有価証券報告書-第7期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/24 15:55
【資料】
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【項目】
138項目
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」という経営理念のもと、高い企業価値を実現するために、企業の社会的使命・責任を果たし、健全かつ適切な業務運営を通じて、お客様や地域社会からの長期にわたる揺るぎない信頼の確立を図らなければならないものと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中長期的な損益計画・資金計画の達成を最重要課題として認識しており、特に安定的な企業価値の向上に繋がるのれん償却前営業利益、経常利益とその成長率及び親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるキャッシュ・フローの増加を最重要目標として、収益性の向上・財務体質の充実に取り組んでおります。
(3) 経営環境
当社グループの主力事業を取り巻く外部環境として、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響による住宅購入に対する消費マインドの低下や商業施設系建築現場の遅延・中止が発生しております。また、建築業界におきましては、資材費や労務費その他のコストの高騰や市場のめまぐるしい変化を受けて、経営環境は依然と厳しい状況が続くものと予想されます。
市場環境としては、人口減少に伴う新築着工戸数の減少が見込まれる住宅市場において、建替えやリフォームに対応していくための仕組みづくり・基盤づくりを推進することが大きな課題となっております。特に既存の戸建住宅は、管理組合等がないため、消費者個々人の責任でメンテナンスや管理を長期にわたって継続していかなければならず、それらの負担へのフォローが重要課題です。また、社会問題化している空き家の増加やメンテナンスや管理等に対する関心の高まり、住宅やオフィスに対するニーズの変化が顕在化し始めております。特に、今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け「共有」という概念から離れ、「清潔」「個別」という概念に向けた流れに急激に変化していくことが見込まれます。
一方、AIやIoTを活用したサービスの普及を受け、建築業界を取り巻く事業環境が加速度的に変化しております。建物に取り付けられたセンサーによりメンテナンスニーズが知らされ、今まで以上に建物の維持・管理に関するニーズが顕在化されることが予想されます。すなわち、単純に「住まう」「商う」ことから「多様化する」「無人化する」という変化が予見され、メンテナンスや維持・管理のための「ラストワンマイル」のニーズ増加(※注)が見込まれております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
住宅や建物を取り巻く環境が激変する経営環境の中、当社グループといたしましては、事業環境の変化に対応するサービス開発力の強化、収益力の向上と財務基盤の強化に積極的に取り組んでおります。具体的には①「新しい建築サービスの開発・提供」、②「生産性の向上」、③「人材の確保と早期戦力化」、④「経営効率の向上」の4点を重要課題として取り組んでおります。
①「新しい建築サービスの開発・提供」については、当社グループは住宅ライフサイクル全体をワンストップでカバーできる体制を、より充実させることを目指しております。そのための足掛かりとして、経年劣化が進みリフォーム適齢期を迎えた住宅に対する定期点検メニューの追加(10年目点検・15年目点検・20年目点検等)、長期にわたって消費者個々人が負担しなければならない戸建住宅の維持・管理を解決するメニューの開発、従来の「住宅設備延長保証」商品よりも付加価値があり、当社グループの強みである点検・検査・リペアサービスを活用した「新しいタイプの住宅設備延長保証商品」の開発、既存住宅再販時に対応するための点検・検査メニューの開発、また、空家や無人化に対応するためのサービス開発、それらのサービスを支えるためのコールセンター機能の拡充、「住宅メンテナンス履歴管理」拡充のための業務系基幹システムの増強と「住宅メンテナンス履歴情報」から住宅ライフサイクルにおける各種サービスを提供するためのITプラットフォームの開発といった取り組みを強化する必要があります。主力であるリペアサービス・住環境向け建築サービス・商環境向け建築サービスの技術力や施工体制網を活用し、住宅建築サービスのみならずオフィス・ホテル・百貨店等の商業施設建築サービス関連領域にサービス領域を一層拡大していくことに注力します。
さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による店舗や施設を利用する際の安心・安全に対する消費者意識の高まりや、これに対応するための企業側の衛生対策が必須となるなか、当社グループは抗ウイルス抗菌サービスという新サービスの開発に取り組み、衛生的な環境づくりをサポートしてまいります。
②「生産性の向上」については、現場稼働の効率化と販売費及び一般管理費の圧縮という2つの課題を認識しております。現場稼働の効率化においては、グループ全体の技術者の稼働状況を俯瞰的に把握できるように基幹システムを増強し、子会社別・地域別・サービス別の需給ギャップを埋めて稼働効率を上げる課題に取り組みます。さらに、クラウドサービスを利用した新たな検査サービスを他社との協業により開発し、検査業務自体だけでなく検査後のデータ整理や資料作成といった業務の効率化を図ってまいります。また、販売費及び一般管理費におきましては、一般的なシステムによる業務効率化に加え、業務自動化のためのRPAツールを導入して試行しております。自動化を実施した業務数が積み上がってきており、その成果も顕著になってきております。また、社内での、RPAツール活用のための技術者育成も可能な体制となってきましたので、今後は、RPAツールによる業務自動化をグループ各社へ展開し、生産性向上のための改革改善速度を上げる必要があると考えております。
③「人材の確保と早期戦力化」については、多様で柔軟な就労環境の一層の整備による採用競争力の確保、現在の「早期育成プログラム」の更なるブラッシュアップ、従業員の目標設定や評価の適正化による意欲の向上、協力業者ネットワークの整備及び拡大に取り組み、急速なITの進歩に合わせて、この変革のスピードに対応できるような人材採用・育成体制を整えることも急務であると考えております。今後はそれらを見据え、中長期の教育・育成プログラムを構築することで、従業員一人ひとりの成長と能力の向上を図ってまいります。 ④「経営効率の向上」については、グループ子会社において、効率的かつ効果的に経営を管理し、経営資源を有効に活用することで、的確かつ迅速な意思決定が行えるよう、業務管理手法及び業務フロー等の共通化を図ってまいりました。今後は、グループとしてのパフォーマンスを最大化するために、グループ全体最適と戦略適合性の観点から組織体制の再構築を適宜検討し、グループの経営効率と企業価値の向上を図ってまいります。一方、経営資源を効率的に利用し、収益力を上げるため、当社グループが培ってきたノウハウを提供し、グループ外のリソースを活用した販売代理店制度やフランチャイズ制度といった新しい仕組みを構築してまいります。
※注:「メンテナンスや維持・管理のための「ラストワンマイル」のニーズ増加」とは、以下のような状況を指しています。AIやIOTの進化に伴ってスマート住宅が現実のものとなるにつれ、メンテナンスの必要性をセンサーが事前に知らせることにより、従来の、「壊れて初めて気づいた。」といった潜在的メンテナンスニーズが事前に顕在化することになります。検知されたニーズに対応するためには、メンテナンスを行う段階で「技術者が建物に出向く」必要があります(ラストワンマイル)。住設機器や建材の進化もあるため、現在と同じ状況ではないと思われますが、デジタル化が進んでも、最終段階では、やはりアナログ対応が必要になると予想されます。ラストワンマイルのニーズ増加とは、メンテナンスニーズの増加により、上記の様に結果的に技術者の訪問数が増加するであろう状態のことを指しております。

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