訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/12/11 15:00
【資料】
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【項目】
82項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、全社員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類の進歩発展と平和に貢献し、時代を先取る積極経営を展開することを経営理念とし、インターネットビジネスの可能性を追求し、一人でも多くの方にその利便性・楽しさ・文化的な豊かさを伝え、グローバルな経営に取り組んでまいります。
(2)経営環境及び経営戦略
当社グループの主軸事業であるEC通販市場は、EC化率(全ての商取引のうち、電子商取引が占める割合)の上昇によって拡大しておりますが、印章業界全体の市場規模はやや減少傾向にあり企業間競争は更に激しくなる状況が続くと考えております。また、ECサイトへの顧客流入経路の変化による広告コスト(広告のクリックに対して料金が発生するWEB広告など)の増加や人材不足によるコスト(雇用単価上昇による人件費、配達員不足による商品配送コストなど)の増加の傾向がみられることから、企業収益への影響は強まると考えております。
このような環境下で、当社グループにおいては、今後は、EC通販事業に加え、当社グループ以外に向けたデジタルマーケティング事業も展開する事で2本の柱の構築を目指してまいります。
当社グループでは、将来にわたり事業を発展させていくために、多様な専門分野に精通した人材や経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材を確保するとともに、人材の成長基盤を構築することで組織の充実を図り、人から会社を変える仕組みづくりを実施することで、企業価値の向上を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。
目標とする経営指標として、成長率を示す売上高前年対比、利益効率を示す売上高経常利益率、資本効率を示す自己資本利益率(ROE)、資産効率を示す総資産利益率(ROA)を重要な経営指標として位置づけ、積極的かつ戦略的投資ができる体制強化に取り組んでまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①既存事業(EC通販関連分野及びWEBマーケティング分野)の拡大
デジタルマーケティング事業におけるWEBマーケティング分野では、ECサイトへの顧客流入経路の多様化に対応するための広告コストが増加する傾向にありますが、利益の圧迫を回避するために以下の取り組みを実施してまいります。
1.ブランディングの強化をすることで「ハンコヤドットコム」などの指名検索による顧客流入拡大を進めてまいります。
2.新商品開発では、顧客ニーズの情報を参考に、商品開発を進めてまいります。
3.SEOでは、Googleのアルゴリズムの変化への対応施策に継続的に取り組みます。
4.サイト運営・支援サービスでは、現在は当社グループの株式会社ハンコヤドットコム向けとなっておりますが、外部顧客にも同様のサービスを提供できる体制づくりを進めてまいります。
5.システム保守サービスでは、システムの安定稼働はもちろんのこと、サービスの提供先が指標(分析数値や運用効率の改善など)とする分野での提案ができる体制づくりを進めてまいります。
EC通販事業においては、印鑑及びスタンプを中心とした商材を自社グループサイトをはじめとしたインターネット通販サイトで販売しておりますが、スマートフォンの普及により昨今のEC通販市場ではスマートフォン経由での購入が一般化しております。当社グループのECサイトは、このようなデバイスの変化に対応した販売サイトにはなっておりますが、更なる顧客の利便性向上(画面の切替速度や見易さなど)を追求する必要があると認識しております。
また、国内における製造拠点を増設することで即日出荷対応が可能である地域エリアの拡大を実施いたしました。その結果、日本国内の約90%以上の地域に翌日午前中配達が可能となりました。
更に国内の外国人向け商品の展開を行い、今後は海外展開による販売領域の拡大にも取り組むことで、販売件数の増加に繋げてまいります。
②新規事業(デジタル化分野)による収益基盤の拡大
当社グループは、主軸事業であるEC通販事業に次ぐ新たな収益基盤となる新規事業の展開が必要であると考えております。インターネットを通じて、一人でも多くの方にその利便性・楽しさ・文化的な豊かさを伝えるという経営方針のもと、事業化に向けた取り組みを計画しております。
例えば、ポイントカードが複数枚あり、管理や整理ができないという不便に対して、スマートフォンを活用することで、ポイントカードをデジタル化し一元管理できるようにするというデジタルへの置き換え事業のように、世の中に存在する身の回りの“不便”をインターネットやスマートフォンなどを活用し、デジタル化することで便利に変換するビジネスに取り組んでまいります。
③人材の確保と組織体制の強化
当社グループは、人材獲得競争が激しいデジタルマーケティング事業で、次なる成長基盤を構築していくために優秀な人材の確保及び組織体制の強化が必要であると認識しております。当面は経験値の高いキャリア採用を積極的に行うとともに成長基盤を構築し、企業文化の整備をすすめることで人材の定着と能力の向上を行い、適材適所による「人財」を活かす組織運営を行ってまいります。
④財務戦略
当社グループにおける財務戦略として、安定した財務基盤のもと、手元資金の充実を図ることで財務健全性を確保し、成長への計画的な投資及び機動的な投資等に対応できる体制を整えるとともに、販管費のコントロール等により企業体質の強化に努めてまいります。
⑤内部管理体制の整備
当社グループが今後更なる成長を継続するための体制を構築するためには、情報の可視化による認識の共有化及び各種業務の標準化が必要であると考えております。システム化により各種経営指標の数値等の情報を可視化し、定量的データに基づく分析が行える環境を整え、迅速な意思決定を行う体制を構築してまいります。また、業務フローやコンプライアンス等を周知徹底させることで内部管理体制の強化を図り、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。
⑥ブランドの知名度向上
当社グループが運営するハンコヤドットコムサイトについて、事業の更なる拡大及び競合企業との差別化を図るために、知名度向上のためのブランディング施策が重要であると認識しております。そのために、新聞広告、メディア広告を活用し、宣伝及びプロモーションを強化することで、ハンコヤドットコムサイトの知名度向上を図ってまいります。