訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/11/29 11:00
【資料】
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【項目】
84項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、平成28年11月に第36期から第39期を期間とする中期計画TANAKEN2020を策定し、設立35年の節目を迎えた当社の次ステージへのステップアップを目指すことといたしました。2020年の東京オリンピックに向けての建設投資の高まり、東日本大震災後の防災意識の高まり、戦後の建築構造物の維持更新時代の到来等、解体市場は今後拡大傾向が続くものと思われます。この環境下で安定的に業容の維持拡大を図るべく、以下の経営課題に対処するための施策を実施し、競争力の強化、経営全般にわたる一層の効率化を推進し、経営基盤の更なる強化を図ってまいります。
(2) 会社の対処すべき課題
① 主要顧客の拡充
当社の業容拡大は、親密なデベロッパー・ゼネコン・エンドユーザーからの安定受注の拡大をベースに行ってまいりました。中期計画では、今後の都市の再生及び既存施設の建替えニーズに対応するため、これまでの客先における新規先の開拓及び既存顧客の深耕に加え、新たに再開発プロジェクト案件及び官公庁案件への取組に注力することにより、更なる業容の拡大と業績の安定化に努めてまいります。
② 営業先のニーズへの対応力強化
当社の営業担当者は、現場経験者を原則としております。営業先の満足度向上のため、顧客への提案力の向上及び提案サポート資料の充実(分かり易い3D-CAD(注)図面・分かり易い見積もり書)等、サポートツール・マニュアルの充実により、全社レベルでのスキルの均質化・レベルアップに注力し顧客満足度向上に努めてまいります。
(注)CAD(Computer Aided Design):パソコン上で設計図を作成するソフトウェア・システム
③ 現場の安全・安心の推進
当社は現場の作業に関して、社内グループウェアを利用して現場の“見える化”を図っております。現場の進捗状況・当日の作業内容等現場単位での状況把握が可能であり、また、現場社員、本社支援部隊社員、営業社員、管理職、役員全員がタブレット端末を携行することにより、リアルタイムでの現場状況の確認・把握・指示等双方向でのコミュニケーションが可能となっております。今後更にIT技術を積極的に活用して、現場管理・安全管理・現場後方支援等の充実を図るとともに、現場の更なる“見える化”を推進し、現場の緊張感の醸成と現場の“安全・安心”の推進に努めてまいります。
また、工事の安全施工に寄与する工法及び設備に関する研究を絶えず行い、積極的に取り入れることに努めてまいります。
④ 作業品質・環境基準
当社は現在ISO9001を取得し、工事品質の管理の徹底を図っております。また、解体工事業者として環境に配慮した施工に注力している当社は平成29年9月にISO14001を取得し、環境面でも国際規格に則った業務遂行を行うなど、人にやさしい環境づくりに一層貢献してまいります。
⑤ 内部管理体制の充実と機能向上
当社は、企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識し、業務の適正性、財務報告の信頼性確保、及び法令遵守の徹底を進めるため、内部統制の整備運用を進めてまいりました。更なる事業拡大を図るためには、内部管理体制の充実を進める必要があり、事業の急速な拡大等に、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという事態が生じないよう、体制の充実と機能向上に努めてまいります。
⑥ 人材の確保と育成
当社は、今後の事業拡大に合わせて、優秀な人材を継続的に確保し、育成することが、当社の施工体制の拡充や安全衛生管理体制強化の観点からも、重要な経営課題であると認識しております。この課題を克服するために、当社は社内教育を充実させ社員の資質向上を図り、社員一人ひとりがレベルアップをするとともに、会社としても資格取得等を推奨・支援し、中核社員の育成を強化し、会社の持続的発展のための組織体制づくりに注力してまいります。
(3) 経営環境の分析
当期におけるわが国経済は、米国新政権の政策に対する不確実性などにより先行きが不透明な状況があるものの、政府の各種政策の継続により、雇用及び所得環境に改善が見られ景気は穏やかな回復基調が続いております。
当社の属する建設業界においては、建設技能労働者の需給逼迫による労働単価や採用コストの上昇など、施工コスト面での不安材料は残るものの、企業収益の改善による積極的な設備投資や首都圏を中心とする大規模再開発の活発化など、経営環境は回復傾向で推移しております。