有価証券報告書-第8期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ/Liberate Humanity through Technology」というミッションのもと、「最先端のロボティクス技術を追求し、社会インフラに革命を」というヴィジョンを掲げております。当社は自律制御技術を始めとしたロボティクス技術を追求し、常に最先端の技術開発を行っております。それらの技術の社会実装を通じて、人類の活動の基盤となる社会インフラにおける、人類の経済活動の生産性を高め、付加価値の低い業務、危険な業務を一つでも多く代替させ、次世代に向けた社会の進化を推し進めるべく事業を進めております。
(2)経営戦略等
このような事業目的を実現するため、当社では各分野のコアクライアント(一回の取引ではなく、拡張性があり、継続的な取引関係構築が見込めるクライアント)となるパートナー企業とプロジェクトを通じ、各種用途向けの社会実装に必要な要件を洗い出し、実際の経済効果を生み出すドローン・ソリューションを創出していくことを経営の基本方針としております。当社は大きな区分において製品を提供する製造業であるものの、ドローン産業の黎明期における発展を促進していくため、独自のドローン機体やシステムを用いた有償の概念検証(PoC)、顧客業務への実装を行うシステムインテグレーション及び代替プレッシャーの低い特注製品の量産を行うことで、高い水準の収益が持続的に得られ、開発投資の継続による技術革新を推進できるビジネスモデルの確立を目指します。
(3)経営環境
当社を取り巻く産業用ドローン関連事業につきましては、技術の進展とともに様々な産業での利活用が広がっております。特に、当社が注力するインフラ点検、物流・郵便、防災・災害復旧支援分野を中心に、現状業務の効率化・無人化は各産業において喫緊の課題となっており、企業によるこれらの技術に関する投資が拡大しております。
官公庁および関係機関においては、引き続き無人航空機の社会実装を本格化させるとされております。2019年6月に「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」により発表された「空の産業革命に向けたロードマップ2019」にて災害対応やインフラ維持管理等の用途別の施策が取りまとめてられております。2020年3月には、官民協議会により「小型無人航空機の有人地帯での目視外飛行実現に向けた制度設計の基本方針(案)」が提示され、有人地帯上空でのドローン飛行に関する制度の全体像が示されました。また、2019年12月に閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」では、災害対応等の用途拡大に向けた無人航空機の基板技術開発等を進めること、またSociety5.0やSDGsの実現に向けて無人航空機の現場実装の推進を図ることが明記されております。一方で、2018年7月に閣議決定された「サイバーセキュリティ戦略」にて、ドローンがサイバー攻撃を受けて不正操作されるリスクについて言及されております。こうした流れを受け、今後はドローンの社会実装と同時に、セキュリティと安全性を確保することが喫緊の課題となっており、国産のドローンに対する需要の高まりが見込まれています。
インフラ点検においては、国内の老朽化したインフラ設備(製造施設、倉庫、下水道、室内施設等)の維持管理のための点検ニーズの増加と、労働者人口の減少による業務効率化・無人化・IoT化の流れによって、ドローン導入投資が増加しております。各自治体の下水道、化学メーカーのプラント、電力会社の発電所、鉄道会社のトンネルなど様々な分野の点検用途にて複数年にわたる実証実験の継続に伴い、実装に向けた取り組みを進めております。
物流用途においては、国交省より、2018年9月にレベル3(無人地帯での補助者なし目視外飛行)の要件が定められたことに伴い、2019年3月期より福島県での実証実験を行ったことに加え、複数個所でのレベル3の実証実験を行い、商用化に向けて社会的に実装が始まっております。
防災・災害支援用途においても、目視外飛行の要件の整備とともに、頻発する自然災害時における救援等のニーズにおいて、有人ヘリコプターから無人ドローンへの置き換えが具体化しており、国及び自治体の入札案件も増加しております。当事業年度においては台風の影響により孤立した自治体にて、ドローンで生活用品や健康補助食品の輸送を行いました。
このような経営環境の中、当社は主に既存の大手企業を中心としたコアクライアントとの継続案件への取り組みに加え、新規案件・クライアントの獲得を進めてまいりました。当事業年度においては、ソリューションの構築が大幅に拡大し、新規顧客・既存顧客の両方において、ドローン導入のニーズを踏まえた概念検証(PoC;Proof of Concept)、及び顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を推し進めました。特に、既存顧客においては、実運用導入に向けた更なる機能開発、またこれまでと異なった用途向けのシステム開発が拡大しました。さらに、海外展開として、株式会社リバネス及びリバネスシンガポールと連携して、シンガポールにおいての顧客開拓を進めたことに加えて、2019年8月に出資した米AutoModality社を通じた米国における事業展開の具体化を進めております。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に経済活動が大きく停滞しており、今後も経済活動の回復に一定の期間を要すると見込まれているため、今後、当社の事業にも影響を与える懸念があります。今後の影響として、サプライチェーンの部品供給遅れ、製造中止により機体の出荷が遅れる可能性があります。また当社が展開するドローン関連サービスや機体に対して顧客においては「新規技術」や「新規投資」としての位置づけとされることが多いため、顧客が景気悪化を受けて、新規投資を抑制する場合は、新規顧客の増加が見込めない可能性があります。既存顧客については継続した取引を見込んでおりますが、景気のさらなる悪化等があった場合には、既存顧客からの受注が減少する可能性もあります。
このような状況の中、今後、これまで行ってきた海外案件を含め、概念検証(PoC)/カスタム開発を通じた新規顧客獲得による「場の拡大」(クライアント数の増加)、に加え、一部社会実装レベルに到達した「特注ドローンの実運用開始」(出荷機体数の増加)による事業の成長を見込んでおります。さらに、既存のコアクライアントにおける案件継続及び機体の導入、また、新規顧客の獲得により売上高の拡大を企図しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべき課題は下記のように考えております。
① 開発戦略
次世代機体の開発、技術革新への投資を継続し、画像処理(Vision)を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化、4G・5Gネットワークを活用した飛行制御の技術開発、飛行性能及び安全品質を支える基盤技術向上、操作に関連するユーザーインターフェース強化等を継続してきました。加えて、それらを活用し、顧客フィードバック、業務ノウハウを反映した用途特化型のカスタム開発を実施してまいりました。
さらに、プラットフォーム技術の強化に加えて、用途特化型の技術開発を進めると同時に、外部の最先端技術の活用・融合により、効率的な開発を目指してまいります。
② 生産体制
安全品質を最優先事項と位置づけ、開発、営業との連携を強化することで、フィードバック反映のスピードアップなど生産体制のレベルアップを図り、カスタム機体、量産機体における品質向上を推し進めております。また、量産体制の強化に向け、国内外において高品質な部品供給、高い品質での組み立て供給が可能なパートナー企業との連携を開始いたしました。
③ 営業戦略
販売においては、引き続き大企業を中心とした各分野の顧客に対し、業務効率化・無人化を目指した各種用途向けの産業用ドローン・ソリューションの展開を目指します。加えて、顧客基盤の拡大を目指して、国内のパートナー企業ネットワークを強化することに加え、シンガポール、アメリカを中心とした新規地域への展開に取り組んでまいります。
④ 規制への対応
ドローン関連業界を取り巻く規制やガイドライン、特にドローンの目視外飛行についての対応として、関連する経済産業省、国土交通省などの行政機関と引き続き、密な連携を図ってまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
今後一層の事業拡大を進めるにあたり、適切なコーポレート・ガバナンスシステムの構築、コンプライアンス遵守体制の整備に継続して取り組んでまいります。また、監査役、監査法人との連携を図ることで、内部統制システムの適切な運用を進めてまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、急速かつ持続的な利益成長を目指して成長性や効率性の向上に取り組んでおり、主な経営指標として、売上高、研究開発費を特に重視しております。また、当社事業モデルを勘案した上での成長ドライバーとしてのKPIは、コアクライアントに基づいたストック型モデルを想定した上で、コアクライアント数、概念検証(PoC)及びカスタム開発におけるプロジェクトの案件数、特注システムである機体の販売台数があげられます。研究開発費においては、外部パートナーを有効活用することにより、当社としてのコア技術であるSLAMを含めた大脳・小脳の自律制御開発を推進するとともに、当面の目標として売上比率で20%~25%の投資を目標設定しております。
■ 当社が目標とする経営指標(KPI)等

(1)経営方針
当社は、「技術を通じて、人々をもっと大切なことへ/Liberate Humanity through Technology」というミッションのもと、「最先端のロボティクス技術を追求し、社会インフラに革命を」というヴィジョンを掲げております。当社は自律制御技術を始めとしたロボティクス技術を追求し、常に最先端の技術開発を行っております。それらの技術の社会実装を通じて、人類の活動の基盤となる社会インフラにおける、人類の経済活動の生産性を高め、付加価値の低い業務、危険な業務を一つでも多く代替させ、次世代に向けた社会の進化を推し進めるべく事業を進めております。
(2)経営戦略等
このような事業目的を実現するため、当社では各分野のコアクライアント(一回の取引ではなく、拡張性があり、継続的な取引関係構築が見込めるクライアント)となるパートナー企業とプロジェクトを通じ、各種用途向けの社会実装に必要な要件を洗い出し、実際の経済効果を生み出すドローン・ソリューションを創出していくことを経営の基本方針としております。当社は大きな区分において製品を提供する製造業であるものの、ドローン産業の黎明期における発展を促進していくため、独自のドローン機体やシステムを用いた有償の概念検証(PoC)、顧客業務への実装を行うシステムインテグレーション及び代替プレッシャーの低い特注製品の量産を行うことで、高い水準の収益が持続的に得られ、開発投資の継続による技術革新を推進できるビジネスモデルの確立を目指します。
(3)経営環境
当社を取り巻く産業用ドローン関連事業につきましては、技術の進展とともに様々な産業での利活用が広がっております。特に、当社が注力するインフラ点検、物流・郵便、防災・災害復旧支援分野を中心に、現状業務の効率化・無人化は各産業において喫緊の課題となっており、企業によるこれらの技術に関する投資が拡大しております。
官公庁および関係機関においては、引き続き無人航空機の社会実装を本格化させるとされております。2019年6月に「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」により発表された「空の産業革命に向けたロードマップ2019」にて災害対応やインフラ維持管理等の用途別の施策が取りまとめてられております。2020年3月には、官民協議会により「小型無人航空機の有人地帯での目視外飛行実現に向けた制度設計の基本方針(案)」が提示され、有人地帯上空でのドローン飛行に関する制度の全体像が示されました。また、2019年12月に閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」では、災害対応等の用途拡大に向けた無人航空機の基板技術開発等を進めること、またSociety5.0やSDGsの実現に向けて無人航空機の現場実装の推進を図ることが明記されております。一方で、2018年7月に閣議決定された「サイバーセキュリティ戦略」にて、ドローンがサイバー攻撃を受けて不正操作されるリスクについて言及されております。こうした流れを受け、今後はドローンの社会実装と同時に、セキュリティと安全性を確保することが喫緊の課題となっており、国産のドローンに対する需要の高まりが見込まれています。
インフラ点検においては、国内の老朽化したインフラ設備(製造施設、倉庫、下水道、室内施設等)の維持管理のための点検ニーズの増加と、労働者人口の減少による業務効率化・無人化・IoT化の流れによって、ドローン導入投資が増加しております。各自治体の下水道、化学メーカーのプラント、電力会社の発電所、鉄道会社のトンネルなど様々な分野の点検用途にて複数年にわたる実証実験の継続に伴い、実装に向けた取り組みを進めております。
物流用途においては、国交省より、2018年9月にレベル3(無人地帯での補助者なし目視外飛行)の要件が定められたことに伴い、2019年3月期より福島県での実証実験を行ったことに加え、複数個所でのレベル3の実証実験を行い、商用化に向けて社会的に実装が始まっております。
防災・災害支援用途においても、目視外飛行の要件の整備とともに、頻発する自然災害時における救援等のニーズにおいて、有人ヘリコプターから無人ドローンへの置き換えが具体化しており、国及び自治体の入札案件も増加しております。当事業年度においては台風の影響により孤立した自治体にて、ドローンで生活用品や健康補助食品の輸送を行いました。
このような経営環境の中、当社は主に既存の大手企業を中心としたコアクライアントとの継続案件への取り組みに加え、新規案件・クライアントの獲得を進めてまいりました。当事業年度においては、ソリューションの構築が大幅に拡大し、新規顧客・既存顧客の両方において、ドローン導入のニーズを踏まえた概念検証(PoC;Proof of Concept)、及び顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を推し進めました。特に、既存顧客においては、実運用導入に向けた更なる機能開発、またこれまでと異なった用途向けのシステム開発が拡大しました。さらに、海外展開として、株式会社リバネス及びリバネスシンガポールと連携して、シンガポールにおいての顧客開拓を進めたことに加えて、2019年8月に出資した米AutoModality社を通じた米国における事業展開の具体化を進めております。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に経済活動が大きく停滞しており、今後も経済活動の回復に一定の期間を要すると見込まれているため、今後、当社の事業にも影響を与える懸念があります。今後の影響として、サプライチェーンの部品供給遅れ、製造中止により機体の出荷が遅れる可能性があります。また当社が展開するドローン関連サービスや機体に対して顧客においては「新規技術」や「新規投資」としての位置づけとされることが多いため、顧客が景気悪化を受けて、新規投資を抑制する場合は、新規顧客の増加が見込めない可能性があります。既存顧客については継続した取引を見込んでおりますが、景気のさらなる悪化等があった場合には、既存顧客からの受注が減少する可能性もあります。
このような状況の中、今後、これまで行ってきた海外案件を含め、概念検証(PoC)/カスタム開発を通じた新規顧客獲得による「場の拡大」(クライアント数の増加)、に加え、一部社会実装レベルに到達した「特注ドローンの実運用開始」(出荷機体数の増加)による事業の成長を見込んでおります。さらに、既存のコアクライアントにおける案件継続及び機体の導入、また、新規顧客の獲得により売上高の拡大を企図しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべき課題は下記のように考えております。
① 開発戦略
次世代機体の開発、技術革新への投資を継続し、画像処理(Vision)を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化、4G・5Gネットワークを活用した飛行制御の技術開発、飛行性能及び安全品質を支える基盤技術向上、操作に関連するユーザーインターフェース強化等を継続してきました。加えて、それらを活用し、顧客フィードバック、業務ノウハウを反映した用途特化型のカスタム開発を実施してまいりました。
さらに、プラットフォーム技術の強化に加えて、用途特化型の技術開発を進めると同時に、外部の最先端技術の活用・融合により、効率的な開発を目指してまいります。
② 生産体制
安全品質を最優先事項と位置づけ、開発、営業との連携を強化することで、フィードバック反映のスピードアップなど生産体制のレベルアップを図り、カスタム機体、量産機体における品質向上を推し進めております。また、量産体制の強化に向け、国内外において高品質な部品供給、高い品質での組み立て供給が可能なパートナー企業との連携を開始いたしました。
③ 営業戦略
販売においては、引き続き大企業を中心とした各分野の顧客に対し、業務効率化・無人化を目指した各種用途向けの産業用ドローン・ソリューションの展開を目指します。加えて、顧客基盤の拡大を目指して、国内のパートナー企業ネットワークを強化することに加え、シンガポール、アメリカを中心とした新規地域への展開に取り組んでまいります。
④ 規制への対応
ドローン関連業界を取り巻く規制やガイドライン、特にドローンの目視外飛行についての対応として、関連する経済産業省、国土交通省などの行政機関と引き続き、密な連携を図ってまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
今後一層の事業拡大を進めるにあたり、適切なコーポレート・ガバナンスシステムの構築、コンプライアンス遵守体制の整備に継続して取り組んでまいります。また、監査役、監査法人との連携を図ることで、内部統制システムの適切な運用を進めてまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、急速かつ持続的な利益成長を目指して成長性や効率性の向上に取り組んでおり、主な経営指標として、売上高、研究開発費を特に重視しております。また、当社事業モデルを勘案した上での成長ドライバーとしてのKPIは、コアクライアントに基づいたストック型モデルを想定した上で、コアクライアント数、概念検証(PoC)及びカスタム開発におけるプロジェクトの案件数、特注システムである機体の販売台数があげられます。研究開発費においては、外部パートナーを有効活用することにより、当社としてのコア技術であるSLAMを含めた大脳・小脳の自律制御開発を推進するとともに、当面の目標として売上比率で20%~25%の投資を目標設定しております。
■ 当社が目標とする経営指標(KPI)等
