用コールドウォレットにおいて保管しており、暗号資産を移転するために必要な秘密鍵についても、適切に管理しております。
③ 株式会社メルコインは、暗号資産取引利用規約に基づき、利用者からの注文に従い暗号資産の移転を実施しますが、利用者の許可なく預託を受けた暗号資産の売却等を行うことはできません。
なお、利用者から預託を受けた暗号資産に係る経済的便益は利用者に帰属しており、「資金決済に関する法律」の定める分別管理義務を当社が適切に履行している状況下において、当社グループは当該暗号資産の公正価値の重要な変動リスクに晒されていません。
また、株式会社メルコインは、「資金決済に関する法律」、「暗号資産交換業者に関する内閣府令」、自社の利用規約等に基づき、分別管理義務を含む複数の履行すべき義務を負っております。特に、ハッキング等の重大なインシデントの発生により暗号資産を移転するために必要な秘密鍵その他の情報の漏えい等が発生し、利用者から預託された暗号資産が外部に流出した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。一方、当連結会計年度末時点において、株式会社メルコインは「資金決済に関する法律」が暗号資産交換業者に対して求める分別管理義務等を適切に順守し、利用者から預託を受けた暗号資産を利用者用コールドウォレットにおいて適切に管理しております。また、株式会社メルコインでは過去においてハッキング等の重大なインシデントの発生実績はありません。このため、当該リスクの発生に伴う債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性は当連結会計年度末時点において高くなく、当該リスクに係る負債は認識しておりません。
なお、連結財政状態計算書に計上されていない利用者から預託を受けた暗号資産の当連結会計年度末の残高は28,919百万円であります。これらの金額は、主要な暗号資産取引所における各期末日時点の取引価格に基づいて算定しております。

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