有価証券報告書-第9期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
世界の医薬品市場は、大手製薬企業の成長戦略に基づく企業買収や、免疫チェックポイント阻害剤等のがん領域での成長が続いている反面、このような新規作用機序の治療薬の薬価高騰が世界的な問題となっており、米国政府が製薬企業へ価格を下げる要請をするなど、製薬企業の経営戦略が問われ始めています。一方、わが国の医薬品市場は、薬価制度の抜本改革において実施された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」と「市場拡大再算定」の見直しが製薬企業の経営に大きな影響を与えており、費用対効果評価制度の本格実施による薬価への影響など、引き続き厳しい状況が予想されています。
当社では、がん患者の高齢化や新薬の高額化による医療財政への懸念が進む中、経済的にも安心して身内のがん患者にも勧められる治療法を提供することを目指して、「モジュール創薬」に基づく研究開発に取り組み、着実に臨床開発を前進させました。
抗がん剤候補化合物DFP-10917は、急性骨髄性白血病の新しい治療体系に合わせて、治験参加施設のKey Opinion Leader(KOL)による「Advisory Board Meeting」を米国シカゴで開催し、臨床第Ⅲ相試験のプロトコールを一部改訂の上、米国医薬食品局(FDA)に再提出し、症例登録の準備を進めました。抗がん剤候補化合物DFP-14323は、併用する分子標的治療薬の実情に合わせて改訂した臨床第Ⅱ相試験のプロトコールを医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出するとともに、症例登録の完了に向けて治験参加施設の拡大に着手しました。DFP-11207は、臨床第Ⅰ相試験に引き続いて実施した食事の影響試験を完了させ、次の臨床第Ⅱ相試験に向けて治験責任医師との協議を行い、準備を開始しました。抗がん剤候補化合物DFP-14927は、米国での臨床試験の開始に向けて治験責任医師と準備を進め、米国FDA より「臨床試験用の新医薬品(IND)」の承認を取得し、前期第Ⅱ相試験に相当する拡大試験を含んだ臨床第Ⅰ相試験を開始しました。また、抗がん剤候補化合物DFP-17729とDFP-10825は、臨床試験の開始に向けて、着実に準備を進めました。一方、日本新薬㈱に国内開発権並びに販売権をライセンスアウトしているNS-917(当社開発コード:DFP-10917)は、日本での臨床第Ⅰ相試験の開始が遅れたことにより、当該期中に日本新薬㈱からマイルトーンの支払いがありませんでした。
以上の結果、当事業年度におけるマイルストーン等はなく事業収益はありませんでした(前事業年度は150百万円の収益)。事業費用につきましては、開発パイプラインの各臨床試験の症例登録開始時期が変更となった影響などに伴い、研究開発費が376百万円(前事業年度比89.1%の増加)となりました。この結果、営業損失は592百万円(前事業年度は243百万円の損失)、経常損失は671百万円(前事業年度は244百万円の損失)、当期純損失は673百万円(前事業年度は246百万円の損失)となりました。
なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績を記載しておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純損失の計上及び株式の発行による収入等により、前事業年度末に比べ2,727百万円増加し、当事業年度末には3,508百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動に使用した資金は585百万円(前事業年度は100百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純損失671百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動に使用した資金は3百万円(前事業年度は投資活動によるキャッシュ・フローはありませんでした)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は3,316百万円(前事業年度は292百万円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入3,339百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
該当事項はありません。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用及び損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 財政状態の分析
a.資産
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は、前事業年度末比2,700百万円増加し、3,532百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,727百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は、前事業年度末比2百万円増加し、35百万円となりました。
b.負債
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は、前事業年度末比28百万円増加し、56百万円となりました。これは主に、未払法人税等が20百万円、未払金が7百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は、前事業年度末比6百万円減少し、6百万円となりました。これは、長期借入金が6百万円減少したことによるものであります。
c.純資産
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末比2,681百万円増加し、3,504百万円となりました。これは、当期純損失の計上により利益剰余金が673百万円減少したものの、新規上場にともない資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,677百万円増加したことによるものであります。
③ 経営成績の分析
a.事業収益
当事業年度における事業収益は、ありませんでした。
b.事業費用、営業損益
当事業年度における事業費用は592百万円(前事業年度比50.5%増)となりました。これは主に、各開発パイプラインの進捗に伴い、新規の臨床試験の準備や検討などを行ったことによる研究開発費の増加によるものであります。
この結果、営業損失は592百万円(前事業年度は営業損失243百万円)となりました。
c.経常損益
主にコミットメントフィー46百万円、上場関連費用16百万円及び株式交付費15百万円の計上等により、営業外費用が79百万円となり、この結果、当事業年度における経常損失は671百万円(前事業年度は経常損失244百万円)となりました。
d.当期純損益
当事業年度における当期純損失は673百万円(前事業年度は当期純損失246百万円)となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金については、自己資金により充当しています。当事業年度末における現金及び現金同等物は3,508百万円であり、充分な流動性を確保しています。
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当社の中長期における最重要課題は、抗がん剤候補化合物の開発を進めて承認を取得し、当社が開発した抗がん剤の製品売上高により利益を確保することです。当事業年度では、DFP-10917、DFP-11207及びDFP-14323の臨床試験が順調に進んでおり、DFP-14927についても臨床試験を開始し、その次にはDFP-17729及びDFP-10825の臨床試験を開始する予定です。今後も開発パイプラインを着実に進捗させ、抗がん剤の早期上市を実現できるよう、当社は提携パートナーの製薬会社との連携を模索しながら、経営資源を結集して開発に取り組んでまいります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
世界の医薬品市場は、大手製薬企業の成長戦略に基づく企業買収や、免疫チェックポイント阻害剤等のがん領域での成長が続いている反面、このような新規作用機序の治療薬の薬価高騰が世界的な問題となっており、米国政府が製薬企業へ価格を下げる要請をするなど、製薬企業の経営戦略が問われ始めています。一方、わが国の医薬品市場は、薬価制度の抜本改革において実施された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」と「市場拡大再算定」の見直しが製薬企業の経営に大きな影響を与えており、費用対効果評価制度の本格実施による薬価への影響など、引き続き厳しい状況が予想されています。
当社では、がん患者の高齢化や新薬の高額化による医療財政への懸念が進む中、経済的にも安心して身内のがん患者にも勧められる治療法を提供することを目指して、「モジュール創薬」に基づく研究開発に取り組み、着実に臨床開発を前進させました。
抗がん剤候補化合物DFP-10917は、急性骨髄性白血病の新しい治療体系に合わせて、治験参加施設のKey Opinion Leader(KOL)による「Advisory Board Meeting」を米国シカゴで開催し、臨床第Ⅲ相試験のプロトコールを一部改訂の上、米国医薬食品局(FDA)に再提出し、症例登録の準備を進めました。抗がん剤候補化合物DFP-14323は、併用する分子標的治療薬の実情に合わせて改訂した臨床第Ⅱ相試験のプロトコールを医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出するとともに、症例登録の完了に向けて治験参加施設の拡大に着手しました。DFP-11207は、臨床第Ⅰ相試験に引き続いて実施した食事の影響試験を完了させ、次の臨床第Ⅱ相試験に向けて治験責任医師との協議を行い、準備を開始しました。抗がん剤候補化合物DFP-14927は、米国での臨床試験の開始に向けて治験責任医師と準備を進め、米国FDA より「臨床試験用の新医薬品(IND)」の承認を取得し、前期第Ⅱ相試験に相当する拡大試験を含んだ臨床第Ⅰ相試験を開始しました。また、抗がん剤候補化合物DFP-17729とDFP-10825は、臨床試験の開始に向けて、着実に準備を進めました。一方、日本新薬㈱に国内開発権並びに販売権をライセンスアウトしているNS-917(当社開発コード:DFP-10917)は、日本での臨床第Ⅰ相試験の開始が遅れたことにより、当該期中に日本新薬㈱からマイルトーンの支払いがありませんでした。
以上の結果、当事業年度におけるマイルストーン等はなく事業収益はありませんでした(前事業年度は150百万円の収益)。事業費用につきましては、開発パイプラインの各臨床試験の症例登録開始時期が変更となった影響などに伴い、研究開発費が376百万円(前事業年度比89.1%の増加)となりました。この結果、営業損失は592百万円(前事業年度は243百万円の損失)、経常損失は671百万円(前事業年度は244百万円の損失)、当期純損失は673百万円(前事業年度は246百万円の損失)となりました。
なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績を記載しておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純損失の計上及び株式の発行による収入等により、前事業年度末に比べ2,727百万円増加し、当事業年度末には3,508百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動に使用した資金は585百万円(前事業年度は100百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純損失671百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動に使用した資金は3百万円(前事業年度は投資活動によるキャッシュ・フローはありませんでした)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は3,316百万円(前事業年度は292百万円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入3,339百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
該当事項はありません。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 協和化学工業㈱ | 150,000 | 100.0 | - | - |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用及び損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
② 財政状態の分析
a.資産
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は、前事業年度末比2,700百万円増加し、3,532百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,727百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は、前事業年度末比2百万円増加し、35百万円となりました。
b.負債
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は、前事業年度末比28百万円増加し、56百万円となりました。これは主に、未払法人税等が20百万円、未払金が7百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は、前事業年度末比6百万円減少し、6百万円となりました。これは、長期借入金が6百万円減少したことによるものであります。
c.純資産
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末比2,681百万円増加し、3,504百万円となりました。これは、当期純損失の計上により利益剰余金が673百万円減少したものの、新規上場にともない資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,677百万円増加したことによるものであります。
③ 経営成績の分析
a.事業収益
当事業年度における事業収益は、ありませんでした。
b.事業費用、営業損益
当事業年度における事業費用は592百万円(前事業年度比50.5%増)となりました。これは主に、各開発パイプラインの進捗に伴い、新規の臨床試験の準備や検討などを行ったことによる研究開発費の増加によるものであります。
この結果、営業損失は592百万円(前事業年度は営業損失243百万円)となりました。
c.経常損益
主にコミットメントフィー46百万円、上場関連費用16百万円及び株式交付費15百万円の計上等により、営業外費用が79百万円となり、この結果、当事業年度における経常損失は671百万円(前事業年度は経常損失244百万円)となりました。
d.当期純損益
当事業年度における当期純損失は673百万円(前事業年度は当期純損失246百万円)となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金については、自己資金により充当しています。当事業年度末における現金及び現金同等物は3,508百万円であり、充分な流動性を確保しています。
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当社の中長期における最重要課題は、抗がん剤候補化合物の開発を進めて承認を取得し、当社が開発した抗がん剤の製品売上高により利益を確保することです。当事業年度では、DFP-10917、DFP-11207及びDFP-14323の臨床試験が順調に進んでおり、DFP-14927についても臨床試験を開始し、その次にはDFP-17729及びDFP-10825の臨床試験を開始する予定です。今後も開発パイプラインを着実に進捗させ、抗がん剤の早期上市を実現できるよう、当社は提携パートナーの製薬会社との連携を模索しながら、経営資源を結集して開発に取り組んでまいります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。