有価証券届出書(新規公開時)
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」という経営理念のもと、高い企業価値を実現するために、企業の社会的使命・責任を果たし、健全かつ適切な業務運営を通じて、お客様や地域社会からの長期にわたる揺るぎない信頼の確立を図らなければならないものと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中長期的な損益計画・資金計画の達成を最重要課題として認識しており、特に安定的な企業価値の向上に繋がるのれん償却前営業利益、経常利益とその成長率及び親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるキャッシュ・フローの増加を最重要目標として、収益性の向上・財務体質の充実に取り組んでおります。
(3) 経営環境
今後のわが国経済の見通しにつきましては、国内経済は、政府の継続的な経済政策や日銀の金融緩和策などを背景に緩やかな回復基調が続くものと期待されますが、海外経済においては、中国をはじめとする新興国経済の減速や資源国における景気低迷、米国新政権の今後の政策内容、英国の欧州連合離脱の影響による欧州経済の不安定化、北朝鮮・中東情勢の地政学的リスクなど、先行き不透明な状況にあり、わが国の景気を下押しするリスクには留意が必要な状況であります。
当社グループが主力事業とする建築業界におきましては、資材費や労務費等のコストの高騰等、経営環境は依然と厳しい状況が続くものと予想されます。また、平成28年に閣議決定された「住生活基本計画」の中において課題として明示された「リフォーム・既存住宅流通等の住宅ストック活用型市場への転換の遅れ」に対応するための目標である「住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築」(※注1)、「建替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新」に対応していくための仕組み作り・基盤作りを推進することは、住宅建築業者や住宅設備機器メーカーなど住宅産業全体をあげての大きな課題となっております。特に既存の戸建住宅は、管理組合などがないため、消費者個々人の責任でメンテナンスや管理を長期に渡って継続していかなければならない問題へのフォローが重要課題です。
加えて、AIやIOTを活用したサービスの普及を受け、建築業界を取り巻く事業環境が加速度的に変化しております。建物に取り付けられたセンサーよりメンテナンスニーズが知らされ、今まで以上に建物の維持・管理に関するニーズが顕在化されることが予想されます。また、民泊関連の法整備も進み、単純に「住まう」「商う」ことから「共有する」「多様化する」「無人化する」という変化が予見され、メンテナンスや維持・管理のための「ラストワンマイル」のニーズ増加(※注2)が見込まれております。
(4) 対処すべき課題
住宅や建物を取り巻く環境が激変する経営環境の中、当社グループと致しましては、事業環境の変化に対応するサービス開発力の強化、収益力の向上と財務基盤の強化、「働き方改革」に代表される就労環境の改善などに積極的に取り組み、具体的には「新しい建築サービスの開発・提供」「生産性の向上」「人材の確保と早期戦力化」「経営効率面の向上」の4点を重要課題として取り組んでおります。
「新しい建築サービスの開発・提供」につきましては、当社グループは「住生活基本計画」で掲げられている新しい住宅循環システムを支えるための住宅ライフサイクル全体をワンストップでカバーできる体制を、より充実させることを目指しております。そのための足掛かりとして、経年劣化が進みリフォーム適齢期を迎えた住宅に対する定期点検メニューの追加(10年目点検・15年目点検・20年目点検など)、長期にわたって消費者個々人が負担しなければならない戸建住宅の維持・管理を解決するメニューの開発、従来の「住宅設備延長保証」商品よりも付加価値があり、当社の強みであるリペアサービスを活用した「新しいタイプの住宅設備延長保証商品」の開発、既存住宅再販時に対応するための点検・検査メニューの開発、また、民泊や店舗の無人化に対応するためのサービス開発、それらのサービスを支えるためのコールセンター機能の拡充、「住宅メンテナンス履歴管理」拡充のための業務系基幹システムの増強などへの取り組みを強化する必要があります。主力であるリペアサービス・住環境向け建築サービスの技術力や施工体制網を活用し、住宅建築サービス関連領域に一層サービス領域を拡大していくことに注力します。
「生産性の向上」につきましては、現場稼働の効率化と販売費及び一般管理費の圧縮という2つの課題を認識しております。現場稼働の効率化においては、グループ全体の技術者の稼働状況を俯瞰的に把握できるように基幹システムを増強し、子会社別・地域別・サービス別の需給ギャップを埋めて稼働効率を上げる課題に取り組みます。また、販売費及び一般管理費におきましては、一般的なシステムによる業務効率化に加え、RPAツール(※注3)を導入して業務自動化の試みを行ってきております。自動化を実施した業務数が積み上がってきており(例えば、新規に採用した従業員のデータを基幹システムのマスターに登録する業務や現場から送られてきたPDFデータを基幹システムにアップロードする業務などの事務的な作業の自動化を実施しています)、その成果も顕著になってきております。また、社内において、RPAツール活用のための技術者育成も可能な体制となってきましたので、今後は、RPAによる業務自動化をグループ各社へ展開し、生産性向上のための改革改善速度を早める必要があると認識しています。
「人材の確保と早期戦力化」につきましては、多様で柔軟な就労環境の一層の整備による採用競争力の確保、現在の「早期育成プログラム」の更なるブラッシュアップ、従業員の目標設定や評価の適正化による意欲の向上、協力業者ネットワークの拡大などに取り組み、この環境の変化に対応できるような人材採用・育成体制を整えることも急務であると考えております。
「経営効率面の向上」については、グループ子会社について、効率的かつ効果的に経営を管理し、経営資源を有効に活用できるよう、早期に業務管理手法及び業務フローなどの共通化を図ってまいります。
※注1:「住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築」とは、平成28年に閣議決定された「住生活基本計画」の中において掲げられた住宅ストックからの視点に基づく目標です。従来、日本の住宅事情においては「住宅購入がゴール」という認識が強くありましたが、適切な維持管理やリフォームの実施により、住宅の価値を低下させず、住宅の魅力が市場で評価され、再流通することなどを通じて、住宅を資産として次の世代に継承していく新たな住宅の流れを創出する環境システムを構築することを指しております。
※注2:「メンテナンスや維持・管理のための「ラストワンマイル」のニーズ増加」とは、以下のような状況を指しています。AIやIOTの進化に伴ってスマート住宅が現実のものとなるにつれ、メンテナンスの必要性をセンサーが事前に知らせることにより、従来の、「壊れて初めて気づいた。」といった潜在的メンテナンスニーズが事前に顕在化することになります。検知されたニーズに対応するためには、メンテナンスを行う段階で「技術者が建物に出向く」必要があります(ラストワンマイル)。住設機器や建材の進化もあるため、現在と同じ状況ではないと思われますが、デジタル化が進んでも、最終段階では、やはりアナログ対応が必要になると予想されます。ラストワンマイルのニーズ増加とは、メンテナンスニーズの増加により、上記の様に結果的に技術者の訪問数が増加するであろう状態のことを指しております。
※注3:RPAツールとは、主にオフィスで行われている単純ワークを自動化するロボットツールのことで、RPA(Robotic Process Automation)とは、人工知能を備えたソフトウエアのロボット技術により、定型的な事務作業を自動化・効率化することであります。特にホワイトカラーの業務を補完・代行する仕組みのことであり、当社では、RPAテクノロジーズ株式会社が販売している「BizRobo」を利用しております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」という経営理念のもと、高い企業価値を実現するために、企業の社会的使命・責任を果たし、健全かつ適切な業務運営を通じて、お客様や地域社会からの長期にわたる揺るぎない信頼の確立を図らなければならないものと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中長期的な損益計画・資金計画の達成を最重要課題として認識しており、特に安定的な企業価値の向上に繋がるのれん償却前営業利益、経常利益とその成長率及び親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるキャッシュ・フローの増加を最重要目標として、収益性の向上・財務体質の充実に取り組んでおります。
(3) 経営環境
今後のわが国経済の見通しにつきましては、国内経済は、政府の継続的な経済政策や日銀の金融緩和策などを背景に緩やかな回復基調が続くものと期待されますが、海外経済においては、中国をはじめとする新興国経済の減速や資源国における景気低迷、米国新政権の今後の政策内容、英国の欧州連合離脱の影響による欧州経済の不安定化、北朝鮮・中東情勢の地政学的リスクなど、先行き不透明な状況にあり、わが国の景気を下押しするリスクには留意が必要な状況であります。
当社グループが主力事業とする建築業界におきましては、資材費や労務費等のコストの高騰等、経営環境は依然と厳しい状況が続くものと予想されます。また、平成28年に閣議決定された「住生活基本計画」の中において課題として明示された「リフォーム・既存住宅流通等の住宅ストック活用型市場への転換の遅れ」に対応するための目標である「住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築」(※注1)、「建替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新」に対応していくための仕組み作り・基盤作りを推進することは、住宅建築業者や住宅設備機器メーカーなど住宅産業全体をあげての大きな課題となっております。特に既存の戸建住宅は、管理組合などがないため、消費者個々人の責任でメンテナンスや管理を長期に渡って継続していかなければならない問題へのフォローが重要課題です。
加えて、AIやIOTを活用したサービスの普及を受け、建築業界を取り巻く事業環境が加速度的に変化しております。建物に取り付けられたセンサーよりメンテナンスニーズが知らされ、今まで以上に建物の維持・管理に関するニーズが顕在化されることが予想されます。また、民泊関連の法整備も進み、単純に「住まう」「商う」ことから「共有する」「多様化する」「無人化する」という変化が予見され、メンテナンスや維持・管理のための「ラストワンマイル」のニーズ増加(※注2)が見込まれております。
(4) 対処すべき課題
住宅や建物を取り巻く環境が激変する経営環境の中、当社グループと致しましては、事業環境の変化に対応するサービス開発力の強化、収益力の向上と財務基盤の強化、「働き方改革」に代表される就労環境の改善などに積極的に取り組み、具体的には「新しい建築サービスの開発・提供」「生産性の向上」「人材の確保と早期戦力化」「経営効率面の向上」の4点を重要課題として取り組んでおります。
「新しい建築サービスの開発・提供」につきましては、当社グループは「住生活基本計画」で掲げられている新しい住宅循環システムを支えるための住宅ライフサイクル全体をワンストップでカバーできる体制を、より充実させることを目指しております。そのための足掛かりとして、経年劣化が進みリフォーム適齢期を迎えた住宅に対する定期点検メニューの追加(10年目点検・15年目点検・20年目点検など)、長期にわたって消費者個々人が負担しなければならない戸建住宅の維持・管理を解決するメニューの開発、従来の「住宅設備延長保証」商品よりも付加価値があり、当社の強みであるリペアサービスを活用した「新しいタイプの住宅設備延長保証商品」の開発、既存住宅再販時に対応するための点検・検査メニューの開発、また、民泊や店舗の無人化に対応するためのサービス開発、それらのサービスを支えるためのコールセンター機能の拡充、「住宅メンテナンス履歴管理」拡充のための業務系基幹システムの増強などへの取り組みを強化する必要があります。主力であるリペアサービス・住環境向け建築サービスの技術力や施工体制網を活用し、住宅建築サービス関連領域に一層サービス領域を拡大していくことに注力します。
「生産性の向上」につきましては、現場稼働の効率化と販売費及び一般管理費の圧縮という2つの課題を認識しております。現場稼働の効率化においては、グループ全体の技術者の稼働状況を俯瞰的に把握できるように基幹システムを増強し、子会社別・地域別・サービス別の需給ギャップを埋めて稼働効率を上げる課題に取り組みます。また、販売費及び一般管理費におきましては、一般的なシステムによる業務効率化に加え、RPAツール(※注3)を導入して業務自動化の試みを行ってきております。自動化を実施した業務数が積み上がってきており(例えば、新規に採用した従業員のデータを基幹システムのマスターに登録する業務や現場から送られてきたPDFデータを基幹システムにアップロードする業務などの事務的な作業の自動化を実施しています)、その成果も顕著になってきております。また、社内において、RPAツール活用のための技術者育成も可能な体制となってきましたので、今後は、RPAによる業務自動化をグループ各社へ展開し、生産性向上のための改革改善速度を早める必要があると認識しています。
「人材の確保と早期戦力化」につきましては、多様で柔軟な就労環境の一層の整備による採用競争力の確保、現在の「早期育成プログラム」の更なるブラッシュアップ、従業員の目標設定や評価の適正化による意欲の向上、協力業者ネットワークの拡大などに取り組み、この環境の変化に対応できるような人材採用・育成体制を整えることも急務であると考えております。
「経営効率面の向上」については、グループ子会社について、効率的かつ効果的に経営を管理し、経営資源を有効に活用できるよう、早期に業務管理手法及び業務フローなどの共通化を図ってまいります。
※注1:「住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築」とは、平成28年に閣議決定された「住生活基本計画」の中において掲げられた住宅ストックからの視点に基づく目標です。従来、日本の住宅事情においては「住宅購入がゴール」という認識が強くありましたが、適切な維持管理やリフォームの実施により、住宅の価値を低下させず、住宅の魅力が市場で評価され、再流通することなどを通じて、住宅を資産として次の世代に継承していく新たな住宅の流れを創出する環境システムを構築することを指しております。
※注2:「メンテナンスや維持・管理のための「ラストワンマイル」のニーズ増加」とは、以下のような状況を指しています。AIやIOTの進化に伴ってスマート住宅が現実のものとなるにつれ、メンテナンスの必要性をセンサーが事前に知らせることにより、従来の、「壊れて初めて気づいた。」といった潜在的メンテナンスニーズが事前に顕在化することになります。検知されたニーズに対応するためには、メンテナンスを行う段階で「技術者が建物に出向く」必要があります(ラストワンマイル)。住設機器や建材の進化もあるため、現在と同じ状況ではないと思われますが、デジタル化が進んでも、最終段階では、やはりアナログ対応が必要になると予想されます。ラストワンマイルのニーズ増加とは、メンテナンスニーズの増加により、上記の様に結果的に技術者の訪問数が増加するであろう状態のことを指しております。
※注3:RPAツールとは、主にオフィスで行われている単純ワークを自動化するロボットツールのことで、RPA(Robotic Process Automation)とは、人工知能を備えたソフトウエアのロボット技術により、定型的な事務作業を自動化・効率化することであります。特にホワイトカラーの業務を補完・代行する仕組みのことであり、当社では、RPAテクノロジーズ株式会社が販売している「BizRobo」を利用しております。