有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/05/24 15:00
【資料】
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【項目】
95項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社経営の基本方針
当社グループは、食を通じてコミュニティの場を提供するとともに、従業員にとっての自己実現の場を提供し、企業として市場の需要への対応、市場において競争力を確保、社会から信用されることを経営の基本理念として、事業の運営と発展に努め、株主の皆様をはじめとする社会の期待に応えてまいります。
それを実現させるために、いかなる従業員であっても、[誇りのある職場づくり]を志すことにより、クオリティの高いサービス及び商品を提供できる店舗づくりに日々心掛け、徹底したコスト管理と品質の高いサービスの提供に取り組むことを経営の基本方針としております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは87店舗(FC7店舗を含む)を展開しております。中部地区を基盤として、関東地区、関西地区へ出店エリアを拡大して100店舗を目指してまいります。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは高い収益性を維持し企業価値を向上させていくため、原価率の低減やコスト管理に努めることにより、事業活動の成果をはかることができる、売上高経常利益率を経営指標として掲げております。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
①既存店舗の収益力の維持拡大
外食産業におきましては、原材料価格の高騰と物流コスト負担の増加により厳しい経営環境下にあります。そのような環境下において当社グループは、各店舗のサラダバー及びビュッフェコーナーで主に取り扱っている原材料のうち、近年特に仕入価格の高騰が顕著である野菜類及び米について、仕入先等との仕入価格交渉等による原価管理を徹底していくことにより、原価率改善による収益力向上を目指しております。
販売費及び一般管理費に関しては、外食産業全体として深刻な問題となっている人員不足及び採用難に伴う人件費関連費用の増加に対して、パート・アルバイトの正社員への積極的な雇用促進や、年間休日日数の見直し、育児休業及び介護休業等を取得しやすい職場環境の改善等の施策に取り組むとともに、年間ベースでコスト削減目標数値を設定し、経常利益率の向上に努めてまいります。さらには客単価を上げるための取り組みとして、季節メニュー(フェアメニュー)の企画や、お客様同士で1つの料理を取り分けて楽しんでもらえる大皿料理のメニュー開発等についても積極的に取り組んでまいります。
また、消費者の節約志向が年々高まってきており、外食産業では企業間における価格競争が激化してきております。今後も引き続き競合他社における販売メニューの内容及び価格動向についての調査を徹底するとともに、お客様に喜ばれるリーズナブルでお手頃な価格のメニュー提供ができるよう取り組んでまいります。
②新規出店に伴う店舗運営体制の強化
当社グループは、中期経営計画に基づき、今後も新規出店に積極的に取り組んでまいります。円滑に新規出店を進めるために、迅速な物件の情報収集、店舗オープン前後の営業指導及び実地トレーニングの徹底、当社グループ内での教育指導者作りを強化してまいります。
③人材の確保及び育成
外食産業におきましては、人材不足の深刻化による採用難及び人件費の上昇が業界全体の収益を圧迫しております。当社グループにおいても、人材不足により意図した新規出店ができなくなるほか、既存店の店舗運営が計画通りに実施できなくなる可能性がございます。また、年々上昇する人件費が収益を圧迫していく可能性もあります。これらの課題に対応するためには、優秀な人材の確保及び社内での人材教育の推進により、品質を落とすことなく店舗運営サービスを効率的に進めていくことが必要不可欠と考えております。人材不足・人件費上昇の課題に対応するため、当社グループでは、独自の取組として、スタッフとお客様との境界線を出来る限り排除する経営(カウンターレス経営)を進めております。具体例といたしましては、あさくまメール会員様向けに「商品開発担当者」や、駐車場の植栽を管理していただく「ガーデニングおじさん」、料理の味・接客サービス・衛生管理等をチェックしていただく「抜き打ちチェッカーさん」等を募集し、実際に業務をしていただくことで、お客様とともに店舗を作り上げていくとともに、人材不足へも対応しております。