有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2018/11/06 15:01
【資料】
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【項目】
98項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
当社は、「夢が溢れる世界のために、人のあらゆる可能性を切り拓きます- all the possibilities -」というMissionに基づき、様々な業界、企業で活躍する人材を人材育成事業によって支援しております。
多くの企業において人材育成の必要性は認知されており、市場規模は安定的ではあるものの、投資対効果が見えづらいために、大きく成長する市場ではありませんでした。しかし、労働人口の長期的な減少を背景とした、労働生産性向上のニーズの高まりや、AI技術の革新による人の付加価値向上ニーズによって人材育成業界への期待は高まっています。この期待に応えるには『育成の成果』を明らかにし、より大きな投資に見合うサービスであるという認知の獲得が最重要課題と認識しております。
当該課題認識の下、対策として以下の施策を実施してまいります。
a.育成成果施策
当社は投資対効果を明らかにする育成の成果の可視化だけでなく、育成成果を最大化するために、蓄積された測定データを活用し、顧客企業ごとに最適化されたサービス提供が必要と考えております。
そのために当社は、顧客ニーズに沿ったカスタマイズが必須であると考え、カスタマイズチームを持ち、蓄積されたノウハウやデータを活用して、顧客企業の課題を解決する育成ソリューションを今後も提供してまいります。
また、海外派遣研修や法人向け「ALUGO」は、数週間にわたる受講者1人1人の効果測定を行うことで、企業単位だけではなく、受講者単位で個別に最適化されたサービスの提供を実施しております。蓄積されたデータを活用することによる予測化(注1)を行うことで、『育成の成果』を短期間で実現することに取り組んでおります。
今後もこのような、育成成果を短期間で実現するためのソリューションに対する研究開発活動に重点投資してまいります。
(注1) 大きく成長するタイミング、成長が停滞してしまうタイミングとその理由を予測することによって講師やカウンセラーが適切なアドバイスを行い、成長のスピードの加速をアシストすること。
b.個人向け「ALUGO」の拡大
大手法人顧客向けに提供している英会話モバイルマンツーマントレーニング「ALUGO」のサービスノウハウを活用し、平成28年4月より個人向け「ALUGO」を新規事業として開始しております。当連結会計年度においてはマーケティングに注力することで拡大のための基盤づくりを行いました。また、サービスについても個人ごとに最適化されたカリキュラムの提供を行うための体制を強化いたしました。今後も、継続的にこのような取り組みや、当社に蓄積されているアセスメント、レッスンのデータを活用した機械学習のサービス展開及び拡大のためのシステム等の強化を実施し、リピート顧客及び新規顧客の受注拡大に邁進してまいります。
c.人材育成、生産性の向上
当社は、市場の動きや顧客のニーズを汲み取り、お客様ごとに異なる経営課題を分析することで、課題解決に結びつく研修の実施や事前事後の施策などの組み合わせによる最適なソリューションを提供することを目指しております。
当社は、当社人材の知識やノウハウの蓄積及び中長期にわたる業務習熟度の向上を図り、お客様にとっての最適なソリューションの提供を実現するため、人材の育成、生産性の向上が取り組むべき課題であると認識しております。
人材の育成につきましては、当社の営業部門に求められる、お客様のニーズの深掘りを実施し課題を抽出する力や、カスタマイズチームに求められる、お客様の課題を解決する為の力、具体的には、最適な研修プログラムの開発能力及び事後施策等の開発能力並びに多種多様な育成に関する知識やノウハウを持った人材の育成が必要であると認識しております。
これまで当社は、上記の能力を持った人材の育成のために、階層別の研修や管理職研修を継続的に実施することで、早期の戦力化を実現する人材の能力向上に取り組んでまいりました。
上記に加え、当社の新たな取り組みとして、外部資格取得支援などの人材育成施策の拡充を行い、人材の育成に努めました。
また、習熟した人材の定着のため、働き方改革に努め、在宅勤務等様々なライフイベントに応じた多様な働き方を支援する制度の導入を推進し、安定的かつ長期的に人材が活躍出来る環境作りに取り組んでまいりました。
一方で、生産性の向上につきましても、「育成の成果」に繋がる提案、納品事例を体系化するなどのナレッジマネジメントを行い、育成に関する知識やノウハウの体系化に取り組むことで、提案活動業務の効率化などの生産性の向上を実現してまいりました。
今後も当社は、生産性のさらなる向上に向け、業務フローの見直しや定型業務のシステム化を実施し、顧客の価値創出に直接関わる業務への選択と集中を行ってまいります。
d.内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上の為、内部管理体制の充実が不可欠であると認識しており役職員のコンプライアンス意識の向上、当社連結子会社ならびに各事業の取引態様に則した内部管理体制を構築するなど、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
今後は、上記に加え、情報セキュリティ関連システムを中心にデータを安全で効率的に管理する体制の強化を更に進めてまいります。