有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/11/14 15:00
【資料】
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【項目】
80項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
第8期事業年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は、392,032千円となり、前事業年度末に比べ202,265千円増加いたしました。これは主に、売掛金が112,188千円、現金及び預金が87,599千円増加したことによるものです。
固定資産は、17,992千円となり、前事業年度末に比べ5,356千円増加しました。これは主に、敷金及び保証金が5,523千円増加したことによるものです。
この結果、総資産は410,025千円となり、前事業年度末に比べ207,621千円増加しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は、202,852千円となり、前事業年度末に比べ107,094千円増加しました。これは主に、買掛金が22,181千円、未払金が59,222千円増加したことによるものです。
固定負債は、10,242千円となり、前事業年度末に比べ8,218千円減少しました。これは、長期借入金が8,218千円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は213,094千円となり、前事業年度末に比べ98,876千円増加しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、196,931千円となり、前事業年度末に比べ108,745千円増加しました。これは主に、利益剰余金が29,254千円減少した一方で、資本金及び資本剰余金がそれぞれ69,000千円増加したことによるものです。
第9期第3四半期累計期間(自 平成29年10月1日 至 平成30年6月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における総資産は、450,662千円となり、前事業年度末に比べ40,637千円増加いたしました。これは主に、売掛金が28,226千円増加したことによるものです。
(負債)
負債合計は、224,298千円となり、前事業年度末に比べ11,204千円増加いたしました。これは主に、買掛金が11,960千円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産は226,363千円となり、前事業年度末に比べ29,432千円増加いたしました。これは、新株予約権の行使により資本金と資本準備金がそれぞれ8,125千円増加したことと、四半期純利益を13,182千円計上したことによるものです。

(3) 経営成績の分析
第8期事業年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
(売上高)
スマートフォン・タブレット端末向けを中心に、電子コミック市場は拡大していると推計されていますが、その一方で、競合他社の新規参入が増加しており、競争が激化しています。
このような事業環境のもと、出版社及び作品著作権者との関係構築強化に努め、幅広いジャンルの優良作品を提供できました。また、ユーザー視点でのサービス・機能追加とともに積極的な広告宣伝を実施し、弊社サービスに対するユーザーのエンゲージメントを高める施策に注力して参りました。
この結果、当事業年度の売上高は、1,171,086千円(前年同期比200.8%増)となりました。
(売上原価)
売上原価は794,037千円(前年同期比198.2%増)となりました。これは主に、売上の伸長による版権使用料等によるものです。
(販売費及び一般管理費)
ユーザー層の拡大と中長期的な課金ユーザーの獲得を目的として、先行投資的に広告宣伝を強化した結果、広告宣伝費は314,704千円(前年同期比238.7%増)となりました。なお、広告宣伝は、継続的に効果検証を実施し効率化を図っています。
この結果、販売費及び一般管理費合計は、402,955千円(前年同期比185.0%増)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、1千円となりました。
営業外費用は、1,416千円となりました。これは主に、新株の発行に伴う株式交付費1,083千円によるものです。
(法人税等)
法人税等は、1,932千円となりました。
以上の結果、当事業年度の営業損失は25,906千円(前事業年度は営業損失18,307千円)、経常損失は27,321千円(前事業年度は経常損失18,733千円)、当期純損失は29,254千円(前事業年度は当期純損失19,711千円)となりました。
第9期第3四半期累計期間(自 平成29年10月1日 至 平成30年6月30日)
(売上高)
平成29年の電子版の漫画単行本の推定販売金額は1,711億円となり、紙の漫画単行本の推定販売金額1,666億円を上回るなど、電子コミック市場は益々拡大していると推計されています。一方で、平成29年9月頃から海賊版サイトの利用者が増加したことにより、一部のユーザーが流出してしまう事態が発生いたしました。平成30年4月に政府によるサイトブロッキング対策がされ、回復傾向にありますが、当第3四半期累計会計期間においては、高成長を維持していた成長率が低下しました。
これらの結果、売上高は917,529千円となりました。
(売上原価)
売上高に応じて、売上原価が602,457千円発生いたしました。
(販売費及び一般管理費)
費用対効果が最大となるように広告宣伝を実施したため、広告宣伝費は213,273千円となりました。この結果、販売費及び一般管理費合計は、298,445千円となりました。
(営業外損益)
正規雇用転換促進助成金収入1,400千円により、営業外収益が1,401千円となりました。
営業外費用は320千円となりました。
(法人税等)
法人税等は、4,523千円となりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の営業利益は16,625千円、経常利益は17,706千円、四半期純利益は13,182千円となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
第8期事業年度(自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ87,599千円増加し、181,099千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、32,111千円の支出となりました。主な要因は、売上の増加に伴う営業債権債務の増減により15,745千円の支出(仕入債務の増加額22,181千円、未払金の増加額59,222千円、前受金の増加額15,038千円に対し、売上債権の増加額112,188千円)と先行投資として広告宣伝を活発に実施した結果、税引前当期純損失を27,321千円計上したことにあります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは6,887千円の支出となりました。主な要因は、会社規模の拡大に伴い本社移転を行い、敷金及び保証金の差入による支出7,245千円が発生したことにあります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは126,599千円の収入となりました。主な要因は、株式の発行による収入136,917千円であります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
「第2 事業の状況 1 業績等の概要」及び「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の主力サービスであるマンガアプリ「マンガBANG!」を中心に、幅広いジャンルの優良作品を提供することと、新しいマネタイズ手法を確立することで、新規顧客の掘り起こしに取り組んでいきます。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者は「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載されている様々な課題に対処し、ユーザーにより良いサービスを継続的に提供していくことが必要であると認識しております。そのため、経営者は、現在の事業環境並びに入手可能な外部環境の変化に関する情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めております。