有価証券報告書-第36期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「人を想い、人に寄り添うことでよりよい世界を実現する」を企業ビジョンとして掲げております。旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、世界各地から奥深い魅力ある体験を世界中の旅行者に届けます。
当社グループのサービスは業界内でも独自性の高さを誇り、その独自性とはバリエーションの広さと奥行きの両方を追求することであります。また、ここでのバリエーションの広さとは旅行者の数に関わらず世界中の現地体験ツアーをジャンル別に幅広く提供することであり、奥行きとは個性豊かな商品を漏れなく、かつ、重複なく提供することであります。そして取扱う商品情報の正確性と品質・安全性に責任を持ち「ベルトラが扱う商品だから」と常に信頼されるサービスの実現を目指しております。
(2)経営戦略等
上記の経営方針のもと、その事業領域は旅行関連事業を収益区分別に分類し、①当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(以下、「OTA」)事業、②観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」)より構成されております。
当社グループは長年に亘り、現地体験ツアーをオンラインで取り扱ってきた中で築きあげた国内外の約8,000社のツアー催行会社とのネットワークを有し、約22,000の質の高いアクティビティ商品を提供することで顧客満足度の向上に努めてまいりました。その結果、2025年12月末現在において、約260万人の会員基盤を保持しております。今後は、ツアー催行会社とのネットワークや会員基盤等のアセットを最大限に活かしながら、当社グループが旅行という枠を超えて「体験」と「交流」をベースに新しい技術やビジネスモデルを取り入れたサービスに変革させていくことで、新たな収益モデルの確立を行ってまいります。また、インバウンド旅行を含め、需要が急回復した国内旅行事業を強化し、これまで海外旅行事業を主力としていたビジネスポートフォリオを拡張することで、当社グループ全体の収益力を向上させる施策に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。
(4)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴う緩やかな所得増に加え、過去最高を更新し続けるインバウンド需要が地方経済を含む国内消費を強力に下支えいたしました。一方で、実質賃金の伸び悩みによる生活防衛意識の定着や、国内政治の流動化に伴う先行き不安が個人消費の重石となる局面も見られました。国外におきましては、米国新政権の通商政策の進展による不確実性の増大や、長期化する地政学的リスクが国際的なサプライチェーンやエネルギー価格に与える影響が注視されるとともに、為替市場の乱高下が続くなど、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。
当社サービスの対象である旅行業界におきましては、当連結会計期間を通じて、各国のスクールホリデーやクリスマス、年末年始に合わせた旅行需要の一層の高まりが見られました。東アジアでは韓国、台湾、東南アジアではマレーシア、タイ、欧米豪では米国、カナダを中心に、新規就航や増便に伴う航空座席数の増加が強力な押し上げ要因となり、当連結会計年度における訪日外客数は前年比15.8%増の42,683,600人を記録いたしました。これは過去最高であった2024年を580万人以上上回り、年間として初めて4,200万人を突破する史上最多の実績を更新する結果となりました。一方、海外旅行市場におきましては、渡航先の物価高や円安傾向の継続といった経済的要因の影響を受けつつも、年間の出国日本人数は前年比13.3%増の14,731,500人と、底堅い回復基調にあります(出典:日本政府観光局(JNTO))。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 高効率経営の実現と利益成長の加速
これまでの当期純損失の計上から黒字転換を果たし、安定的な収益構造を確立することが最優先の課題であると認識しております。これに対し、当期における黒字化達成を足掛かりとして、主力であるOTA事業の収益拡大をさらに推進するとともに、「生産性の改善」を旗印に掲げ、積極的なテクノロジー活用によるオペレーションの効率化を断行することで、営業利益率のさらなる向上と着実な利益の積み上げを図ってまいります。
② 独自価値の追求によるグローバル競争力の強化
旅行者のニーズが多様化・高度化する中、グローバルOTA競合との差別化を実現し、独自の成長路線を歩むことが不可欠な課題となっております。これに対し、単なる在庫確保に留まらず、現地の催行会社との緊密なパートナーシップに基づいたユニークで魅力ある体験商品の開発・提供を加速させてまいります。併せて、システム連携の深化により予約プロセスの即時性を高め、他社にはない圧倒的な顧客体験を提供することで、グローバル市場におけるプレゼンスを確立してまいります。
③ 組織パフォーマンスの最大化と人的資本の高度化
既存事業の拡大や新たなビジネスモデルの構築を加速させるためには、限られた経営資源の中で組織全体の実行力を極限まで高めることが重要な課題であると認識しております。これに対し、社内人材の適材適所な配置と適切な権限委譲による「組織パフォーマンスの最大化」を推進してまいります。特に、AIをはじめとする先端技術を使いこなし、付加価値の高い業務へシフトするためのスキルの再開発を強力に推進することで、社員一人ひとりが高い生産性を発揮できる環境を整え、エンゲージメントの向上と共に、少数精鋭で高い成果を生む組織体質を構築してまいります。
④ AI時代への完全適応とビジネスモデルの変革
急速に進展するAI技術への対応は、現在進行形で取り組むべき最重要戦略であると捉えております。これに対し、蓄積された膨大な顧客データを基盤としたAI活用の内製化を急ぎ、旅行者一人ひとりに最適化されたパーソナライズ・サービスを即時提供できる体制を構築いたします。AIによる業務プロセスの自動化を全社的に推進し、コスト構造の抜本的改革と付加価値の向上を同時に成し遂げることで、AI時代のリーディングカンパニーとしての地位を確立してまいります。
⑤ ベルトラグループ全体におけるガバナンス及び管理体制の再構築
事業規模の急拡大とグローバル展開の進展に伴い、グループ全社において親会社と同水準の高度な経営管理・統制機能を一貫して浸透させることが、持続的な成長に向けた重要な課題であると認識しております。これに対し、子会社を含めたグループ各社の経理財務、法務、労務といった管理業務の平準化を強力に推進し、親会社の知見を活かしたプロセスの厳格化を図ってまいります。取締役会による監督機能をグループ全体に直接及ぼすとともに、「個人・組織・グループ」の各階層における役割と責任を再定義し、潜在的リスクを未然に防ぐ仕組みをグループ横断で定着させることで、グループ一体となった強固かつ柔軟な経営基盤を構築してまいります。
⑥ 情報セキュリティ・ガバナンスの高度化とリスク管理の徹底
子会社の資金流出事案を重く受け止め、巧妙化するサイバー攻撃や不正アクセス等の脅威に対し、グループ全体の防御力を一律に底上げし、有事の際の事業継続性を確保することが最優先の課題であると認識しております。このため、従来の各社独自の対応を統合し、グループ共通の「情報セキュリティ・ガバナンス」を確立した上で、公的なガイドライン等に基づく高度な監視体制を全グループ会社へ導入いたします。併せて、自然災害やツアー事故等を想定した「BCP(事業継続計画)」の策定・運用をグループ全体で徹底し、継続的な教育・啓発を通じて、高い倫理観と防犯意識に基づいた強固なセキュリティ文化を組織全体に根付かせてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「人を想い、人に寄り添うことでよりよい世界を実現する」を企業ビジョンとして掲げております。旅行者、取引先、株主を含め、当社グループに関わる人たち全ての発展と繁栄を目指し、共に成長する共存共栄の精神で観光産業をリードするとともに、世界各地から奥深い魅力ある体験を世界中の旅行者に届けます。
当社グループのサービスは業界内でも独自性の高さを誇り、その独自性とはバリエーションの広さと奥行きの両方を追求することであります。また、ここでのバリエーションの広さとは旅行者の数に関わらず世界中の現地体験ツアーをジャンル別に幅広く提供することであり、奥行きとは個性豊かな商品を漏れなく、かつ、重複なく提供することであります。そして取扱う商品情報の正確性と品質・安全性に責任を持ち「ベルトラが扱う商品だから」と常に信頼されるサービスの実現を目指しております。
(2)経営戦略等
上記の経営方針のもと、その事業領域は旅行関連事業を収益区分別に分類し、①当社グループが運営する、現地体験ツアーオンライン予約サイト(日本語サイト「VELTRA」、催行地をハワイに特化した英語サイト「Hawaii Activities」)でのツアー予約にかかる収益を得るオンライン・トラベル・エージェント(以下、「OTA」)事業、②観光関連事業者のITインフラを供給するサービス、連結子会社であるリンクティビティ株式会社が展開するチケットプラットフォーム事業など、OTA事業以外から収益を得る事業(以下、「観光IT事業」)より構成されております。
当社グループは長年に亘り、現地体験ツアーをオンラインで取り扱ってきた中で築きあげた国内外の約8,000社のツアー催行会社とのネットワークを有し、約22,000の質の高いアクティビティ商品を提供することで顧客満足度の向上に努めてまいりました。その結果、2025年12月末現在において、約260万人の会員基盤を保持しております。今後は、ツアー催行会社とのネットワークや会員基盤等のアセットを最大限に活かしながら、当社グループが旅行という枠を超えて「体験」と「交流」をベースに新しい技術やビジネスモデルを取り入れたサービスに変革させていくことで、新たな収益モデルの確立を行ってまいります。また、インバウンド旅行を含め、需要が急回復した国内旅行事業を強化し、これまで海外旅行事業を主力としていたビジネスポートフォリオを拡張することで、当社グループ全体の収益力を向上させる施策に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
営業収益成長率並びに営業利益率を重要な指標としております。
(4)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴う緩やかな所得増に加え、過去最高を更新し続けるインバウンド需要が地方経済を含む国内消費を強力に下支えいたしました。一方で、実質賃金の伸び悩みによる生活防衛意識の定着や、国内政治の流動化に伴う先行き不安が個人消費の重石となる局面も見られました。国外におきましては、米国新政権の通商政策の進展による不確実性の増大や、長期化する地政学的リスクが国際的なサプライチェーンやエネルギー価格に与える影響が注視されるとともに、為替市場の乱高下が続くなど、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。
当社サービスの対象である旅行業界におきましては、当連結会計期間を通じて、各国のスクールホリデーやクリスマス、年末年始に合わせた旅行需要の一層の高まりが見られました。東アジアでは韓国、台湾、東南アジアではマレーシア、タイ、欧米豪では米国、カナダを中心に、新規就航や増便に伴う航空座席数の増加が強力な押し上げ要因となり、当連結会計年度における訪日外客数は前年比15.8%増の42,683,600人を記録いたしました。これは過去最高であった2024年を580万人以上上回り、年間として初めて4,200万人を突破する史上最多の実績を更新する結果となりました。一方、海外旅行市場におきましては、渡航先の物価高や円安傾向の継続といった経済的要因の影響を受けつつも、年間の出国日本人数は前年比13.3%増の14,731,500人と、底堅い回復基調にあります(出典:日本政府観光局(JNTO))。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 高効率経営の実現と利益成長の加速
これまでの当期純損失の計上から黒字転換を果たし、安定的な収益構造を確立することが最優先の課題であると認識しております。これに対し、当期における黒字化達成を足掛かりとして、主力であるOTA事業の収益拡大をさらに推進するとともに、「生産性の改善」を旗印に掲げ、積極的なテクノロジー活用によるオペレーションの効率化を断行することで、営業利益率のさらなる向上と着実な利益の積み上げを図ってまいります。
② 独自価値の追求によるグローバル競争力の強化
旅行者のニーズが多様化・高度化する中、グローバルOTA競合との差別化を実現し、独自の成長路線を歩むことが不可欠な課題となっております。これに対し、単なる在庫確保に留まらず、現地の催行会社との緊密なパートナーシップに基づいたユニークで魅力ある体験商品の開発・提供を加速させてまいります。併せて、システム連携の深化により予約プロセスの即時性を高め、他社にはない圧倒的な顧客体験を提供することで、グローバル市場におけるプレゼンスを確立してまいります。
③ 組織パフォーマンスの最大化と人的資本の高度化
既存事業の拡大や新たなビジネスモデルの構築を加速させるためには、限られた経営資源の中で組織全体の実行力を極限まで高めることが重要な課題であると認識しております。これに対し、社内人材の適材適所な配置と適切な権限委譲による「組織パフォーマンスの最大化」を推進してまいります。特に、AIをはじめとする先端技術を使いこなし、付加価値の高い業務へシフトするためのスキルの再開発を強力に推進することで、社員一人ひとりが高い生産性を発揮できる環境を整え、エンゲージメントの向上と共に、少数精鋭で高い成果を生む組織体質を構築してまいります。
④ AI時代への完全適応とビジネスモデルの変革
急速に進展するAI技術への対応は、現在進行形で取り組むべき最重要戦略であると捉えております。これに対し、蓄積された膨大な顧客データを基盤としたAI活用の内製化を急ぎ、旅行者一人ひとりに最適化されたパーソナライズ・サービスを即時提供できる体制を構築いたします。AIによる業務プロセスの自動化を全社的に推進し、コスト構造の抜本的改革と付加価値の向上を同時に成し遂げることで、AI時代のリーディングカンパニーとしての地位を確立してまいります。
⑤ ベルトラグループ全体におけるガバナンス及び管理体制の再構築
事業規模の急拡大とグローバル展開の進展に伴い、グループ全社において親会社と同水準の高度な経営管理・統制機能を一貫して浸透させることが、持続的な成長に向けた重要な課題であると認識しております。これに対し、子会社を含めたグループ各社の経理財務、法務、労務といった管理業務の平準化を強力に推進し、親会社の知見を活かしたプロセスの厳格化を図ってまいります。取締役会による監督機能をグループ全体に直接及ぼすとともに、「個人・組織・グループ」の各階層における役割と責任を再定義し、潜在的リスクを未然に防ぐ仕組みをグループ横断で定着させることで、グループ一体となった強固かつ柔軟な経営基盤を構築してまいります。
⑥ 情報セキュリティ・ガバナンスの高度化とリスク管理の徹底
子会社の資金流出事案を重く受け止め、巧妙化するサイバー攻撃や不正アクセス等の脅威に対し、グループ全体の防御力を一律に底上げし、有事の際の事業継続性を確保することが最優先の課題であると認識しております。このため、従来の各社独自の対応を統合し、グループ共通の「情報セキュリティ・ガバナンス」を確立した上で、公的なガイドライン等に基づく高度な監視体制を全グループ会社へ導入いたします。併せて、自然災害やツアー事故等を想定した「BCP(事業継続計画)」の策定・運用をグループ全体で徹底し、継続的な教育・啓発を通じて、高い倫理観と防犯意識に基づいた強固なセキュリティ文化を組織全体に根付かせてまいります。