有価証券報告書-第10期(2021/11/01-2022/10/31)
当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を生む世界のトップ企業を創る。」を理念に掲げ、不動産ビジネスの変革を中心に、X-Tech領域のビジネスに取り組んでいます。当社では、“現状”や“常識”にとらわれることなく「ユーザーが未だ体験したことがない、世界を変えるようなサービスを常に創造し、ユーザーに新しい価値を提供する」ことを目指して企業活動を行っております。
(2)経営環境及び経営戦略
① 企業構造及び主要サービス
当社グループは、当社及び子会社15社で構成され、不動産総合ブランド「RENOSY(リノシー)」を中心として、投資用不動産の売買、中古不動産の売買及び売買の仲介、高級賃貸用不動産の賃貸仲介、マンション賃貸管理、サブリース、リフォーム及びリノベーション、家賃債務保証事業、不動産仲介会社及び管理会社向け業務支援システムの開発・運営、投資不動産用ローン申込プラットフォーム等自社プロダクトの開発・運営・外販、中華圏の投資家向け不動産プラットフォーム「神居秒算」の開発・運営、タイの日本人駐在員向け不動産賃貸仲介、M&A・経営コンサルティング、サードパーティ事業者に対するメディア利用や送客サービスを主たる業務としており、(賃貸、売買、リノベーション、投資等)を網羅し、ワンストップでのサービス提供を行っております。
② 競争優位性
当社グループには以下の点で競争優位があると考えております。
③ 事業を行う市場の状況
不動産業界は投資・運用、管理、賃貸、開発・分譲、流通の5つの業態からなり、弊社のビジネスとは、RENOSYマーケットプレイス事業が投資・運用に、ITANDI事業が管理及び賃貸に関連しております。不動産投資市場は約65兆円の市場があり、当社グループが現在注力している首都圏の中古マンションのうち50㎡未満の市場は約1.5兆円となります。また、不動産管理業が関連する全国の借家戸数は1,925万戸、不動産賃貸業が関連する入居申込件数は325万戸、契約件数は228万戸となり、ITANDI事業が対象としている市場は約3,000億円程度と想定しております。
我々が関与する不動産投資や管理・賃貸は以下のようにテクノロジーとの親和性が高いという特徴があります。投資用不動産は、家賃、価格、利回りで数値化可能であるため、金融商品に近く、株式投資と同様に遠方、海外からも投資ができ、購入者のうち約9割の方が内見を行わず売買されます。また、不動産の賃貸は売買と比較して費用負担が少なく手軽で簡単に引越しができ、住み替えがしやすいため、内見ニーズが低く、また法改正によりIT重説(WEB会議などのITを適用して行う、賃貸借契約における重要事項説明)なども可能となり、店舗に行かずとも非対面で手続きができます。
④ 経営戦略
当社グループの中期目標及びそれに対する強化ポイントは以下の通りです。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 不動産取引のオンライン化への取り組み
不動産業界はオンライン化が最も遅れている業界の一つであり、今後は「非対面化」や「電子書面化」が加速することが想定されています。特に電子書面化においては、法改正による規制緩和をビジネスの機会にしていく必要があると考えております。当社グループは従前から積極的に不動産取引のオンライン化におけるプロダクトの開発・製品化を行っており、今後も競争力の強化を図っていく方針であります。
② 安定的収益の確保を実現するSaaS型ビジネスの強化
現在、当社グループは不動産投資事業(いわゆるiBuyer事業)からの収益が大きく、当ビジネスは急拡大を続けておりますが、中期的には安定的な収益の確保が可能となるSaaS(Software as a Service)型ビジネスの強化が必要であると考えております。当社グループにおいては、イタンジ株式会社が主に賃貸領域におけるSaaS型ビジネスを、株式会社RENOSY Xが売買領域におけるSaaS型ビジネスをBtoBビジネスとして手掛けており、SaaS型ビジネスの拡大によりグループ全体の収益の安定性の確保を図っていく方針であります。
③ 「RENOSY(リノシー)マーケットプレイス」事業の強化
(a)マーケットシェアの拡大
当社グループは、従前より知名度の向上等によるマーケットシェアの拡大に努めてまいりましたが、ネットワーク効果による参入障壁を強固にする観点から、更なるマーケットシェアの拡大が必要と考えております。RENOSY会員の獲得を成長ドライバーとし、買い手、売り手を増やすことで取引件数を向上させ、取引件数増加による認知度向上によりRENOSY会員を獲得するという循環を加速したいと考えております。また、商品ラインナップを拡充することによる更なる取引量の拡大も図ってまいります。
(b)マージンの改善
他事業者の中古マンション再販事業への参入による競争激化等により、マージンが低下傾向となっており、改善が必要な状況となっております。当社グループから見た売り手に対するDXによるオーナーからの直接調達の強化、マージンの高い商品ラインナップの拡充、RENOSY会員への付帯サービスの提供等に加え、シェア拡大によるネットワーク効果により、マージンの向上を目指してまいります。
(c)サブスクリプション事業におけるDX
当社グループの株式会社RENOSY ASSET MANAGEMENTは不動産投資運用の資産管理を”賃貸管理”にとどまらない、独自の長期的・安定的、豊富なサービスラインナップを備え、月額のサブスクリプションでサービスを提供しております。事業の更なるDXを通じて、オーナー、入居者、原状回復・リノベーション業者等、当事業に関連する全ての人々の顧客体験及び生産性の向上を目指してまいります。
(d)サードパーティーサービスの拡大
当社グループは、RENOSYマーケットプレイスで獲得した会員に対して、更なる顧客接点の拡大が可能と考えており、顧客の老後資金、資産形成、相続といったお金にまつわる不安や不便に対して、DXを活用して様々な商品ラインナップの提供を開始しております。今後、RENOSY会員に対し、顧客体験、業務生産性の向上に努め、マーケットシェアの拡大を図ってまいります。
(e)海外事業の展開
世界各国の買い手、売り手をマーケットプレイスでマッチングし、クロスボーダーでの不動産取引を実現できるようになる、そのような世界の実現に向けて、テクノロジーとリアルの融合により、今までにない顧客体験の創造を追求するとともに、海外事業にも積極的にチャレンジしていく方針であります。
④ ITANDI事業の強化
(a)管理会社向けSaaSの新規顧客獲得
管理会社と仲介会社、入居希望者間のやり取りの自動化を実現するITANDI BBでは賃貸物件のお部屋探し業務(物件空き確認、内見予約、入居申込、契約等)で提供システムの機能強化を行うことで、独自のポジションを築くとともに、大手管理会社の生産性向上のニーズを捉えることにより、着実に掲載物件数も増加し、多くの仲介会社が閲覧するマーケットプレイスへ成長しております。その結果、ITANDI BBは国内不動産会社の約3割が加入する全日本不動産協会によって、会員向けのインフラシステムとして採択されるに至りました。今後は、全日本不動産協会の会員基盤を活用し、中小企業もターゲットに入居後業務(更新退去、原状回復工事、精算管理等)のプロダクト開発と拡販を進めることで、ロングテール市場における新規顧客獲得を目指してまいります。
(b)仲介会社向けSaaSの新規顧客獲得
賃貸仲介会社向けCRMツールであるノマドクラウドについては、更なる機能開発を継続することで、リアルタイムな物件情報が集まる業者間サイトITANDI BBとの連携を強化しております。これにより、仲介会社の電話・FAX等によるコミュニケーションコストを減らし、エンドユーザーへの速やかなレスポンスが可能となる等、顧客体験の向上及び競合他社との差別化を図り、新規顧客の獲得を推進してまいります。
(c)OHEYAGOのコンテンツ強化
セルフ内見型お部屋探しサイトOHEYAGOは、テクノロジーを用いたスマートなお部屋探し体験により、引き続き高い顧客満足度を獲得しております。OHEYAGOリリース以降の物件増加とサイト改善によりSEOが強化され、利用者数も増加しております。今後も高い顧客満足度を活かしながら、ITANDI BBの拡販を通じて継続的に掲載物件数を増加させることにより、集客力の強化を図ってまいります。
⑤ 新規事業の創出及びM&A
既存の主な事業であるRENOSYマーケットプレイス事業及びITANDI事業は、コア事業として更に強化を行っていく一方で、新たな収益の柱として、新規事業の創出も必要となってくると認識しております。
不動産領域においては、当社の既存事業とのシナジーが期待できる事業への進出を積極的に検討しております。また、不動産に隣接する新たな領域(建設、金融、保険)への進出についても検討を進めていく方針であります。M&Aの実施、社内システムの外部販売や、不動産に隣接する領域に対してのテクノロジーでの進出などにより、新規事業へのチャレンジを進めていく方針であります。
⑥ 内部管理体制の強化
当社グループの更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、当社グループ全体を俯瞰した内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題であると認識しております。当社は、2020年1月28日から監査等委員会設置会社へ移行しましたが、今後も人員の増強、監査等委員と内部監査の連携、定期的な内部監査の実施、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針であります。
⑦ 人材の採用、育成
当社グループは今後の事業の拡大のために優秀な人材の採用、育成が重要な課題であると認識しております。そのため、新卒者の定期的な採用や経験者の中途採用を積極的に実施しております。また、新たに入社した社員に対しては研修を実施する等により人材の育成に取り組んでおります。優秀なエンジニアやセールスの採用は競争が激しくなっておりますが、既存社員の紹介等も積極的に活用することで、当社の成長の根幹を支える人材の採用強化を図っています。今後も積極的な採用を計画しており、社員への研修・教育制度を整備することで、優秀な人材の採用、育成に取り組んでいく方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を生む世界のトップ企業を創る。」を理念に掲げ、不動産ビジネスの変革を中心に、X-Tech領域のビジネスに取り組んでいます。当社では、“現状”や“常識”にとらわれることなく「ユーザーが未だ体験したことがない、世界を変えるようなサービスを常に創造し、ユーザーに新しい価値を提供する」ことを目指して企業活動を行っております。
(2)経営環境及び経営戦略
① 企業構造及び主要サービス
当社グループは、当社及び子会社15社で構成され、不動産総合ブランド「RENOSY(リノシー)」を中心として、投資用不動産の売買、中古不動産の売買及び売買の仲介、高級賃貸用不動産の賃貸仲介、マンション賃貸管理、サブリース、リフォーム及びリノベーション、家賃債務保証事業、不動産仲介会社及び管理会社向け業務支援システムの開発・運営、投資不動産用ローン申込プラットフォーム等自社プロダクトの開発・運営・外販、中華圏の投資家向け不動産プラットフォーム「神居秒算」の開発・運営、タイの日本人駐在員向け不動産賃貸仲介、M&A・経営コンサルティング、サードパーティ事業者に対するメディア利用や送客サービスを主たる業務としており、(賃貸、売買、リノベーション、投資等)を網羅し、ワンストップでのサービス提供を行っております。
② 競争優位性
当社グループには以下の点で競争優位があると考えております。
| 競争優位性 | 内容 |
| オンライン不動産取引のパイオニア | ・ネット不動産による強みで短期間での売上拡大、低い在庫回転期間及び売上高有利子負債比率を実現 ・不動産取引だけでなくSaaSビジネスも展開 |
| リアルとテクノロジーを組み合わせた参入障壁の高い独自のビジネスモデル | ・マネージド・マーケットプレイスによる高品質な商品の提供 ・RENOSYマーケットプレイス上で取引が完結することにより中間業者による中間マージンカットで売手、買手のメリットに ・長期間が必要なリアルオペレーションの構築に不動産取引のオンライン化による顧客体験向上を掛け合わせることにより参入障壁が高い |
| 優良顧客基盤によるストックビジネス | ・既存会員やリファラルからの収入(ストック収入)が60%超 ・会員数の年平均成長率(2017/10期~2022/10期)は98% ・購入DXのターゲット顧客である年収500万円以上は1,580万人、世帯純金融資産5,000万円以上は342万世帯と市場が大きい |
| ネットワーク性が高く継続的に拡大するマーケットプレイス | ・購入DXに加えて、売却DXの強化によりネットワーク効果が高まる好循環モデル |
| 収益性の高いSaaS事業の展開 | ・管理会社向け電子入居申込サービス(申込受付くん)が2年連続利用件数No.1 ・仲介会社向け業務効率化サービス(ノマドクラウド)が売上貢献に対する満足度、サポート体制満足度それぞれでNo.1 ・業者間流通サイト(ITANDI BB)が業者間流通サイトの中で管理会社に導入してほしいサイトNo.1、使いやすいサイトNo.1 ・所属会員数約35,000社を抱える全日本不動産協会の会員向けインフラシステムに、ITANDIのシステムが採用される。当該システムと連携可能なプロダクト群を所属会員に対して提供し、中小企業まで含めた業界全体のデジタル化促進を図る ・基幹システム(ITANDI管理クラウド)の提供開始予定。管理会社の業務フロー全体をカバーすることで更なる利便性の向上を実現。また、基幹システムを起点にロングテールへの導入数拡大とARPU(1社あたり売上高)向上を両立 |
| M&A戦略を通じた非連続の成長力 | ・①市場シェア及び商流拡大、②優良顧客(反響)獲得、③商品ラインアップ拡充、④メディア強化、⑤サービスカバレッジ拡大を軸に、国内、海外でM&Aを展開 ・過去に実施したM&A対象企業はスピーディに業績を改善 |
③ 事業を行う市場の状況
不動産業界は投資・運用、管理、賃貸、開発・分譲、流通の5つの業態からなり、弊社のビジネスとは、RENOSYマーケットプレイス事業が投資・運用に、ITANDI事業が管理及び賃貸に関連しております。不動産投資市場は約65兆円の市場があり、当社グループが現在注力している首都圏の中古マンションのうち50㎡未満の市場は約1.5兆円となります。また、不動産管理業が関連する全国の借家戸数は1,925万戸、不動産賃貸業が関連する入居申込件数は325万戸、契約件数は228万戸となり、ITANDI事業が対象としている市場は約3,000億円程度と想定しております。
我々が関与する不動産投資や管理・賃貸は以下のようにテクノロジーとの親和性が高いという特徴があります。投資用不動産は、家賃、価格、利回りで数値化可能であるため、金融商品に近く、株式投資と同様に遠方、海外からも投資ができ、購入者のうち約9割の方が内見を行わず売買されます。また、不動産の賃貸は売買と比較して費用負担が少なく手軽で簡単に引越しができ、住み替えがしやすいため、内見ニーズが低く、また法改正によりIT重説(WEB会議などのITを適用して行う、賃貸借契約における重要事項説明)なども可能となり、店舗に行かずとも非対面で手続きができます。
④ 経営戦略
当社グループの中期目標及びそれに対する強化ポイントは以下の通りです。
| 事業 | 経営戦略 |
| RENOSYマーケットプレイス | ・マネージド・マーケットプレイス(サービスの質を完全に共有側に任せるのではなく、専門性をテクノロジーでレバレッジし、自らのサービスの質をコントロールするマーケットプレイス)の確立 ・商品ラインアップ拡充により幅広いニーズに対応するとともに、RENOSY会員の顧客資産積み上げにより、売手と買手のエコシステムを構築。さらに購入DXに加え売却DX強化によりネットワーク効果が高まる好循環モデルを確立 ・オーナーアプリの機能充実等による高い顧客満足度を維持 ・プロダクト活用等による強固な顧客資産を築くことにより、売上高に占める既存顧客やリファラル(ストック収入)の比率の向上 ・リピート購入やサブスクリプション契約、その他の付帯サービス等の増加によるLTVの更なる向上 ・住信SBIネット銀行との協業によりエンゲージメント強化によるマーケティングコストの削減、LTVの向上 ・不動産流動化事業の開始による販売活動の効率化による生産性向上、資産効率の向上、シェア拡大 |
| ITANDI | ・業者間サイト、コミュニケーションツール、データベースに至るまで全業務を一気通貫でデジタル化し、パッケージとして提供することにより、不動産会社(管理会社/仲介会社)の9割を占める中小企業が抱える人手不足、予算不足という課題を解決する。その一環として、以下を実施もしくは実施予定 -全日本不動産協会の会員向けインフラシステムに、ITANDIのシステムが採用されることが決定。当該システムと連携可能なプロダクト群を所属会員に対して提供し、中小企業まで含めた業界全体のデジタル化促進を図る -基幹システム(ITANDI管理クラウド)の提供開始予定。管理会社の業務フロー全体をカバーすることで更なる利便性の向上を企図。また、基幹システムを起点にロングテールへの導入数拡大とARPU(1社あたり売上高)向上を両立させる -中小企業を中心として高いブランド認知を誇る株式会社ダンゴネットを買収したことにより、同社の既存顧客へのクロスセル等を実施 サービス別の戦略については、以下の通りであります。 ・ITANDI BBについては、リアルタイム性の強みと利便性の改善により競争優位性の強化を図る ・ITANDI BB+については、ITANDI BBのネットワークを活かした複数サービスの伸長によりARPU(1社あたり売上高)向上を図る ・OHEYAGOについては、SEO強化と高い顧客満足度を活かしたマーケティング施策によりバイラル効果を狙う |
| 財務戦略等 | ・長期でのフリーキャッシュフローを最大化させることを経営目的とし、中期的には、マーケットプレイス事業及びSaaS事業を軸とした価値向上による売上総利益の最大化を目指す ・短期的には既存事業の収益力強化によるリターンの極大化に向けて積極的な成長投資を行い、中長期的には新たな価値創出のための新規事業やM&Aによる非連続な成長に取り組む ・長期的な株価上昇が重要と考え、売上収益成長を最優先し、将来キャッシュフローの最大化を目指すため、短期的には配当による株主還元は行わない方針 ・中期目標として、売上高成長率20~30%、売上総利益率~20%、キャッシュ・コンバージョン・サイクル30日以内、自己資本比率30~40%程度を設定 |
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 不動産取引のオンライン化への取り組み
不動産業界はオンライン化が最も遅れている業界の一つであり、今後は「非対面化」や「電子書面化」が加速することが想定されています。特に電子書面化においては、法改正による規制緩和をビジネスの機会にしていく必要があると考えております。当社グループは従前から積極的に不動産取引のオンライン化におけるプロダクトの開発・製品化を行っており、今後も競争力の強化を図っていく方針であります。
② 安定的収益の確保を実現するSaaS型ビジネスの強化
現在、当社グループは不動産投資事業(いわゆるiBuyer事業)からの収益が大きく、当ビジネスは急拡大を続けておりますが、中期的には安定的な収益の確保が可能となるSaaS(Software as a Service)型ビジネスの強化が必要であると考えております。当社グループにおいては、イタンジ株式会社が主に賃貸領域におけるSaaS型ビジネスを、株式会社RENOSY Xが売買領域におけるSaaS型ビジネスをBtoBビジネスとして手掛けており、SaaS型ビジネスの拡大によりグループ全体の収益の安定性の確保を図っていく方針であります。
③ 「RENOSY(リノシー)マーケットプレイス」事業の強化
(a)マーケットシェアの拡大
当社グループは、従前より知名度の向上等によるマーケットシェアの拡大に努めてまいりましたが、ネットワーク効果による参入障壁を強固にする観点から、更なるマーケットシェアの拡大が必要と考えております。RENOSY会員の獲得を成長ドライバーとし、買い手、売り手を増やすことで取引件数を向上させ、取引件数増加による認知度向上によりRENOSY会員を獲得するという循環を加速したいと考えております。また、商品ラインナップを拡充することによる更なる取引量の拡大も図ってまいります。
(b)マージンの改善
他事業者の中古マンション再販事業への参入による競争激化等により、マージンが低下傾向となっており、改善が必要な状況となっております。当社グループから見た売り手に対するDXによるオーナーからの直接調達の強化、マージンの高い商品ラインナップの拡充、RENOSY会員への付帯サービスの提供等に加え、シェア拡大によるネットワーク効果により、マージンの向上を目指してまいります。
(c)サブスクリプション事業におけるDX
当社グループの株式会社RENOSY ASSET MANAGEMENTは不動産投資運用の資産管理を”賃貸管理”にとどまらない、独自の長期的・安定的、豊富なサービスラインナップを備え、月額のサブスクリプションでサービスを提供しております。事業の更なるDXを通じて、オーナー、入居者、原状回復・リノベーション業者等、当事業に関連する全ての人々の顧客体験及び生産性の向上を目指してまいります。
(d)サードパーティーサービスの拡大
当社グループは、RENOSYマーケットプレイスで獲得した会員に対して、更なる顧客接点の拡大が可能と考えており、顧客の老後資金、資産形成、相続といったお金にまつわる不安や不便に対して、DXを活用して様々な商品ラインナップの提供を開始しております。今後、RENOSY会員に対し、顧客体験、業務生産性の向上に努め、マーケットシェアの拡大を図ってまいります。
(e)海外事業の展開
世界各国の買い手、売り手をマーケットプレイスでマッチングし、クロスボーダーでの不動産取引を実現できるようになる、そのような世界の実現に向けて、テクノロジーとリアルの融合により、今までにない顧客体験の創造を追求するとともに、海外事業にも積極的にチャレンジしていく方針であります。
④ ITANDI事業の強化
(a)管理会社向けSaaSの新規顧客獲得
管理会社と仲介会社、入居希望者間のやり取りの自動化を実現するITANDI BBでは賃貸物件のお部屋探し業務(物件空き確認、内見予約、入居申込、契約等)で提供システムの機能強化を行うことで、独自のポジションを築くとともに、大手管理会社の生産性向上のニーズを捉えることにより、着実に掲載物件数も増加し、多くの仲介会社が閲覧するマーケットプレイスへ成長しております。その結果、ITANDI BBは国内不動産会社の約3割が加入する全日本不動産協会によって、会員向けのインフラシステムとして採択されるに至りました。今後は、全日本不動産協会の会員基盤を活用し、中小企業もターゲットに入居後業務(更新退去、原状回復工事、精算管理等)のプロダクト開発と拡販を進めることで、ロングテール市場における新規顧客獲得を目指してまいります。
(b)仲介会社向けSaaSの新規顧客獲得
賃貸仲介会社向けCRMツールであるノマドクラウドについては、更なる機能開発を継続することで、リアルタイムな物件情報が集まる業者間サイトITANDI BBとの連携を強化しております。これにより、仲介会社の電話・FAX等によるコミュニケーションコストを減らし、エンドユーザーへの速やかなレスポンスが可能となる等、顧客体験の向上及び競合他社との差別化を図り、新規顧客の獲得を推進してまいります。
(c)OHEYAGOのコンテンツ強化
セルフ内見型お部屋探しサイトOHEYAGOは、テクノロジーを用いたスマートなお部屋探し体験により、引き続き高い顧客満足度を獲得しております。OHEYAGOリリース以降の物件増加とサイト改善によりSEOが強化され、利用者数も増加しております。今後も高い顧客満足度を活かしながら、ITANDI BBの拡販を通じて継続的に掲載物件数を増加させることにより、集客力の強化を図ってまいります。
⑤ 新規事業の創出及びM&A
既存の主な事業であるRENOSYマーケットプレイス事業及びITANDI事業は、コア事業として更に強化を行っていく一方で、新たな収益の柱として、新規事業の創出も必要となってくると認識しております。
不動産領域においては、当社の既存事業とのシナジーが期待できる事業への進出を積極的に検討しております。また、不動産に隣接する新たな領域(建設、金融、保険)への進出についても検討を進めていく方針であります。M&Aの実施、社内システムの外部販売や、不動産に隣接する領域に対してのテクノロジーでの進出などにより、新規事業へのチャレンジを進めていく方針であります。
⑥ 内部管理体制の強化
当社グループの更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、当社グループ全体を俯瞰した内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題であると認識しております。当社は、2020年1月28日から監査等委員会設置会社へ移行しましたが、今後も人員の増強、監査等委員と内部監査の連携、定期的な内部監査の実施、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針であります。
⑦ 人材の採用、育成
当社グループは今後の事業の拡大のために優秀な人材の採用、育成が重要な課題であると認識しております。そのため、新卒者の定期的な採用や経験者の中途採用を積極的に実施しております。また、新たに入社した社員に対しては研修を実施する等により人材の育成に取り組んでおります。優秀なエンジニアやセールスの採用は競争が激しくなっておりますが、既存社員の紹介等も積極的に活用することで、当社の成長の根幹を支える人材の採用強化を図っています。今後も積極的な採用を計画しており、社員への研修・教育制度を整備することで、優秀な人材の採用、育成に取り組んでいく方針であります。