有価証券報告書-第10期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次の通りであります。
① 経営成績の状況
世界の医薬品市場は、新型コロナウイルスの広範囲な感染拡大によって、医薬品製造に必要な物資の移動制限や、新薬開発における臨床試験の遅延などが発生しておりますが、株価への影響は相対的に小さく、世界的なパンデミックに対応するための抗ウイルス薬やワクチンの開発が、米国を中心として急速に進められています。一方、わが国の医薬品市場は、2019年の医療用医薬品市場が前年比2.8%増の10兆3,100万円となりましたが、日本国内においても新型コロナウイルス感染拡大により、医療機関や製薬企業各社が影響を受けていることに加え、2020年4月に予定されている薬価改定では、薬剤費ベースで4.38%の引き下げとなることが決定され、2019年10月の消費税増税に伴う薬価改定における2.40%の引き下げと併せて、引き続き厳しい状況が予想されています。
当社では、がん患者の高齢化による治療への懸念や新薬の高額化による費用への不安が進む中、経済的にも安心して身内のがん患者にも勧められる治療法を提供することを目指して、「モジュール創薬」に基づく研究開発に取り組み、着実に臨床開発を前進させました。
抗がん剤候補化合物DFP-10917は、米国における臨床第Ⅲ相試験の症例登録、並びに治験施設をさらに拡大しました。一部の医療機関では新型コロナウイルス感染拡大に係る臨床試験への影響がでましたが、影響の少ない地域の医療機関では臨床試験を継続しています。抗がん剤候補化合物DFP-14323は日本国内における臨床第Ⅱ相試験の症例登録を、関西地区の主要基幹病院9施設において順調に進めた結果、2020年3月に予定の症例登録を完了しました。また、DFP-14323に関心を示している中国の製薬企業との協議も継続しています。抗がん剤候補化合物DFP-11207は、米国における臨床第Ⅱ相試験に向けて、治験薬の準備に着手しました。抗がん剤候補化合物DFP-14927は、米国において前期第Ⅱ相試験に相当する拡大試験を含んだ臨床第Ⅰ相試験を開始し、順調に症例登録を進めました。また、抗がん剤候補化合物DFP-10825は臨床第Ⅰ相試験の開始に向けて、前臨床試験並びに治験用原薬の製造を実施しました。なお、抗がん剤候補化合物DFP-17729は2020年3月に日本ケミファ㈱とライセンス契約を締結し、国内における臨床試験の準備に着手しました。
以上の結果、当事業年度の事業収益は、日本ケミファ㈱とのライセンス契約締結による契約一時金を取得したことに伴い、100百万円となりました(前事業年度は事業収益はなし)。事業費用につきましては、開発パイプラインの臨床試験における医療機関並びに症例数の増加、次試験に向けた治験薬となる原薬や製剤の製造などを進めたことなどに伴い、研究開発費が1,397百万円(前事業年度比270.8%の増加)となりました。この結果、営業損失は1,545百万円(前事業年度は592百万円の損失)、経常損失は1,552百万円(前事業年度は671百万円の損失)、当期純損失は1,555百万円(前事業年度は673百万円の損失)となりました。
なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績を記載しておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純損失の計上等により、前事業年度末に比べ1,564百万円減少し、当事業年度末には1,943百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動に使用した資金は1,649百万円(前事業年度は585百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失1,552百万円の計上及び売上債権の増加110百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動に使用した資金は13百万円(前事業年度は3百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出13百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は99百万円(前事業年度は3,316百万円の収入)となりました。これは主に、ストックオプションの行使による収入107百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.当社の事業セグメントは単一であるため、セグメント別の販売実績は記載しておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の財政状態は、以下のとおりであります。
a.資産
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は、前事業年度末比1,416百万円減少し、2,115百万円となりました。これは主に、売掛金が110百万円増加したものの、現金及び預金が1,564百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は、前事業年度末比11百万円増加し、46百万円となりました。
b.負債
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は、前事業年度末比48百万円増加し、105百万円となりました。これは主に、未払金が53百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は、前事業年度末比6百万円減少し、ゼロとなりました。これは、長期借入金が6百万円減少したことによるものであります。
c.純資産
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末比1,447百万円減少し、2,056百万円となりました。これは主に、ストック・オプションの行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ54百万円増加したものの、当期純損失の計上により利益剰余金が1,555百万円減少したことによるものであります。
当社の経営成績は、以下のとおりであります。
a.事業収益
当事業年度における事業収益は、日本ケミファ㈱とのライセンス契約締結による契約一時金を取得したことに伴い、100百万円となりました(前事業年度は事業収益はなし)。
b.事業費用、営業損益
当事業年度における事業費用は1,645百万円(前事業年度比177.7%増)となりました。これは主に、開発パイプラインの臨床試験における医療機関並びに症例数の増加、次試験に向けた治験薬となる原薬や製剤の製造などを進めたことなどに伴う研究開発費の増加によるものであります。
この結果、営業損失は1,545百万円(前事業年度は営業損失592百万円)となりました。
c.経常損益
主に、為替差損6百万円の計上等により営業外費用が7百万円となり、この結果、当事業年度における経常損失は1,552百万円(前事業年度は経常損失671百万円)となりました。
d.当期純損益
当事業年度における当期純損失は1,555百万円(前事業年度は当期純損失673百万円)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当事業年度末における現金及び現金同等物は1,943百万円であり、当社の運転資金については、自己資金により充当しています。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社の中長期における最重要課題は、新規抗がん剤の研究開発を着実に推進すると共に、新たな提携パートナーを開拓してライセンス契約を締結し、承認を取得して製品販売による安定的な収益源を確保することです。当事業年度では、DFP-10917、DFP-14323及びDFP-14927の臨床試験が順調に進んでおります。DFP-11207は米国での臨床第Ⅱ相試験の準備を進め、DFP-17729及びDFP-10825も臨床試験の開始に向けた準備を進めてまいります。今後も開発パイプラインを着実に進捗させ、抗がん剤の早期上市を実現できるよう、当社は提携パートナーの製薬会社との連携を模索しながら、経営資源を結集して開発に取り組んでまいります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用及び損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次の通りであります。
① 経営成績の状況
世界の医薬品市場は、新型コロナウイルスの広範囲な感染拡大によって、医薬品製造に必要な物資の移動制限や、新薬開発における臨床試験の遅延などが発生しておりますが、株価への影響は相対的に小さく、世界的なパンデミックに対応するための抗ウイルス薬やワクチンの開発が、米国を中心として急速に進められています。一方、わが国の医薬品市場は、2019年の医療用医薬品市場が前年比2.8%増の10兆3,100万円となりましたが、日本国内においても新型コロナウイルス感染拡大により、医療機関や製薬企業各社が影響を受けていることに加え、2020年4月に予定されている薬価改定では、薬剤費ベースで4.38%の引き下げとなることが決定され、2019年10月の消費税増税に伴う薬価改定における2.40%の引き下げと併せて、引き続き厳しい状況が予想されています。
当社では、がん患者の高齢化による治療への懸念や新薬の高額化による費用への不安が進む中、経済的にも安心して身内のがん患者にも勧められる治療法を提供することを目指して、「モジュール創薬」に基づく研究開発に取り組み、着実に臨床開発を前進させました。
抗がん剤候補化合物DFP-10917は、米国における臨床第Ⅲ相試験の症例登録、並びに治験施設をさらに拡大しました。一部の医療機関では新型コロナウイルス感染拡大に係る臨床試験への影響がでましたが、影響の少ない地域の医療機関では臨床試験を継続しています。抗がん剤候補化合物DFP-14323は日本国内における臨床第Ⅱ相試験の症例登録を、関西地区の主要基幹病院9施設において順調に進めた結果、2020年3月に予定の症例登録を完了しました。また、DFP-14323に関心を示している中国の製薬企業との協議も継続しています。抗がん剤候補化合物DFP-11207は、米国における臨床第Ⅱ相試験に向けて、治験薬の準備に着手しました。抗がん剤候補化合物DFP-14927は、米国において前期第Ⅱ相試験に相当する拡大試験を含んだ臨床第Ⅰ相試験を開始し、順調に症例登録を進めました。また、抗がん剤候補化合物DFP-10825は臨床第Ⅰ相試験の開始に向けて、前臨床試験並びに治験用原薬の製造を実施しました。なお、抗がん剤候補化合物DFP-17729は2020年3月に日本ケミファ㈱とライセンス契約を締結し、国内における臨床試験の準備に着手しました。
以上の結果、当事業年度の事業収益は、日本ケミファ㈱とのライセンス契約締結による契約一時金を取得したことに伴い、100百万円となりました(前事業年度は事業収益はなし)。事業費用につきましては、開発パイプラインの臨床試験における医療機関並びに症例数の増加、次試験に向けた治験薬となる原薬や製剤の製造などを進めたことなどに伴い、研究開発費が1,397百万円(前事業年度比270.8%の増加)となりました。この結果、営業損失は1,545百万円(前事業年度は592百万円の損失)、経常損失は1,552百万円(前事業年度は671百万円の損失)、当期純損失は1,555百万円(前事業年度は673百万円の損失)となりました。
なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績を記載しておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純損失の計上等により、前事業年度末に比べ1,564百万円減少し、当事業年度末には1,943百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動に使用した資金は1,649百万円(前事業年度は585百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失1,552百万円の計上及び売上債権の増加110百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動に使用した資金は13百万円(前事業年度は3百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出13百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は99百万円(前事業年度は3,316百万円の収入)となりました。これは主に、ストックオプションの行使による収入107百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
| 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 100,000 | 0.0 |
(注)1.当社の事業セグメントは単一であるため、セグメント別の販売実績は記載しておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 日本ケミファ㈱ | - | - | 100,000 | 100.0 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の財政状態は、以下のとおりであります。
a.資産
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は、前事業年度末比1,416百万円減少し、2,115百万円となりました。これは主に、売掛金が110百万円増加したものの、現金及び預金が1,564百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は、前事業年度末比11百万円増加し、46百万円となりました。
b.負債
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は、前事業年度末比48百万円増加し、105百万円となりました。これは主に、未払金が53百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は、前事業年度末比6百万円減少し、ゼロとなりました。これは、長期借入金が6百万円減少したことによるものであります。
c.純資産
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末比1,447百万円減少し、2,056百万円となりました。これは主に、ストック・オプションの行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ54百万円増加したものの、当期純損失の計上により利益剰余金が1,555百万円減少したことによるものであります。
当社の経営成績は、以下のとおりであります。
a.事業収益
当事業年度における事業収益は、日本ケミファ㈱とのライセンス契約締結による契約一時金を取得したことに伴い、100百万円となりました(前事業年度は事業収益はなし)。
b.事業費用、営業損益
当事業年度における事業費用は1,645百万円(前事業年度比177.7%増)となりました。これは主に、開発パイプラインの臨床試験における医療機関並びに症例数の増加、次試験に向けた治験薬となる原薬や製剤の製造などを進めたことなどに伴う研究開発費の増加によるものであります。
この結果、営業損失は1,545百万円(前事業年度は営業損失592百万円)となりました。
c.経常損益
主に、為替差損6百万円の計上等により営業外費用が7百万円となり、この結果、当事業年度における経常損失は1,552百万円(前事業年度は経常損失671百万円)となりました。
d.当期純損益
当事業年度における当期純損失は1,555百万円(前事業年度は当期純損失673百万円)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当事業年度末における現金及び現金同等物は1,943百万円であり、当社の運転資金については、自己資金により充当しています。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社の中長期における最重要課題は、新規抗がん剤の研究開発を着実に推進すると共に、新たな提携パートナーを開拓してライセンス契約を締結し、承認を取得して製品販売による安定的な収益源を確保することです。当事業年度では、DFP-10917、DFP-14323及びDFP-14927の臨床試験が順調に進んでおります。DFP-11207は米国での臨床第Ⅱ相試験の準備を進め、DFP-17729及びDFP-10825も臨床試験の開始に向けた準備を進めてまいります。今後も開発パイプラインを着実に進捗させ、抗がん剤の早期上市を実現できるよう、当社は提携パートナーの製薬会社との連携を模索しながら、経営資源を結集して開発に取り組んでまいります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用及び損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。